「平成25年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る

「平成25年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備
(電子商取引に関する市場調査)」の結果公表について(調査結果要旨)
1.国内電子商取引市場規模動向
(1)消費者向け電子商取引(以下「BtoC-EC」)市場規模
全体動向
日本の BtoC-EC 市場規模は 11.2 兆円となり、前年比 17.4%の増加となりま
した。また、電子商取引(以下「EC」)の浸透度合を示す指標である EC 化率(※)
についても、3.7%となり、前年から 0.6 ポイント上昇しています。
※ 全ての商取引における、EC による取引の割合。BtoC-EC における EC 化率は、小売業・サ
ービス業における値を指す。
図 1-1
日本の BtoC-EC 市場規模の推移
(億円)
継続的上昇
120,000
4.00%
3.67%
3.11%
100,000
2.83%
3.50%
3.00%
2.46%
80,000
2.50%
2.08%
60,000
1.79%
2.00%
1.50%
40,000
1.00%
20,000
0.50%
60,890
66,960
77,880
84,590
95,130
111,660
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
0
0.00%
EC市場規模(左目盛)
市場規模
EC化率(右目盛)
2008 年
2009 年
2010 年
2011 年
2012 年
2013 年(前年比)
6.1
6.7
7.8
8.5
9.5
11.2(+17.4%)
1.8
2.1
2.5
2.8
3.1
3.7(+0.6 ポイント)
(兆円)
EC 化率
(%)
1
業種別動向
2013 年は、ほとんどの業種で前年に比べて市場規模が拡大しました。特に、
衣料・アクセサリー小売業、宿泊旅行・飲食業及び医療化粧品小売業において
は、対前年比で 20 パーセント以上の高い伸びを示しています(表 1-1 黄色部
分)。
また、全ての業種において、EC 化率が上昇しています。
高い伸び率
表 1-1
業種別 BtoC-EC 市場規模の推移
2012年
業種
EC市場規模
2013年
EC化率
(億円)
総合小売業
EC市場規模
(億円)
EC化率
対前年比
18,910
5.05%
22,000
116.4%
6.39%
衣料・アクセサリー小売業
1,750
1.33%
2,200
125.8%
1.65%
食料品小売業
6,050
0.96%
7,060
116.7%
1.08%
14,260
4.29%
16,480
115.6%
4.84%
医薬化粧品小売業
5,010
4.02%
6,030
120.4%
4.56%
スポーツ・本・音楽・玩具小売業
4,000
2.74%
4,670
116.6%
3.26%
14,960
6.16%
18,260
122.1%
7.38%
1,470
0.94%
1,660
112.9%
1.19%
建設業
N/A
N/A
N/A
N/A
N/A
製造業
1,160
N/A
1,150
99.3%
N/A
22,950
N/A
26,970
117.5%
N/A
運輸業
3,070
N/A
3,630
118.0%
N/A
金融業
680
N/A
690
100.7%
N/A
860
N/A
860
100.1%
N/A
合計
95,130
N/A
111,660
117.4%
N/A
合計(小売・サービス)
66,410
3.11%
78,360
118.0%
3.67%
小 自動車・パーツ小売業
売
業 家具・家庭用品小売業
電気製品小売業
ー
サ
宿泊・旅行業
ビ 飲食業
ス
業
娯楽業
情報通信業
卸売業
その他
2
(2)企業間電子商取引(以下「BtoB-EC」)市場規模
全体動向
日本の狭義の BtoB-EC 市場規模は 186 兆円と、前年比 4.4%の増加となりま
した。EC の浸透度合を示す指標である EC 化率についても、17.9%(狭義)と
なり、前年から 0.4 ポイント上昇しています。
図 1-2
日本の BtoB-EC 市場規模の推移
(億円)
3,000,000
2,500,000
30.0%
21.5%
21.2%
2,000,000
2,048,550
1,588,600
1,500,000
25.9%
25.7%
25.0%
24.3%
23.7%
1,714,070
1,685,170
1,863,040
1,784,720
20.0%
17.9%
17.5%
13.7%
13.5%
2,620,540
2,577,680
2,563,100
2,495,890
2,693,750
15.0%
16.1%
15.6%
1,310,610
1,000,000
10.0%
500,000
5.0%
0
0.0%
2008年
2009年
広義EC市場規模
広義※市場
2010年
2011年
狭義EC市場規模
2012年
広義EC化率
2009 年
2010 年
2011 年
2012 年
2013 年
(前年比)
250
205
256
258
262
269
(+2.8%)
159
131
169
171
178
186
(+4.4%)
13.5
13.7
15.6
16.1
17.5
17.9
(+0.4 ポイント)
規模(兆円)
EC 化率(%)
狭義EC化率
