A Ay y A Ax x ∑ ∑ = ∑ ∑ = , A A AA Ax Ax AxAx x + + + + + + = A A

暮らしの力学 KK17
重心(2)組み合わせ図形の図心
一般的には、 n 個の基本図形からなる図形の図心座標 Gx , y  は、個々の基本図形の面積を Ai 、そ
れに対応する図心の座標を xi , yi  とすると、次式により求めることができる。
n
x
n
 xi Ai
i 1
n
 Ai
i 1
,
y
 y i Ai
i 1
n
(17.1)
 Ai
i 1
立体図形の場合では、図心を求めるには、(7.1)式で面積を体積に置き換えればよい
図 17-1 に示された平面図形は教科書表 3.1 に示された基本図形の組み合わせである。平面図形の
図心の座標 Gx , y  を求めよう。この図形は、二つの三角形、一つの正方形、一つの半円からなって
いる。いま、それぞれの基本図形に対する図心の座標と面積が既知であるとする(図 17-1 参照)。
(17.1)式を適用すればよいのであるから、全体の
面積は A  A1  A2  A3  A4 である。(17.1)式の
分子は、 x1 A1  x2 A2  x3 A3  x4 A4 である。し
たがって、(17.1)式は下記である。
x
x1 A1  x2 A2  x3 A3  x4 A4
A1  A2  A3  A4
同様に、図心の y 座標は次式となる。
y
y1 A1  y 2 A2  y3 A3  y 4 A4
A1  A2  A3  A4
図 17-1
組み合わせ図形の図心
例題 17-1
教科書例題 3.1
例題 17-2
図 17-2 に示されているような、3つの円板 A, B, C を中心軸が一致するように接合した物
体がある。それぞれの円板が下記であるとき、この物体の重心座標 Gx , y, z  を求めよ。
円板 A :直径 d1  6.0cm 、高さ h1  2.0cm 、密度 1  1000kg/m
3
円板 B :直径 d 2  4.0cm 、高さ h2  4.0cm 、密度  2  1000kg/m
3
円板 C :直径 d 3  3.0cm 、高さ h3  3.0cm 、密度  3  1000kg/m 3
例題解答 17-2 図 17-2 に示されているように、
各円板の中心軸を通るように x 軸を設定すると、
x 軸に対して対称であるので、y  0, z  0 であ
ることがわかる。密度が一様なので重心と図心
は一致する。したがって各部の体積を考えれば
よい。それぞれの円板の体積と重心(図心)の x
座標を算定すると、
図 17-2
円板 A の体積
V1 
円板 B の体積
V2 
円板 C の体積
V3 
d12
4
d 22
4
d 32
4
h1
 1.0cm
2
 h1  56.26cm 3
図心 x1 
 h2  50.24cm 3
図心 x 2  h1 
 h3  21.20cm 3
図心 x3  h1   h2 
h2
 4.0cm
2
h3
 7.5cm
2
となる。したがって、重心座標 x は、(17.1)式の Ai を Vi に変えればよく、
x
x1V1  x2V2  x3V3 56.26  1  50.24  4  21.20  7.5 416.22


 3.26cm   3.3cm 
V1  V2  V3
56.26  50.24  21.20
127.7
となる。したがって、 Gx , y, z   G3.3cm,0,0 である。
注記;力学では基本的に cm という単位を使用することを推奨していないが、この場合許容されるで
あろう。むしろ Gx , y, z   G0.033m,0,0 と表示する方が奇異である。単位は基本を踏まえた上で
臨機に対応することが望ましい。
KK 演習 22、宿題⑮