KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL Quantitative comparison of osteoconduction of porous, dense A-W glass-ceramic and hydroxyapatite granules (effects of granule and pore size)( Abstract_要旨 ) Ikeda, Noboru Kyoto University (京都大学) 2000-03-23 http://hdl.handle.net/2433/180891 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 氏 名 いけ 池 だ 田 士 のほり 萱 学位( 専攻分野) 博 ( 医 学) 学 位 記 番 号 論 医 博 第 1 705号 学位授与の日付 平 成 1 2年 3 月 23 日 学位授与の要件 学 位 規 則 第 4条 第 2項 該 当 学位論文題 目 Quant i t at i vecompar i s onofos t eoconduct i onofpor ous ,dens eAW gl as s c er ami candhydr oxyapat i t egr anul es( ef f ect sofgr anul eandpor es i z e) ( AW ガ ラスセ ラ ミック多孔 体頼 粒 ,轍密 体頼 粒 及 び- イ ドロキ シアパ タイ ト頼 粒 間 の骨 伝導能 の定量 的比較 一頼粒 径 と孔 径 の影響 ) 論文調査委員 許 諾 ) 開 裕示 論 教 授 岡 文 内 容 正典 の 要 教 授 中村孝志 旨 【 緒言】 近年,整形外科領域において骨 ・関節の欠損部に対する補填材料 として人工骨が用いられる割合が増加 している。 なかで も骨 と化学的に結合する A-W ガラスセラミック ( A-WGC)と-イ ドロキシアパ タイ ト ( HA)は,bi oa c t i vec e r ami cと呼 ばれ,臨床上広 く使用されている。 しか しさまざまな形態や大 きさのセラ ミックが市販 されており,その形態や大 きさが骨 の形成能に関 してどのような影響を与えているかは不明のままである。今回の実験の目的は大 きさや形態の異なるセラ ミッ ク頼粒間の骨伝導能を評価 し,比較することである。 【 材料 と方法】 A-W GC徴密体頼粒 :表面形態の異なる 2種類 ;破砕体 ・頼粒径は 0 . 3- 0 . 6mm,0 . 6- 1 . 0mm の 2種類,球状体 ・頼 . 0- 2 . 0mm,2 . 0- 4 . 0mm の 2種類 粒径は 1 A-W GC多孔体頼粒 :孔径の異なる 2種類 ;大孔径多孔体頼粒 ( 孔径 -515 0 0F L m ・por os i t y-3 5± l o 粕) ・頼粒径は 1 . 0- 2 . 0mm,2 . 0- 4 . 0mm の 2種類,小孔径多孔体頼粒 ( 孔径 - 1-5 0J J m ・pOr OS i t y-2 0±5 %) ・頼粒径 は 0 . 30. 6mm,0 . 6- 1 . 0mm, 1 . 0- 2 . 0mm の 3種類 HA 多孔体頼粒 :現在 日本で市販 されている 4つの異なる会社の 4種類の HA頼粒 ;頼粒径は 0 . 6- 1 . 0mm と同径であ r os i t yはそれぞれ異なる。 るが,焼成温度,孔径,po 上記 9種類の A-W GC頼粒 と 4種類の HA頼粒をラットの腰骨内に埋入 し,A-W GC頼粒が埋入 されたラットは 2, 4, 1 0 ,1 6週 と経時的に屠殺 し,HA頼粒が埋入 されたラットは 1 0過で屠殺 した。それぞれを硬組織標本 とし,SEM を用いて これ ら頼粒の a f f i ni t yi nde xを計測 した。af f i ni t yi nde xを定量的な骨伝導能の評価のパ ラメーターとして用いた。 