かわ い こう た ろ う 氏 名 ・(本 籍 ) 河 井 公大朗 学 位 の 種 類 博 学 位 記 番 号 理 博 第 2 7 3 4号 学位授与年月 日 平成2 5年 3月 2 7日 学位授与 の要件 学位規則第 4条第 1項該 当 研究科, 専攻 東北大学大学院理学研究科 ( 博士課程)数学専攻 学位論文題 目 Submani f ol dsi n G2 mani f ol ds 士 ( 理 学) ( G2多様体 にお ける部分多様体) 論文審査委員 ( 主査) 教 授 宮 岡 礼 子 教 授 板 東 重 稔 教 授 本 多 宣 博 論 文 目 次 1 .I nt r oduc io t J I 2・Pr e l i mi J l ar ie sonc a ibr l a t e dge ome t r ya nd G2ge ome t r y 2. 1 .Ca l i br a t e dGe o me t r y 2. 2 .G2ge o me t r y 3.CoJ I S t r uC iono t fCoas s oc i a t i ves ubma ni f ol dsi nR7 a ndA2 S4 w it hs ymme t r i e s 3. I .Co ns t uc r t i o nofe xa mpl e swi t hs m y e t ie r s 3. 2.Co a s s oc i a t i ves u bma ni f ol dsi nR7 3. 3.Co a s s o c i a t i ves ubma ni f bl dsi nA2 _ ∫4 .Ca l i br a t e dSubmam if o l dsandRe duc ionsofG2 t ma ni f ol ds 4 4. 1 .Re l a t i onst oCa l a bi Ya uma ni f ol ds 4. 2.SLr e d uc t i o nofG2ma ni f ol ds 4. 3.T2 r e d uc t i o nofa m os l tG2ma ni f ol ds 4. 4.Exa mpl e s mani f o l ds 5・De f or ma io t J l SO fas s o c i a ives t ubmani f o l dsi nne rl a ypa ra l l e lG21 5. 1.A ss oc i a ivede t f or ma t i o nsi nne a r l ypa r a l l e lG2ma ni f o l ds 5・ 2・Co mp ut a t i o ni nt hes t a nda r ds phe r eS 7 Appe ndi xA・Pr oof so fPr o pos i ionsi t nCha pt e r3 Appe J l di xB・Pr oo f sofPr o pos i ionsi t nCha pt e r5 Bi bl i ogr a phy 18 7- 論 文 内 容 要 旨 本論文で は、 G2多様体内の c a l i br a t e ds u bma ni f ol ds 、 とりわけその具体的構成 と変形理論 につ いて考察 した。 Ca l i br a t e d幾何の理論 は、極小部分多様体の研究を目的 として Ha Ⅳe yおよび La ws o nによって導入 され た。Ca l i br a t i o nとよばれ る リーマ ン多様体 〟 上 の特別 な閉微分形式 を考え、 それに付随す る極小部分多 c a l i br a t e ds ubma ni f ol ds )を考え る. これは、 ケーラー多様体内の コンパ ク ト複素部分多様体が、 そ 様体 ( のホモロジー類内で体積が最小であるという事実 ( wi r t i nge rの不等式)の一般化である。 Ca l i br a t e d幾何 は リーマ ンホロノ ミー群の理論 と深 い関わ りを持 っている。実際、 ホロノ ミ一群が特定 の群 に還元 され るよ うな リーマ ン多様体 は、 い くつかの 自然 な c a l i br a t i o nを持っ ことが知 られている。 Be r ge rにより既約非対称な計量 を持っ単連結 リーマ ン多様体の取 りうるホロノ ミ一群 は、 so( m) ,U( m) ,s p( m) ,s p( m) s p( 1 ) ,G2 , S pi n( 7 )であることが知 られてお り、本論文で は特 に G2 の場合 を考察 o r s i o n一 缶e eG2多様体 といい、閑かつ余閉な す る。 