J-PARC&北大小型中性子源を連携利用した中性子研究 名古屋大学工学研究科 加速器 BNCT 用システム研究講座 (北大名誉教授) 鬼 柳 善 明 北大には電子線形加速器を用いた小型中性子源 HUNS がある。この中性子源は 1973 年に完成したもので、世界で初めて冷中性子源を設置した加速器中性子源である。こ の中性子源を利用して、冷中性子源開発、中性子集束デバイス開発、さらに最近では パルス中性子イメージング法の開発を行ってきた。これらの開発成果は、KENS や J-PARC で生かされている。 日本で最初の加速器中性子源は東北大の核理研であり、そこで開発された色々な分 光器は KEK に設置された殆どの分光器の原型となっている。それが、J-PARC にも受 け継がれている。北大の加速器中性子源 HUNS は、固体メタン冷中性子源の技術を KENS へ移植するとともに、LAM-40、LAM-80、LAM-D などの非弾性散乱分光器を 設置した。その後、J-PARC の為に最高性能の結合型冷中性子減速材を開発するとと もに、ビームラインの建設でも貢献している。 パルス中性子イメージングは HUNS で開発されてきたものであり、結晶性物質の結 晶子サイズ、選択配向、歪などの物理量をバルク材において、位置依存でマッピング することができる。引張試験中の配向、結晶子サイズ、歪の変化を測定することがで きた。また、焼き入れ鉄の透過実験では、焼き入れ領域を明確に示すとともに、マル テンサイト量とビッカース硬さの関係を明らかにすることができた。この方法は、材 料開発や製品評価などに役立つと考えられている。また、偏極中性子を用いた磁場イ メージングは、非接触の磁場強度、磁場ベクトルの測定方法であり、定量性の確認が 行われ、磁性材料やモーターの磁場の測定に応用されている。 中性子核反応測定装置 ANNRI に関しては、その建設を責任機関として遂行した。 加速器駆動炉などの革新炉などで必要となるマイナーアクチニドや長寿命核分裂生 成物の捕獲断面積の測定を当初の目的としていたが、宇宙核物理、微量分析などへも 応用範囲を広げている。Cm や Pd の同位体などの断面積が測定されており、新しいデ ータが得られている。しかし、核データは重要なものであるにも関わらず、その精度 はまだ不十分なところがある。核データの再測定が望まれる。特に、熱中性子断面積 については、まだまだ不十分な状態である。 小型中性子源の普及も進んできており、基礎的な実験の実施や学生の教育、初心者 の利用の促進などが図られてきている。まさに、J-PARC 中性子源のような大型中性 子源と小型中性子源の有機的な利用によって中性子科学を発展させていける段階に なってきたと思われる。 2014.08.05 J-PARC&北大小型中性子源を 連携利用した中性子研究 鬼柳善明 名古屋大学工学研究科 (北海道大学名誉教授) 内 容 1.大型/小型加速器中性子源の連携のこれまで 2.パルス中性子イメージング研究 BL22 イメージング装置RADEN(螺鈿)へ 3.中性子断面積測定 BL04 中性子核反応測定装置 ANNRI 4.まとめ 大型/小型加速器中性子源の連携のこれまで 北大電子加速器中性子源HUNS(~1012n/sec) 世界最初の加速 器冷中性子源 (1973年) 東北大電子加速器中性子源((~1013n/sec) 加速器中性子散 乱実験施設の草 分け (1967年) CAT, HITなど KENSの殆どの 中性子散乱装 置の原型 固体メタン減速材 LAM-40, 80 分光器 KENS核破砕中性子源(~1014n/sec)(世界発の本格的施設(1980年)) 大型/小型加速器中性子源の連携のこれまで 北大電子加速器中性子源(~1012n/sec) 世界最初の加速 器冷中性子源 (1973年) 核データ測定装置 ANNRIの建設 (2010年度) 結合型減速材 イメージング装置 RADENの建設 (2014年度完成予定) J-PARC核破砕中性子源(~1017n/sec) (世界最高性能の施設(2008年)) 今日の話 パルス中性子イメージング研究 北大電子加速器中性子源 HUNS(~1012n/sec) 原理検証と可能なアプリケーション J-PARC中性子源 JSNS(~1017n/sec) 精細実験と応用研究 従来型の中性子イメージング エンジンの中 竹中先生 但し、こんな動画 は定常炉の方が 圧倒的に便利 ゆりの中の水 中西先生 燃料電池中の水 竹中先生 RI協会HP この様なものの中 の物質を同定した いが、最初のモー チベーション 中のものが何か、合金の状態、水の存在状態、例えば燃料電池の中の水が凍っ ているかなどが分からないか。