世界の鉱業の趨勢 2014 ロシア 主要データ 国名(英名) ロシア連邦(Russian Federation) 2 面積(km ) 17,098,242 海岸線延長(km) 37,653 人口(百万人) 142.5 2 人口密度(人/km ) 8.3 GDP(10 億 US$) 2,118.01 一人当り GDP(US$) 14,818.64 主要鉱産物:鉱石 ニッケル、金、タングステン、白金族、ウラン 主要鉱産物:地金 ニッケル、アルミニウム、銅、コバルト、白金族 鉱業管轄官庁 連邦天然資源環境省、連邦地下資源利用庁 (Rosnedra) 鉱業関連政府機関 鉱業法 国家鉱量委員会(GKZ) 連邦予算機関 Rosgeolekspertiza(ロシア地質審査機関) ・地下資源法(1992 年 2 月 21 日施行 No.2395-1) ・外資規制法(2008 年 4 月 29 日施行、No.57-FZ) 外資法 ・外資規制法制定に伴う地下資源法等の改正法(2008 年 4 月 29 日施行、 No.58-FZ) 環境規制法(環境影響調査 ・環境保護法(1995 年 11 月 23 日施行、No.7-FZ) 制度、環境・排出基準の有 ・環境監査法(1995 年 11 月 23 日施行、No.174-FZ) 無等) 鉱業公社 ARMZ Uranium Holding(ウラン開発国営持株会社)、Rosgeologia 鉱業活動中の民間企業 Norilsk Nickel, RUSAL, UMMC, RCC, Polymetal, Polyus Gold 近年の鉱業関連問題 ・2012 年 5 月、Elanskoe 及び Yolkinskoe 銅ニッケル鉱床開発計画に関 (資源ナショナリズム、労 連しヴォロネジ州及びヴォルゴグラード州において環境問題に対する 働争議、環境問題等) 等 大規模な社会的抗議行動が発生し、2013 年も抗議行動が行われた。 ・2013 年 1 月 1 日、ロシアが OECD の原子力機関(NEA)に正式加盟。 ・2013 年 3 月、極東バイカル地域発展国家プログラムを採択。 ・2013 年 4 月 28-30 日、日本の総理としては 10 年ぶりに安倍総理が公式 にロシアを訪問。 ・2013 年夏、ロシア極東の大雨により、アムール川流域で観測史上最大 規模の洪水が発生。 2013 年のトピックス ・2013 年 9 月 5-6 日、ロシア・サンクトペテルブルクで G20 首脳会議開 催。 ・2013 年 11 月 21 日、ウクライナ政府が、EU との連合協定締結作業を先 送りにすることを発表した。これを契機にウクライナの反政府勢力がウ クライナのヤヌコビッチ大統領(当時)の退陣や EU との関係緊密化を 求め大規模なデモが発生。その後のウクライナの混乱がロシアのみなら ず世界各国に影響を与えている。 1 世界の鉱業の趨勢 2014 1.鉱業一般概況 ロシアは石油、ガス、石炭といったエネルギー資源に恵まれた国であり、金属資源についてもその種類・ 埋蔵量ともに豊富である。ロシアは、ニッケル、プラチナ、パラジウム、アルミニウムその他の金属の生 産及び輸出で世界の上位を占める。対日貿易において、金属輸出のシェアは高い(特に、ニッケル、白金族、 アルミニウム)。 2013 年に地質調査に対する連邦予算からの投資総額は 320 億ルーブル以上であり、2014 年に約 350 億ル ーブルに達する見込み。近年では、非政府資金からの投資が増加し、2013 年は約 2400 億ルーブルであっ た。 2013 年のロシアの金属生産は 2.1%減少した。これは 2009 年の金融危機以来、最悪の結果である。 非鉄金属を巡る世界的な需要低迷によりほぼ全ての金属生産が減少した。連邦税関局によると、2013 年の非鉄金属(アルミニウム、ニッケル、銅)の輸出は 5.8%減少し、114.4 億ドルとなった。ロシ アのアルミニウム及び銅の輸出量はそれぞれ 3.4%、12.4%減少したが、ニッケル輸出量は 8.8%増 加した。ロシアのアルミニウム産業は海外市場の不況の影響を受け、ロシアのアルミニウム生産企 業の収益が悪化した。ロシアのアルミニウム生産最大手である UC Rusal 社は、ロシアのヨーロッパ 地域における工場 5 カ所で生産を完全停止または部分停止し、シベリアにおける工場 4 カ所で大幅 減産を実行した。その結果、2013 年ロシアにおけるアルミニウム生産量は 10.5%の減少となった。 また、亜鉛生産量は Electrozinc 工場の大改修により 12.5%減少し、ニッケル生産量は 2.1%減少、 銅生産は 2.4% 減少した。一方、2013 年の金の生産は前年比で 12.6%増加し、254.24t に達した。 この金生産の増加は、金価格が下落している間に生産拡大を図るという、企業の方針転換によるも のとされている。 2.鉱業政策の主な動き (1)2014~2020 年及び 2030 年までのロシアの非鉄金属産業発展戦略 2014 年 5 月 5 日、産業貿易省令により「2014~2020 年及び 2030 年までのロシアの非鉄金属産業 発展戦略」が承認された。2014~2030 年の非鉄金属産業の生産施設建設・近代化投資は 1 兆 2,500 億ルーブルが計画されている。非鉄金属産業発展の主目的は、技術革新の促進、経済効率化、環境 安全性の向上、省資源・省エネ、製品競争力、輸入代替、原料供給の強化により、非鉄金属及び同 製品の増大する需要に応え、国内・CIS・世界市場の金属消費産業に対し必要な種類・品質・供給量 を確保することである。 (2)Rosgeologia 社の 2020 年までの発展戦略 2014 年 5 月 14 日、 「Rosgeologia 社の 2020 年までの発展戦略」が承認された。同戦略では、2014 ~2016 年の民営化予測計画(2013 年 7 月 1 日付ロシア連邦政府令第 1111-r 号により承認)に含ま れる地質・研究関係の国営企業を Rosgeologia 社に統合することとされている。 (3)天然資源の再生と利用 2013 年 3 月 26 日、持続可能な経済を目指す国家プログラムとして、ロシア政府は「2020 年までの天然 資源の再生と利用」を承認した。当該プログラムに掲げられた施策は 2013~2020 年に実施される予定とな っている。これにより、ロシア連邦及び同大陸棚における最新の地質マップの骨格が作られ、燃料・エネ ルギー、農業化学、建設、原子力産業、鉄・非鉄金属等の基幹原料産業の需要を満たす天然資源開発が可 能となる。 (4)レアメタル・レアアース技術 2013 年 1 月 30 日、ロシア政府は国家プログラムとして、 「2020 年までの産業発展及び競争力向上」を取 2 世界の鉱業の趨勢 2014 りまとめた。当該国家プログラムには、ロシアの軍需及び民間産業部門の需要を満たし、海外市場に進出 するために、一貫生産体制で競争力のあるレアメタル・レアアース産業を国内に構築することを目的とし た「レアメタル・レアアースメタル技術」がサブプログラムとして掲げられている。 当該サブプログラムは 2 段階に分かれており、第一段階である 2013 年~2016 年において、鉱床の追加 地質調査を実施し、新技術開発と技術規格システムの整備により、技術的な遅れを克服することになって いる。またレアアース製品の生産と促進に向けた作業が行われ、レアアース国家備蓄が行われる予定であ る。第二段階は 2017 年~2020 年とされており、生産体制構築のための融資に対する政府保証及び税制の 優遇措置等により、レアアース製品の生産体制構築促進を図る予定である。 (5)ニッケル(合金を除く)及び陰極銅の輸出関税の廃止 2014 年 7 月 22 日付連邦政府決定第 688 号「On the amendment of rates of export customs duties on goods exported from the Russian Federation outside the member states of the Customs Union」 により、2014 年 8 月 22 日以降 ニッケル(合金を除く)(HS コード 7502 10 000 0)及び陰極銅及 びその切断片(HS コード 7403 11 000 0)輸出関税率がゼロとされた。 3 世界の鉱業の趨勢 2014 表 2.金属の輸出関税率一覧 非鉄金属 ニッケル 商品名 HS コード 税率 ニッケルのマット 7501 10 000 0 3.75% 焼結した酸化ニッケル 7501 20 000 0 3.75% その他ニッケル製錬の中間生産物 ニッケル(合金を除く)の塊 7502 10 000 0 ニッケル(合金を除く)のくず 7503 00 100 0 0% 23.33%(ただし 1,000 ㎏当たり 560 ユーロを下回らな い) ニッケル合金のくず 7503 00 900 0 23.33%(ただし 1,000 ㎏当たり 560 ユーロを下回らな い) アルミニウム 銅 塊または液状の二次アルミニウム合金 7601 20 910 0 3% 銅のマット及びセメントカッパー(沈殿銅) 7401 00 000 0 7.5% 粗銅及び電解精製用陽極銅 7402 00 000 0 10% 陰極銅及びその断片 7403 11 000 0 0% 銅・亜鉛合金(黄銅)の塊 7403 21 000 0 10% 銅・錫合金(青銅)の塊 7403 22 000 0 10% その他の銅合金 7403 29 000 0 10% 7404 00 100 0 40%(ただし1,000㎏ (7405のマスターアロイを除く)の塊 精製銅のくず 当たり 336 ユーロ を下回らない) 鉛 銅のマスターアロイ 7405 00 000 0 7.5% 鉛のくず 7802 00 000 0 26%(ただし1,000㎏ 当たり91ユーロを 下回らない) 亜鉛 亜鉛のくず 7902 00 000 0 30%(ただし 1,000 ㎏当たり 156 ユー ロを下回らない) 錫 白金 錫のくず 8002 00 000 0 4.88% 品位が1000分の999.5以上の白金の塊 7110 11 000 1 6.5% 出典:2013 年 8 月 30 日付連邦政府決定第 754 号「On approval of the rates of export customs duties on goods exported from the Russian Federation outside the member states of the Customs Union」 (注)2014 年 7 月 22 日付連邦政府決定第 688 号「On the amendment of rates of export customs duties on goods exported from the Russian Federation outside the member states of the Customs Union」に従い、2014 年 8 月 22 日以降 ニッケル(合金を除く)のインゴット(HS コード 7502 10 000 0)と陰極銅及びその切断片(HS コード 7403 11 000 0)輸出関税率はゼロに引き下げら れた。 