技術情報 高圧変圧器および制御電源用の変圧器に関する必要条件 (接続対象機種:CP XT または CP-JP シリーズの Sunny Central パワーコンディショナ、SUNNY CENTRAL STORAGE) 内容 本書では、CP XT または CP-JP シリーズの Sunny Central パワーコンディショナや Sunny Central Storage SCS 500 / 630 / 720 / 760 / 800 に接続する制御電源用の変圧器および高圧変圧器に関する必要 条件を説明します。 SMA Solar Technology AG からご購入された変圧器に対してのみ、法定のメーカー保証が行われます。 SC_Trafo-TI-ja-52 ¦ バージョン 5.2 日本語 1 高圧変圧器の技術要件 SMA Solar Technology AG 1 高圧変圧器の技術要件 1.1 一般的な必要条件 ෩ 高圧変圧器には(例えば鉱物性または生物分解性のオイルを用いた)油入式と乾式があります。 ෩ 高圧変圧器は、必ずパワーコンディショナのパルスモードに対応するものをご使用ください。 ෩ 高圧変圧器の低圧側巻線は、パワーコンディショナがパルスモードで生成する電圧に対応する仕 様でなければなりません。 ‒ 型式 SC 500CP XT / 630CP XT / 720CP XT / 760CP XT / 800CP XT および SCS 500 / 630 / 720 / 760 / 800 のパワーコンディショナの対地電圧は、最大 ±1,450 V に達することがあります。 ‒ 型式 SC 850CP XT / 900CP XT および SCS 850 / 900 のパワーコンディショナの対地電圧は、 最大 ±1,600 V に達することがあります。 図 1: SC 850CP XT / SC 900CP XT / SCS 850 / SCS 900 の低圧側巻線の電圧レベル ‒ 型式 SC 500 CP-JP のパワーコンディショナの対地電圧は、最大 ±800 V に達することがあります。 ‒ 型式 SC 630CP-JP / 800CP-JP のパワーコンディショナの対地電圧は、最大 ±1,450 V に達する ことがあります。 図 2: 2 SC 500CP-JP の低圧側巻線の電圧レベル SC_Trafo-TI-ja-52 技術情報 SMA Solar Technology AG 1 高圧変圧器の技術要件 ෩ 高圧変圧器の低圧側巻線は、最大対地電圧 500 V/µs の電圧勾配 dV/dt に対応している必要があり ます。線間電圧は正弦曲線を描きます。 ෩ 低圧側巻線と高圧巻線の間には、タンクに接地されたシールド巻線が組み込まれていなければな りません。これが追加の dV/dt フィルタの役割を果たします。 ෩ パワーコンディショナごとに、電気的に絶縁された低圧側巻線がそれぞれ必要になります。した がって、複数のパワーコンディショナを一つの低圧側巻線に接続して、同時に運転することはで きないようになっています。 ෩ 高圧変圧器の低圧側巻線の電圧は、パワーコンディショナの出力電圧に応じて次の値に従うもの とします。 パワーコンディショナ AC 出力電圧 高圧変圧器 低圧側 SC 500CP-JP 205 V SC 500CP XT / SCS 500 270 V SC 630CP XT / SC 630CP-JP / SCS 630 315 V SC 720CP XT* / SCS 720* 324 V SC 760CP XT*/ SCS 760* 342 V SC 800CP XT* / SC 800CP-JP / SCS 800* 360 V SC 850CP XT* / SCS 850* 386 V SC 900CP XT* / SCS 900* 405 V * ご要望に応じて、上記以外の AC 電圧にも対応可能です。 ෩ 高圧変圧器の高圧側の電圧レベルは、系統連系点の電圧レベルに応じて選択する必要がありま す。装置は高圧系統または低圧系統に接続できます。