現物給付課税の実務 - 法令出版株式会社;pdf

事例回答
現物給付課税の実務
品川 芳宣【編著】
秋葉 武 ・坂部 達夫・鈴木 雅博
【著】
濵田 明子・山元 俊一
はしがき
我が国の雇用慣行においては、企業に対する帰属意識を高めるた
め、手厚い福利厚生事業が行われ、種々の現物給付が行われてきま
した。このことは、日本的経営の一つのメリットとされていました
が、課税面からみると、その事業から受ける経済的利益に対してど
のように課税すべきかという問題を生じさせてきました。
ところが、最近年においては、経営の合理化、企業のリストラ等
が進み、従来の福利厚生事業が大幅に見直されてきており、また、
合理的かつ合目的な現物給付を行うためのカフェテリアプラン等の
開発や経営へのインセンテイプ効果を高めるためのストック・オプ
ション制度が導入されてきております。これらの動きに対応し、課
税面においても、より厳しい姿勢がとられるように至っており、複
数の税目にまたがる種々の問題が生じています。
これらの現物給付に関する課税問題の解説については、既に多く
の類書が発刊されているところですが、それらの多くは、源泉所得
税を中心とするものであったり、単に取扱通達を解説するものであ
ったりします。
そこで、本書では、現物給付に関する課税問題について、最初に、
総則的かつ体系的に解説し、各項目の課税問題については、源泉所
得税を中心に説明するとともに、関連税目として、法人税、消費税
及び相続税についてそれぞれの問題を説明することにしました。
また、項目の区分については、「旅費・通勤手当」、「住宅」、「保険
料」など経済的利益を受ける(供与する)形態別に細分し、各現物
給付の様々な態様に応じて説明することとしました。更に、各項目
ごとに、課税・非課税の判断ができるフローチャートを記載するこ
とにより、課税の課否判断を容易にする工夫も凝らしました。
凡 例
なお、現物給付課税(経済的利益課税)については、国際的にも
「フリンジ・ベネフィット」課税として広く行われているところで
す。しかし、各国において、課税される範囲や課税方法が異なって
います。近年では、グローバル経済が進む中、国をまたがって勤務
<本書の意図>
この本は、企業における役員や従業員に対する「金銭以外の経済
的利益」に係る税務上の取扱いに関して詳しく解説し、各現物給付
する者も増えていますので、主要国のフリンジ・ベネフィット課税
の様々な状況を取り上げ、それらの税務に対する判断をするための
の実態についても解説することにしています。
指針の参考となるようにしました。
次に、本書は、私のほか、秋葉、坂部、鈴木、山元及び濵田の5
氏が分担して執筆したものであります。5氏は、いずれも筑波大学
大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻(修士課程)及び企業科学
専攻(博士課程)の卒業生ですが、大学院通学中も税理士等として
しかも各事務所の所長等としての重責を全うしながら、勉学した仲
間であります。そのため、本書には、税理士等としての実務上の問
<本書の特色>
経済的利益に係る税務上の取扱いについて、フローチャートで判
断の基準を明らかにしながら、具体的な事例をあげ、詳しく解説し
ました。また、関連税目として、法人税や消費税など他税の取扱い
についても、要点を掲げて解説しました。
題点を整理・検討しながらも、理論的な追求を追い求めようとする
<法令等の略称>
気概を込めた積りであります。
●法令・通達
その意味では、本書は、税理士などの実務家にとって格好の手引
書になるものと考えております。
もっとも、これらの願いは道半ぼであることは重々承知していま
すが、本書を御覧頂いた方々から御批判、御叱責を頂き、それを糧
に本書を一層良いものにしたいと考えております。
最後に、本書の企画、出版等に当たられ、大変御苦労されました
法令出版株式会社の鎌田順雄様には厚く御礼申し上げます。
平成 27 年2月
筑波大学名誉教授
品 川 芳 宣
(著者代表)
本文中の解説の根拠となる法令等を( )内に表記する場合は次
の略称を用いました。なお、条数は「1・2・3」、項数は「①・
②・③」、及び号数は「一・二・三」で表示しました。また、外国の
法令等についても、略称を用いることとしました。
【国内法令・通達(五十音順)
】
財形法
財形令
財形規
所法
所令
所基通
消法
消令
消基通
勤労者財産形成促進法
勤労者財産形成促進法
施行令
勤労者財産形成促進法
施行規則
所得税法
所得税法施行令
所得税基本通達
消費税法