4 世界の鉱業の趨勢 2014 3.主要鉱産物の生産・消費・輸出・輸入動向 (1)主要金属鉱石生産量 表 3-1.ロシアの金属鉱石生産量 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年 世界シェア (千 t) (千 t) (千 t) 増減比(%) (%) ランク 銅 714.0 720.0 720.0 0.0 4% 8 鉛 113.0 138.0 134.7 -2.4 2% 6 亜鉛 282.0 258.5 276.0 6.8 2% 11 クロム 400.0 400.0 400.0 0.0 1% 11 ニッケル 270.0 268.7 276.0 2.7 11% 3 錫 0.6 0.6 0.6 0.0 0% 14 モリブデン 4.8 4.8 4.8 0.0 2% 8 5,887.5 5,166.0 6,028.0 16.7 2% 8 6.3 7.5 9.0 20.0 6% 2 12.0 14.0 14.0 0.0 0% 8 2.5 3.4 2.4 -29.4 2% 3 0.19 0.18 0.21 14.4 8% 4 ボーキサイト アンチモン ビスマス タングステン 金 銀 1.1 1.4 1.4 0.0 5% 5 26.0 24.9 24.3 -2.4 13% 2 103,553.0 104,012.0 99,741.0 -4.1 3% 5 3.0 2.9 3.0 4.5 5% 6 50.00 50.00 50.00 0.0 2% 3 白金 鉄 ウラン 水銀(t) 出典:World Metal Statistics May 2014 (2)主要金属地金生産量 表 3-2.金属地金生産量 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年 世界シェア (千 t) (千 t) (千 t) 増減比(%) (%) ランク 銅 910.4 891.0 873.6 -2.0 4% 5 鉛 103.0 115.0 112.0 -2.6 1% 16 亜鉛 256.0 256.0 262.4 2.5 2% 13 ニッケル 266.0 266.6 266.4 -0.1 13% 2 80.0 80.0 80.0 0.0 4% 8 1.2 1.4 1.3 -5.8 0% 13 スポンジチタン 40.0 42.0 44.0 4.8 19% 3 マグネシウム 30.0 30.0 30.0 0.0 3% 3 アルミニウム 3,992.0 4,024.0 3,724.0 -7.5 8% 2 コバルト 2,337.0 2,186.0 2,368.0 8.3 3% 10 29.0 19.0 19.0 0.0 10% 4 0.7 0.7 0.7 0.0 3% 7 セレン 錫 テルル カドミウム 出典:World Metal Statistics May 2014 5 世界の鉱業の趨勢 2014 (3)主要金属消費量 表 3-3.金属地金消費量 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年 世界シェア (千 t) (千 t) (千 t) 増減比(%) (%) ランク 銅 585.6 493.7 483.7 -2.0 2.3% 7 亜鉛 212.3 230.8 265.1 14.9 2.0% 7 鉛 17.4 19.7 22.5 14.2 0.2% 34 錫 3.0 3.0 3.2 5.3 0.9% 18 24.0 24.0 24.0 0.0 1.3% 13 685.0 685.0 685.0 0.0 1.5% 10 ニッケル アルミニウム 出典:World Metal Statistics May 2014 (4)主要金属輸出量 表 3-4.精鉱・地金等輸出量 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年 (千 t) (千 t) (千 t) 増減比(%) 主な輸出相手国 銅 鉱石 12.3 15.3 9.3 地金 325.2 397.6 389.9 -39.2 - -1.9 ドイツ、オランダ 鉛 ドイツ、スウェーデン、 地金 85.6 95.4 90.5 62.9 47.7 15.8 5,582.7 5,453.2 5,257.8 -5.1 イタリア 亜鉛 地金 -66.8 オランダ、トルコ アルミニウム 地金 -3.6 米国、オランダ、トルコ 出典:World Metal Statistics May 2014 (5)主要金属輸入量 表 3-5.精鉱・地金等輸入量 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年 増減比(%) 主な輸入相手国 銅 鉱石(t) 0.5 1.0 2.0 100.0 - 地金(t) 379.0 243.0 61.0 -74.9 - 地金(t) 39.0 110.0 1,047.0 951.8 - 19.2 22.5 18.6 11.4 12.2 11.9 鉛 亜鉛 地金(千 t) -17.3 ウズベキスタン アルミニウム 地金(千 t) 出典:World Metal Statistics May 2014 6 -2.4 - 世界の鉱業の趨勢 2014 4.鉱山・製錬所状況 表 4-1.