Page 1 Page 2 Page 3 Page 4 温度が低いほど分解程度が少なく60

一39-一
昭 和41年7月(1966年)
一
緑 色 野 菜 の 調 理 に よ る変 化
山
On
the
change
of chloropyll
durnig
the
田
cooking
代
of green
Kazuyo
緒
静
和
leaves
Yamada
ク トル か ら定 性 を 行 った 。
言
野 菜 や 果 実 に は 多 くの 色 素 が 含 まれ て お り,調 理 に
実 験 の 部
際 し これ らの 色 素 を 利 用 し,色 の 取 合 わ せ を す る こ と
が 多 い 。 しか し これ ら の植 物 色 素 は 酸 あ るい は ア ル カ
リ,金 属 と反 応 し変 色 を 示 す 事 が 多 い 。 緑 色 野 菜 は 葉
そ の 他 の 部 分 の 細 胞 の 葉 緑 体 中 にCarotenoid等
色 素 と と もに 葉 緑 素(chlorophyll)を
chlorophyllを
含 み.
の
この
含 む 緑 色 野 菜 を 沸 騰 水 に 入 れ る と緑 色
が 鮮 や か に な った り漬 物 に した 緑 葉,胡
瓜 が褐変す る
こ とは 日常経 験 す る現 象 で あ る 。又,chlorophy11は
ア ル カ リ よ りケ ン化 され てchユorophy11inと
な り冴
え た 緑 色 に 変 る。chlorophyllのMgをCuやFeで
置
換 したCu一 あ るい はFe-chlorophyllは
安 定 な緑 色 を
保 つ の で 昆 布 加 工 品 グ リン ピー ス そ の 他 の 缶 詰,び
詰 等 食 品 の 着 色 に 利 用 され,さ
臭:創
ん
品 さ らに 化
粧 品 等 に も広 く用 途 を 見 出 しつ つ あ る。
i葉緑 素(chlorophy11)はR.
Willstatter,
の 研 究 に よ りchlorophyll
れ 大 体 の 構 造 の 決 定 を 見,こ
(1)試
②
料
市 販 の ほ うれ ん 草
抽出
ほ うれ ん 草 の 緑 葉10gを
え て30分 間室 温 に 放 置 し,こ れ を ナ ス 型 フ ラ ス コ に 移
し還 流 冷 却 管 を つ け800cの
a. bが
H.
分離 さ
(3)Paper
した 。
chromatographyに
(a)展 開 方 法:一
よ る検 索
次元上 昇 法
{b}炉
紙:東 洋 炉 紙NoSa(2×40cm)
(C)展
開 容媒:ト
ル エ ン:酢
9
{d}展
開時 間 及 び 温度:2時
{e)結
果:第
第1表
酸 エ チル
1
間(35。cの
恒 温 器)
一・
表 の 通 りで あ る。
SamPleの
れ らの 研 究 が 基 と な っ て
色 素 のRf値,及
び 呈 色 と標 準
色 素 との 比 較
Sample
標
準
色
素
酸 あ るい は ア ル カ リ との 反 応 に つ い
て は 従 来 よ り研 究 が 行 わ れ,chlorophyllの
加 熱 に よ る変 化 に
つ い て は 桜 井 氏 はchlorophyllの
加熱 変化 は酵 素 に
よ らず 加 熱 に よ り化 学 変 化 を 起 す と報 告 し,梶 本 氏 は
油 脂 中 のchlorophyllin分
解 に つ い て報 告 した 。
著 者 は 緑 葉 中 のchlorophyll含
量 が調 理 に よ り,
ど の よ うに 変 化 す るか 加 熱 時 間,温 度,調
置 に よ る 変化,調
理 す る水 の
理 法 に よ る変 化 等 の影 響 を
検 討 し.実 際 調 理 を行 う 際 の指 針 を 得 るた め 最 も一 般
的 に 行 わ れ る 調 理 方 法 を 基 本 と して 本 実 験 を 開始 し
た 。 試 料 は ほ うれ ん 草 を 使 用 し光 電 比 色 計 の 近 赤 外 部
の 分 光 光 度 測 定 に よ るchlorophyll含
に 島 津 自記 分 光 光 度 計QR-50型
曇昭 和40年 度 卒 業 生
Rf値
分解過程
が 明 らか に な った 。chlorophyllの
pH,放
湯 浴上 で20分 間 加熱 し こ
れ を 炉 過 し源 液 をsampbeと
現 在 は ほ とん ど構 造 の 確 定 を見 るに 到 った 。
