サイゴン橋第2号の運営計上により売上高は前年同期比約9倍弱増

キャピタル・パートナーズ証券株式会社
金融商品取引業者
関東財務局長(金商)第 62 号
日本証券業協会加入
ホーチミン市インフラ投資株式会社 (コード:CII)
(2014
2014 年 1-6 月期決算:未監査)
月期決算:未監査) サイゴン橋第
サイゴン橋第 2 号の運営計上により売上高は
の運営計上により売上高は前年同期比約
売上高は前年同期比約 9 倍
弱増、連結会社の増益で
増、連結会社の増益で純利益は
益で純利益は黒字転換へ
純利益は黒字転換へ
2014 年 8 月 19 日
■ 業績動向
2014 年 8 月 12 日発表の 2014 年 1-6 月期(以下「当期」)未監査決算
では、売上高は前年同期比約 8.3 倍増の 1 兆 4196 億ドン(約 68.1 億円)、
営業利益は同約 9.8 倍増の 1223 億ドン(約 5.9 億円)と発表され、売上高と
営業利益の伸び率が一斉に大幅に加速したことが注目されている。また、
税引き後利益は前年同期の 313 億ドン(約 1.5 億円)の赤字から当期は
1946 億ドン(約 9.3 億円)の黒字に転換した。これにより、売上高と純利益は
通年目標に対する進捗率がそれぞれ 184.8%と 83.3%に達した。((図表 1)
当期の売上高伸び率の 726.8%は前年同期の 74.1%増から大幅に加
速し、売上高が過去最大を記録した。増収の要因は、売上高全体の 91.6%
と最大割合を占めている「設備機械販売や BT(建設・譲渡)方式による案件
の建設・運営(以下「機械販売や BT 案件運営」)」および「通行料金徴収サー
ビス事業」の増収が「不動産販売」の減収を吸収できたことによる。詳しくは、
増収事業では売上高の高い順に、機械販売や BT 案件運営事業が前年同
期比約 42.6 倍増の 1 兆 483 億ドン(約 50.3 億円)、通行料金徴収サービス
が同約 2.5 倍増の 2605 億ドン(約 12.5 億円)、建設活動が同約 5.4 倍増の
1002 億ドン(約 4.8 億円)、道路や街路樹のメンテナンス等を含むその他事
業が同 42.9%増の 128 億ドン(約 6136 万円)となった。その内、機械販売や
BT 案件運営事業は当期の売上高に重要な貢献をした。同事業の大幅な増
収は、従来として通行料金徴収用の機械設備販売からの収入以外、当期
は BT(建設・譲渡)方式によるサイゴン橋第 2 号の建設・運営による売上高
を 2014 年 6 月に計上したと会社側が述べた。一方、減収事業は売上高全体
の 0.4%と最低割合を占めている不動産販売のみで、伸び率が前年同期比
57.8%減と大幅に減少し、売上高に 64 億ドン(約 3072 万円)を寄与した。
(図表 2)
【図表 1: 業績推移】
株式情報
(2014年8月19日現在)
上場期日
資本金(億ドン)
発行済株式数(千株)
政府の保有率(%)
外国人保有率(%)
外国人保有率の上限
株価(千ドン)
時価総額(億ドン)
(億円)
2006年5月18日
11,280
112,862
0
49.0%
34.7%
21.8
24,604
118
PER(実績、倍)
PBR(実績、倍)
ROE(実績、%)
配当利回り(実績、%)
自己資本比率(%)
8.2
1.2
12.63%
5.5
18.4%
株価とVN指数
30000
CII
VN Index
(右目盛)
600
550
25000
500
20000
450
400
15000
350
10000
11 11 11 11 21 21 21 21 21 21 21 21 21 21 31 31 31 31 31 31 31 31 31 31 41 41 41 41 41 41 300
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(出所)Bloomberg を基に作成
この資料は、情報提供に限定したものとして、Capital Partners Vietnam Consulting Company(略称:CPVN)が作成したものです。この資料の内容は、CPVN が
会社発表の情報に基づき作成したもので、正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく修正・変更されることがあります。資料のご利用にあたって
はご自身の責任でご判断下さい。
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関東財務局長(金商)第 62 号
日本証券業協会加入
当期の売上高構成を見ると、機械販売や BT 案件運営事業による売上高の割合が前年同期の 14.3%から 73.4%と
急激に上昇したものの、通行料金徴収サービスが 60.8%から 18.2%、建設活動が 10.8%から 7.0%、その他事業が
5.2%から 0.9%、不動産販売が 8.8%から 0.4%とそれぞれ低下した。((図表 3)
【図表 2: 売上高の事業別の構成】
【図表 3: 売上高構成比】
同社の原価は売上高の 81.9%に相当しており、当期の売上
原価が前年同期比約 17.7 倍増と増加した。当期の原価の増加
額が売上高の増加額を上回ったため、対売上高の原価比率が
前年同期の 38.3%から 81.9%と大きく上昇したことで、売上総