ホロノ ミ一群が C 2 に含 まれ るような リーマ ン多様体を t 3次微分形式 ¢で特徴づ け られ る。 この意味で C2多様体 は、閉 2次微分形式で特徴づ け られ るシンプ レ クテ ィツク多様体 の一般化 と して捉え られ る。 め( およびその Hodge双対*¢)は c a l i br a t i o nを定 め、 それ a l i br a t e ds u bma ni f ol dを ( c o ) a s s oc i a t i ves ubma ni f o l dという. よ り一般 には、3次微分形式 ¢ らに対応す る c が閉、あるいは余閉 という条件を落 とす ことで、( t o r s i o nB・ e eとは限 らない)G2多様体が定義 され る。 近年で は、t o r s i o n一 丘e e(; 2多様体 は、 カラビ ・ヤウ多様体同様 ミラー対称性 において重要 な役割 を果 た す ことが期待 されている. 1 996 年 に St r o mi nge r ,Ya u,Za s l o w は、 コンパ ク トカラビ ・ヤウ多様体の ミラー 対称性 は、特異 ファイバーを含む特殊 ラグランジュ 3 トーラスの双対 ファイブレーションによ り説明 され o r s i o nre f eG2 多様体 内の c o a s s oc i a t i veファ る、 という予想 を提出 した。 M 理論 において も、 コンパ ク トt イブレーションが、上 と同様の役割を果たす ことが期待 されている。 ◆( c o) a s s oc i a t i ves ubma ni f ol dの具体的構成 本論文 の最初の目的は、( c o) a s s oc i a t i ves ubma ni f ol dの具体的構成である。 これ らは複雑 な偏微分方程式 によって定義 され、具体的な例 の構成が難 しい。 R7上では、 まず Ha ve r y,La ws o nによ って St J t 2)不変 な c oa s s oc i a t i ves ubma ni f ol dが構成 された。Lo t a yは 2ul r e dな例、および発展方程式 によって T2×R袖不変な ものを構成 した.Foxは 2ul r e dc o a s s oc i a t i vec o neか ら、2ul r e dでな く c o neで もない例 の族 を構成 した。 Ka ig r ia nni s ,Mi nOoは S4 ,cp2の反 自己双対東上 に、底空間内の曲面上 の階数 2のある部分束 となる例を 与えた。 cha pt e r3においては、Li e群 の対称性を用 いて c oa s s oc i a t i ves ubma ni f bl dsの更 なる例 を構成す る。 この 手法では、 まず c oa s s oc i a t i ves ubma ni f bl dが余等質性 1の Li e群の作用で保 たれ ると仮定す る。 この場合 には、c oa s s oc i a t i ve条件 を表す偏微分方程式 は、軌道空間上の 1階常微分方程式 に帰着 されることはよ く 知 られている。その常微分方程式を解 くことにより、具体的な構成を考える。 またこの手法では、構成 さ れた部分多様体 に含 まれる特異軌道の様子がわか りやすいという利点がある。 今回 は R7 および S4の反 自己双対東上 に St J t 2),T2×R, 。不変 な ものを構成 した.最初 に、次 の Ha ve r y, La ws onの例を我々の手法 によ り再構成 した。 定理 1 : Pa r ve ya ndLa ws o n)V∈S2⊂ R3 を固定す る。 このとき任意の C≧0に対 して Nc=S U( 2 ). ( ( b・ , 0 , 0 . 0 ) . m, )ER7 : T( 4 7 ・L 5 yZ): =C. r_ >叫 は R7 内の St n t 2)不変 な c oa s s oc i a t i ves u bma ni f ol dである。Sut 2)作用 は、 C2-R4 上 の自然 な Sut 2)作用か -8 8- らR4 の反 自己双対束 に誘導 され る作用である。 C>0の とき、Mcは 2つの連結成分 ME=NcnS U( 2)・ 【 ( bl . 0 . 0 . 0 ) . rt , )∈R7 : ±( 4r2 -5 y2 )>0 ) を もち、M 昌は CPl上 の 自然束 o(-1 )の、M c Lは S3×R の位相 を持っ。 