Chlorophyllと
細 か く刻 み エ タ ノー ル を 加
ら)/TYI_chlorophyllは脱
傷 等 の 治 療 剤 に 利 用 し,医 薬 品,食
Fischer等
〔1〕 緑 葉 色 素 の 抽 出 及 び 分 離
量 の定 量 並 び
の 可視部 の吸収 スペ
呈
Sp・t l lα44
Spot H
色iRf値1嬬
i黄
O.66
b
青 緑 色0.67`chl・r・pyll
a
Sp・t皿11Z黄
Sp・tN
色o.s・Xanth・phyll
1.・・
(4)Columll
色素色 名
色0.45・h1…phyll
i色11…
Chromatographyに
Carotene
よ る分 離 及 び そ
の 吸収 スペ ク トル
活 性 アル ミナ炭 酸 石 灰,乳
糖 を 吸 着 剤 と し石 油 ベ ン
ジン に そ れ ぞ れ を 懸 濁 し,吸 着 管 に 湿 式 法 に て充 填 を
行 いcolam血
ジ ン45m1,ベ
で3時
を 作 った 。 ほ うれ ん 草 葉5枚
ン ゼ ン5mlメ
を 石油 ベ ン
タ ノ ー ル15m1の
混液
間 浸 漬 後 源 過 し炉 液 を 分 液 炉 斗 中 再 三 水 と振 盈
し メ タ ノー ル を 完 全 に 除 去 し無 水 硫 酸 ナ トリウ ムで 乾
・
一 一40-・
食 物 学 会誌 ・第18号
燥 した 抽 出 液 を 流 し込 み 石 油 ベ ン ジ ン と ベ ン ゼ ン
の メ ス フ ラス コに 移 し85%aceto11を
(4:1>の
る。 この 液 の20m1を
混 液 で 展 開 した 。 各 成 分 の 分 離 が 終 っ た ら
受 器 を 減 圧 に しcolumn中
の 溶 媒 を 完 全 に 除 き,着
色 帯 を ス パ ー テ ル で 分 け 緑 色 着 色 帯 の 吸 収 ス ペ ル トル
を 島 津 自 記 分 光 光 度 計QR-50型
を 用 い て 測 定 した
。
結果
上 層 よ りchlorophyll
b a Xanthophyll,
が 輪 状 に 吸 着 した 。Chlorophyll
a及
Carotene
びbの
吸収ス
ペ ク トル の 極 大 値 が 既 知 の 極 大 値 と 一 致 し た こ と よ
り,黄
緑 色 がchlorophyllbで
rophyll
aで
青 緑 色 の 輪 状 がch工o-
あ る こ と を 確 認 した 。
第1図Paperchromato-graphyに
50m1を
入れ た 第
1分 液 炉 斗 に 入 れ 混 和 した 後 ,注 意 しな が ら水 を 脂 溶
性 色 素 が 明 らか にether層
に 移 行 す る ま で 加 え,ふ
りまぜ 静 置 した 後 水 層 を 捨 て る。 第1分
液炉斗 の下 口
を洗 源管 の 上 口 中 に 置 き洗 源 管 の 下 端 は 水50m1を
入
れ た 第2分
液
液 炉 斗 の 水 層 深 く挿 入 して お く。 第1分
炉 斗 か らether溶
液 を 流 下 し,終
斗 及 び洗 溝 管 を 少 量 のetherで
置 を 交 換 し第2分
液,炉
に 新 し く水50m1を
こよ る検 出
取 り. ether
加 え て 全 容 とす
脱 水 し,100m1の
液炉
洗 う。 両 分 液 炉 斗 の 位
斗 の 水 層 を 捨 て第1分
液源 斗
入 れ 洗 瀞 管 を 挿 入 し上 述 の 操 作 を
く りか え す 。 この 操 作 を7回
全 に 除 去 した 後,溶
った ら第1分
く りか え しacetenを
完
液 を 無 水 硫 酸 ナ ト リウ ム を 加 え て
メ ス フ ラス コに 移 しetherを
加え
て 一 定 容 と し これ を 検 液 と した 。 加 熱 の場 合 は各 湯 浴
第2図
Column
chromato
graphyに
よ る分 離
に て 一 定 時 間 加 熱 した 後,冷
水 に て急 冷 し上 記 と同 様
に 処 理 し検 液 と した 。
(3)計
算
この 検 液 につ い て642.5mμ
及 び660mμ
に於 け る
吸 光 度 を 島 津 ボ シ ュロ ム 回 折 格 子 形 光 電 比 色 計 ス ペ ク
第3図
Chlorophyll
a及
びbの 吸 収 曲 線
(エ ーテ ル 溶 液)