消費税法施行令
消費税法基本通達
措法
措令
措規
措通
相法
相基通
法法
法令
法基通
租税特別措置法
租税特別措置法施行令
租税特別措置法施行規
則
租税特別措置法(所得
税関係)通達
相続税法
相続税法基本通達
法人税法
法人税法施行令
法人税基本通達
目 次 1
【海外法令・通達(国別・アルファベット順)
】
米国
IRC(Internal Revenue Code)
内国歳入法
Reg.(Treasury Regulation)
財務省規則
Rev.Proc.(Revenue Procedure)
歳入手続(公開通達)
英国
EIM(Employment Income Manual)
給与所得マニュアル
ITEPA2003(Income Tax (Earnings and 所得税(報酬と年金)法
Pensions) Act 2003)
ITTOIA2005(Income Tax (Trading and 所得税(事業その他の所得)
Other Income) Act 2005)
法
PAYE(Pay As You Earn)
英源泉徴収制度
ドイツ
EStG(Einkommensteuergezets)
独所得税法
フランス
Bofip(Bulletin officials des Publiques-Impots) 財務省行政ガイドライン
CGI(Code general des impots)
一般租税法典
オーストラリア
FBTAA(Fringe benefit tax assessment act)
豪フリンジベネフィット
査定税法
ITAA(Income Tax Assessment Act 1997) 豪所得税法
目 次
第1 現物給付と課税
(担当)品川 芳宣
1-1 現物給付に対して課税する理由…………………………… 2
1-2 現物給付(経済的利益)課税の意義……………………… 4
1-3 現物給付(経済的利益)課税の概要……………………… 8
1-4 課税されない現物給付…………………………………… 10
1-5 現物給付と所得税………………………………………… 13
1-6 現物給付と源泉課税……………………………………… 16
1-7 現物給付と法人税………………………………………… 18
1-8 現物給付と消費税………………………………………… 21
1-9 現物給付と相続税・贈与税……………………………… 23
1-10 現物給付の評価…………………………………………… 25
1-11 使途不明金に係る認定賞与の要件……………………… 28
1-12 経済的利益の収入金額等の計上時期…………………… 31
●判例集
判例の引用に当たっては、次の略記法を用いました。
東京地方裁判所平成元年1月 17 日判決、判例時報 653 号 52 頁
1-13 支給段階における現物給付課税………………………… 34
1-14 フリンジ・ベネフィット課税の国際比較……………… 36
=(東京地判平元・1・17 判時 653・52)
行裁集
シュト
訟月
裁時
税資
判時
行政事件裁判例集
シュトイエル
訟務月報
裁判所時報
税務訴訟資料
判例時報
判タ
民集
労経速
判例タイムズ
大審院民事判例集 最高裁判所(民事)判
例集
労働経済判例速報
第2 旅費・通勤手当
(担当)坂部 達夫
2-1 非課税となる旅費の概要………………………………… 43
2-2 旅費規定に基づかない出張旅費や日当の
税務上の取扱い…………………………………………… 46
目 次 3
2 目 次
2-3 単身赴任者に対する帰宅手当の課税関係……………… 49
3-6 功労社員に対するホテル食事代………………………… 95
2-4 海外渡航費の業務上の費用と給与との区分…………… 52
3-7 深夜勤務者に支給する夜食相当額の金銭の支給……… 97
2-5 社長の海外出張に同伴した配偶者の旅費、宿泊費…… 55
3-8 通常の勤務時間が長い人に支給する食事……………… 100
2-6 日本で勤務する外国人の休暇のための帰国旅費……… 57
3-9 休憩時のコーヒー支給の費用…………………………… 102
2-7 通勤手当・通勤用定期乗車券に対する課税…………… 59
3-10 社員食堂の社員に提供する食事………………………… 104
2-8 新幹線で通勤した場合の取扱い………………………… 61
3-11 災害・ストにより、職場に宿泊する場合に
2-9 アルバイトやパートタイマーに支給する通勤手当…… 64
支給した食事……………………………………………… 106
2-10 マイカー通勤者に対する通勤手当……………………… 66