パルス中性子でそんな情報が得られないか。 パルス中性子イメージングに使える中性子との相互作用 Cross Section / barns 結晶組織構造 (Crystal structure, texture, strain) 35 30 25 20 15 10 5 0 Ela. Coh. Scat. Ela. Incoh. Scat. Inela. Coh. Scat. Inela. Incoh. Scat. Absorption Total 水素の運動状態 傾き: 運動のしやすさに比例 nl=2dsinq 水素の振動運動(金属水素化物) 0 1 2 3 4 Neutron Wavelength / Å 5 共鳴吸収(元素分析、温度測定) 磁場との相互作用 偏極中性子 (磁場測定) 7 エネルギー分析型イメージングで得られる情報 物質内部の結晶歪、配向、結晶子サイズ、元素、温度などの情報、また、磁場 や磁気ドメインなどの情報を、定量的にバルクマテリアルに対して実空間イメージ として与えることができる。 2.25 - 100 0 - 600 0 1.2 90 -9 400 y / mm 0 Position y / cm 4.5 Temperature (℃) 180 9 Strain of {110} crystal-lattice-planes ( = 10-4 % = 10-6) 0 -9 2.4 0 x / mm 9 Position x / cm 鉄の歪分布 SUS中のMnの分布 温度分布 磁場分布 2次元検出器開発が重要 ファイバー型 ピクセル型 2001年頃(NOP) 2003年頃(NOP) GEM型 2010年ころ 元CERN 黒田 北大 鬼柳 空間分解能 0.5mm 空間分解能 2.3,3mm 効率 約6%(冷中性子) 効率 90%以上 最大計数率 数10kHz 最大計数率 33MHz KEK 宇野、鬼柳 空間分解能 ~1.0mm 世界初のパルス中性子イ 最高計数率 J-PARC向き 効率 ~30% メージング 最近、J-PARCで開発 最大計数率 3.7MHz されたものの原型 磁場イメージング 中性子の磁場による集束からのヒントを得て研究を着想。 →篠原氏@J-PARC 六極 磁石 moderator Magnetic field Neutron beam target 磁気集束 中 性 子 強 度 の 倍 率 磁気レンズによる中性子集束実験を北大で世 界で初めて成功 磁場イメージング 中性子はスピン1/2に起因する磁気モーメントを持つため、 磁場中でラーモア歳差運動をする。 𝜔 : ラーモア周波数 L ・歳差運動による歳差角φ 𝜑 = 𝜔L t = 𝛾n 𝑣 path Bds = 𝛾n 𝑚n λ h Bds path 𝜔L = 𝛾𝑛 B v:中性子速度 𝛾n : 磁気回転比 t:中性子が磁場に滞在する時間 λ:波長 h:プランク定数 𝑚n :中性子の質量 歳差角φは磁場の経路積分に比例し、中性子 速度vが一定ならば回転角を調べることにより、 磁場強度が得られる。 ラーモア歳差運動 偏極した単色中性子の利用が不可欠 ●中性子スピンの回転方向はスピンの極性 に依存する。 中性子スピンの回転を偏極度の変化として検出する。 ただし、偏極度は2πの周期性がある。 一意に回転角を定めることはできない。 磁場の強度と方向を定量的に取得できる。 北大電子加速器中性子源HUNS He冷媒ガス輸送管 Flight path センタービームライン 冷中性子源 黒鉛反射体 ライトビームライン HUNS 1.6x1012n/sec J-PARC ~2x1017n/sec@1MW 実験体系 偏極度: P = n+ − n− n+ + n− @HUNS n+:スピンフリッパーON 時のカウント数 n−:スピンフリッパーOFF 時のカウント数 スピンフリッパーON スピンローテーター ポラライザー AFP型スピンフリッパー アナライザー コリメーター 2D検出器 観測対象 中性子ビーム 電流 電流 中性子ビーム コイル 測定磁場 ビーム側から見た 観測対象の概要図 コイル 測定磁場 観測対象の側面図 磁場経路はL=1.16 cm 定量性の検証 N. Wada, T. Negishi, H. Hasemi, Y. Shiota, K. Sato, H. Sato, T. Kamiyama, Y. Kiyanagi@HU T. Shinohara@J-PARC ●振動周期 磁場強度 = 4.589±0.041 mT 95 % 以内で一致! ホールプローブによる測定値 =4.61 mT ●振動の振幅 磁場の向き 偏極率の波長依存性 nx : ny : n z =0.280 ± 0.047 : 0.830 ± 0.014 : 0.412 ± 0.032 30 %以内で一致! コイルの向き =0.000 : 0.814 : 0.581 モデルサンプル(コイル) J-PARCにおける電磁鋼板の観察 50mm Orientation 偏極度の空間分布 @ l=5.4Å T. Shinohara@J-PARC FOV Coil 環状方向性電磁鋼板(熱処理後) 3次元偏極度解析による各ベクトル成分の分布 直径 : 50 mm 厚さ : 0.23 mm & 0.35 mm 励磁コイルへの印加電流: 2.0A (B = 20 G) X成分(水平方向) Y成分(垂直方向) Z成分(ビーム進行方向) 電磁鋼板内部の磁場はX軸方向 (異方性の方向と一致) 波長依存性 波長依存性の振動周期 w 磁場強度= = 1.79 ± 0.02 [T] ブラッグエッジ&共鳴メージングの原理 ブラッグエッジ sample 40000 40000 Counts 30000 Counts nl=2dsinq 50000 20000 30000 20000 10000 10000 0 0 5000 10000 15000 20000 5000 TOF (sec) パルス中性子 入射ビーム I0 100 Total cross section (barn) 10000 15000 20000 2D-detector TOF (sec) d 透過ビーム I ブラッグエッジ(Bragg edge) 結晶組織構造解析 nl=2dhklsinθ 10 共鳴吸収 元素分析 温度測定 1 0.001 0.01 0.1 1 10 Neutron energy (eV) ・それぞれのピクセルで全断面積が得られる。 (空間依存全断面積の取得→データ解析) 100 1000 16 処理の仕方の違うSUS材の透過実験 (本格的パルス中性子イメージングの始まり) SUS (10mm厚) 表面処理 0 .7 0 .6 5 0 .7 :HT :GR :WJP ピクセルNo.9 0 .6 Water Jet Pinning (WJP) Grinding (GR) 熱処理 (HT) ピクセルNo.10 0 .6 5 同じ厚さで何故差ができるのか? 結晶組織構造が違う。 0 .6 0 .5 5 0 .5 5 0 .5 0 .5 0 .4 5 0 .4 5 0 .4 0 .4 0 .3 5 17 0 .3 5 1 2 3 4 5 6 7 1 2 3 4 5 6 7 Total cross section (cm -1 ) 結晶子サイズが大きいと透過断面積が小さくなる 1.0 Small grain (260μm) 0.9 Large grain (1190μm) 0.8 0.7 大きなサイズの結晶子で は2度散乱して、中性子が 前に行く。見かけ上透過率 が増える。 0.6 0.5 0 1 2 3 4 Neutron wavelength (Å) 5 6 中性子回折で消衰効果として知 られている現象が透過断面積の 減少として現れる。. 18 切欠きがある鉄板の引っ張り試験中の組織構造変化 高分解能測定は大型施設へ J-PARC 匠 By 岩瀬、佐藤博、加美山、ハルヨ、鬼柳他 引っ張り試験に 用いた鉄資料 ひずみ測定 結晶子サイズ 組織構造 Bragg edge transmission imaging Pulsed neutron TOF diffraction Pulsed neutron beam Pulsed neutron beam B4C slit B4C slit Diffracted beam Transmitted beam ピクセルタイ プ検出器 TAKUMI detector (North bank) Specimen Specimen 20 負荷によるブラッグの形の変化と位置のずれ (1) 切欠き部 (拡大図) 0 kN 32.5 kN 49 kN 0.75 0.70 0.65 0.60 0.55 0.80 0.75 0.70 0.65 0.60 0.55 0.50 0.50 0.45 0.45 0.400 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.75 0.65 0.60 0.55 0.75 0.410 0.65 0.60 