トロ ニ ッ ク20に て 測 定 し次 式 を 用 い て 各 成 分 含 有 量 を
求 め,試 料1009中
chlorophyll
第4図
〔E〕chlorophyl1含
(1)試
②
料
量の定量
市 販 の ほ うれ ん 草
検 液 の調 製
試 料5gを
乳 鉢 に 入 れ 石 英 砂 を 加 え て 軽 く短 時 間 す
りつ ぶ す 。 組 織 が くず れ つ ぶ し 易 く な っ た ら85,%
acetonを
加 え て細 か くす りつ ぶ す 。十 分 す りつ ぶ され
た らBuchnerが
斗 を 用 い て 吸 引 炉 過 し残 留 物 を85°o
acetonで 洗 液 を 炉 液 に に 合 併 す る 。残 留 物 は 乳 鉢 に 戻
し85°oacetonを
加 え 再 びす りつ ぶ し炉 過 洗 源 を行 な
った この 操 作 を 残 留 物 及 び 洗 液 が 緑 色 を 呈 さ な くな る
まで く りか え し炉 液 洗 液 を 集 め る全 洗 液 を 合 し100m1
のchlorophy11含
量 を 算 出 した 。
a(mg/9)-9.93Es,;o-0.777E⑰42.
加 熱 時 間 に よ るChlorophyllの
変化
一 一41一
昭 和41年7月(1966年)
chlorophyll
b(mg/9)=17.6E642.5-2.81E665
chlorophyll
a十b(mg〃)=7.12E660十16.8Es42.
加 熱 温 度 を60。80。900100Qと
30分60分
(E:吸
④
光 度)
①
及 び 第4図
熱 は 蒸 溜 水(pH=5.5)で
調 理 中 のchlorophyl]の
@加
と し て 各 々 のchlorophyll含
表 ∼ 第5表
実 験結果
変化につ い て
し時 間 を5分10分20分
∼ 第6図
量 を 定 量 し第2
の 結 果 を 得 た 。 なお 加
ビ ー カ ー に よ り直 接 加 熱 を
行 った 。
熱 温 度 と時 間 に よ る変 化
第5図
加 熱 時 間 に よ るChlorophyll
第2表
\\
時
\ 、
bの
加 熱 温 度60。
chlorophyll
間 \
a(mg/1008)
変化
第6図
加 熱 時 間 に よ る総Chlorophyllの
に よ る変 化
残存率
C°o)
chlorophyll
b (mg/1008)
残 存率
chloroFhyll
(%)
残存率
(%)
0
60.61
100.0
47.09
ioo. o
107.63
100.0
5分
74.53
122.9
57.61
I21.0
132.07
122.7
10分
58.54
96.6
49.42
104.9
107.89
100.0
20分
55.74
91.7
46.75
99.3
102.36
95.1
30分
52.02
85.8
42.56
83.8
94.51
87.8
60分
47.35
7s. i
36,96
78.5
84.25
78.3
変化
一42-一
食物 学 会 誌 ・第18号
第3表
加 熱 温 度800に
よ る変 化
\
chlorophyll
時\
a(mg/1008)
間[き
0
chlorophyll
b(mg/1008)
残 存 率
(oa)
残存 率
chlorophyll
残 存率
a十b(mg/IOQg)
(%)
(%)
91.18
100.0
64.54
100.0
155.64
100.0
5分
110.42
121.1
72.93
113.Q
146.22
117.7
10分
87.51
96.0
58.54
90.7
146.39
93.4
20分
71.00
77.9
49.35
76.7
120.21
77.2
30分
62.20
・:
40.29
62.3
102.10
65.6
60分
46.42
50.9
28.57
74.731
48.0
第4表
加 熱 温 度90。 に
,..
よ る 変 化
'\
chlorophyll
時
P¥
chlorophyll
b(erg/ioag)
残存 率
a(mg/1008)
(%)
chlorophyll
残 存率
(%)
a十b(rng/1008)
(%)
0
87.71
100.0
55.08
goo.
142.66
100.0
5分
84.05
91.8
49.15
.・
133.07
90.3
10分
74.93
85.4
48.22
87.2
123.08
:.
