Nov, 2014 ◆外資系学校でも「ベトナム語」と「ベトナム学」を必修科目に 教育訓練省はこのほど、ベトナムにおける教育分野への外国投資に関する政令第 73 号 /2012/ND-CP の施行細則をガイダンスした通達を公布した。同通達は 12 月 1 日に発効する。 同通達には、外資系の小学校・中学校・高校に通うベトナム人生徒に対して「ベトナム語」と 「ベトナム学」の授業の履修を義務付ける規定などが盛り込まれている。いずれもベトナム語に よる授業となる。 小学生の場合、ベトナム語の会話、聴解、読解、記述の基本スキルをバランスよく養成する目 的で、小学 1 年生~5 年生は週に最低 140 分間「ベトナム語」 の授業を履修し、更に 4 年生と 5 年生は週に最低 70 分間、歴史、地理、文化、伝統、習慣などのベトナムに関する基本的な知識 を学ぶ「ベトナム学」も履修す る。 また、中学生と高校生は、週に最低 90 分間「ベトナム学」を学週することとなる。必修科目 に「ベトナム学」を指定することで、外資系学校に通うベトナム人生徒のベトナム人としてのア イデンティティを守ると共に、愛国心を育てることを目指す。 ◆トウモロコシ需要伸び GM 作物生産事業化準備 生活水準の向上により食料需要が高まっているベトナムで近く、遺伝子組み換え(GM)作物 の栽培が始まる見通しになった。 同国の農業農村開発省が 8 月に食用・飼料用の 4 種の GM ト ウモロコシ品種を承認したことを受け、大手メーカーが事業化の準備に入った。 種子開発最大手の米モンサント傘下のデカルブ・ベトナムは規制上の要件を満たせた段階です ぐにでも 2 品種の商業化を進める計画だ。 ベトナムの豚肉消費量は過去 10 年間で 80%増加して おり、豚に与えるトウモロコシの需要が拡大している。 ベトナム政府の調査によれば、このま まいけば、ベトナムの 1 人当たり豚肉消費量は 2010 年代末までに中国や EU を上回ることになる。 トウモロコシの輸入量は過去 3 年で 4 倍以上に伸びた。今年の主な輸入元はすでに GM トウモロ コシを栽培しているアルゼンチンとブラジル。 経済協力開発機構(OECD)のデータによれば、 世界 3 番目の豚肉消費国ベトナムの昨年の 1 人当たり豚肉消費量は 27.4kg だったが、2020 年ま でに 33kg に増加し、中国の 32.6kg、EU の 31.3kg を上回ると試算している。 政府の 8 月の発表では、ベトナムの今年のトウモロコシ輸入量は 450 万トンで、2013 年の 219 万トンの 2 倍を超える見込み。 一方でトウモロコシの国内収穫量は前年比 1.4%増の 527 万ト ンとなるとみられる。 デカルブ・ベトナムの広報担当責任者によれば、試験栽培や第三者による審査といった要件を 満たすには 6 ヶ月以上かかるとみられ、商品の販売が開始されるのは早くても 2015 年末になる 見通しという。残り 2 品種はスイスの同業、シンジェンタが開発したもの。 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)のデータによれば、2013 年時点で GM 作物を栽培する国は 27 ヶ国。 東南アジアではフィリピンがすでに栽培を始めている。 フィリピン政府のデータによれば、今年栽培されたトウモロコシ 120 万 ha 中 75 万 ha が GM 1 品種。 収穫高は 1ha 当たり平均 7 トンで、一般的な品種の 3 トンを大きく上回る。 トウモロ コシ消費量が米国に次いで世界 2 位の中国では生産量を増やすための GM 技術の使用を承認して おり、普及キャンペーンに乗り出しているが、今のところ GM 作物の栽培は始まっていない。 2
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