0.55 0.50 0.45 0.45 0.400 Neutron wavelength / nm 0.408 0.70 0.50 0.3 0.406 0 kN 32.5 kN 49 kN 0.80 0.70 0.2 0.404 Neutron wavelength / nm 0 kN 32.5 kN 49 kN 0.80 0.1 0.402 Neutron wavelength / nm (2) 中央部 Neutron transmission Neutron transmission 0.80 0 kN 32.5 kN 49 kN 0.85 Neutron transmission Neutron transmission 0.85 (高エネルギー分解能測定) 0.4 0.5 0.402 0.404 0.406 Neutron wavelength / nm 0.408 0.410 21 非等方性 歪 Strain of {110} crystal lattice plane (με = 10-4 % = 10-6) 10 kN 3.6 + 325 結晶子サイズ Crystallite size (μm) Degree of crystallographic anisotropy (March-Dollase coefficient) 3.6 0.54 1.8 0.49 3.6 3.7 1.8 2.0 0.0 251.05 kN 2.1 Position y / cm Position x / cm - 125 1.8 - 275 - 425 3.6 401.05 kN 2.1 Position y / cm Position x / cm + 325 + 175 + 25 - 125 1.8 - 275 - 425 0.0 3.6 - 575 Strain of {110} crystal lattice plane (με = 10-4 %- = 725 10-6) 0.0 49 kN 1.05 2.1 Position x / cm 0.44 3.6 0.54 - 275 - 425 Position y / cm Crystallite size (μm) 0.0 3.6 2.1 Degree of crystallographic anisotropy (March-Dollase coefficient) 0.0 0.44 0.54 3.6 0.0 1.05 2.1 Position x / cm 0.49 1.8 2.0 1.8 0.3 3.7 0.0 2.0 Crystallite size (μm) 0.3 3.7 0.0 1.8 0.49 0.0 0.44 1.8 1.8 0.0 3.6 0.54 0.9 Position x / cm 2.1 Position x / cm 1.8 Crystallite size (μm) Degree of crystallographic anisotropy (March-Dollase coefficient) 0.44 1.05 0.9 Position x / cm 0.0 3.6 0.0 0.0 0.3 3.7 0.0 0.49 1.8 + 175 + 25 1.05 Position x / cm 3.6 + 325 - 125 1.8 0.0 0.0 - 575 Strain of {110} crystal lattice plane - 725 (με = 10-4 % = 10-6) 0.0 Degree of crystallographic anisotropy (March-Dollase coefficient) + 175 + 25 0.0 Position y / cm + 325 Position y / cm 3.6 Position y / cm 0.0 Position y / cm - 425 - plane 575 Strain of {110} crystal lattice (με = 10-4 %- = 725 10-6) Position y / cm - 275 Position y / cm - 125 1.8 Position y / cm + 25 Position y / cm Position y / cm + 175 0.9 1.8 Position x / cm 1.8 2.0 0.0 0.3 - 575 - 725 0.0 0.0 1.05 2.1 Position x / cm 0.0 1.05 2.1 Position x / cm 0.0 0.9 1.8 Position x / cm 22 焼入れ中炭素鋼丸棒の測定 実験試料:焼入れ中炭素鋼丸棒(3種類) 焼き入れ部が中性子で見えるか? とりあえず、切断面で見てみよう。 