ギムザ 表面染色を用いた病理組織学的検索 も行 った。 【 結果及び考察】 a f f i ni t yi nde x: 9 7 . 0±5 . 5 %)の骨 あ らゆるタイプの A-W GC鞍粒でいずれ も良好な骨伝導能を示 したが,撤密体頼粒 ( 伝導能が最 も有意に良好で,次に大孔径多孔体頼粒 ( af f i ni t yi nde x:8 7 . 1± 8 . 4%) ,小孔径多孔体頼粒 ( a f f i ni t yi nde x: 7 9 . 0±8 . 4%)の順であった.小孔径多孔体頼粒の骨伝導能が他 と比べて劣 っていたのは孔径が 5 0pm 以下 と小 さすぎて,孔 内に血管が侵入できず,骨が形成 されなか ったためと考え られた。 またセラ ミック頼粒の表面形態 ( 不正形や円形など)や 頼粒の木 ささは骨伝導能に影響を与えなか ったことも示 された。 さらに小孔径 A-W GC多孔体頼粒の骨伝導能を HA頼粒 f f i ni t yi nde x及び骨内に新 しくで きた骨の量の割合という 2種類のパ ラメーターを用い のそれと比較 した。 この比較には a た。 ともに A-W GC頼粒の骨伝導能はこれ ら 4種類の HA頼粒より優れていることが示された。 また 4種類の HA頬粒間 にも骨伝導能の差が生 じた。 この A-W ガラスセラミック頼粒 と HA頼粒の骨伝導能の違いはこれ らセラ ミック表面 に形成 -1 5 3 5 される a pat i t el aye rの形成の早 さの違 いによるものと考え られた。 これ らセラ ミック多孔体頼粒 はそれ単独でも良好な骨 伝導を示すが,最近,骨形成を促すサイ トカイ ンや成長因子 ( BMP,TGFI B,βFGFなど)の c a r r i e rとして も注目されて お り,これ らとうま く組み合わせると強力な骨形成作用を もた らす。AW GC多孔体頼粒 は今後,整形外科や形成外科領域 において臨床応用の多い有望な骨置換材料である。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 近年,整形外科領域 において,骨欠損部 に補填す る材料 として AW ガラスセラ ミック ( A-W GC)や-イ ドロキシアパ タイ ト ( HA)など生体活性 セラ ミックが臨床上広 く使用 されている。 しか し,セラ ミックの形態や大 きさが骨形成にどのよ うな影響 を与えているかは不明である。本実験の目的は形態や大 きさの異なるセラ ミック頼粒間の骨伝導能を評価 し,比較 す ることである。 材料 として AW GC轍密体頼粒 4種類,A-W GC多孔体頼粒 5種類,HA多孔体頼粒 4種類を用いた。これ らをラットの 腰骨 に埋入 し,術後 2,4,1 0 ,1 6週時,走査電子顕微鏡で観察 し,アフィニティーイ ンデ ックスを算出, これを骨伝導能 の指標 として比較検討 した。 W GC頼粒の骨伝導能 は撤密体,多孔体 ともに良好であったが,撤密体が多孔体 結論 として次の事が明 らか となった。Aより良好であった。多孔体のなかで も孔径が大 きい頼粒がより良好 な骨伝導能を示 した。頼粒径による骨伝導能に差は認め られなか った。AW GC多孔体頼粒が HA多孔体頼粒より良好な骨伝導能を示 した。 また,従来の A-W GC頼粒は撤密体 頼粒であ り,臨床上, より使 いやすい多孔体頼粒が今回開発 された。多孔体頼粒 は轍密体頼粒 と同様に良好 な骨伝導能を示 し,今後整形外科領域 において臨床応用の広 い骨浦項材料である。 以上の研究 は AW GC頼粒の開発 ・実用化に貢献 し,新 しい骨欠損部補填材料 としての開発に寄与す るところが多い。 したが って,本論文 は博士 ( 医学)の学位論文 として価値あるものと認める。 なお,本学位授与申請者 は,平成 1 2年 1月 1 7日実施の論文内容 とそれに関連 した試問を受 け,合格 と認め られたもので ある。 -1 5 3 6 -
© Copyright 2024 ExpyDoc