C-0の場合 は、零切断および S 3 ×R の和 と してか ける。更 に この Sut 2)作用 に関 して不変 な c oa s s oc i a t i ves ubma ni f ol dはすべて この形 で 与え られ る。 T2×R, 。作用 の場合 は次 の結果 を得 た。 これ は上記 の Lot a yによ り構成 された もの と比べ、 よ り具体 的 な表示 を与 えている。 , Y : Iう (0,2T/2),♂:Iう R を滑 らかな関数で 定理 2: I⊂ R を十分小 さい開区間 と し、α a 元1 喝( 血 r) 2kmβt 叫 2a一 声 ) dF d , _ _一 i l ( a+β) 喝( t a T L r)= 一t an ( 2a- P)二 面 a一声)+3ta L E L 声dt 盃l を満 たす もの とす る。 この とき oa s s oc i a t i vec o neで、T2×R X Iの位相 を持つ. は R7 の T2 不変 c Ha Ⅳe y,La ws onは四元数、八元数 の計算 を用 いて議論 したが、 ここで はそれ らを用 いない議論 によ り、∫4 の反 自己双対東上 に一般化す ることがで きた。実際、S 4 の反 自己双対束 ^2 -S 4 には Br ya n t ,Sa l a mo nによ o r s i o nBe eG2構造 (¢, , gA )(Å>0 )が入 ることが知 られてお り、 S 4 の立体射影 による局所座標 を とる りt ことで、R7 の場合 とはぼ同様 に議論す ることがで きる。 これ は我 々の手法 の利点である。 定理 3 : V 亡S 2 ⊂R3 を固定す る。 この とき任意 の C∈Rに対 して i ( +a4 ) 盲 血+ A ・榊 2 ,・(( - 両 帝 1+y望 7 -≧0 . y∈Rut G Q‡ は ^2 -S4 内の St J t 2)不変 な c oa s s o c i a t i ves u bma ni f ol dである。Sut 2)作用 は、S 4⊂C 2◎ R 上 の 自然 な st A t 2) 作用か ら反 自己双対束 に自然 に誘導 され る作用であ る。C≠ 0の とき、Mcは CPl 上 の自然束 o( -1 )の位 o neに漸近す る。更 に この 相 を持 っ。 C-0の場合 は、零切断 および S3×R の和 と してか け、 A- 0で c ∫Ⅵ2)作用 に関 して不変 な c o a s s oc i a t i ves u bma ni f bl dはすべて この形 で与 え られ る。 oa s s oc i a t i ves u bma ni f ol dを記述 また更 に、R7 の場合 同様 、S 4 の反 自己双対東上 の T2×R畑作用 で不変 な c す る常微分方程式 も導 出 し、 い くつかの場合 に解 を具体 的に求 めた。 cha pt e r4において は、 自由な S l,T2作用 を もつ G2多様体上 の ( c o) a s s oc i a t i ves ubma ni f ol dを商空間上 の 部分多様体 を用 いて特徴 づ けた。 ^2 -S 4 など知 られて いる多 くの例 で T 2 は作用 してお り、 s l , T2 が作用 す る場合 を考 え るのは自然である。 まず、 6 2多様体 に g lが作用す る場合 には次の定理 を得 る。 定理 4 :( Y , ¢, g)を G2多様体 と L s l が G2構造 を保 って 自由に作用 しているとす る。 この とき Y/s lには sut 3)構造 k, J. ,Tl , ¢土 )が入 る。 この とき、次の 1対 1対応がある。 Y内の S ) 不変 a s s oc i a t i ves ubma ni f ol d⇔ Y/S l内の正則曲線 -8 9- Y内の Sl不変 c oa s s oc i a t i ves ubma ni f ol d⇔ Y/Sl内の pha s e ( 土i )の特殊 ラグランジュ部分多様体 次に a l mos tG2多様体 に T2 が作用す る場合 を考 え る。 この部分が Cha pt e r4の主要部分である。 ここで は Ma ds e n,Swa n nによ って導入 された mul t i mo me ntma pの概念 を用 いる。 