試料中心部 フェライト相 •母材 試料外縁部 •直径 : 26 mm •厚さ : 20 mm •鋼材 : S45C マルテンサイト相 •焼入れ条件 •高周波焼入れ(移動) •焼入れ深さ:3, 5, 7mm パルス中性子透過実験 •J-PARC / MLF施設 のBL10「NOBORU」 • MCP検出器(Dr. Tremsin) •空間分解能 : 55 μm sq. •検出面積 : 14 × 14 mm2 •TOFビン幅 : 4 μs neutron 23 •飛行距離:14.43 m 焼入れ中炭素鋼丸棒 硬さ試験 •ビッカース硬さ試験 •焼入れ深さ判定条件 •限界硬さ : 450HV マルテンサイト部の格子面間隔分布 マルテンサイト部が通常の歪によるブラッグエッジの変化と異なる。 0 kN 32.5 kN 49 kN 通常の歪: 全体がシフト Neutron transmission 0.85 0.80 0.75 0.70 0.65 0.60 0.55 0.50 0.45 0.400 0.402 0.404 0.406 0.408 0.410 Neutron wavelength / nm マルテンサイト: 傾きに変化→格 子面間隔に分布 がある。 24 マルテンサイト相の結晶格子面分布を考慮した 解析コードRITSの改良 マルテンサイト相が結晶格子面間隔に分布(ミクロひずみ)をもつと、回折ピーク 幅やブラッグエッジの傾きが大きくなる。 回折ピーク幅とブラッグエッジの傾きに対応するパラメータ:σhkl •中性子パルス関数の幅(装置定数) •ミクロひずみ(試料由来の量) 現状のRITSでは分離計 算できない。 ブラッグエッジ σf_hkl σm_hkl Neutron wavelength Ferrite Martensite Cross Section Intensity 回折ピーク σf_hkl σm_hkl Neutron wavelength 回折ピークは広がり、ブラッグエッジは傾きが緩やかになる。 改良RITSコードによる試料中心部、外縁部の {110}面のブラッグエッジに対するフィッティング Assumptions for Fitting • 試料中心部(フェライト相)には焼入れによるひずみがない。 • ミクロひずみの格子面間隔分布はガウス分布である。 Transmission この仮定の下で、試料中心部から装置分解能を決定し、外縁部にこれらのパラ メータを用いて面間隔 dとその分散幅 σ1’ [nm]を導出した。 フィッティングパラメータ 0.3 格子面間隔:d110 [nm] 0.2 Center 0.1 試料由来の分散幅:σ1’ [nm] Edge 0 0.395 0.405 0.415 装置分解能:σ0 [nm] 中心部 外縁部 0.2026 0.2032 -5 2.3 × 10-3 8.5 × 10 1.2 × 10-4 0.425 Neutron wavelength [nm] 試料中心部、外縁部の{110}面ブラッグエッジに対するフィッティング解析結果 (焼入れ深さ7mm) 26 焼き入れ深さ3mm、5mm、7mmの結果 格子面間隔のガウス分 布の半値幅 ⊿W 3mm 5mm 7mm 27 Δwとビッカース硬さとの関係 •Δwと硬さ分布のグラフ には相関関係がある。 8 6 4 2 0 ほぼ一致。 ミクロひずみの格子面間 隔分布の半値幅Δw と硬 さ分布とは良い相関があ る。 Δw はマルテンサイト の存在量に対応する。 28 Δwの分布 0.003 0.002 3mm 0.001 5mm Distance from the Edge [mm]7mm Vickers hardness [HV5] 変曲点 HV450 10 0.004 Δw [nm] •Δwを半径方向にプロッ トした時、変曲点は点線 の位置にある。 硬さ分布の図から、 12 5.2mm Distance from the Edge [mm] 3.3mm 6.5mm 12 10 0 800 0 硬さ分布 2 4 8 6 6 Distance from マルテンサイト相 600 4 8 2 10 12 the Center [mm] HV450 : 限界硬さ 400 3mm 5mm 7mm フェライト相 200 0 0 2 4 6 8 10 Distance from the Center [mm] 12 0 ⊿Wから硬さが分かる!? 