20分
66.a7
75.3
41.43
75.2
107.49
75.3
63.5
47.6
o
30分
58.68
66.9
32.04
58.1
90.61
60分
44.69
5i.0
23.24
42.2
67.87
第5表
加 熱 温 度1000に
慮愉 ∵瀞 淵
0
81.52
100.0
5分
61.63
75.1
10分
54.81
66.7
よ る 変 化
chlorophyll
b(mg/1008)
残 存 率
(%)
46.36
残存 率
chlorophyll
残 存率
(°o)
a-1-b(mg/1008)
(00)
goo.0
127.$1
10.000
33.63
72.3
94.77
74.16
30.77
66.3
85.51
:・
20分
44.76
54.9
22.05
47.6
66.73
52.2
30分
43.49
53.3
21.91
47.3
64.67
50.5
15.52
33.5
50.69
39.7
60分
35.23
43.2
温 度 が 低 い ほ ど分 解 程 度 が 少 な く60。cでは60分 の 加
熱 で22°oに 減 少 した の に 反 し100。 で は5分
x'.25°oの減 少 を 見,分
帯 び,60分
間ですで
間 と と もに 緑 色 が うす く黄 味 を
で は60∼70%減
少 し組 織 並 び に 色 も食 用 に
供 し難 い ほ ど 破 壊 され た 。
緑 色 が 変化 した の はChlorophyllが
熱 と 野菜 中 の 有
機i酸の 遊 離 と に よ りフ ェオ フ ィチ ン(Phaeophytin>
に 変 化 した た め と考 え られ る。
{b}酸
残存 率
に よ る変 化
酢 酸(5°o水 溶 液pH-3.6)食
=1.1)醤
油(5%水
溶 液pH-0
酢(5%水
.5)を
溶 液pH
用 い,加
熱温
度 を100。と し時 間 を5分10分20分30分60分
と変 化 さ せ
各Chlorophyllを
定 量 し第6表
∼ 第9図 表 の 結 果 を 得 た 。
及 び 第7図
∼ 第8表
第7図
酸,ア ル カ リ,食
の 変化
塩 に よ るChlorophyll
a
昭 和41年7月(1966年)
第8図
一43一
酸,ア ル カ リ,食 塩 に よ るChlorophyll
b
第9図
酸,ア ル カ リ,食 塩 に よ る 総Chlorophy11
の 変化
の変化
第6表
酢 酸(5°o水
、
chlorophyll
a (mg/1008)
0
60.94
goo.
5分
42.42
10分
20分
溶 液)に
残 存率
(%)
よ る変 化)
chlorophyll
b (mg/1008)
残 存 率lchl…phy11陵
(%)
;1
la十b
(mg/1009)
存率
(%)
38.30
00.0
99.23
100.0
…
15.78
41.2
58.14
58.6
35.?5
58.7
11.60
30.3
×7.35
47.7
28.95
47.5
8.95
23.4
42.85
43.2
30分
26.65
43.7
7.25
18.9
33.85
34.1
60分
23.91
39.2
5.99
15.4
29.84
30.1
第7表
啄
食 酢(5°o水
chlorophyユI
o
溶 液 に よ る変 化)
chlorophyll
b(mg/IOOg)
残 存率
残存率
(%)
chlorophyll
残存 率
a {mg/1008)
(°o?
0
59.47
100.0
43.36
100.0
1x2.76
loo.0
5分
45.02
75.7
16.18
37.3
61.14
59.1
10分
38.56
64.8
14.59
33.6
53.08
51.2
20分
35.36
59.5
11.98
27.4
47.35
46.1
30分
30,00
53.0
10.79
24.9
42.29
41.2
60分
26.12
43.9
9.53
22.a
35.65
£4.7
第8表
辱
醤 油(5%水
chlorophyll
a (mg/1005}
α十b (mg/1009)
(00)
溶 液 〉 に よ る変 化)
残存率
11。h1。r。py11
(oa)Ilわ(mg/1。
。9)
0
59.10
goo.0
5分
49.50
83.8
32.90
10分
41.20
69.7
21.40
20分
39.40
63.3
18.40
30分
32.40
..
iO,80
60分
27.00
45.7
残存率11
一
chlorophyll
lごz十わ (mg/100g)
(ao}「
痂
「1「
97.90
Sao. a
84.6
82。40
84.2
55.0
62.50
63.7
47.3
5i.80
27.8
43.20
58.944.1
・1
9.60
残存率
(00)
25.411
36.70
37.6
一 一44-一
食 物 学 会 誌 ・第18号
煮 汁 を 酸 性 に した 場 合,短 時 間 で 褐 色 し て し ま っ
た 。 これ はchlorophyll分
たphaeophytinに
子 中 のM
gがH2と
(CJア
置転 し
変 化 した た め と考 え られ る,又pH
ル カ リに よ る 変 化
重 曹(1%水
を 用 い,加
が 低 くなれ ば な る ほ ど減 少率 が 大 き くchlorophyll
分60分
は 酸 に 対 して甚 だ 不 安 定 で あ る こ とを 認 め た 。
表,第10表
第9表
琴
重 曹(1°o水
及 び 第7図
溶液 ・
∼ 第9図
量 を 定 量 し第9
の結果 を得た。
(%)
chlorophyll
残 存率
a十b(mg/100g)
(°o?