高圧系統に接続する場合には、高圧側に タップ切換器の付いた高圧変圧器を使用して、高圧系統の電圧レベルに合わせることを SMA Solar Technology AG は推奨します。 ෩ 熱定格の設計には、高圧変圧器の負荷曲線と設置場所の周囲条件を考慮します。夜間に無効電力 を付加供給する機能(オプション "Q at Night")を使用する場合、高圧変圧器の容量の設計にお いて予想される負荷を高めに設定する必要があります。夜間における付加的な無効電力の供給量 は、パワーコンディショナの最大電力の 30% までとします。 ෩ Sunny Central Storage 併用時の高圧変圧器の設計においては、バッテリー駆動のため、高圧変圧 器は一晩中ほとんど冷却されないことにご留意ください。 ෩ パワーコンディショナの発電動作は気温に応じて変わりますが、必ずそのことを念頭において高 圧変圧器を設計してください。周囲温度が +25°C までの範囲では、110 % の電流負荷能力が高 圧変圧器に必要です。周囲温度が +25°C +50°C の範囲では、公称電力までパワーコンディ ショナの出力が直線的に減衰するようになっています。 高圧変圧器は必ず以下の公称電流を念頭に置いて設計してください。 パワーコンディショナ 50°C における 公称 AC 電流 25°C における AC 出力電流 SC 500CP-JP 1,283 A 1,411 A SC 500CP XT / SCS 500 1,070 A 1,176 A SC 630CP XT / SC 630CP-JP / SCS 630 1,155 A 1,283 A SC 720CP XT / SCS 720 1,283 A 1,411 A SC 760CP XT / SCS 760 1,283 A 1,411 A SC 800CP XT / SC 800CP-JP / SCS 800 1,283 A 1,411 A SC 850CP XT / SCS 850 1,283 A 1,411 A SC 900CP XT / SCS 900 1,283 A 1,411 A 技術情報 SC_Trafo-TI-ja-52 3 1 高圧変圧器の技術要件 SMA Solar Technology AG パワーコンディショナの過負荷能力の詳細については、以下の文書を参照してください。 ‒ パワーコンディショナのデータシート ‒ パワーコンディショナの設置説明書 ‒ 技術情報:輸送と設置に関する重要な情報 対象機種:Sunny Central 500CP-JP / 630CP-JP / 800CP-JP ‒ 技術情報 : 輸送と設置に関する重要な情報 対象機種:Sunny Central 500CP-JP / 500CP XT / 630CP XT / 720CP XT / 760CP XT / 800CP XT / 850CP XT / 900CP XT ‒ 技術情報:輸送と設置に関する重要な情報 対象機種:Sunny Central Storage 500 / 630 / 720 / 760 / 800 / 850 / 900 ෩ 高圧変圧器を高圧側で接地する必要がある場合には、接地方式も考慮しなければなりません。 ෩ 高圧変圧器を含めたシステム全体を設計する場合には、短絡、地絡、電源異常などのすべてのエ ラーによって起こる問題を考慮する必要があります。 ෩ 設置場所で使われている電力周波数を考慮する必要があります。 ෩ 日本で適用される規格を必ず考慮してください。 1.2 パワーコンディショナ 1 台の接続に用いられる 2 巻線式変圧器の 必要条件 ෩ 対応する中性点の処理には、以下のベクトルグループが推奨されます。 高圧側の絶縁中性点 高圧側の接地補償 低抵抗で接地された中性点 Dy11, Dy5, Dy1, Dd0, Dd6 YNy0 YNy0 Yd11, Yd5, Yd1 YNd11, YNd5, YNd1 低圧側に中性点接続端子があっても、決してそれを接地したり、それに接続したりしないでくだ さい。 