応用解析学特論 レポート課題 10 月 1 日 (水) 3 時間目 出題 問題 1. 実数列が Cauchy 列であるとはどういうことでしょうか? 定義を述べてください. また実 数の完備性とは何でしょうか? Cauchy 列を用いた言葉で説明してください. 問題 2. 複素内積について, Cauchy–Schwartz の不等式を証明してください. 10 月 8 日 (水) 2 時間目 出題 問題 3. 次の条件を満たす内積空間 V と線形汎関数 ϕ : V → C を定義してください. ϕ(v) = ⟨v, w⟩ が成り立つような w が存在しない. 定義した ϕ が確かに上の条件を満たすことを証明してください. 10 月 15 日 (水) 2 時間目 出題 問題 4. K をヒルベルト空間 H の閉凸集合とし, u を H の元とします. このとき u と K の最短距 離を与える K の元がただ一つであることを示してください. つまり, v, w ∈ K が ∥v − u∥ = inf{∥k − u∥ | k ∈ K} = ∥w − u∥. 満たすならば v = w であることを示してください. 問題 5. バナッハ空間 B, その閉凸集合 K, K の元 v, w で次の条件を満たす例を探してください: ∥v∥ = inf{∥k∥ | k ∈ K} = ∥w∥, v ̸= w. 問題 6. B をバナッハ空間とします. 全ての 0 < ϵ に対して次の条件を満たす 0 < δ が存在すると き, B が一様凸であるといいます: v + w v, w ∈ B, ∥v∥ = ∥w∥ = 1, ∥v − w∥ ≥ ϵ のときは必ず 2 ≤ 1 − δ. ヒルベルト空間が一様凸バナッハ空間であることを示してください. 問題 7. どんな一様凸バナッハ空間にたいしても最短距離定理が成り立ちます. 証明してください. 問題 8. V を線形空間とし W1 ⊂ W2 ⊂ V を部分線形空間とします. π1 : V → V /W1 , π2 : V → V /W2 を商写像とします. このとき線形写像 θ : V /W1 → V /W2 で θ ◦ π1 = π2 を満たすものが存在するこ とを示してください. 第一回レポート提出: 10 月 29 日の授業の冒頭に集めます. 以上の問題から 3 問以上を選んでレポート用紙か無 地の紙を用いて解答してください. 紙面の片方のみを用いてください. 10 月 22 日 (水) 2 時間目 出題 問題 9. K をヒルベルト空間 H の閉部分空間とします. u をヒルベルト空間 H の元とします. K の元 v に対する次の二つの条件が同値である事を示してください. • すべての w ∈ K に対して ⟨w, u − v⟩ = 0. • u ∈ H と K の最短距離を与える点である. すなわち, ∥v − u∥ = inf{∥w − u∥ | w ∈ K}. 授業中に示したことを用いてよいです. 問題 10. K をヒルベルト空間 H の閉部分空間とします. u ∈ H と K の最短距離を与える点を PK (u) ∈ K とおきます. すなわち ∥u − PK (u)∥ = inf{∥u − w∥ | w ∈ K} が成り立つとします. 問題 4 の結果より, このような PK (u) はただ一つですから, PK は H から K への写像を与えることがわかります. 写像 PK が線形であることをレポートで示してください. ほ かの問題の結果を用いてよいです. 11 月 12 日 (水) 2 時間目 出題 問題 11. 関数 f0 (x) と関数 f (t, x) が次の条件を満たすとします: • f0 (x) は R 上で連続. f0 (x + 2π) = f0 (x). • f (t, x) は [0, ∞) × R 上で連続, (0, ∞) × R で二回連続微分可能. f (t, x + 2π) = f (t, x). • (0, ∞) × R で ∂f ∂ 2f = . ∂t ∂x2 • f (0, x) = f0 (x). すべての x について f0 (x) ≤ 0 であるとき, すべての (t, x) ∈ [0, ∞) × R について f (t, x) ≤ 0 であ ることを証明してください. 11 月 19 日 (水) 2 時間目 出題 問題 12. λ を実定数とします. 微分方程式 ψ ′ (t) = λψ(t), t ∈ R, についての以下の問題に答えよう. (1) 関数 eλt が上の微分方程式の解であることを証明してください. ′ (2) 関数 ψ について )′ ψ (t) = λψ(t) が成り立つとします. 商の微分公式もしくは積の微分公式を ( ψ(t) を計算してください. 用いて eλt (3) 上の微分方程式の解が必ず eλt の定数倍であることを証明してください. 11 月 12 日 (水) 2 時間目 出題 問題 13. 複素数値関数に関する微分方程式 ψ ′ (t) = inψ(t), t ∈ R, についての以下の問題に答えよう. (1) cos nt + i sin nt が上の微分方程式の解であることを証明してください. (2) 関数 ψ について ψ ′ (t) = inψ(t) が成り立つとします. 商の微分公式もしくは積の微分公式を ( )′ ψ(t) 用いて を計算してください. cos nt + i sin nt (3) 上の微分方程式の解が必ず cos nt + i sin nt の定数倍であることを証明してください. 12 月 3 日 (水) 2 時間目 出題 問題 14. ノルム空間 (C(T), ∥ · ∥∞ ) が完備であることを示してください. 問題 15. f∞ , g∞ を C(T) の元とする. {fn }n ⊂ C(T) を微分可能な関数の列とする. lim ∥fn − f∞ ∥∞ = 0, n→∞ lim ∥fn′ − g∞ ∥∞ = 0 n→∞ ′ であるとき, f∞ が微分可能で f∞ = g∞ であることを証明してください. 問題 16. {fn }n を C(T) の元の列とする. Cauchy 列であることを示してください. ∞ ∑ ∥fn ∥∞ < ∞ であるならば, 関数列 n=1 {∑ N n=1 } fn が N 12 月 17 日 (水) 2 時間目 出題 問題 17. f (t, x) を (0, ∞) × R で定められた連続関数で, f (t, x + 2π) = f (t, x) を満たすとしましょ う. ここで t > 0 に対して関数 ft を ft (x) = f (t, x) でさだめると, これは C(T) = {f : R → C | 連続, f (x + 2π) = f (x)} の元です. また f0 を C(T) の別の元とします. ここで [0, ∞) × R 上の関数 F を次の式で定めま しょう: { f0 (x), t = 0, F (t, x) = f (t, x), 0 < t. t が 0 に近づくにつれて ft が f0 に一様収束することと, 関数 F の連続性が同値であることを証明 してください. 第二回レポート提出: 1 月 7 日の授業で集めます. 以上の問題から 3 問以上を選んでレポート用紙か無地の紙を 用いて解答してください. 紙面の片方のみを用いてください.
© Copyright 2024 ExpyDoc