Asset-Based Analytics

OSIsoft
2014
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Asset-Based Analytics
Asset-Based Analytics とは何か?
Asset-Based Analytics は、PI AF の新しい機能です。PI AF の属性に対し PI PE 構文を用いた演算を構成し、スケジュー
ル化し、実行させることができます。この新機能によって、既存データを新しい形にし、付加的な情報を与え、現在の PI インフラ
に新たな力を与えることができます。
設定、テスト、分析管理を行う主となるユーザーインターフェースは、PI System Explorer です。演算値は、PI タグに保存す
ることもできます。特に、スケジュールされた演算の結果を時間とともにヒストリーとして保存したい場合に役立ちます。また、
OSIsoft クライアントツールを使い、値を簡単に可視化することができます。
Asset-Based Analytics の適用例を下記に紹介いたします。
式:
工場で電動ポンプ(もしくは他のアセット)を使用しているとして、一時間毎に電気使用の平均値を知りたいとします。
Asset-Based Analytics を使うことにより、PI AF で素早く計算式を作成して対象のポンプに結び付けることができます。作成
した計算式は実行・結果検証の後、PI System Explorer 内で分析をスケジュールすることができます。このひとつの電動ポ
ンプに適用された方程式から、全く同じ方程式をテンプレート化し、工場にある何千ものポンプに当てはめることができます。
ロールアップ:
ある地区の工場で多数の電動ポンプが稼動しているとします。管理者がこれらのポンプの一日当たりの合計と平均の電力使用
量を知りたいとします。PI AF の中で定義されたロールアップを部門レベルで構成し、ひとつの分析式を適用するだけで迅速に
その範囲内にある全てのポンプのデータを得ることができます。
(補足:ロールアップとは、選択した属性の統計値を計算する機能のことを表します。例えば、工場というエレメントが、温度の属
性を有しているとします。工場にある全てのポンプの平均温度を測る時に、ロールアップを使用することで、要する時間を削減
することができます。)
イベントフレーム:
プロセスエンジニアが、目視することなく、出力急騰を確認できる良い方法を探しています。また、値がしきい値を超えた時間帯
も知りたいとします。Asset-Based Analytics なら、Event Framework Analysis をそれぞれのポンプに追加し、状況変化
を追跡調査することができます。イベントフレームテンプレートと共に適宜に構成されることで、出力急騰の条件を満たしトリガー
が発動した時に、ある新しいイベントフレームが作成されます。また、Asset Based Analytics のバックフィル機能を使用する
ことで、過去の欠損した時系列データを素早く埋め合わせることができます。上記の機能により、エンジニアが
PI
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Coresight を使用して、容易にイベントの発見とデータの表示ができます。計算式とロールアップ同様に、分析をテンプレート
化し、すべての電気ポンプに適用できます。
クイックスタートのヒント
1) 何が必要か?
Asset-Based Analytics は、PI Asset Framework (PI AF) 2014 の新機能です。PI AF Server と PI AF Client に加
え、PI Analysis Service をインストールする必要があります。
2) 構文・レビュー
PI Performance Equation 構文は、計算式や Event Frame Generation 分析タイプに使われます。下記の例をご参考
下さい。
タイプ
ルール
例
文字列
ダブルクォート
“Active”
時間
シングルクォート
‘*-1h’
変数
クォートなし
TargetFlow
属性
シングルクォート
‘スピード’
タグ
シングルクォート
‘¥¥ServerName¥Sinusoid’
コメント
2 つのスラッシュ
//これはコメントです
上記の例で、Convert という関数が AverageGasFt という変数の単位を毎秒立方フィートから毎分米国ガロンに変換するた
めに使われています。時間(例:'*-5m')と属性の名前(例:'Fuel Gas Flow')は、シングルクォートが必要ですが、変数名は
必要としないことに注意してください。関数のリストは、PI System Explorer> Help> Help Topics> AF> PI System
Explorer> Asset-Based Analytics for PI Server> Expression functions reference にあります。
3) 複数のインプットタグからのトリガー発動
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分析をスケジュール化する時に、Periodic (定周期)か Event-Triggered (イベントベース)を選択することができます。
Event-Triggered 分析の場合、PI Performance Equation と違い、分析を実行するトリガーを発動するためのインプットタ
グを複数選択することができます。これは3つ全ての分析タイプでも同様です(Expression、Rollup、Event Frame
Generation)。デフォルトでは、もしどのインプットタグであっても、新しい値を受け取れば、分析は実行されます。しかし、複数
のインプットタグがある分析では、下記の図の様に、”Any Input”をクリックし、自分が望むインプットタグを選択できます(複数
のうちいずれかのインプットタグが新しい値を受け取る際、Event-Triggered 分析のトリガーを発動させるインプットタグをマニ
ュアルで選択することが可能)。
4) バックフィルの基本
バックフィルとは、過去の時系列において、欠損データを埋め合わせる機能であり、ヒストリー値を基に値を求めます。3 つ全て
の分析タイプに対応しており、出力値の欠損を埋めるために使われます。しかし、PI Data Archive 上のバックフィルの対象と
なる時系列データ区間において、アウトプットタグやイベントフレーム等の値がある場合、バックフィルはされません(すでに値が
あるとバックフィルできない。)。複数の分析を選択するには、PI System Explorer に新しくできた”Analyses”プラグインタグ
から、バックフィルを全て実行することを推奨します。新しく作成された PI タグをバックフィルする時、アーカイブの再処理を避け
るため、最も良い方法は、PI Server のバージョン 3.4.390.16 かそれ以降のものを使うことです。Asset-Based
Analytics のバックフィルの詳細は下記 Web サイトに掲載されています(英語)。
https://techsupport.osisoft.com/Troubleshooting/KB/KB01056.
5) テンプレートとアウトプットタグの作成
テンプレートは拡張性と信頼性のあるソリューションとして、可能な限り使用することを推奨いたします。分析テンプレートは、エ
レメント・テンプレートの一部です。つまり、分析テンプレートを適用すれば、そのテンプレートを使う各エレメントが、自動分析機
能を持つことになります。アウトプットタグは“New Attribute Template”を選択することで作成されます。また、属性の名前と
タグの設定は変更可能です。
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6)Performance Equation Scheduler と比較した Asset-based Analytics の利点