3-12 職務の一環でとる食事代………………………………… 108
2-11 突発事故・災害等により普段とは別のルート・
3-13 船員が船舶所有者から支給される食事………………… 110
手段をとったために要した交通費等…………………… 68
3-14 各自が指定食堂でとった食事の補助…………………… 112
2-12 社用車を通勤で使用する場合…………………………… 70
3-15 「通常の勤務時間外における勤務」における
2-13 マイカー通勤者に対して支払われる有料道路・
食事の支給………………………………………………… 114
駐車場等の負担等………………………………………… 72
2-14 通勤用の専用バス(社有車)の利用に伴う
経済的利益………………………………………………… 75
2-15 徒歩で通勤する場合・自転車で通勤する
第4 被服・身回品
(担当)坂部 達夫
場合の通勤手当等………………………………………… 77
4-1 被服や身回品についての経済的利益の非課税………… 119
2-16 給与に含めて支払った通勤手当相当額と一律支給…… 79
4-2 守衛・消防担当等に支給する身回品の範囲…………… 121
4-3 守衛等の制服代の現金支給……………………………… 123
4-4 受付・守衛・看護師等に対する制服…………………… 125
第3 食 事
4-5 勤務場所以外で着用できる衣服を制服として
(担当)坂部 達夫
支給した場合……………………………………………… 127
3-1 給食の非課税扱いの概要………………………………… 83
4-6 危険作業に従事する人に対する作業着・安全靴
3-2 食事支給の会社補助額が限度額を超えた場合………… 86
代の負担…………………………………………………… 129
3-3 社員食堂のない営業所の使用人に支給する食事手当… 88
3-4 専門業者への食事の委託………………………………… 90
3-5 残業者及び宿日直者に支給する食事に対する課税…… 92
目 次 5
4 目 次
第5 住 宅
6-5 2泊3日の保養地における研修会費用………………… 182
(担当)秋葉 武
6-6 海外勤務者及びその妻に対する語学研修費用………… 185
5-1 使用人社宅の提供………………………………………… 133
6-7 新規事業開発のための研修費…………………………… 188
5-2 役員社宅の提供…………………………………………… 136
6-8 取引先を交えたセミナー開催費用……………………… 192
5-3 小規模住宅等の取扱い…………………………………… 139
6-9 国から補助金を受けて行う自己啓発のための
5-4 借上社宅の課税…………………………………………… 141
研修費……………………………………………………… 196
5-5 使用人等社宅における水道光熱費等…………………… 144
6- 10 海外留学費用… …………………………………………… 199
5-6 使用人等社宅の提供についての経済的
6- 11 特定不況業種が行う職業訓練費等… …………………… 203
利益の具体例⑴…………………………………………… 146
6- 12 インターンシップ制度を行う費用… …………………… 206
5-7 使用人等社宅の提供についての経済的
6- 13 社員が受給した教育訓練給付金… ……………………… 208
利益の具体例⑵…………………………………………… 149
5-8 業務上の事情により無料で社宅を貸与
した場合の課税…………………………………………… 151
5-9 社宅の一部を業務用で使用……………………………… 154
第7 商品・製品
(担当)山元 俊一
5-10 社宅の一部を単身赴任者が使用………………………… 156
7-1 使用人等に対する商品券等である金券値引販売……… 215
5-11 使用人等に社宅用の土地・建物を譲渡………………… 158
7-2 使用人等への小売商品の値引販売……………………… 217
5-12 退職金としての社宅用の土地・建物…………………… 160
7-3 使用人等への不動産の値引販売………………………… 219
5-13 契約金として社宅用の土地・建物を譲渡……………… 162
7-4 定価のない商品の使用人等への値引販売の評価……… 221
5-14 豪華役員社宅……………………………………………… 164
7-5 外部業者からの値引販売………………………………… 223
7-6 使用人等への値引販売の時期…………………………… 225