2008 年
規模(兆円)
狭義※市場
2013年
※ 広義 EC:コンピューターネットワークシステムを介して、商取引(受発注)が行われ、かつ、
その成約金額が捕捉されるもの。
狭義 EC:インターネット技術を用いたコンピューターネットワークシステムを介して、商取
引(受発注)が行われ、かつ、その成約金額が捕捉されるもの。
3
業種別動向
2012 年は、広義・狭義ともに多くの業種で BtoB-EC 市場規模の拡大が見ら
れました。金融業においては、広義・狭義とも、対前年比で 30 パーセント以
上の伸びを示しています(表 1-2、1-3 黄色部分)。
また、広義・狭義とも、全ての業種において、EC 化率が上昇しています。
表 1-2
業種別広義 BtoB-EC 市場規模の推移
2012年
広義
EC市場規模
(億円)
96,180
2013年
広義
EC化率
広義
EC市場規模
(億円)
対前年比
109,410
113.8%
広義
EC化率
建設
建設・不動産業
製造
食品
218,430
45.7%
209,210
95.8%
46.4%
繊維・日用品・化学
298,940
34.4%
310,750
104.0%
34.8%
鉄・非鉄金属
162,090
28.8%
159,970
98.7%
29.5%
産業関連機器・精密機器
120,120
27.0%
117,620
97.9%
27.7%
電気・情報関連機器
277,720
45.3%
271,910
97.9%
46.0%
輸送用機械
355,080
53.0%
359,790
101.3%
53.8%
7.7%
8.4%
情報通信
情報通信
88,150
15.4%
96,620
109.6%
15.9%
運輸
運輸
75,500
13.2%
76,420
101.2%
13.6%
卸売
卸売
782,510
23.8%
789,750
100.9%
24.2%
金融
金融
117,200
18.3%
161,200
137.5%
18.7%
サービス
広告・物品賃貸
16,560
9.5%
18,280
110.4%
10.3%
その他
小売
9,960
N/A
10,590
106.3%
N/A
その他サービス業
合計
2,100
N/A
2,230
106.2%
N/A
合計(その他を除く)
表 1-3
2,620,540
N/A
2,693,750
102.8%
N/A
2,608,480
25.7%
2,680,930
102.8%
25.9%
業種別狭義 BtoB-EC 市場規模の推移
2012年
建設
建設・不動産業
製造
食品
狭義
EC市場規模
(億円)
80,980
2013年
狭義
EC化率
6.5%
狭義
EC市場規模
(億円)
対前年比
93,570
115.5%
狭義
EC化率
7.2%
49,870
10.4%
50,200
100.7%
11.1%
繊維・日用品・化学
199,310
22.9%
208,370
104.5%
23.3%
鉄・非鉄金属
119,170
21.2%
118,620
99.5%
21.9%
83,030
18.7%
82,220
99.0%
19.4%
電気・情報関連機器
197,000
32.1%
194,080
98.5%
32.8%
輸送用機械
産業関連機器・精密機器
285,170
42.5%
290,000
101.7%
43.3%
情報通信
情報通信
75,010
13.1%
82,670
110.2%
13.6%
運輸
運輸
66,310
11.6%
67,390
101.6%
12.0%
卸売
卸売
509,100
15.5%
518,360
101.8%
15.9%
金融
金融
93,370
14.6%
129,110
138.3%
15.0%
サービス
広告・物品賃貸
15,120
8.7%
16,810
111.2%
9.5%
その他
小売
9,540
N/A
9,810
102.8%
N/A
その他サービス業
合計
1,740
N/A
1,830
105.2%
N/A
合計(その他を除く)
1,784,720
N/A
1,863,040
104.4%
N/A
1,773,440
17.5%
1,851,400
104.4%
17.9%
4
2.日米中の 3 か国相互間の越境電子商取引(以下「越境 EC」)の動向
(1)消費者向け越境 EC 市場規模
2013 年において、中国の消費者が日本事業者の EC サイトから購入した金
額は 3,902 億円、米国事業者の EC サイトから購入した金額は 4,171 億円と
なっており、日米中3か国の消費者向け越境 EC 市場の中では、中国の消費
者の購入金額が最大の規模となっています。
表 2-1
2013 年
日本、米国、中国相互間の消費者向け越境 EC 市場規模(推計値)
市場規模(億円)
国
(消費者)
日本
日本からの購入額
米国からの購入額
中国からの購入額
1,736
179
1,915
2,875
7,197
-
米国
4,323 -
中国
3,902
4,171 -
合計
8,224
5,906
図 2-1
2013 年
合計
8,072
3,054
日本、米国、中国相互間の消費者向け越境 EC 市場規模(推計値)
4,171億円
2,857億円
中国
8,072億円
米国
7,197億円
3,902億円
179億円
4,323億円
日本
1,915
億円
1,736億円
矢印は、販売国から購入国へ
の流れを示す。
内の数字は、各国の越境ECに
よる購入総額
5
