メタボリックシンドロームに係わる健診判定結果の変化と生活習慣の変化の関連性 ○沖 典男1)、髙本美紀2)、新井喜美3)、小笠原芳知1)、前田幹雄1)、高岡道雄2) 兵庫県立健康環境科学研究センター1)、兵庫県企画管理部職員健康管理センター2)、 財団法人兵庫県健康財団3) 【目的】効果的な健診・保健指導対策を検討するために、健診結果の変化と生活習慣の変化 の関連性を解析した。 【方法】2006 年及び 2007 年に実施した兵庫県職員の健診データ及び生活習慣調査データか ら、健診受診者が 2007 年健診時 30 歳~70 歳未満で、入力データに不備がなかった 9912 名 (男性 6683 名、女性 3229 名)を解析対象とした。解析では、(1)「標準的な健診・保健指導 プログラム(確定版)」に基づく健診受診者の保健指導レベル、肥満、血糖リスク、脂質リス ク、血圧リスクの 2006 年と 2007 年の該当者数を比較し、(2)カテゴリーデータを数量化して 判定結果と生活習慣の 2007 年と 2006 年の差(変化)を求め、線型回帰分析を適用して判定 結果の変化と生活習慣の変化の関連性を解析し、(3)2006 年の積極的支援レベル該当者を 2007 年の改善の有無で群別し、ロジスティック回帰分析を適用して改善有無と生活習慣の変 化の関連性を解析した。女性の積極的支援レベル該当者数が少なかったため、(2)と(3)は男 性のみを解析の対象とした。 【結果】(1)積極的支援レベル、肥満、血糖リスク、脂質リスク、血圧リスクのほとんどの項 目で、男性は該当者数が減少していたが女性は増加していた。(2)線型回帰分析の結果では、 保健指導レベルの変化に運動量に関する意識の変化、喫煙の変化、食事量の変化等が有意に 関連していた。肥満パターンの変化には食事量の変化、食事と運動のバランスに関する意識 の変化、運動を行う頻度の変化等が有意に関連していた。血圧リスクの変化には食事量の変 化が、脂質リスクの変化には運動量に関する意識の変化、自由時間の過ごし方の変化、食事 量の変化等が、血糖リスクの変化には運動を行う頻度の変化が有意に関連していた。(3)ロジ スティック回帰分析の結果では、積極的支援レベルの改善に喫煙の変化(OR:1.30、95%CI: 1.12-1.52)、食事と運動のバランスに関する意識の変化(OR:1.17、95%CI:1.05-1.30) 、運 動量に関する意識の変化(OR:1.12、95%CI:1.01-1.25)等が関連していた。肥満の改善に は食事量の変化(OR:1.25、95%CI:1.10-1.43)、運動量に関する意識の変化(OR:1.11、95%CI: 1.00-1.23)等が関連していた。血圧リスクの改善には食事量の変化(OR:1.27、95%CI: 1.12-1.45)が関連していた。脂質リスクの改善には運動量に関する意識の変化(OR:1.17、 95%CI:1.07-1.29)、飲酒頻度の変化(OR:1.15、95%CI:1.00-1.32)等が関連していた。
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