7-7 値引販売の評価の仕方…………………………………… 227
第6 教育・研修
7-8 半製品等を値引販売する場合の販売評価……………… 229
(担当)鈴木 雅博
6-1 講師を呼んで行う社内研修費用………………………… 169
6-2 社外のOA講習会参加費用……………………………… 172
6-3 ビジネス・スクールの学費……………………………… 174
6-4 2泊3日の保養地における研修会費用………………… 177
7-9 役員のみに対する経済的利益の評価…………………… 230
目 次 7
6 目 次
第8 表彰・記念品
9-8 社員旅行に代えて行われる個人又は
(担当)山元 俊一
家族旅行への補助………………………………………… 281
8-1 創業記念品の評価………………………………………… 235
9-9 海外への社員旅行の費用 ⑴… …………………………… 283
8-2 永年勤続者に対する旅行ギフト券の贈呈……………… 237
9-10 海外への社員旅行の費用 ⑵… …………………………… 287
8-3 役員と使用人とで格差がある場合の
9-11 各種クラブ活動に対する助成金への課税……………… 290
永年勤続者表彰…………………………………………… 240
9-12 ゴルフプレーのための直接費用等への課税…………… 292
8-4 全国共通商品券による永年勤続者表彰………………… 242
9-13 使途不明金に係る認定賞与の要件……………………… 294
8-5 多品目の選択が可能な永年勤続者表彰………………… 244
9-14 ロータリークラブやライオンズクラブの
8-6 選択の余地がない場合の永年勤続者表彰……………… 246
入会金等…………………………………………………… 296
8-7 賞金等……………………………………………………… 247
8-8 創業記念品の評価………………………………………… 249
8-9 社内提案制度に対する表彰……………………………… 251
第 10 厚生施設等
(担当)鈴木 雅博
8-10 金銭支給による表彰……………………………………… 253
8-11 社内発明制度による表彰………………………………… 254
10-1 厚生施設の借上費用………………………………………… 300
8-12 社長賞の金銭支給………………………………………… 257
10-2 会社が厚生施設として特約したホテルの利用…………… 302
10-3 社内のサークル活動に伴う講師の謝礼の負担…………… 304
10-4 理髪室等の設置利用………………………………………… 306
第9 行事・レクリエーション
10-5 テニスコートの設置利用…………………………………… 308
(担当)秋葉 武
9-1 レクリエーションを会社で行う場合…………………… 261
10-6 人間ドックの費用負担……………………………………… 310
10-7 カフェテリアプランの取扱い……………………………… 312
9-2 レクリエーション行事への家族等の参加……………… 264
9-3 行事に参加しなかった者への金銭支給………………… 267
9-4 下請業者の使用人等を旅行に参加させた場合………… 270
9-5 忘年会を国内の温泉地で1泊する費用
第 11 慶弔・共済
(担当)秋葉 武
及び二次会等……………………………………………… 273
11-1 役員の結婚披露宴の費用…………………………………… 316
9-6 部署別等の企画旅行の補助……………………………… 276
11-2 慶弔規定に基づく祝金等の課税…………………………… 319
9-7 有志による旅行に対する補助…………………………… 279
11-3 就業規則に基づかない葬祭料・香典・弔慰金等の支給…… 321
目 次 9
8 目 次
11-4 慶弔規定がない場合の慶弔金への課税…………………… 324
13-4 養老保険の権利を退職金として支給する場合…………… 372
11-5 災害見舞金に対する課税…………………………………… 327
13-5 役員損害賠償保険 ⑴… …………………………………… 374
11-6 就業規則に基づく使用人の出産祝等……………………… 329
13-6 役員損害賠償保険 ⑵… …………………………………… 377
11-7 成人祝の金品への課税……………………………………… 331
13-7 少額の交通共済に加入した場合…………………………… 379
11-8 共済会の税法上の取扱い(福利厚生団体)……………… 333
13-8 使用人等の親族に対する定期保険の加入………………… 382