鉱山一覧 鉱山名 Kola Peninsula Taimyr Peninsula Gaisky Complex Urupsky Uchaly (Uchalinsky Mining Combine) 権益所有企業 (権益:%) Norilsk Nickel(100) Norilsk Nickel(100) UMMC(84.6)、 政府(10)、 鉱山労働者 UMMC(49)、政府(51) Uchaly Mining(100) 鉱種 銅 ニッケル ニッケル 銅 パラジウム 白金 銅 亜鉛 銅 銅 生産量 (千 t) 39.8 20.3 193.7 332.1 262.8 万 oz 66 万 oz 90.0 6.4 5.0 64.2 亜鉛 103.8 47.0 4.2 Aleksandrinsky RCC(100) 銅 亜鉛 Tominskoe RCC (100) 銅 - Mikheevskoe RCC (100) 銅 - Olimpiada Blagodatnoe Titimukhta Verninskoe Kuranakh Polyus Gold(100) Polyus Gold(100) Polyus Gold(100) Polyus Gold(100) Polyus Gold(99.4)、 Alrosa(0.6%) ARMZ Uranium Holding(100) ARMZ Uranium Holding(98.89) ARMZ Uranium Holding(89.85) ARMZ Uranium Holding(100) 金 金 金 金 金 69.1 万 oz 39.5 万 oz 13.1 万 oz 8.9 万 oz 13.8 万 oz Khiagda Dalur Priargunsky (‘PPGHO’) Elcon (Elconsky Mining & Metallurgical Company(EMMC)) Berezovoe-Gornoye 備考 生産量:2012 年 生産量:2012 年 UMMC: Ural Mining & Metallurgical Company 生産量:2012 年 生産量:2007 年 UMMC が Uchaly を 38%保有。 生産量:2013 年(推計) RCC: Russian Copper Company 生産量:2011 年 開発中 (2015 年生産開始予定、 年間 26.4 万 t を生産予定) 2013 年末生産開始 年間 27 万を生産予定 生産量:2013 年 生産量:2013 年 生産量:2013 年 生産量:2013 年 生産量:2013 年 ウラン 0.44 生産量:2013 年 ウラン 0.56 生産量:2013 年 ウラン 2.133 生産量:2013 年 ウラン 開発中 ARMZ 設立以前は TENEX と 三井物産のプロジェクト。 インドとの JV 模索中。 ARMZ Uranium ウラン Holding(100) Lunnoe ARMZ Uranium ウラン Holding(50.03) 出典:各社 Annual Report 及び HP を基に作成 開発中 Berezovoye と共同開発中。 開発中 Zoloto Seligdara(49%)と の JV 7 世界の鉱業の趨勢 2014 製錬所名 Svyatogor 銅製錬所 (旧 Krasnouralsk 銅製錬所) Sredneuralsk 銅製錬所 Proizvodstvo Polymetallov (旧 Kirovgrad 銅製錬所) Uralelectromedj (Verkhnyaya Pyshma 銅製錬所) Karabashmedj 表 4-2.製錬・精錬所生産状況 権益所有企業 鉱種・形態 (権益:%) UMMC(100) 銅 UMMC(100) UMMC(100) 生産量 (千 t) 83.4 生産量:2012 年 銅 銅 147.4 70.2 生産量:2012 年 生産量:2012 年 電気銅 388.0 生産量:2012 年 80.0 生産量:2011 年 (推計) 生産量:2011 年 RCC(100) 銅 Kyshtym 銅精錬所 RCC(100) Nadezhda(Norilsk) 銅 ニ ッ ケ ル 製・精錬所 Norilsk Nickel(100) Monchegorsk 銅ニッケル製・精錬 所 Norilsk Nickel(100) 電気銅 (cathodes) ニッケル 電気銅 パラジウム 白金 ニッケル 電気銅 パラジウム 白金 亜鉛 Chelyabinsk 亜鉛精錬所 (CZP - Chelyabinsk Zinc Plant) Free Flaot (42), NF Holdings B.V. (58): UMMC(27.3), RCC(21.5) Novosibirsk 錫精錬所 NOK(100) 出典:各社 Annual Report 及び HP を基に作成 錫 115.6 備考 122.7 296.8 61.85t 16.45t 109.1 62.3 19.87t 4.08t 166.4 生産量:2013 年 0.87 生産量:2012 年 生産量:2013 年 生産量:2013 年 (1)Norilsk Nickel 社 2012 年 8 月、Norilsk Nickel 社は、同社のチタ・プロジェクトの第 1 フェーズである Bystrinsky 採鉱選鉱コンビナートの設計文書を連邦独立機関「国家審査総局( Glavgosekspertiza)」( 現 Rosgeoekspertiza)の審査に送り、翌年 1 月に審査を通過した。