0
.1:
100.a
64.09
100.0
104.29
ioo.0
5分
69.73
124.3
47.42
97.2
117.08
1.12.2
10分
55.68
99.3
39.82
83.7
95,44
91.3
20分
52.15
93.0
39.09
82.4
91.18
81.4
30分
,.
87.7
38.16
80.5
87.31
83.7
32.69
58.3
28.97
61.1
.1
58.3
残存率
chlporohyll
OQ 1
a十b(mg/100g}
60分
第10表
騙
0
5分
10分
重 曹(5°o水
溶 液)に
chlorophyll
残 存率
a(mg/100g)
(00)
よる変化
chlorophyll
b{mg/1008)
(%)
60.81
goo.0
140.26
100.0
117.88
148.2
81.15
133.4
199.00
141.9
93.04
116.9
67.47
110.9
×60.37
114.3
95.0
139.99
・・
95.2
20分
82.45
103.6
57.74
30分
77.59
97.5
56.28
92,4
133.53
60分
67.73
s5.1
56.08
92.2
123.74
5°o重 曹 水 溶 液 中 で 加 熱 した 際,色
60分 間 の加 熱 で わ ず か10∼15%減
た 。 即 ちpHが
残 存率
100.0
79.59
は安定 に保 たれ
少 した だ け で あ と
タ ミンそ の 他 の 栄 養 素 が 相 当 損 失 され る と 思わ れ 食 用
{dl食
安 定 に 色 が 保 た れ た 。 これ は 煮 汁 が 酸 性 に 傾 くの を 重
1%食
子 中 のMgをNaで
置 換 した 安 定 なchlorophyllide
chlorophyllinに
..
に は適 さない。
高 くな る ほ ど長 時 間 加 熱 して も比 較 的
曹 に よ っ て中 和 しchlorophy11分
塩 に よ る変 化
塩 水(pH=5。8)5°o食
塩 水(pH-6.9)を
用 い 加 熱 温 度 を100。 と し時 間 を5分10分20分30分60
置
換 した た め と考 え られ る 。 しか し無 理 に ア ル カ リに す
分 と変 化 さ せ,各chlorophyl1含
第12表 及 び 第7図
∼ 第9図
量 を 定 量 し第11表,
の結 果 を 得 た 。
る こ とは 色 は 安 定 に 保 た れ る が 組 織 を 軟 か く し,又 ビ
第11表
耳
食
chlporohyll
a(mg/100g)
塩(%)に
よ
0
56.81
Ioo.o
5分
65.60
115.0
10分
54.48
・
20分
37.50
・.1
化
b (mg/1008)
j'
・
る 変
chlorophyll
残存 率
(%)
・.5)
と し時 間 を5分10分20分30
よ る変 化
残 存率
(%)
(nユg/1008)
液pH-8.05°o水
と 変 化 さ せ 各chlorophyll.含
chlorophyll
b (mg/100g}
残 存率
chlorophyll
a
溶 液)に
溶
熱 温 度 を100。
残存率
C°o)
chlorophyll
針
う(mg/100g)
残存率
Coo)
37.10
loo. a
ioa. s7
100.0
50.a9
134.0
116.42
1.1.5.0
37.83
101.9
92.24
91.4
2.11
64.7
61.54
60.9
54.?
50.75
50.3
50.9
46.15
45.7
30分
30.44
53.6
20.31
60分
26.24
44.3
18.91
一45一
昭 和41年7月(1966年)
第12表
食
塩(5°o)に
chlorophyll
a(mgflOOg)
時\
間
0
5分
100.0
63.14
112.0
10分
53.08
94.7
20分
52.41
93.5
30分
51.48
・
60分
43.69
77.0
変
化
残 存率
・
chlorophyll
残 存 率
a十b(mg/1008)
(%)
46.09
,.
40.56
33.77
32.3?