(2)今後の越境 EC のポテンシャル
今回実施したアンケート調査の結果等に基づき、2020 年時点のインターネッ
ト利用率、EC 利用率及び越境 EC 利用率の発展状況として 4 通りのパターンを想
定し、各パターンについて、2020 年時点での越境 EC 市場規模を試算したところ、
日本・米国・中国の越境ECによる購入総額合計は、4.1 兆円にまで拡大する
可能性があることが分かりました(図 2-2 パターン④参照)。
図 2-2
2020 年の日米中間の越境EC市場規模予測(パターン①~④)
(パターン①)
4,879億円
中国
9,331億円
3,716億円
4,452億円
264億円
米国
9,253億円
5,537億円
日本
2,977
億円
2,714億円
矢印は、販売国から購入国へ
の流れを示す。
内の数字は、各国の越境ECに
よる購入総額
(パターン②)
6,595億円
中国
12,613億円
4,813億円
6,018億円
429億円
米国
11,884億円
7,171億円
日本
4,843
億円
4,414億円
矢印は、販売国から購入国へ
の流れを示す。
内の数字は、各国の越境ECに
よる購入総額
6
(パターン③)
8,539億円
中国
16,330億円
4,813億円
7,791億円
429億円
米国
11,884億円
7,171億円
日本
4,843
億円
4,414億円
矢印は、販売国から購入国へ
の流れを示す。
内の数字は、各国の越境ECに
よる購入総額
(パターン④)
9,607億円
中国
18,373億円
5,854億円
8,766億円
704億円
米国
14,576億円
8,722億円
日本
7,942億円
7,238億円
矢印は、販売国から購入国へ
の流れを示す。
内の数字は、各国の越境ECに
よる購入総額
7
(3)越境 EC の利用実態
①日本、米国及び中国の消費者の3か国間の越境 EC 利用率
日本、米国及び中国の消費者の3か国間の越境 EC 利用率を見ると、中国
消費者の越境EC利用率は4割程度であり、日本・米国と比較すると、越境
EC利用率が高くなっています(図 2-3)。
図 2-3
日本・米国・中国の EC 利用者による 3 か国間の越境EC利用率(2013)
0%
日本(N=1,816)
米国(N=1,930)
中国(N=1,999)
20%
40%
10.2%
60%
80%
100%
89.8%
24.1%
75.9%
35.4%
64.6%
利用している
利用していない
②日本、米国及び中国の消費者の今後の端末別越境 EC 利用意向
今後の越境 EC 利用意向について端末別に比較すると、日本、米国及び中
国のいずれも、パソコンでの利用意向が最も高くなっている一方、2番目に
利用意向が高い端末は、日本ではスマートフォンであるのに対し、米国及び
中国ではタブレットとなっています(図 2-4)。
また、中国に関しては、越境 EC 利用意向上位の端末3種(パソコン、タ
ブレット及びスマートフォン)について、利用意向があることを示す回答が
70%を超えており、3か国の中で突出して高くなっていることや、その他の
端末でも、日本・米国よりも高くなっていることが分かり、日本・米国より
も、今後の越境 EC の利用意向が高い傾向が見られます。
8
図 2-4
今後の越境 EC 利用意向
端末別(2013)
(越境 EC 積極的)
0%
20%
パソコン
タブレット
スマホ
インターネットTVメディアプレイヤ 携帯(非SP)
中国
中国
8.5%
中国
7.7%
米国
中国
8.5%
中国
日本(N=2,084)
米国(N=2,212)
中国(N=2,093)
16.3%
21.1%
11.1%
10.0%
52.4%
18.9%
9.6%
49.8%
17.0%
22.1%
9.9%
50.2%
22.7%
24.5%
17.2%
62.6%
9.7%
13.2%
19.4%
14.0%
23.5%
24.5%
22.9%
22.7%
61.5%
13.2%
9.4%
27.3%
61.4%
29.0%
18.5%
6.3% 5.9%
60.6%
13.9%
18.9%
6.7% 10.3%
8.9%
33.3%
24.9%
23.5%
12.5%
日本1.0%
3.7%
米国
21.7%
16.3%
日本1.2%
4.4%
39.5%
14.2%
10.4%
11.8%
8.5%
23.1%
18.2%
日本1.1%
4.7%
米国
20.8%
5.6% 5.7%
46.9%
14.5%
18.8%
11.9%
15.5%
13.8%
21.7%
14.5%
18.8%
日本1.3%
4.9%
米国
19.7%
6.6% 10.1%
38.7%
7.5%
38.3%
4.4%
日本1.7%
2.8%
6.7%2.3%
39.6%
13.5%
中国
25.5%
47.1%
13.3%
33.6%
15.9%
25.5%
29.3%
20.3%
18.0%
15.5%
中国
米国
22.4%
13.1%
100%
6.0%
20.1%
58.9%
日本 4.1%
米国
80%
13.2%
17.2%
15.2%
中国
米国
60%
23.8%
33.2%
米国
日本 6.1%
ゲーム機
40%
20.4%
日本
その他端末
(越境 EC 消極的)
50.3%
16.8%
23.3%
62.7%
8.9%
29.0%
51.4%
15.3%
22.2%
積極的に利用したい
機会があれば利用したい
どちらともいえない
まったく利用するつもりはない
あまり利用したくない
9