Bystrinsky 採鉱選鉱コンビナート (銅・金鉱床をベース)の操業開始は 2017 年を予定している。総合設計請負業者は Norilsk Nickel 社の子会社 Gipronickel Institute である。 本プロジェクトの第 2 フェーズでは Bugdainskoe モリブデン鉱床の採鉱選鉱コンビナートの操業 開始が予定されていたが、2013 年 9 月、モリブデン価格の下落により 2018 年まで延期されることに なった。 チタ・プロジェクトは官民パートナーシップ「ザバイカリエ地方南東部の資源開発に向けた輸送 インフラ整備」の一環として実施されている。投資総額は 1,046 億ルーブル(Norilsk Nickel 社 800 億ルーブル、ロシア連邦投資基金 241 億 8,000 万ルーブル)である。 (2)Baikal Mining Company Metalloinvest 社は Rostechnology 社と共同で銅埋蔵世界最大級のザバイカリエ地方 Udokan 鉱区 の開発を行っている。Metalloinvest 社の子会社である Baikal Mining Company が Udokan 銅鉱床の オペレータを担っている。 2013 年 3 月、国家プログラム「極東バイカル地域の社会経済発展」が承認された。その重要プロ ジェクトが Udokan 投資プロジェクト(外部電力・輸送インフラ施設の更新・建設を含む)である。 同プロジェクトの FS は 2014 年 2 月、Fluor 社、SRK Consulting 社、Knight Piesold 社により実施 された。 8 世界の鉱業の趨勢 2014 2014 年 3 月時点の Udokan 鉱床の鉱物資源量(精測+概測+予測)は、銅鉱石 27 億t、銅含有量 は 2,670 万tとなっている。 (3)UMMC(Ural Mining and Metallurgical Company) 2014年5月14日に承認された「Rosgeologia社の2020年までの発展戦略」に、UMMC社の以下の投資 プロジェクトが含まれており、2012年から2022年の間に原料供給と生産の近代化に1355億ルーブル が投資される予定である。 ・Gaisky 採鉱選鉱コンビナートの拡充に 230 億ルーブル投資。Kletevaya 鉱山の操業開始、立坑 (Severnaya Ventiliatsionnaya-2)の新設、鉱山(Ekspluatatsionnaya、Skipovaya)の掘下 げが予定されており、年間採鉱量 550 万tから 700 万tへの拡大が見込まれる。選鉱プラント の鉱石年 間処理能力 900 万tへの拡大に向けた作業が行われている(投資額 47 億ルーブル)。 ・Yubileinoe、Podolsk、Ozernoe 硫化銅鉱床開発に 300 億ルーブル投資 ・Uralelectromed コンビナートの主要生産現場の拡張に 60 億ルーブル投資 等 (4)RCC(Russian Copper Company) RCC は精錬銅の生産量でロシア第 3 位、銅線材生産量で同第 2 位のメーカーである。同社は前年に 引き続き 2013 年もロシア最大級の銅鉱床であるチェリャビンスク州 Mikheevskoe 鉱床の開発を行っ た。2012 年 5 月に採鉱選鉱コンビナートの定礎式が行われ、2013 年 12 日 17 日にはコンビナートが 稼働した。生産能力は計 1,800 万 t となる予定である。コンビナート稼働により、精鉱生産量は年 6 万 5,000 万 t となり、RCC 全社の精鉱生産量が倍増する予定である。コンビナートは、採鉱から銅カ ソード・線材生産に至る RCC グループの一貫生産プロセスに組み込まれる。 独立系国際分析コンサルティンググループ CRU 社の評価では、Mikheevskoe 鉱床は世界の大規模銅 鉱床トップ 50 に入っている。Mikheevsky 採鉱選鉱コンビナートは連邦的意義を有するプロジェクト で、ゼロからの採鉱選鉱コンビナート建設としてはロシア史上最大のプロジェクトである。予算総 額は約 270 億ルーブルである。 2013 年はチェリャビンスク州 Tominsky 銅採鉱選鉱コンビナートの建設も進められた。建設投資 額は 222 億 4,000 万ルーブルであり、年間の鉱石採掘・処理能力は初期段階で 1,400 万t、フル操 業時で 2,800 万tが見込まれている。2014 年 12 月に鉱石の商業生産が開始する予定である。 (5)MBC Corporation 2013 年 10 月、ロシアのメドヴェージェフ首相と中国の李克強首相の定期会合において、MBC Corporation (東シベリア金属会社: Metropol Group 傘下)と、中国有色金属建設 (NFC)が Ozerny 採鉱選鉱コンビナートの EPC(設計・調達・建設)契約に調印した。建設期間は 3 年間、年産能力は 800 万tである。建設総額は 11 億 US$で、鉱山、処理プラント、尾鉱集積場の建設費と採鉱選鉱コ ンビナートの操業に必要な輸送・電力インフラの建設費を含む。Ozernoe 鉱床(ブリヤート共和国) の JORC 準拠埋蔵量は鉱石 1 億 5,700 万t(品位:亜鉛 5.2%、鉛 1%)で、銀 4,500tを含有する。 2013 年 6 月、RUSNANO 社と MBC Corporation は、両社が設立するベリリウム採掘・加工一貫生産 の垂直統合型企業の資金について発表した。