これ は S m pl y e c t i c幾何 の mo me nt ma pを拡張 した概念であ る. これによ り、mo me ntma pを用 いた Ca l a bi Ya u多様体内の特殊 ラグランジュ 部分多様体 の構成法 を一般化す ることが可能 になる。 定理 5 ・ '( Y , ¢, g)を a l mos tG2多様体 と し、 T2 が G2構造 を保 って 自由に作用 してお り、 T2 作用 に関す る mul t i mo me n tma pvが存在 す るとす る。 Vは ピ:Y/T2 - Rを誘導 し、 ど によ り Y/T2 上 に 3つの CR構 追( Q=ke r ( dピ ) , 乙)( i =0, 1 , 2)で 之。∠ l ∠ 2i dQ となるものが定 まる。 この とき、次 の l対 1対応 がある。 Y内の T2不変 a s s o c i a t i ves ubma ni f ol d ⇔ Y/T 内の grad(ど)の積分曲線 内の 1次元部分多様体 2 Y内の T2不変 c oa s s oc i a t i ves ubma ni f ol d⇔ Y/T2内の CR ∠。正則曲線 これ ら以外 に も sl , T2軌道 に直交す るよ うな ( c o ) a s s oc i a t i ves u bma ni f ol dも同様 に特徴づ けた. そ して これ らの特徴づ けを用 いて、岩揮多様体 の c o ne上 などにい くつかの例 を構成 した。 ◆ ne a r l ypa r a l l e l G2多様体内の a s s oc i a i tves u bma ni f ol dの変形理論 本論文 の次 の 目的 は、ne a r l ypa r a l l e lG2 多様体上 の a s s oc i a t i ves ubma ni f bl dの無限小変形 に関す る研究 である。G2多様体 Yは、 その c o neが S pi n( 7)多様体 となるとき ( ホロノ ミー群が S pi n( 7)に含 まれ るとき) 、 ne a r l ypa r a l l e lG2多様体 とい う.A ss oc i a t i ves u bma ni f ol dM とは、Yの G2構造 に付随 した 3次元極小部分 a r l ypa r a l l e lG2多様体、a s s oc i a t i ves ubma ni f ol dは多 くの例が知 られている。実際、sp( 2) 多様体である.ne 佐 々木、佐 々木 ・アイ ンシュタイ ン多様体 は ne a r l ypa r a l l e lG2 多様体 ⊂ su( 4)⊂ S pi n( 7)よ り、7次元 3 s s oc i a t i ves u bma ni f ol dとな る。 である。更 にこれ らの特殊 ル ジャン ドル部分多様体 は、a 佐 々木 叩アイ ンシュタイ ン多様体内の特殊 ル ジャン ドル部分多様体 の無限小変形 は、大仁 田義裕氏 に よ り研究がな された。無限小変形 の空間を ラプ ラシア ンの固有空間 と して特徴づ け、S 7 ,so( 5)/SO( 3)内 の等質特殊 ラグ ランジュ部分多様体 の変形空間を幾何学 的に説 明 した。特殊 ラグラ ンジュ部分多様体 は a s s o c i a t i veであ るか ら、次 の自然 な問が考え られ る。 s s oc i a t i ves ubma ni f bl dと して も変形 した場合、 問 6 :特殊 ラグランジュ部分多様体 と してだけで はな く、a 変形 の空間 はどのよ うになるか ? cha pt e r5において は、S7内のい くつかの等質 な a s s oc i a t i ves ubma ni f ol dに対 して、上記 に対す る回答 を与 s s oc i a t i ves ubma ni f o l dは Lo t a yによ り分類 されてお り以下が知 られている. え る.S7の a 命 題 7 :( Lo t a y)S7内 の全 測 地 的 で な く、 か つ 全 測 地 的 な S6に含 ま れ な い連 結 な等 質 a s s oc i a ive t pi n( 7)作用で移 りあ うものを除いて、以下 のいずれか となる。 s u bma ni f ol dは、S Al=T3 ・ 三C ( 1 ・ LI L i ) ≡T 3・ ) f A2 -SU( 2)・E ( 1 D JL l )窒SU(2 -9 0- E3 A3 = ∬ ( 2 )∫ t ( 0 エi . 