30.97
曹 の時 と 同様5分
加 熱 で は 緑 色 が 濃 くな りchlorophyll含
る
chlorophyll
b(mg/100g)
残存率
Ω勿
.1:
食 塩 水 中 で 加 熱 した 場 合,重
よ
(%)
100.0
104.29
iaa.
o
106.9
112.29
zos.
o
::1
93.51
.・
73.3
86.11
82.6
72.4
83.32
79.9
67.1
74.66
71.5
間の
量が 増 加 し
た 。 水 で 加 熱 した 際 熱 と野 菜 中 の 遊 離 酸 に よ り煮 汁 が
酸 性 に な っ て くる た め 変 色 が み られ た が,1°o食
塩水
の場 合 も短 時 間 で は 緑 色 が 安 定 で あ る が 時 間 と と もに
減 少 し水 の 場 合 と 同様 の 成 績 を示 した 。 と こ ろ が5°o
食 塩 水 で 加 熱 した 場 合 は1°o食 塩 水 の 場 合 よ りも変 色
が 少 な か った か ア ル カ リ度 が 強 くな るほ ど 組 織 を早 く
軟 か く した 。
②chlorophy11と
@室
放 置時間 との関係
温(20Q)放
i)ほ
置 に よる 変化
うれ ん 草 の 緑 葉5gを
蒸 留 水 中 に てgo。
3分 間 加 熱 後 冷 水 に て急 冷 し,一 定 時 間 放 置
し第13表 及 び第10図 の結 果 を 得 た 。
第10図
Chlorophyllの
室 温放置
第13表
時\
O
l時
12間
1時
6間
1時E
2一 問
3時 間
a(mg/1009)
油 添 加 後室 温 放 置
明所放置
室 温 放 置 に よ る変 化
ch1・「ophy11
間\
1%醤
放 置 時 間 に よ る変 化
残存率
chlorophy11
残存率
chlorophyll
a十b(mg/1009)
(%) _、b(塑/ioag)i-」%)
残 存率
(%)
49.50
100.0
34.70
100.0
84.20
100.0
49.5
100.0
s4.7a
100.0
84.20
100.0
49.5Q
100.O
3セ.70
100.0
84.20
100.0
49.50
100.0
34.70
100.0
84.ZO
100.0
49.35
99.7
34.50
.・,
83.85
99.5
99。0
83.55
99.1
l
7時 間1
49.20
99.4
34.35
2塒 副
49.10
99.2
34.20
・・
:i
83.30
...
一一46-一
食 物 学 会 誌 ・第18号
ii)ほ
うれ ん 草 の 緑 葉3gを
蒸 留 水 中 に てgoo
醤 油 を か け,一
び第10図 の 結 果 を 従 た 。
3分 間 加 熱 後,冷 水 に て急 冷 し材 料 の1%の
第14表
1%醤 油 添加 後室温放 置に よる変化
㌧1談 翻 翻
0
1時
12一間
_1時
6間
⊥ 時
2間
3時 間
chlorophyll
b(mg/1005}
残存率
(%)
chlorophyll
残 存率
(%)
a十b(mg/1005)
(%)
59.47
100.0
43.30
100.0
102.76
54.10
90.9
40.3a
92.5
94.30
・
52.30
87.9
37.40
85.9
:・
・1
87.2
37.47
85.9
:・
・1
87.2
52.30
・
100.0
49.05
83.2
34.70
79.7
84.10
81.8
49.50
83.2
34.70
79.7
84.10
81.8
24時 間
44.80
75.3
29.00
・.・
73.80
71.8
明所 放 置 に よ る変 化
ほ うれ ん 草 の 緑 葉5gを
第15表
昏
間 加 熱 後.冷
蒸 留 水 中 に てgoo
水 に て急 冷 し,一 定 時 間 日光 の 当 る
明 所 に 放 置 し第15表 及 び 第10図 の結 果 を 得 た 。
3分
明 所 放 置 に よ る 変 化
chlorophyll
a(mg/1008)
0
一1時
12間
」_時
6間
」_時
2間
3時 間
(OO)
chlorophyll
a-1-(bmg/IOOg)
57.9
loo. o
44.5
100.O
103.4
100.0
57.9
ioa. o
44.5
goo. o
103.4
100.0
57.9
loo.o
44.5
100.0
103.4
100.0
57.5
99.3
44.3
99.6
XO2.
57.5
99.3
残存率
chlorophyll
(00)
b(mg/100g)
残存率
44.3
99.6
102.8
7時 間
57.2
...