図 3: 2巻線式変圧器の回路図(例) ෩ 高圧変圧器の系統連系点とパワーコンディショナの系統連系点の間における高圧変圧器の % イ ンピーダンス Vk は、必ず次の値に従うものとします。 4 パワーコンディショナ % インピーダンスの 絶対最小値 公称値 % インピーダンスの 絶対最大値 SC 500CP XT / SC 500CP-JP / SCS 500 4% 6% 7% SC 630CP XT / SC 630CP-JP / SCS 630 4% 6% 7% SC 720CP XT / SCS 720 4% 6% 7% SC_Trafo-TI-ja-52 技術情報 SMA Solar Technology AG 1 高圧変圧器の技術要件 パワーコンディショナ % インピーダンスの 絶対最小値 公称値 % インピーダンスの 絶対最大値 SC 760CP XT / SCS 760 4% 6% 7% SC 800CP XT / SC 800CP-JP / SCS 800 4% 6% 7% SC 850CP XT / SCS 850 4% 6% 7% SC 900CP XT / SCS 900 4% 6% 7% % インピーダンスは高圧変圧器の公称電力に基づいています。 1.3 パワーコンディショナ 2 台の接続に用いられる3巻線式変圧器 (Low - High - Low)の必要条件 ෩ 3巻線式変圧器は一つの高圧側巻線と二つの低圧側巻線から構成されています。 ෩ 必ず LHL(Low - High - Low)タイプの3巻線式変圧器をお使いください。LHL 高圧変圧器では、 高圧側巻線は二つの低圧側巻線に挟まれています。 図 4: 3巻線式変圧器の設計 記号 名称 A コア B 低圧側巻線 1 C 高圧側巻線 D 低圧側巻線 2 E シールド巻線 ෩ 3 巻線式変圧器は、バージョン A4 以降の Sunny Central CP XT のみに使用可能です。パワーコン ディショナの型式は銘板に記載されています。 ෩ Sunny Central Storage 用電源に 3 巻線式変圧器を使用する場合は、SMA Solar Technology AG に ご相談ください。Sunny Central Storage には、2 巻線式あるいは 4 巻線式変圧器の使用を推奨し ます。 ෩ 3 巻線式変圧器には様々なベクトルグループが使用可能です。対応する中性点の処理には、以下 のベクトルグループが推奨されます。 高圧側の絶縁中性点 高圧側の接地補償 低抵抗で接地された 中性点 Dy11y11, Dy5y5, Dy1y1, Dd0d0, Dd6d6 YNy0y0 Yd11d11, Yd5d5, Yd1d1 技術情報 YNy0y0 YNd11d11, YNd5d5, YNd1d1 SC_Trafo-TI-ja-52 5 1 高圧変圧器の技術要件 SMA Solar Technology AG ෩ 低圧側に中性点接続端子があっても、決してそれを接地したり、それに接続したりしないでくだ さい。低圧側に中性点接続端子があっても、決してそれを接地したり、それに接続したりしない でください。 図 5: 3巻線式変圧器の回路図(例) ෩ 3巻線式変圧器は、低圧システム側の非対称の負荷潮流を必ず考慮して設計してください。すな わち、長期的に安定した稼働のために、必ずパワーコンディショナ1台だけの系統連系を前提に 変圧器を設計します。 ෩ 高圧変圧器の系統連系点とパワーコンディショナの系統連系点の間における高圧変圧器の % イ ンピーダンス Vk は、必ず次の値に従うものとします。 パワーコンディショナ % インピーダンスの 絶対最小値 公称値 % インピーダンスの 絶対最大値 SC 500CP XT / SC 500CP-JP / SCS 500 4% 6% 7% SC 630CP XT / SC 630CP-JP / SCS 630 4% 6% 7% SC 720CP XT / SCS 720 4% 6% 7% SC 760CP XT / SCS 760 4% 6% 7% SC 800CP XT / SC 800CP-JP / SCS 800 4% 6% 7% SC 850CP XT / SCS 850 4% 6% 7% SC 900CP XT / SCS 900 4% 6% 7% % インピーダンスは高圧変圧器の公称電力の半分を基準としています。 ෩ 高圧変圧器の系統連系点と 2 台のパワーコンディショナの系統連系点との間における % イン ピーダンスの差を必ず 2.0 % 未満に抑えてください。 例:% インピーダンスの許容差 高圧側巻線から低圧側巻線 1 への絶対 % インピーダンスは 5.8 % です。高圧側巻線から低圧側 巻線 2 への絶対 % インピーダンスは 4.0 % です。よって、その差は 1.8 % であり、2.0 % より 小さいため、% インピーダンスの偏差は許容範囲内にあります。 例:許容範囲を超えた % インピーダンスの偏差 高圧側巻線から低圧側巻線 1 への絶対 % インピーダンスは 6.2 % です。高圧側巻線から低圧側 巻線 2 への絶対 % インピーダンスは 4.0 % です。よって、その差は 2.2 % であり、2.0 % より 大きいため、% インピーダンスの偏差は許容範囲外となります。 6 SC_Trafo-TI-ja-52 技術情報 SMA Solar Technology AG 1 高圧変圧器の技術要件 ෩ 二つの低圧側巻線の間の絶対 % インピーダンス Vk は必ず 8 % を超えるようにしてください。% インピーダンスは高圧変圧器の公称電力の半分を基準としています。低圧側巻線のいずれかを短 絡し、残りの低圧側巻線の電圧を低圧システムの公称電流に達するまで徐々に上げていくことに より、この値は確認できます。このとき、高圧側巻線は無負荷運転状態にあります。 図 6: 3巻線式変圧器の % インピーダンスを確認するための回路図(例) 1.4 パワーコンディショナ 2 台の接続に使われる4巻線式変圧器の 必要条件(2段式変圧器) ෩ 4巻式変圧器は、二つの高圧側巻線と二つの低圧側巻線から構成されています。 ෩ 4巻線式変圧器に、それぞれの低圧側巻線に独立したシールド巻線を接続することを推奨します。 図 7: 4巻線式変圧器に、それぞれの低圧側巻線に独立したシールド巻線を接続することを推奨します。 記号 名称 A コア B 低圧側巻線 1 C 高圧側巻線 D 低圧側巻線 2 E シールド巻線 ෩ 4 巻線式変圧器には、様々なベクトルグループが使用可能です。対応する中性点の処理には、 以下のベクトルグループが推奨されます。 高圧側の絶縁中性点 高圧側の接地補償 低抵抗で接地された 中性点 Dy11y11, Dy5y5, Dy1y1, Dd0d0, Dd6d6 YNy0y0 Yd11d11, Yd5d5, Yd1d1 YNd11d11, YNd5d5, YNd1d1 技術情報 YNy0y0 SC_Trafo-TI-ja-52 7 1 高圧変圧器の技術要件 SMA Solar Technology AG ෩ 低圧側に中性点接続端子があっても、決してそれを接地したり、それに接続したりしないでくだ さい。 図 8: 4巻線式変圧器の回路図(例) ෩ 4 巻線式変圧器は、低圧システム側の非対称の負荷潮流を必ず考慮して設計してください。すな わち、長期的に安定した稼働のために、必ずパワーコンディショナ1台だけの系統連系を前提に 変圧器を設計します。 ෩ 高圧変圧器の系統連系点とパワーコンディショナの系統連系点の間における高圧変圧器の % イ ンピーダンス Vk は、必ず次の値に従うものとします。 パワーコンディショナ % インピーダンスの 絶対最小値 公称値 % インピーダンスの 絶対最大値 SC 500CP XT / SC 500CP-JP / SCS 500 4% 6% 7% SC 630CP XT / SC 630CP-JP / SCS 630 4% 6% 7% SC 720CP XT / SCS 720 4% 6% 7% SC 760CP XT / SCS 760 4% 6% 7% SC 800CP XT / SC 800CP-JP / SCS 800 4% 6% 7% SC 850CP XT / SCS 850 4% 6% 7% SC 900CP XT / SCS 900 4% 6% 7% % インピーダンスは高圧変圧器の公称電力の半分を基準としています。 ෩ 高圧変圧器の系統連系点と 2 台のパワーコンディショナの系統連系点との間における % イン ピーダンスの差を必ず 2.0 % 未満に抑えてください。 例:% インピーダンスの許容差 高圧側巻線から低圧側巻線 1 への絶対 % インピーダンスは 5.8 % です。高圧側巻線から低圧側 巻線 2 への絶対 % インピーダンスは 4.0 % です。よって、その差は 1.8 % であり、2.0 % より 小さいため、% インピーダンスの偏差は許容範囲内にあります。 例:許容範囲を超えた % インピーダンス偏差 高圧側巻線から低圧側巻線 1 への絶対 % インピーダンスは 6.2 % です。高圧側巻線から低圧側 巻線 2 への絶対 % インピーダンスは 4.0 % です。よって、その差は 2.2 % であり、2.0 % より 大きいため、% インピーダンスの偏差は許容範囲外となります。 8 SC_Trafo-TI-ja-52 技術情報 SMA Solar Technology AG 2 制御電源用変圧器の技術要件 ෩ 二つの低圧側巻線の間の絶対 % インピーダンス Vk は必ず 8 % を超えるようにしてください。 % インピーダンスは高圧変圧器の公称電力の半分を基準としています。低圧側巻線のいずれかを 短絡し、残りの低圧側巻線の電圧を低圧システムの公称電流に達するまで徐々に上げていくこと により、この値は確認できます。このとき、高圧側巻線は無負荷運転状態にあります。 図 9: 4 巻線式変圧器の % インピーダンスを確認するための回路図(例) 2 制御電源用変圧器の技術要件 CP XT シリーズのパワーコンディショナおよび Sunny Central Storage には、外部 AC 電源が必要で す。パワーコンディショナへの電圧供給には、制御電源用変圧器を使用します。 2.1 太陽光発電システム側の系統に接続するための必要条件件 ෩ 必ず三相式の制御電源用変圧器をご使用ください。 ෩ 制御電源用変圧器の二次側は、パワーコンディショナに接続するために 、230 V/400 V (3/N/PE) の電圧を供給しなければなりません。 ෩ 太陽システム側の系統に接続するためには、制御電源用変圧器の一次電圧が系統電圧と同じであ る必要があります。 図 10: 太陽発電システム側の系統に制御電源用変圧器を接続 ෩ 制御電源用変圧器で、パワーコンディショナ1台当たり最低 2.8 kVA の電力供給が可能でなけれ ばなりません。 ෩ 複数のパワーコンディショナそれぞれに最低 2.8 kVA を供給できる容量を持つ変圧器であれば、 それ1台で複数のパワーコンディショナの電源として使用できます。 ෩ 制御電源用変圧器は、80% の非対称的な負荷に対しても必ず適切に対応できるように設計してく ださい。SMA Solar Technology AG では、ベクトルグループ Dyn5 の制御電源用変圧器の使用を 推奨いたします。 ෩ 制御電源用変圧器には、過負荷に対する外部的保護が必要です。 ෩ 制御電源用変圧器には、パワーコンディショナに対して発生し得る短絡電流を 6 kA 以内に抑え る外部短絡保護機能が必要です。 ෩ パワーコンディショナを保護するために、パワーコンディショナと制御電源用変圧器の間に過電 圧保護回路を組み込む必要があります。 ෩ 制御電源用変圧器が置かれている場所の周囲条件を必ず考慮してください。 技術情報 SC_Trafo-TI-ja-52 9 2 制御電源用変圧器の技術要件 SMA Solar Technology AG ෩ 設置場所で使われている電力周波数を考慮する必要があります。 ෩ 日本で適用される規格を必ず考慮してください。 2.2 パワーコンディショナの AC 出力への接続に関する必要条件 ෩ 必ず三相式の制御電源用変圧器をご使用ください。 ෩ 制御電源用変圧器の二次側が、パワーコンディショナに接続するために、230 V/400 V (3/N/PE) の 電圧を供給しなければなりません。 図 11: 制御電源用変圧器をパワーコンディショナの AC 出力に接続 ෩ 一次側の電圧は、以下に示すパワーコンディショナの出力電圧に必ず対応させてください。 パワーコンディショナ AC 出力電圧 制御電源用変圧器の一次側電圧 SC 500CP-JP 205 V SC 500CP XT / SCS 500 270 V SC 630CP XT / SC 630CP-JP / SCS 630 315 V SC 720CP XT / SCS 720 324 V SC 760CP XT / SCS 760 342 V SC 800CP XT / SC 800CP-JP / SCS 800 360 V SC 850CP XT / SCS 850 386 V SC 900CP XT / SCS 900 405 V ෩ 制御電源用変圧器で、パワーコンディショナ1台あたり最低 2.8 kVA の電力供給が可能でなけれ ばなりません。 ෩ 複数のパワーコンディショナそれぞれに最低 2.8 kVA を供給できる容量を持つ変圧器であれば、 それ1台で複数のパワーコンディショナの電源として使用できます。 ෩ 制御電源用変圧器は、80% の非対称的な負荷に対しても必ず適切に対応できるように設計してく ださい。SMA Solar Technology AG では、ベクトルグループ Dyn5 の制御電源用変圧器の使用を 推奨します。 ෩ 制御電源用変圧器には、過負荷に対する外部的保護が必要です。 ෩ 制御電源用変圧器には、パワーコンディショナに対して発生し得る短絡電流を 6 kA 以内に抑え る外部短絡保護機能が必要です。 ෩ パワーコンディショナを保護するために、パワーコンディショナと制御電源用変圧器の間に過電 圧保護回路を組み込む必要があります。 ෩ 制御電源用変圧器が置かれている場所の周囲条件を必ず考慮してください。 ෩ 設置場所で使われている電力周波数を考慮する必要があります。 ෩ 日本で適用される規格を必ず考慮してください。 ෩ 制御電源用変圧器の一次側は、パワーコンディショナのパルスモードに対応しなければなりません。 10 SC_Trafo-TI-ja-52 技術情報 SMA Solar Technology AG 2 制御電源用変圧器の技術要件 ෩ 制御電源用変圧器の一次側は、パワーコンディショナのパルスモードで発生する電圧に対応しな ければなりません。 ‒ 型式 SC 500CP XT / 630CP XT / 720CP XT / 760CP XT / 800CP XT および SCS 500 / 630 / 720 / 760 / 800 のパワーコンディショナの対地電圧は、最大 ±1,450 V に達することがあります。 ‒ 型式 SC 850CP XT / 900CP XT および SCS 850 / 900 のパワーコンディショナの対地電圧は、 最大 ±1,600 V に達することがあります。 図 12: SC 850CP XT / SC 900CP XT / SCS 850 / SCS 900 の低圧側巻線の電圧レベル ‒ 型式 SC 500CP-JP のパワーコンディショナの対地電圧は、最大 ±800 V に達することがあります。 ‒ 型式 SC 630CP-JP / 800CP-JP のパワーコンディショナの対地電圧は、最大 ±1,450 V に達する ことがあります。 図 13: SC 500CP-JP の低圧側巻線の電圧レベル ෩ 制御電源用変圧器の一次側は、対地電圧最大 500 V/µs の電圧勾配 dV/dt に対応している必要があ ります。線間電圧は正弦曲線を描きます。 ෩ 制御電源用変圧器の巻線は必ず電気的に絶縁させてください。単巻変圧器は使用しないでください。 技術情報 SC_Trafo-TI-ja-52 11
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