0)等 SU( 2 ) ここで T 3 ・は T 3 ⊂ sut 4 )の C4上の 自然 な作用 を表 し、sut 2 ) ・は、C 2上への 自然 な作用か らS 3 C2-C4 に 誘導 される作用である。 注意 8 :全測地的な S3 は自明な等質 a s s oc i a t i ves ubma ni f ol dであ り、全測地的な S6 に含 まれ る a s s oc i a t i ve ve r y,La ws o nによって、A2は J o yc eにより構成 された特殊 ラ s ubma ni f ol dは既 に分類 されている。Alは Ha グランジュ部分多様体である。一方、A,は現在知 られている他の幾何 には現れない例 となっている。 本論文では、Li e群 に同型 な a s s oc i a t i ves ubma ni f ol d( 全測地的 S3 , A. , A,) の無限小変形 について考察 し、以 下の結果を得 た。 ,A. はr ig idであ り、 A,は r ig idではない. 定理 9 :全測地的 S3 定理 の証明には、 まず a s s oc i a t i ves u bma ni f o l dの無限小変形 の空間を t wi s t e dDi r a co pe r a t o rの固有空間 と して特徴づ ける。 そ して上のそれぞれの場合 に固有空間を計算す る。計算 には主 に Pe t e rWe ylの定理 を 用 いる。 これは トーラス上 のフー リエ変換を一般の コンパ ク トLi e群上 に拡張 した ものである。 この手法 は大仁田氏 によ り用 い られたもので、 この手法 によ り、複雑な微分方程式を解 くことが可能 にな り、固有 空間の基底 も求めることが可能 となる。 -9 1- 論文審査の結果の要 旨 河井公大朗氏の学位論文の目的 は, G2多様体の (コ) アソシアテ ィプ部分多様体の構成 と, ニア リー パ ラレル C 2多様体のアソシアテ ィブ部分多様体の変形理論である. G2多様体 とはホロノ ミー群が例外 リー群 G2 に含まれる 7次元 ] )-マン多様体で,同様 に特殊 ホロノミ一 群を もっケ-ラー多様体やカラビ-ヤウ多様体が複素幾何で論 じられるのに対 し,実幾何学で論 じねばな らず,既知の事 は少ない. ケ-ラー形式か ら決 まるカ リブレーションに対 して,G2多様体Yに付随す る 3 次微分形式 ¢及 びそのホ ッジスター *¢は Yのカ リブレーションを定め,対応す る部分多様体 は (コ)ア ソシアテイブとよばれる体積最小の部分多様体である. これ らをファイバーとす るファイブレーションは, ミラー対称性の実版 に当た り,その重要度が高 い.一方, この極小部分多様体を定める偏微分方程式 は難 解で,正則性が使えるケーラー幾何や, 1階の微分方程式でかける特殊 ラグランジュ部分多様体 に比べ, その非 自明な具体例 はほとんど知 られていない. 河井氏 は,群 Gが作用す る G2多様体の G不変な (コ) アソシアティブ部分多様体を探す という手法で, R7及 び,S4 の反 自己双対束 の上 に新 しい例 を多数構成 した.群作用の軌道空間に方程式 を落 とす事 によ り,偏微分方程式 は常微分方程式 ( 莱) にな り,具体的, あるいは論理的に解 くことが可能 になる. とは いえ,方程式を明示的に求め,それを解 くためには,深い理解,知識,計算力が必要である.河井氏 はこ れを成 し遂 げ, (コ) アソシアティブ部分多様体 を構成 し,更 にその族か らなる γのファイブレーション にも考察を進 めた. これ とは独立 に, ニア リーパ ラレル C 2多様体 とい う佐 々木多様体などを含む重要 な空間において, ア ソシアテ イブ部分多様体 M の変形空間 Vを調べた. Vの考察 には M の変形 Mtの tに関す る 1次,2次の 項,すなわち,第 1 ,第 2変分の計算が要求 される.第 2変分か ら得 られるヤ コビ作用素 はここではディ ラック作用素 として記述 され, その固有空間の次元がVの次元の評価を与える.河井氏 は等質,特 に リー 群で表 されるアソシアティブ部分多様体 について この次元を計算 し,ある場合 は剛性,他の場合 は変形の 可能性を示 した. 以上の成果 は, 自立 して研究活動 を行 うに必要な高度の研究能力 と学識を有す る事を示 している.従 っ て河井公大朗提出の博士論文 は,博士 ( 理学)の学位論文 として合格 と認める. -9 2-
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