44.1
99.1
101.3
24時 間
57.1
・ ・
39.7
89.2
短 時 間 加 熱 した 緑 葉 を 室 温 放 置,明
場 合 短 時 間 加 熱 に よ り,
活 性 化 す るた めか,24時
chlorophy11を
破 壊す
非
間 放 置 して もほ とん ど変
化 し なか った 。 しか し醤 油 を か け て放 置 した 場 合
(お浸 し,あ え も の を す る時)醤 油 中 の 酸 に よ りわ
ず か 変 化 し24時 間 後 で30∼40°oの 減 少 を 見 た 。
調 理 法 に よ るchlorophyllの
変化
調 理 法 と して 茄 で る場 合 は1000の 蒸 留 水 中 で 一 定
時 間 加 熱 した 。 そ の 結 果 は 第16表,第17表
及 び第
11図 に 示 す と お りで あ る。
蒸 した 方 が 茄 で た 場 合 よ りも減 少 率 が 少 な く,5分
間で は 比 較 的 安 定 で あ る が 時 間 の経 過 と と もに 緑
葉 よ り溶 出 した 揮 発 酸 が ふ た が あ るた め 揮 発 せ
ず,熱
と遊 離 酸 に よ り分 解 され,60分
00減 少 した 。
吸 収 ス ペ ク トル
s
'・
残存 率
(OQ)
99.4
99.4
':1
93.6
所 放 置 した
を酵 素(chlorophyUaseやOxydase類)を
④
残存率
7時 間
⑤
③
定 時 間 室 温 に 放 置 し第14表 及
で は50∼60
第11図
調 理 法 に よ るChlorophyliの
変化
昭 和41年7月(1966年)
第16表
一一
一47-一
茄 で た 時 のch
辱
lorophy11の
chlorophyll
a (mg/1008)
残 存率
(%)
変 化
!, chlorophyll
上
b (mg/1008)
残存率
(00)
… chlorophy11
1
a十b(mg/100g}
残存率
(%)
0
X1.52
100.0
46.35
goo.0
127.si
100.0
5分
61.21
75.1
33.63
72.3
94.77
74.1
10分
54.81
66.7
30.77
66.3
85.51
66.2
20分
44.76
54.9
zz.05
47.6
66.73
52.2
30分
43.49
53.3
21.91
47.3
64.67
50.5
60分
35.23
43.2
15.52
33.5
1.:
37.7
第12図
ほ
うれ ん 草
第13図
ほ う れ ん 草
食 物 学 会誌 ・第18号
.・
第17表
蒸 し た 時 のchlorophyllの
\
chlorophyll
時 \
a
(mg/1008)
間\
0
67.5Q
5分
67.10
10分
59.90
20分
52.40
30分
43.80
60分
37.40
chユorophy11が
残 存 率ll・h1…phyll
(%)
Iib(m9/100g)
48.90
100.0
残存率
chlorophyll
C°o)
a十b(mg/1009)
100.。li
46.20
・ ・,
残存率
ioa.0
113.20
97.3
94・511
87.g
iI
77.6
33.80
69.1
:.
64.9
29.30
59.1
74.00
55.4
19.00
phy11は
..
102.20
・
ル カ リ,食 塩 と作 用 し
(%)
116.40
43.00
..
熱,酸,ア
変化
1
74.1
63.6
56.40
短時 間 の 加 熱,食
,・
塩,ア
た 場 合 どの よ うに 変化 す る か,島 津 自 記 分 光 光 度
は 安 定 で あ る が,酸
計QR-50型
と緑 色 か 褐 色 してphaeophytinに
を用 い,そ
の 吸 収 ス ペ ク トル を 測 定
した 。 (第12図,第13図)
ル カ リに対 して
と の反 応 又 は長 時 間 加 熱 す る
変化 す る こ と
を 確 認 した 。
各 々の 吸 収 極 大 の 波 長(第18表)よ
りchloro一
第18表
\興
4321453
竺大(mμ)
473
409
調理形態\
生
十
蒸 留水5分 間加熱
十
十
蒸留 水60分 間加熱
十
一
一}一
十
十
1%食 塩水5分 間加 熱
十
%重 曹水5分 間加熱
十
フ ェオ フ ィ チ ン
5%食
酢5分 間 加 熱 液
5°o
熱
油 液10分 間 加
総
1.Paper
chromato
graphyに
括
及
十
十
十
十
十
1)短
十
量 を 定 量 し,次
時 間 の 加 熱(5分
558
577
607
十
一1一
十
一{一
十
一}一
十
十
一f一
十
十
十
一F一
十
十
十
十
一f一
十
一1一
十
十
十
い て もchlorophyll含
4)緑
十
十
一f一
十
よ り緑 葉 中 のchloro-
十
十
十
検 出 した 。
・ ・1
一f一
十
chromato
614
一1一
察
Carotelleを
538
十
よ りほ うれ ん 草 の 緑 葉 か らchloropyhll
津 ス ペ ク ト ロ ニ ッ ク20に
phy11含
考
graphyとColumn
a,bXanthophyll.