非破壊測定 Vickers hardness / Hv 800 3mm 600 5mm 7mm 400 200 0 0.0004 y = 1.96x105⊿W+ 71.3 0.0014 0.0024 Δw / nm 0.0034 日本刀への応用 Y. Shiota, H. Hasemi, T. Kamiyama, T. Shinohara, T. Kai, F. Grazzi, A. Tremsin, Y. Kiyanagi 透過実験 @BL10, J-PARC 名 大 広 田 氏 提 供 備前長船之住則光作 刃の長さ 45 cm 刃 先 茎 Bcc Fe (211) (220) aFe(110) (200) 飛行時間範囲 : 3.5~15.3 ms ( ⊿t = 5.12 s) フェライトとマルテンサイト相のマッピング 赤い領域がマルテンサイト(焼き入れ領域) 青い領域がフェライト 31 波長毎透過画像 刀部 茎(なかご:柄) 刀の茎(なかご)以外の部位では数100μmの大きさの黒点が見られる。 共鳴吸収イメージング テストサンプル S. Uno@KEK, H.Hasemi@HU et al. GEM検出器 Al(3) Mn(0.1) Cu(1) SUS(2.5) SUSのTOF(サンプル有り/無し) (単位:%) SUS304の主な化学成分 Fe Ni Cr Mn 68〜73 8〜10 18〜20 〜2 Mn(336eV) (CoはNi原料中に含有) 一つピーク Fe(27.7keV) Co Fe Mn 二つピーク Fe試料(8.3〜9.4μs) Cu試料(25〜25.8μs) Mn試料(57.5〜60μs) Co試料(91〜93μs) Cu試料(45〜45.8μs) サンプル有り/無し パルス関数を考慮したシミュレーションコードによる定量化 1.0 Transmission 0.8 ・Ag107の16.3 eV共鳴 ・Ag109の133.9 eV共鳴 から試料の核種密度分 析を行った。 0.6 0.4 0.2 W/ sample : 3.7 h W/O sample : 2.3 h 0.0 0 50 100 150 200 250 300 TOF / s Ag(1 mmt)の透過率スペクトル (※1 mm = 5.81×10-3 at/b) 1.0 ・Cu65の230 eV共鳴 ・Cu63の579 eV共鳴 ・Cu63の2038 eV共鳴 から試料の核種密度分 析を行った。 Transmission 0.8 0.6 0.4 W/ sample : 6 h W/O sample : 4.6 h 0.2 0.0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 TOF / s Cu(1 mmt)の透過率スペクトル (※1 mm = 8.41×10-3 at/b) Agの共鳴に対するフィッティング 16.3 eV 共鳴 133.9 eV 共鳴 1.0 1.0 0.9 0.9 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 Difference Transmission 0.7 0.0 1.0 0.5 0.0 -0.5 -1.0 230 Measured Fit Difference Measured Fit Difference Measured 235 240 245 250 255 260 265 270 0.8 0.7 0.6 Measured Fit Difference 0.5 Difference Transmission 0.8 275 0.4 0.10 0.05 0.00 -0.05 -0.10 86 TOF / s (5.81±0.0208)×10-3 at/b ※実際の試料密度:5.81×10-3 at/b 87 88 89 90 91 TOF / s (5.39±0.116)×10-3 at/b 92 Cuの共鳴に対するフィッティング 579 eV 共鳴 2038 eV 共鳴 1.0 1.0 0.9 Transmission 0.8 0.7 Difference 0.6 Measured Fit Difference Measured Fit Difference Measured 0.5 0.10 0.05 0.00 -0.05 -0.10 42.0 42.5 43.0 43.5 44.0 44.5 45.0 0.8 0.7 0.6 Measured Fit Difference 0.5 Difference Transmission 0.9 45.5 0.4 0.10 0.05 0.00 -0.05 -0.10 22.5 TOF / s (10.6±2.23)×10-3 at/b ※実際の試料密度:8.41×10-3 at/b 23.0 23.5 24.0 24.5 25.0 TOF / s (6.71±0.337)×10-3 at/b 誤差の理由? 