このプロジェクト会社は Ermakovskoe ベリリウム鉱床 (ブリヤート共和国)をベースに設立される。プロジェクト予算は 70 億ルーブル、実施コストは折 半する。主力製品となるのは水酸化ベリリウムである。生産開始により、採掘から戦略的産業向け 金属ベリリウム、ベリリウム銅、ベリリウム合金生産に至る一貫生産プロセスの再構築が可能とな る。 9 世界の鉱業の趨勢 2014 5.探鉱状況等 (1)Norilsk Nickel 社 Norilsk Nickel 社の戦略の柱の一つは、ノリリスク工業地区、コラ半島、ザバイカリエ地域の収 益性の高い資源ポテンシャルの増強に向け、国際的競争力のある事業部門として地質調査を発展さ せることである。同社はロシア政府と連携し、タイムィル地域の加速的発展計画の作成、非鉄・貴 金属資源の探査と長期的増加を促進させる法整備やインフラ整備に向けた取り組みを行っている。 2014 年 2 月、タイムィル半島の採鉱・産業クラスター創設に関する提案が出された。同クラスター 創設による GDP への潜在的効果は 2030 年までに 3,000 億 US$になると予想されている。年間採掘増 加量はニッケル 40 万t、銅 70 万t、白金族金属 224tとなる見込みである。納税増加により地域予 算の歳入は 33%増の 14 億 US$となる。 Norilsk Nickel 社は、地質調査投資の倍増、資源探査・開発対象鉱区の 100~150 km2 への拡大を 可能にする鉱物探査関連の法整備に期待している。同社は既に探査を行ったノリリスク近郊の Maslovskoe 鉱床の開発ライセンス取得を見込んでいる。2006 年 8 月に供与された同鉱床の探査ライ センスには技術的ミスがあり、探査対象鉱区が 24 km²から 91 km²に拡大されていたが、探査すべき 主な鉱体はライセンス鉱区外に残されている。 (2)UMMC(Ural Mining and Metallurgical Company) 2014年5月14日に承認された「Rosgeologia社の2020年までの発展戦略」に、UMMC社の以下の投資 プロジェクトが含まれている。 ・連邦的意義を有するElanskoe及びYolkinskoe地下資源鉱区(ヴォロネジ州)の地質調査に19億 ルーブル投資。 (3)Russian Platinum 社 2012 年 6 月、Russian Platinum 社が Norilsk-1 南部鉱床を落札したが、応札に参加した Norilsk Nickel 社から、入札に違反行為があり入札委員会の決定は公平でないと指摘されていた。このため、 Norilsk-1 鉱床の入札を巡る論争が約 1 年間続いた後、ロシア政府は Russian Platinum 社による Norilsk-1 南部鉱床の落札を 2013 年 7 月に承認し、ニッケル、銅、コバルト及び随伴成分の探査・ 採掘のための同鉱区利用権が、Russian Platinum 社に付与された。Norilsk-1 南部鉱床の埋蔵量は ニッケル 27 万 3,000t、銅 37 万 8,000t、コバルト 1 万 2,700t、白金族金属約 518kg、開発プロ ジェクトの投資予定額は 780 億ルーブルとなっている。 2014 年 4 月、Russian Platinum 社は、ノリリスクで開かれた公聴会で、タイムィル半島におけ る採鉱選鉱コンビナート及び Chernogorsk 鉱床への代替道路の建設用地取得の同意を得た。2014 年 8 月 1 日までにプロジェクトの鉱山輸送部分に関する国家機関の審査結果が得られる見込みである。 鉱山の準備作業は 2014 年末から 2015 年初めに開始される見込みで、3~4 年内に年産能力は鉱石 600 万t、精鉱 24 万~28 万t、白金族金属 18t、ニッケル 7,000~9,000t、銅 1 万 5,000~1 万 8,000 tに達する。Chernogorsk 採鉱選鉱コンビナートに対する投資総額は 325 億ルーブルになる。 (4) Ak-Sug deposit (Tuva) 2013 年、Golevskaya mining company が、地下資源利用ライセンスを保有する Ak-Sug 斑岩銅鉱床 の追加探査が行われた。2018 年には採鉱選鉱コンビナート建設が終了する予定である。Ak-Sug 鉱床 のカテゴリ C1+C2 埋蔵量は鉱石 3 億 8,450 万tで、銅 326 万t以上を含有する。露天掘で鉱石年産 2,400 万tを予定している。 (5) Tomtor deposit (Yakutia) 2014 年 5 月、国営企業 Rostec 社と ICT グループによる合弁企業 TriArk Mining 社が Tomtor 鉱床 10 世界の鉱業の趨勢 2014 の地下資源利用権(ニオブ、レアアース、スカンジウム及び随伴鉱種の探査・採掘目的)を落札し た。投資額は今後 5~6 年間で約 10 億 US$となる予定である。 6.我が国との関係 (1)日本への輸出 表 6.