2.島
十
534
十
十
十
び
505
量 は ほ とん ど変 化 しな い 。
色 野 菜 は 茄 で る よ りも蒸 した 方 がchlorop-
hyllの
変 化 が 少 な く.ヌ
ビ タ ミン 類,無 機 類 の
損 失 も 少 な く栄 養 的 に も よい と考 え られ る。
5)Chlorophy11の
熱,ア
ル カ リ,食 塩,酸
の結 果 を 得 た 。
を 島津 自 記 分 光 光 度 計QR-50型
間 以 内)で
ペ ク トル よ り追 求 した 所,そ
は 生 の 時 よ りも
の影 響
の可 視 部 吸 収 ス
の吸 収 ス ペ ク トル の
量 が 増 加 す る が,温
度 が 高 い と加
吸 収 曲線 の 差 異 よ りchlorophyllの
熱 時 間 が 短 か く て も 変 化 を 生 じ,長
時 間加熱す る
化 で も ご く簡 単 に よ り精 密 に 測 定 で きた 。 色 素 研
変化 し
究 に は この 吸収 ス ペ ク トル 法 が 今 後 ます ます 利 用
ch lorophy11含
と 緑 色 が 褐 変 し黄 褐 色 のphaeophytinに
た 。
され 発 展 して い く もの と思 われ る。
2)Chlorophyllは
ア ル カ リ,食
塩の水溶 液中で は
か な り安 定 で あ る が 調 理 時 間 が 長 く な る と ア ル カ
以 上 の結 果 よ り緑 色 野菜 を 調 理 す る時,次
①
液 が 酸 性 に 傾 くほ ど 短 時 間 で 著 し く 変 化 す る 。 そ
②
し てpH=6.0以
下 で は 非 常 に 変 化 しや す い 。
素 類(chlorophyllaseやOxydaase類)が
一 度 非 活 性 化 さ れ る と,長
時 間 緑 葉 を 放 置 して お
の点に注
意 し て行 うの が よい 。
リ よ り熱 の 方 が 多 く作 用 す る の で 変 化 す る 。 水 溶
3)酵
わずか の変
緑 色 野 菜 は 茄 で る よ り蒸 した 方 が よい 。
緑 色 を よ く保 た せ る 茄 で 方 と して,沸 騰 して る
湯 の 中 で 出 来 るだ け 早 く(3分
③
間 位)茄
で る。
軟 か く なれ ば 直 ち に 冷 却 す る。 温 水 に 長 く浸 す
とchlorophyllは
分 解 す る。
一49一
昭 和41年7月(1966年)
④
色 あ げ を よ くす るた め に1°o位 の 食 塩 を 添 加 す
る と よい 。
⑤
茄 で る時 使 用す る水 の 量 は 多 い 程 よい と思 わ れ
る。
4)化
学 実 験 研 究 会 編:化
5)満
田
久輝:実
験 栄 養 化 学(全)358(1961>
6)山
口
・
一孝:植
物 成 分 分 析 法 下 巻)
Methods
終 りに この 研 究 の た め に 終 始御 指 導,激
た 平 友 恒 教 授 は じめ,高 橋,井
考
文
of Analysis
A. O. A. C
励 を 賜わ っ
服部
静 夫:植
口両 先 生 に 心 か ら感 謝
下田
吉 人=基 礎 調 理 学 皿84(1962>
望月
英 男:食
横山
正 実:調 理 の 化 学(1965)
致 し ます 。
参
学 実 験 操 作 書181(1965)
献
物色 素
品 の 調 理 科 学184(1963)
小 幡 弥 太 郎:食
品 の 色,香,味
佐竹
ロ マ トグ ラ フ ィー
一 夫=ク
111{1950)
1)桜
井
芳 人:日
農 化 第33巻281(1959)
2)梶
本
五 郎:栄
養 と食 糧 第16巻No2(1963)
日本 分 析 化 学 会 編:分
3)赤
木 瑠 璃 子:卒
業 論 文 要 旨 集(1964)
化 学 の 領 域 増 刊:生 化 学 領 域 に お け る光 電 比 色 法。
析化 学 デ ータ ブ ック