25.5 核データの問題? JENDLよりWeigmannの核データの方が合う。 1.0 Transmission 0.9 579eV共鳴 0.8 0.7 Exp. Calculation (JENDL-4.0) Calculation (Weigmann) 0.6 39 40 41 42 43 44 45 TOF / s Cuの核データはまだ正確でないところがあると言われている。他の核も? 核データの精度向上は重要! J-PARC のイメージング装置, RADEN(螺鈿) メトロポリタン美術館@NY 40 イメージング装置のレイアウト 北大発、日本発の手法→世界に先駆けてイメージング専用装置の 建設 パルスイメージングと従来タイプの両方を具備した装置の建設 2012-2014年度x 小型サンプルステージ 遮蔽 5m 光学ベンチ 減速材 中性子光学機器 1st 検出器位置 シャッター 0m 大型サンプル ステージ 8m 14m 18m 2014年11月から調整 2015年4月から一般ユーザー受付 23m 2nd 検出器位置 27m 31m 第二実験ホール BL22 BL22 11 中性子断面積測定 BL04 中性子核反応測定装置 ANNRI (使用目的) 中性子捕獲断面積測定 革新炉の設計データ用など 宇宙核物理 微量分析 H.Harada, A. Kimura @JAEA M. Igashira, T. Kaatabuchi @TITEC M. Furusaka, K. Kino @HU Y. Kiyanagi @NU et al. J-PARC核変換実験施設 ANNRI Ge Detector Array L = 21.5 m NaI(Tl) Spectrometer L = 27.9 m 45 244Cmの断面積 244Cm(n,γ)反応断面積の過去の測定データは1969年に行われた原爆実験のみ[1]. 20eV以下の2本の 共鳴吸収は初の データ 世界初の測定結果 共鳴パラメータは[1]の他に •全断面積測定 原子炉+チョッパ •Fission断面積測定 鉛スペクトロメータ 原子炉+チョッパ で行った結果より導出。 [1]M. S. Moore et.al. , Physical Review C, 3, 1656 (1971). 46 107Pdの捕獲断面積 Lower limit 47 安定核112Snの中性子捕獲反応断面積 94.80eV 64.66eV 114Sn (0.3% contaminated) 14 本の未知の共鳴を観測。 21, 46, 251 eV の共鳴は観測されなかった。 240 eVの共鳴はENDF B-VIIにはあるがJENDL 4.0にはないとされている。 48 112Snの共鳴 This work JENDL 4.0 ENDF/B VII.1 Not Observed. 21.02 21.02 809.2±1.7 Not Observed. 40.38 40.38 879.3±1.9 64.61±0.06 64.66 64.66 ○ 903.3±2.0 ×** 72.24±0.08 72.26 72.26 ○ 1086.0±2.5 ○ 94.76±0.11 94.8 94.8 ○ 1156.0±2.8 ○ Confirm* This work JENDL 4.0 ENDF/B VII.1 ○ 877 877 安定核種であっても、 実験は質・量とも不充分!!!! 104.65±0.12 104.7 104.7 ○ Confirm* ○ 1321±3 1321 1321 ○ 1419±4 1416 1416 ○ Not Observed. 166 236.6±0.3 240 ○ 1511±4 △*** 252.9±0.4 251.1 251.1 ○ 1539±4 △*** 514.0±0.9 514 514 ○ 1639±5 ○ 577.3±1.1 577 577 ○ 1687±5 ×** 679.7±1.3 ×** 1824±5 ○ 715.6±1.4 ○ 1982±6 ○ 771.3±1.6 ○ 3本のミスアサインと13本の新しい共鳴を観測 ANNRIでは共鳴の確認が可能 *: 332、 498-keVのγ線の有無 ** : イベント数が不足して判定不能 ***: 共鳴の分離不可 49 核データとして熱中性子断面積が収められている物質は少ない。 