工業反応装置特論 講義時間:水曜6限 場所 :8-1A 担当 :山村 (前半) 1 (剛体)ブレード直下の流れと圧力分布 Newtonian corn syrup stagnation point せん断粘度μ 単位幅当り流量q 22° h(x) x 循環渦 移動速度U 移動固体と剛体ブレードに挟まれた 縮小流れの流れパターン F. Davard, D. Dupuis、J. Non-Newtonian Fluid Mech. 93 (2000) 17–28 ある流れ方向位置で 基礎式(第1回講義参照) 流体圧力は極大値 逆圧力勾配による逆流が発生 dp 1 q 6U 2 12 3 dx h h (1) 圧力分布の物理的説明 dp 0のなるクリアランスをh h*とすると dx 1 q 2q * (1)より0 6 U 2 12 3 h (2) * * U h h (2)を用いて(1)を書き直せば dp 1 h* 2 3 (3) dx h h dp (i ) 0の場合 dx 1 h* (3)より 2 3 0 h h* h h dp (ii ) 0の場合 dx 1 h* * 0 h h h 2 h3 p=p(x) p=p(x) h* 低圧 h(x) h* x 1D LUBRICATION THEORY (1) (例)剛直矩形ブレード塗布 クリアランスhは直線で 与えられるので rigid blade h ax b (2) h1 h2 ただしa , b h1 L Stagnation point h1 h2 U 0 xc L 潤滑理論から dp 1 q 6 U 2 12 3 (1) dx h h (2)を代入して dp 1 q 6 U 12 2 dx (ax b) (ax b) 3 4 1D LUBRICATION THEORY (2) 流量qはxによらず一定であることに注意し x 0でp p(基準圧) , h h1として積分すると 1 x 1 1 1 1 p p1 6 U ( ) 6 q 2 a ( ax b ) a ax b 0 0 x U 1 1 6 q 1 1 6 ( ) a ax b b a (ax b) 2 b 2 h h 第1項が支配的 h ax b, a 1 2 , b h1を代入すれば p (圧力増加、上流) L LU 1 1 6 Lq 1 1 p p1 6 ( ) ( 2 2 ) (3) 第2項が支配的 h1 h2 h h1 h1 h2 h h1 (圧力低下、下流) 粘度μ、ブレード長さL、基板速度U、 流量q、およびクリアランスh(x)を 代入してプロットすると圧力分布が得られる p1 0 x 5 L ブレードが受ける力 (3)を長さ方向に積分すれば、ブレードが流体から受ける (単位幅あたりの)力Fが得られる L F pdx 0 F / L p1 h1 h2 1 L 1 ln h1 h1 h1 h2 6 Lq 1 L 1 1 2 h1 h2 h1 h1 h2 h2 h1 6 LU h1 h2 (4) (4)の右辺は流れ方向の平均圧力に等しい L 1 p pdx F / L L0 6 1D LUBRICATION THEORY (3) 特別な場合―ブレード両端が大気解放― x Lでp p(基準圧 ), h h2なら 1 LU 1 1 6 Lq 1 1 06 ( ) ( ) h1 h2 h2 h1 h1 h2 h2 2 h12 整理して 1 1 1 1 ( 2 2 )q ( )U h2 h1 h2 h1 1 1 q U h2 h1 U q 1 / h1 1 / h2 さらにブレードが基板に平行ならh1 h2 ( h)として q U 1 Uhとなりクエット流れに一致 2/h 2 7 ブレード傾きによる変化 H マノメータ (液柱圧力計) a.縮小流れ b.拡大流れ 粘度1Pa∙s 100m 逆流 50m 100m h p1 0Pa 100m h2 50m h1 h L=100μm 10 m/s (600 m/min) x 0.00 0.12 0.1 -0.02 0.08 -0.04 p[MPa] p [MPa] 圧力分布 -0.06 0.06 0.04 -0.08 0.02 -0.10 -0.12 0 20 40 60 x[μm] 80 100 0.1MPa=1atm=10m H2O (水中10mにおける圧力と同じ) 0 20 40 60 80 100 x[um] ブレード中央部では負圧に成り得る → ブレード押し圧低減 下流部で流れ方向に圧力増加 → 渦発生の可能性 縮小・拡大流れの組み合わせ(1):ロール塗布 新日鉄住金 film transfer zone web Back up Roll film metering zone film transfer zone coated web x Metering Roll 0 film take-away zone adverse pressure gradient film forming zone FORWARD ROLL COATING pressure Applicator Roll (2本ロール間の) 縮小流れ 拡大流れ 9 縮小・拡大流れの組み合わせ(2):グラビア塗布 各装置で1色ずつ塗布 流路縮小による 圧力増加 流路拡大による 圧力低下 大気圧へ 100000 系列2 80000 60000 p[Pa] 40000 Rigid or Deformable roll 20000 0 -20000 Filament Film on lands Gravure roll 0 20 40 60 -40000 80 100 圧力増加(セル内) -60000 x[m] Residual film Blade 30m 100m pyramidal (ピラミッド) trihelical (斜線) honeycomb (ハニカム) 40m 10 m/s (600 m/min) ロール曲率等を考慮したより現実的な解析例は Xiuyan Yin, Satish Kumar, PHYSICS OF 10 FLUIDS, 17, 063101(2005) ミッション: □ □ □ □ □ □ □ □ □ 潤滑理論の基礎式を導出できる 潤滑理論から流体圧力分布を算出できる 毛管力を考慮したFilm Profile Equation(FPE)を導出できる 1D-FPEの線形安定性ができる スロットダイ塗布のコーティングウィンドウを求められる 粘弾性流体に対するMaxellモデルを導出できる 非相溶高分子溶液中に対するCahn-Hilliard Equation (CHE)を導出できる 1D-CHEの線形安定性ができる 拡散係数が推算できる 11 Report 2 film thickness in blade coating 氏名 右図のようなブレード塗布を考える。基板表面に沿った方向にx軸、基板に 垂直な方向にy軸をとり任意のx座標におけるブレード・基板間のクリア ランスをh(x)=h1-(h1-h2)x/Lとする。 [問1]単位幅あたりの液体の流量をq(m2/s)と書き潤滑理論(lubrication theory)を 用いると圧力勾配は次式で与えられることを導け。 dp 1 q 6U 2 12 3 (1) dx h h y x 0 [問2]式(1)をx=0から任意の位置xまで積分すると液体圧力p(x)は次式で表わされる。 6LU 1 1 6Lq 1 1 p( x) p1 2 (2) 2 h1 h2 h( x) h1 h1 h2 h( x) h1 x=Lにおける圧力p(L)が上流側圧力p1に等しい場合、流量qは次式で与えられることを示せ。 U q (3) 1 / h1 1 / h2 [問3] 問1-2の結果から圧力pが極大値を示すのはクリアランスhが次式を満たす 場合であることを示せ。 2 h (4) 1 / h1 1 / h2 [問4]ブレード直下の速度分布は次式で表される。 1 dp 2 U 1 dp u y h y U (5) 2 dx h 2 dx ブレード面上(y=h)でdu/dy=0となる、すなわち逆流が発生し始めるのは、 クリアランスhが次式を満たす場合であることを示せ。 この条件を満たすブレード面上の点は淀み点(stagnation point)と呼ばれる。 3 h (6) 1 / h1 1 / h2 12
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