第4回

慣性力と復元力
建物の固有周期
 mx  kx  0  mx  kx  0
S造建物の固有周期
T= 0.1N 秒
(Nは建物の階数)
正方向
大きく揺れるときの
免震建物の固有周期
T=2~4秒
(建物の階数に関わらず)
スカイツリー
634m
神楽坂1号館
地上17階
野田7号館
地上2階
霞ヶ関ビル
地上36階
m:質量
加速度
高層建物ほど周期が長い
x 
d2
x
dt 2
k:ばね
九段校舎
地上7階
野田2号館
地上4階
ランドマーク
タワー
地上70階
(正方向)
三井霞ヶ関ビル(日本初の超高層ビル)
地上36階→約3.6秒
(実際は4.2秒)
大地震を受けた後の固有周期の伸び
(特にRC造)
T (s)
0
T0(s)

野田キャンパス・講義棟
小刻みに揺れる
ゆったりと揺れる
ただし、常時はこれよりも短い
2011年東北地方太平洋沖地
震時の2号館の固有振動数
の変動
固有周期の変化
T0 (k )  2
4.7Hz→3.9Hz
mは同じでkが変化
する場合を考える
m
k
テイラー展開の公式 T0 ( k  k )  T0 (k ) 
3.11本震
ここで、
3.9前震
dT0 (k )
k   を利用する。
dk
1
 1 3 
dT0 (k ) d 
m
d   
1
m
1
 2
  2 m  k 2   2 m   k 2    2

  T0 ( k )

 2

dk
dk 
k 
dk 
2k
k
2k



ひび割れ
T0 (k  k )  T0 (k ) 
フーリエ振幅スペクトル比
(長辺方向、Parzen0.1Hz)

大地震
T0 ( k  k )
1 k
の変化

2 k
T0 ( k )
減衰が発生する要因
減衰振動
地盤に波動エネル
ギーが流れる効果
(地盤逸散減衰)
振幅が減少
x
x
x0
x0
実際には。。。
部材に亀裂等が生じることによってエ
ネルギーを消費する効果(履歴減衰)
h=0
t(s)
h=0.05
x
x
x0
x0
10T0
t(s)
10T0
-x0
h=0.02
制震装置による応答低減
効果(付加減衰)
10T0
-x0
-x0
減衰がない場合
T0 (m  m)
1 m

の変化
T0 ( m)
2 m
10T0
ひび割れ
(たわみ)
同様に
減衰定数による自由振動の違い
-x0
構造・非構造部材のずれ、がた、摩
擦等によってエネルギーを消費する
効果(構造減衰)
k
 k 
T0 (k )  T0 (k )1 

2k
 2k 
t(s)
h=0.10
t(s)
Q1 建物の(1 次)固有周期について、S 造は T0=0.1N(s)、RC 造は T0=0.06N(s)で概算される。ここで N は階数であ
る。次の建物の 1 次固有周期 T0(s)の概算値を示しなさい。
2014 年 10 月 20 日
建築振動学 04
永野正行
(a)
5 階建て S 造:
T0=0.1×5=0.5(s)
(b)
12 階建て RC 造:
T0=0.06×12=0.72(s)
(c)
36 階建て S 造:
T0=0.1×36=3.6(s)
(d)
40 階建て RC 造:
T0=0.06×40=2.4(s)
Q2 次の建物について、初期変位を 1cm としたときの自由振動の変位波形の概略図を描きなさい。
(a)
T0=1(s),h=0.1
(b)
f0=2(Hz),h=0.05
Q3 超高層建物の揺れについて以下の問いに答えなさい。
(a)
50 階建て S 造の 1 次固有周期 T0(s)の概算値を示しなさい。
T0=0.1×50=5(s)
(b) 観測に基づく超高層建物の減衰定数は 1%程度とされている。このとき、50 階建て S 造の超高層ビルの
自由振動が十分に小さくなるのに要する時間を推定しなさい。
減衰定数を h=0.01 とすると、自由振
動が十分に小さくなるのに要する時間は約 50 周期。よって、5×50=250(s)