Total cross section / barn 50 40 58 30 60Ni 26.223%, 61Ni 1.14%, 62Ni 3.634%, 64Ni 0.926% 20 10 0 0.0 Total cross section / barn Niの例 Ni 68.077%, JENDL 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 Wavelength / nm 50 実際 40 30 Coh. Ela. Scat. Incoh. Ela. Scat. Coh. Inela. Scat. Incoh. Inela. Scat. Absorption Total 20 単原子ではFe,Al,C,Beなど はあるが、組織構造の影響 は全く考慮されていない。 10 0 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 Neutron wavelength / nm 1.0 熱中性子領域の計算が正 しくできない!実際に問題 になっている。 ANNRIと小型の役割分担 • 中性子断面積データはまだ十分な精度ではないものが多い。 *理想的には、すべての核を再測定すべき。 *小型中性子源用減速材物質の断面積測定が必要。 *極&超冷中性子用減速材物質の断面積測定が必要。 • ANNRI *極冷中性子から数10keVまでの断面積の測定が可能。 *核物質の測定はできない。 *プロトンのダブルパルスの問題があり、高エネルギーでは 共鳴断面積がうまく測れない。 • 小型加速器中性子源 *核物質の測定が可能(京大炉、東大東海) *ダブルパルスの問題がない。(高エネルギー測定可能) *実験のフレキシビリティーが高い 日本の中性子源 北大 HUNS(電子加速器) ~104n/sec/cm2 Cold-fast neutrons 理研(陽子加速器) RANS: ~104n/sec/cm2 Thermal neutron 京大(陽子加速器) KUANS: ~103n/sec/cm2 Thermal neutron 九大? J-PARC (陽子加速器) RADEN: ~108n/sec/cm2 東北大? 東大TUANS? 名大NUANS(~106n/sec/cm2 Thermal neutron?) JRR-3 (Reactor) 住友重機 ~105n/sec/cm2 Thermal TNRF: ~108n/sec/cm2 Thermal neutron CNRF: ~107n/sec/cm2 Cold neutron 京大炉 KURRI (Reactor): Thermal E2: ~4x105n/sec/cm2@5MW 52 B4: ~106~7n/sec/cm2@5MW 大型と小型の本格的コラボの時代!? 4.まとめ 日本の中性子利用は小型中性子源と大型中性子源の両方を 利用できる時代に入りつつある。小型の融通性の高さと大型の 精細、短時間測定など両者の特徴を利用した研究が可能となっ ていくであろう。 パルス中性子イメージングは開発要素が沢山ある。RADENを中 心に小型も含めて進めて行く。また、応用分野はさらに拡大して いきそうである。中性子イメージングは原子炉でも単なる画像撮 影から定量評価へ向かっている。 中性子断面積測定は、データがまだまだ不十分であり、捕獲断 面積、全断面積測定など、大型と小型が協力して網羅的に実施 すべきである。中性子源開発などでは、まだまだ新たなテーマ が存在している。 いままでとは違った中性子利用があるかも!? チャレンジングな実験が大事?! 小型中性子源開発グループ (有志の集合) 次回 9月3-4日 @北大 新規参加 大歓迎 HUNS Hokkaido University Neutron Source KUANS RANS RIKEN Accelerator driven Neutron Source Kyoto University Accelerator driven Neutron KENS NUANS Nagoya University Accelerator driven Neutron Source Source
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