「上海情報 4 月号・号外、<中国 EV 情報 42>」

「上海情報 4 月号・号外、<中国 EV 情報 42>」
2014 年 4 月 1 日
技術士包装物流会関西支部
福喜多俊夫
<中国 EV 情報 42>では 2014 年 3 月に入手した中国政府諸部門やマスコミからの新エ
ネルギー車、EV 情報を記載します。
1.上海市内に 6000 カ所の電気自動車用の充電スポットを来年までに設置へ
上海市で排気ガスなどによる大気汚染が深刻する中、上海では来年 6000 カ所以上の電
気自動車用の充電スポットが設置されることになった。国家電力網上海電力公司による
と、国家の省エネと新エネルギー自動車の普及推進政策を受けて、上海市では 2015 年度
までに 1 万台以上の新エネルギー車を普及させる目標を立てたことから、上海電力有限
公司エリア内に 6000 箇所以上の充電スポットを設置し、充電業務にあたる準備を行なっ
ているとしている。
2013 年末までに上海電力公司が既に運営している電気自動車用の充電ステーションは
24 カ所、充電スポットは 2020 カ所となっているが、現在のところオフィス地区や政府機
関、公共駐車場、一部の住宅団地に留まっている。今後上海電力公司では、上海都心部
では 10 平方キロエリアごとに 1 カ所の充電ステーションと 5 平方キロエリアごとに 1 カ
所の充電スタンドを設置することを目標に整備する予定で、併せて、消費者はカードで
充電代を精算できるよう、サービス体制の整備も行っていくとしている。
(新民晩報 3 月 3 日)
2.吉利、英電気自動車メーカーを買収、国産 EV タクシー生産を計画
英マンガニーズ・ブロンズ社の全株式買収に続き、吉利汽車は先週末、同じく英国の
電気自動車メーカー「エメラルド・オートモーティブ」を買収した。吉利の楊学良・広
報担当は、
「エメラルド・オートモーティブ社の買収後、マンガニーズ・ブロンズの研究
開発チームと合併して新たな研究開発チームを立ち上げ、新エネルギー自動車の開発に
着手する。吉利は中・長期省エネ環境保護自動車の開発計画を正式にスタートさせてお
り、今後 5 年間で、5 車種のハイブリッド乗用車を開発する」と語った。経済参考報が伝
えた。
英エメラルド・オートモーティブは、軽量型長距離電気自動車の開発に携わっている。
楊氏は、今回の買収について、次の通りコメントした。
エメラルド・オートモーティブの買収によって、吉利の「次世代」タクシー、特に電気
自動車タクシーの開発・生産能力のアップが期待される。今後 5 年間で、この方面の開
発費として 2 億ドル(約 203 億 5400 万円)以上の資金投入を考えている。
比亜迪(BYD)や奇瑞(チェリー)など国内自主ブランドは軒並み、新エネルギー車を生
産、自家用車市場で販売している。一方、吉利の傘下ブランドには、今のところ新エネ
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ルギー車は皆無の状態だ。長年にわたる研究開発を通じて、吉利は新エネルギー車の分
野で豊富な経験を積み重ねてきた。今こそ、吉利が新エネルギー車を飛躍的に発展させ
る時だ。 (人民網 3 月 6 日)
3.上海、バスの新エネ化進む
上海市交通委員会によれば、現在上海市の公共バスでは環境保全型の新エネルギータ
イプの車両への置き換えが進んでおり、現在までに全体の 60%の車両が新しいタイプの
車両に置き変わっているとしている。またこれに平行して、環境基準未達成のいわゆる
イエローマーク車に関しては、今年 7 月を目途に全廃を予定しており、イエローマーク
車は淘汰されるとのこと。上海市が昨年策定した空気浄化行動計画では、交通機関の改
良が重要な鍵とされており、公共バスのクリーンエネルギー化が優先課題として挙げら
れている。(東方網 3 月 6 日)
4.トヨタの HV、世界 600 万台販売を達成
トヨタ自動車はこのほど、同社のハイブリッド車(HV)の世界販売台数が、今年年初
までに 607 万 2000 台に達したと発表した。トヨタは過去わずか 9 カ月間で、HV100 万台
販売を実現した。誕生から 16 年に渡り、トヨタの HV は世界の約 80 の国と地域で販売さ
れており、600 万人以上のオーナーから信頼・承認を得ており、成熟した技術と信頼でき
る品質の最良の名刺となった。南方日報が伝えた。
トヨタが巻き起こした世界の HV 旋風は、中国にも波及した。全国乗用車市場情報連合
会のデータによると、広汽トヨタの販売するカムリハイブリッドは通年で 238%増の 5551
台を販売し、省エネ・新エネ車のトップセールスを記録した。また新年も昨年の流れを
引き継ぎ、1 月に 600 台以上を販売し、幸先の良いスタートを切った。
(人民網 3 月 17 日)
5.エコカー1.3 万台普及へ、上海市が計画案発表
上海市政府は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などのエコカー
の数を、2015 年までに 1 万 3,000 台まで普及を目指す考えだ。エコカーの普及により同
市で深刻化する大気汚染を緩和する狙い。上海市では充電スタンドの数を 15 年までに昨
年末の約 3 倍となる 6,000 カ所以上に増やす。また、今年も引き続き上海市からの EV 車
(4 万元)、PHV 車(3 万元)の購入補助金を支給する。(上海証券報 3 月 18 日)
6.BYD、今年のエコカー販売目標は 2 万台
電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD)の王伝福董事長は 20 日、香港で記者会見し、
今年のエコカーの販売目標は 2 万台だと発表した。同社は昨年 12 月にデュアルモード EV
「秦」を発売したばかり。新車投入や政府の優遇策などが目標達成に有利に働くとみて
いる。昨年度のエコカー販売は 2000 台に届かなかった。(網易財経 3 月 20 日)
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7.南京市が新エネ車普及を強化、個人購入に最高で 12 万元の補助
南京市では、新エネ路線バスの数が一定規模に達している。南京市の市街地の多くの
路線では、今年になり新しい新エネ路線バスが採用されている。今年の南京ユースオリ
ンピックまでに、南京市では新エネ路線バスが 2530 台追加され、そのうち 1000 台は EV
バスとなる。この天然ガスと電気を燃料・動力とする路線バスは、汚染物質の排出がほ
ぼゼロになる。
南京市は来年末までに約 7000 台の新エネ車の普及を計画している。同普及プラン(補
助金、普及ルートなどを含む内容)はすでに作成されており、間もなく正式に発表され
る。南京市はまた、路線バス、タクシー、環境衛生などの業界、および政府機関で率先
して新エネ車を導入し、財政補助などの措置により個人の購入を奨励する。公共車両と
マイカーの購入比率は、おおよそ 6:1 になる。個人が新エネ車を購入する場合、政府補
助金を受けることができ、最高額で 12 万元(約 198 万円)に達する。交通部門の関係者
は、「新エネ車購入の補助金は、国家と 1:1 の比率で支給することになる。つまり国家
の補助金と同額の補助金を地方政府が出すということだ」と説明した。
中国財政部(省)が今年 9 月に発表した「新エネ車の使用普及事業の継続に関する通
知」によると、航続距離が 80−150 キロに達する EV の場合は 3 万 5000 元(約 57 万 7500
円)、150−250 キロの場合は 5 万元(約 82 万 5000 円)、250 キロ以上の場合は 6 万元(約
99 万円)の補助金が支給される。つまり個人が新エネ車を購入する場合、最高で 12 万元
の補助金が支給されることになる。(人民網 3 月 25 日)
以上
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