10 月 15 日 (定義 1)V を Rn の部分空間とする. {a1 , · · · , ar } ⊂ Rn が V の基底であるとは, 以下の 2 条件をみたすことをいう. 1. ⟨a1 , · · · , ar ⟩R = V . 2. a1 , · · · , ar は R 上一次独立. (疑問 2)a1 , · · · , ar ∈ Rn が V の基底であるとき, 定理 1.23 より, {0} ̸= ⟨a1 ⟩R ̸= ⟨a1 , a2 ⟩R ̸= · · · ⟨a1 , · · · , ar−1 ⟩R ̸= V = ⟨a1 , · · · , ar−1 , ar ⟩R が成り立つ. ⟨a1 ⟩R は原点を通る直線であり, ⟨a1 , a2 ⟩R は原点を通る平面である. 「V は r 次元」と定義してもよいのだろ うか? (演習 3) ( ) 1 } は R2 の基底か. 1 ( ) ( ) 1 2 {c1 = , c2 = } は R2 の基底か. 1 2 ( ) ( ) ( ) 1 2 −1 {c1 = , c2 = , c3 = } は R2 の基底か. 1 2 0 ( ) ( ) 1 −1 {c1 = , c3 = } は R2 の基底か. 1 0 ( ) ( ) −1 2 {a1 = , a2 = } は R2 の基底か. 0 1 1. {c = 2. 3. 4. 5. (観察 4) • 演習 3 でみたように, 与えられた部分空間に対して, 基底は一意的でなく, 何通りも取ることができる. •「V の次元=V の基底の本数」と定義するためには, 「V の任意の基底は, 等しい本数のベクトルからなる」ことを示 さなければならない. (定理 5) Rr の一次独立なベクトルの最大本数は r である. (定理 6)b1 , · · · , br ∈ Rn が部分空間 V の基底であるとき, V の元のうち一次独立なものの最大本数は r である. いいかえ ると, r + 1 本以上の V の元は一次従属である. (疑問 7)部分空間には , 必ず基底があるのだろうか? x (演習 8)V = { y ∈ R3 | 2x + 3y − z = 0} とする. z 1. V は R3 の部分空間であることを示せ. 2. a ∈ V かつ a ̸= 0 なる a の例を一つ挙げよ. 3. V = ⟨a⟩R か. 4. 前問で否と答えた場合, b ∈ V かつ b ̸∈ ⟨a⟩R なるものの例を一つ挙げよ. 5. V = ⟨a, b⟩R か. 6. 前問で否と答えた場合, c ∈ V かつ c ̸∈ ⟨a, b⟩R なるものの例を一つ挙げよ. (定理 9:基底の延長定理)V ̸= {0} を Rn の部分空間とする. b1 , · · · , bs ∈ V が R 上一次独立ならば, これに適当に V の元 bs+1 , · · · , br を加えて, V の基底 b1 , · · · , bs , bs+1 , · · · , br を作ることができる. 4 1. 演習 1.39 を参考にして答えよ . x (1) V = { y ∈ R3 | −x + y + z = 0} の基底を一組書け. z (2) 前問で得た V の基底に, 何本かベクトルを加えることにより R3 の基底を作れ. x y 2. V = { ∈ R4 | 5x + 5y + 4z + 23w = 0, 4x + 4y + 3z + 18w = 0, 2x + 2y + z + 8w = 0} は R4 の部分空間で z w あることを示し , V の基底を一組書け. 1 1 3 3. (1) W = ⟨ 2 , 0 , 2 ⟩R の基底を一組書け. 3 −1 1 (2) 前問で得た W の基底に, 何本かベクトルを加えることにより R3 の基底を作れ. 5
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