ロシアの日本への精鉱/地金輸出量 鉱種 2011 年 2012 年 2013 年 対前年 (千 t) (千 t) (千 t) 増減比(%) タングステン鉱 0.0 - 0.2 - タングステンの塊 0.0 0.0 - - チタン鉱(含む精鉱) 3.8 5.2 6.2 18.3 チタン地金 0.1 0.1 0.2 14.3 ジルコニウム鉱(含む精鉱) 4.8 4.4 1.9 -55.9 フェロシリコン 86.7 91.8 5.7 -93.8 フェロクロム 40.1 36.4 32.6 -10.5 254.8 350.3 - - 0.0 - - - 0.001 0.001 0.001 -37.7 0.02 0.02 0.02 11.1 ロジウム 0.0005 0.0002 0.0005 176.5 イリジウム・オスミウム等 0.0001 0.0001 - - 7.3 4.6 2.4 -48.7 471.8 343.2 184.9 -46.1 精製鉛の塊 0.0 - - - モリブデンの塊 0.0 - - - マグネシウムの塊 0.3 0.2 0.2 -1.6 ジルコニウム地金 0.0 - - - クロム地金 0.0 0.5 0.8 42.5 0.010 0.004 0.004 -5.0 フェロチタン、フェロシリコチタン 銀地金 白金 パラジウム ニッケル地金 アルミニウム地金 インジウム・ガリウム、バナジウム等 出典:財務省貿易統計 (2)日本企業による投資状況等 2013 年 10 月 4 日、住友商事株式会社が、ロシアにおいて高純度石英を生産および販売する LLC Russian Quartz(本社:ロシア チェリヤビンスク州)の株式 28.69 パーセントを取得し、総事業費 50 億円のロシア高純度石英製造プロジェクト(以下「本件事業」)に出資参画することを公表した。 7.その他トピックス 11 世界の鉱業の趨勢 2014 (1)Norilsk Nickel 社 2013 年 9 月、Norilsk Nickel 社取締役会が新戦略を承認した。主な方針は次のとおりである。 ・ロシアに所有する資源基盤ポテンシャルを最大限実現する ・高い資本利益率を維持する第一級(Tier 1)資産に重点を置く ・投資方針の厳格な適用(capital discipline)と投資利益率の導入 ・製品ラインにおける銅と白金族金属の役割強化 ・北極圏支社の上流資産を優先し、次の取組を行う -既存インフラによる生産の利益率最大化 -鉱石年産 240 万tの Skalisty 鉱山の開発 -Talnakh 選鉱プラントの世界的水準への近代化 ・2014 年末までに Kola 採鉱冶金会社の収益力を持続可能なレベルにする ・2014~2018 年の資本投資は年平均 20 億 US$を予定 ・操業コストと運転資本の削減 ・2014~2016 年に非中核資産、海外資産からの撤退(フィンランドの Norilsk Nickel Harjavalta を除く) ・地質調査を有効な事業部門として発展させ、北極圏支社の地質調査予算を倍増させる ・2017 年に Bystrinsky 採鉱選鉱コンビナートの操業を開始 ・配当目標の承認(2013~2014 年の年間配当額 20 億 US$以上) 新戦略の目標は、Norilsk Nickel 社がタイムィル半島とコラ半島に持つ資源基盤ポテンシャルを 最大化すること、事業効率の向上、投資・資本管理の質の改善である。Norilsk Nickel 社は、Tier 1 資産に重点を置き、同社が競争力を持ち得る地質学的ポテンシャルの高い地域の資産を所有し、効 率的操業を行うことで、高い資本利益率を維持する方針であり、同社の全生産資産を 2015 年までに Tier 1 資産基準に合致させる。Tier 1 に分類されるのは、大規模、収益 10 億 US$以上、EBITDA マ ージン 40%以上、生産期間 20 年以上のプロジェクトである。 特に重点を置くのは世界レベルの資源基盤を有する北極圏支社である。北極圏支社の戦略計画に は、既存インフラによる生産の利益率最大化、鉱石年産 240 万tの Skalisty 鉱山の開発、Talnakh 選鉱プラントの世界的水準への近代化が含まれる。 目標達成に向け、Norilsk Nickel 社は、2014~2018 年に 20 億 US$/年の資本投資を予定している。 Kola 採鉱冶金会社は、2014 年末までに収益力を持続可能なレベルにするため、包括的な経費削減 計画などの取り組みを行う。 (2)UC Rusal 社 ①業績改善に向けた取り組み 2013 年 8 月、Rusal 社はアルミニウム産業の不振に対処すべく、非効率生産施設の縮小計画を 発表した。2013 年の Rusal 社のアルミニウム生産量は 2012 年(417 万 3,000t)比 7.6%(31 万 6,000t)減の 385 万 7,000tとなった(2013 年 12 月 31 日現在)。合理化計画は最も非効率な製 錬所で実施され、Volgograd、Urals、Volkhov 各製錬所、Novokuznetsk 製錬所第 1 工場、ALSCON 製錬所(ナイジェリア)のアルミニウム生産が停止された。また、Bogoslovsk 製錬所の第 2~第 5 電解槽室(第 1 は 2011 年に操業停止)、Nadvoitsy 製錬所の第 1、第 2 電解槽室(第 3 は 2012 年 に操業停止)のアルミニウム生産も停止された。 Sayanogorsk、Irkutsk、Novokuznetsk(第 2 工場) 、Khakas 各製錬所では、電流減衰により生産 量が削減、BEMO(Boguchansky Energy and Metals Complex)製錬所の操業開始は 2014 年後半に 延期され、Taishet 製錬所プロジェクトは市況が改善するまで保留されている。 