PI Asset Framework 使用:Asset-Based Analytics は PI AF を基盤にしているため、アセットベース PI System の利点を活
かすことができます。システム上の全ての時系列データを簡単に管理でき、タグ名を覚えるような煩雑な作業は不要、しか
も全社的に適用できます。

管理:PI System Explorer は、多数の分析を管理するためのプラグインを提供しています。アセット情報が PI AF の中にあ
るので、ワンストップで全ての分析を管理することができ、迅速で効率の良く業務を行うことができます。また、使い慣れた
方であれば、Excel アドインの PI Builder を使用し、分析を構成することができます。

複数のサーバー、インプット・アウトプット:Performance Equation と違い、複数のインプット、アウトプット、そして
PI Data Archive のデータから、分析トリガーを発動させることができます。

テンプレート:PI AF のテンプレート利用機能は、PI System Management Tool(PI SMT)の Performance Equation と比べ、
迅速な実行とより簡単な分析管理を可能にしています。ある分析テンプレートを作成するとそれは関連する全てのエレメン
トに自動的に適用することができます。 テンプレート上の全ての変更は直ちに各エレメントに反映されるので、エラーを最
小限に抑え、類似しているアセットや分析の一貫性を保つことができます。

冗長性とデータインテグリティ(データ保全):Asset-Based Analytics は、新しいデータ授受とキャッシュ・メカニズムを使用
し、PI Performance Equation Scheduler よりも、高い処理能力と拡張性のある演算を実現できます。

PI AF を使用しデータ集約:PI System 以外からの情報を PI AF に移行し、PI Data Archive 上の時系列データと共に利用
できます。よって、企業全体のデータを網羅し分析することができます。
PI Live Library から更に詳細な情報をご覧いただけます(英語)。
http://livelibrary.osisoft.com/LiveLibrary/web/pub.xql?action=publist_home
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