利益が前年同期比約 2.4 倍増の 2568 億ドン(約 12.3 億円)に留
まった。当期の売上高総利益率を見ると、上位から下位の順に、
通行料金徴収サービス事業 83.2%、建設活動 35.7%、不動産販
売 15.8%、機械販売や BT 案件運営 0.5%となっている。うち、機
械販売や BT 案件運営事業はサイゴン橋第 2 号案件の計上によ
り当期の売上高に大きく寄与したが、同事業の原価が売上高の
99.5%まで占めているため、相当の売上高総利益率が悪化し、こ
の事業が極めてマージンが薄いことがわかった。一方、通行料
金徴収サービス事業の原価が当期に売上高の 2 割弱ほどしか
占めていないことで、同事業の売上高総利益率が機械販売や
BT 案件運営事業に比べて飛躍的に向上している。((図表 4)
【図表 4: 売上高総利益率比較
売上高総利益率比較】
比較】
また、販売費及び一般管理費の総経費が前年同期比で 46.8%増加したものの、対売上総利益の総経費比率が前
年同期の 86.5%から当期は 52.4%と急に引き下げられたことで、営業利益伸び率が前年同期の 35.4%減から 752.3%
増に転換し、売上高の伸び率を上回った。
前年同期にまだ出資していなかった企業は B.O.O レイ・ミュ橋(RMCO)、コテック建設投資(CIC)、タン・ヒエップ給水
(Tanhiep Water Ltd)および建設検査(COTESCO)であり、当期に保有率と投資総額がそれぞれ 49.44%・815 億ドン(約
3.9 億円)、22.53%・176 億ドン(約 8247 万円)、43.00%・108 億ドン(約 5160 万円)、49.00%・20 億ドン(約 941 万円)と
なった。従って、連結会社数が前年同期の 6 社から 8 社に増加し、投資額が前年同期比 1781 億ドン(約 8.6 億円)増額
の 9475 億ドン(約 45.5 億円)に膨張した。その内、サイゴン水インフラ(SII)への投資総額が最大である。これにより、連
結会社利益による損益は前年同期の 550 億ドン(約 2.6 億円)の赤字から 598 億ドン(約 2.9 億円)の黒字に転換した。
(図表 5、6)
この資料は、情報提供に限定したものとして、Capital Partners Vietnam Consulting Company(略称:CPVN)が作成したものです。この資料の内容は、CPVN が
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関東財務局長(金商)第 62 号
日本証券業協会加入
【図表 5: 各連結会社の投資総額】
【図表 6: 各連結会社の保有率】
金融売上(営業外収益)は、前年同期の 1355 億ドン
(約 6.5 億円)から 263 億ドン(約 1.3 億円)増額の 1618 億
ドン(約 7.8 億円)まで約 1.2 倍に膨れ上がった。金融費用
は支払利息の 64.7%増により、前年同期比 11.2%増の
1186 億ドン(約 5.7 億円)に増加した。その結果、金融投資
による利益は前年同期比 49.7%増となり、当期は 432 億ド
ン(約 2.1 億円)を寄与した。((図表 7)
【図表 7: 金融活動】
その他損益の赤字転落からマイナス影響を受けたが、「連結会社損益」および「金融投資利益」の増益が「その他
損益」の減益を相殺できたことにより、税引き後利益が前年同期の 313 億ドン(約 1.5 億円)の赤字から当期は 1946 億ド
ン(約 9.3 億円)の黒字に転換した。純利益が堅調な成長を遂げたことにより、当期の 1 株当たり純利益(EPS)は前年同
期の 375 ドン(約 1.8 円)の赤字から当期は 1522 ドン(約 7.3 円)の黒字に転じた。
■ 最新経営情報
1.
CII 社やサイゴン水道総公社(サワコ=SAWACO)とリー冷蔵電気工業(REE)の 3 社が投資主を務めるタンヒエップ
第 2 浄水場は 2014 年内に着工し、2016 年初めに稼働を開始する予定。同浄水場の浄水能力が 1 日当たり 30
万立方メートルで、投資総額が 1 兆 2000 億ドン(約 57.6 億円)。ホーチミン市の水道需要予測によると、1 日当た
り水道需要は 2015 年に約 280 万立方メートル、2025 年に約 380 万立方メートルに上昇するとの見込み。
2.
4 月 24 日に、同社はホーチミン市 2 区におけるトゥーティ
エム新都市区の北側住宅地および北南大通(トゥーティエ
ム橋第 2 号~マイチートー通り)のインフラ整備案件の許可
を取得した。同案件の総面積が 5 万 1176 平方メートル、
投資総額が 2 億 8000 万米ドル。全体の同新都市地区は
657 万平方メートルの規模でサイゴン川東岸を通って 5 橋
で同市の 1 区や 4 区と 7 区を繋ぐ。
トゥーティエム新都市区
トゥーティエム新都市区の全体設計情報は同社により以下のリンク(130 ページ、ベトナム語)にアップされた。
http://www.mediafire.com/?c8lhjarstc0jq8d
この資料は、情報提供に限定したものとして、Capital Partners Vietnam Consulting Company(略称:CPVN)が作成したものです。この資料の内容は、CPVN が
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