減産計画により、2014 年のアルミニウム生産量を 2012 年比 15%(64 万 7,504t)削減する予 12 世界の鉱業の趨勢 2014 定である。 Rusal 社の大型環境プロジェクト「エコゼーダーベルグ技術導入計画」 は 2013 年、Krasnoyarsk、 Bratsk 各製錬所で継続され、4 年~4 年 6 カ月後に完了する。Rusal 社はゼーダーベルグ式による 現在 230 万tのアルミニウム生産のうち約 210 万 t を、2020 年までにエコゼーダーベルグ技術に よる生産に切り換える予定である。 ②外国企業との連携 2013 年 3 月 22 日、Rusal 社と Aluminium Corporation of China は、アルミニウム産業の新技 術の研究開発、ボーキサイト資源の開発、水力発電利用によるアルミニウム生産への投資に関す る協力覚書に調印した。調印式はモスクワで行われ、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン 大統領が臨席した。 2014 年 3 月、Rusal 社とイスラエルの非鉄金属自動車部品専門メーカーOmen High Pressure Die Casting は、自動車部品生産の合弁設立に関する株主間合意に調印したと発表した。合弁企業 VolkhOR(50:50)は、Volkhov アルミニウム製錬所内にベースを置き、年産能力は自動車部品 5,000 tとなる。2014 年 9~12 月に試験操業を行い、2015 年第 1 四半期の生産開始を予定している。双 方が各 100 万 US$を投資し、残りの必要資金は外部から借り入れる。2014~2016 年の投資総額は 2,060 万 US$となる。 ③その他 2013 年 9 月、Rusal 社はロシア開発対外経済銀行(VEB)と Rusal 社の不採算製錬所の転換に関 する協力覚書に調印した。アルミニウム及びアルミニウム合金ベースの自動車部品、圧延品、ケ ーブル製品の生産施設建設が予定されている。新規生産施設は、Bogoslovsk、Urals、Nadvoitsy、 Kandalaksha、Volkhov、Volgograd 各アルミニウム製錬所に設置される。 2013 年 9 月、Rusal 社は、SUBR(North Urals Bauxite Mine) の新採鉱場建設と設備更新に対す る 2013 年の投資額を 30 億ルーブルと発表した。2010~2013 年の Cheremukhovskaya-Glubokaya 鉱山開発への投資総額は 55 億ルーブルになる。操業開始は 2014 年を予定し、SUBR のボーキサイ ト採掘原価の低減が可能となる。 2003~2013 年の Rusal 社の研究開発投資は総額 1 億 8,200 万 US$であり、2014 年は 1,400 万 US $を投資する予定である。 (3)UMMC(Ural Mining and Metallurgical Company) 2012 年 5 月に、Elanskoe 及び Yolkinskoe 銅ニッケル鉱床開発の入札に関するロシア政府決定が 行われた。その後、ヴォロネジ州及び隣接するヴォルゴグラード州において、住民による大規模な 抗議行動が行われ、2013 年も続いた。抗議行動に参加した者は、ニッケル採掘は土壌を不毛にし、 ホピョル川及び周辺自然保護区域にダメージを与えるなどの環境の激変を招くと主張しており、抗 議行動は常態化した。 2013 年、Elanskoe 及び Yolkinskoe ニッケル鉱床(ヴォロネジ州)の開発をめぐる UMMC と環境保 護活動家、地元住民との紛争は激化した。2 月には地質関係者が襲撃され、6 月 22 日の集会後、抗 議者たちが地質関係者のキャンプを襲い、ドリルリグを焼き払い、機材を破壊した。2013 年 10 月 25 日、天然資源環境省と Rosnedra はこれらの鉱床の操業開始時期を延期することで合意した。 2013 年 3 月、ロシア独占禁止局は、Revda Non-Ferrous Metals Processing Works(RZOCM、スヴ ェルドロフスク州)を所有する Shatravan Holdings(キプロス)の株式 100%取得に関する UMMC の 申請を承認した。RZOCM は銅、黄銅、銅・ニッケルの圧延品を生産している。 (4)Chelyabinsk Zinc Plant 社 13 世界の鉱業の趨勢 2014 Chelyabinsk Zinc Plant 社は 2016 年末までに亜鉛生産を 20 万tに拡大する予定である。2013 年 の Chelyabinsk Zinc Plant 社の生産量は、亜鉛及び亜鉛合金 16,64 万t、インジウム 7t、カドミ ウム 858tであった。 2013 年の資本投資は 5 億 6,760 万ルーブルで、変電所設備更新(3,150 万ルーブル) 、硫酸プラン トの水循環設備改修(4,570 万ルーブル) 、リーチング施設近代化(6,520 万ルーブル)、第 6 ウェル ツキルン建設用地造成(6,720 万ルーブル)等が含まれる。 2013 年、チェリャビンスク上空で隕石が爆発し、衝撃波により Chelyabinsk Zinc Plant 構内の精 鉱倉庫の壁が破壊され、他の建物でも窓ガラスが粉砕された。復旧費用は 5,000 万ルーブルを超え た。 (2014.11.3 14 モスクワ事務所 木原栄治)
© Copyright 2025 ExpyDoc