11-9 人格のない社団等に該当する共済会……………………… 336
13-9 定年後も保障対象となる医療保険………………………… 384
11-10 共済会(人格のない社団)の受取利息等………………… 339
13-10 がん保険……………………………………………………… 386
13-11 満期返戻金付の長期損害保険……………………………… 389
13-12 社会保険料の全額会社負担………………………………… 392
第 12 金銭の貸付
13-13 傷害特約付保険……………………………………………… 394
(担当)鈴木 雅博
12-1 会社が役員や使用人に金銭の貸付を行う場合の
貸付利率の決定…………………………………………… 344
12-2 貸付金に対する返済と発生が不定期の場合……………… 347
第 14 財産形成
(担当)山元 俊一
12-3 貸付金の返済期限の再延長………………………………… 349
14-1 財形制度の種類……………………………………………… 400
12-4 代表者からの金銭借入れに対する利息…………………… 351
14-2 住宅財形の非課税限度枠…………………………………… 402
12-5 社長が無利息で会社に金銭の貸付をした場合…………… 353
14-3 住宅財形の要件……………………………………………… 404
12-6 低利の社内貸付金を高利の社内預金へ
14-4 年金財形の非課税限度枠…………………………………… 406
預け入れる場合…………………………………………… 355
14-5 財形年金契約の要件………………………………………… 408
12-7 病気・災害・結婚などを対象とする低利融資…………… 357
14-6 財形加入できる対象者……………………………………… 410
14-7 使用人の転勤と財形………………………………………… 412
14-8 使用人の海外勤務と財形加入……………………………… 414
第 13 保険料
14-9 財形移行の場合の転換奨励金……………………………… 416
(担当)山元 俊一
14-10 使用人の退職後の非課税扱い……………………………… 418
13-1 労災の上乗せ加入…………………………………………… 364
14-11 積立期間満了後の利息部分の取扱い……………………… 420
13-2 定期保険……………………………………………………… 366
14-12 住宅財形の目的外払出しによる不適格事由……………… 422
13-3 養老保険……………………………………………………… 368
14-13 役員となった者の財形の継続……………………………… 424
目 次 11
10 目 次
第 15 ストックオプション
譲渡した場合の課税区分………………………………… 466
(担当)坂部 達夫
15-17 ストックオプションの調書関係…………………………… 468
15-1 時価未満で発行されたストックオプションの
課税関係…………………………………………………… 429
15-2 税制適格ストックオプション制度の概要………………… 433
15-3 権利付与の対象者…………………………………………… 436
第 16 海外のフリンジ・ベネフィット課税
(担当)濵田 明子
15-4 税制適格から外れる大口株主の判定……………………… 438
16-1 米国…………………………………………………………… 472
15-5 税制適格ストックオプションの適用対象と
16-1-1 フリンジ・ベネフィットの課税範囲…………… 472
なる子会社の範囲………………………………………… 441
16-1-2 フリンジ・ベネフィットの経済的価値の
15-6 税制適格と非適格の付与契約の選択ができる場合……… 444
評価方法……………………………………………… 483
15-7 ストックオプション契約の内容を税制非適格から
16-1-3 フリンジ・ベネフィットの課税方法…………… 485
税制適格へ変更した場合………………………………… 446
16-2 英国…………………………………………………………… 487
15-8 権利行使価格の年間の合計額が 1,200 万円を
16-2-1 フリンジ・ベネフィットの課税範囲…………… 487
超えた場合………………………………………………… 448
16-2-2 フリンジ・ベネフィットの経済的価値の
15-9 権利付与者が死亡した場合の
評価方法……………………………………………… 495
権利承継者(税制適格)
… ………………………………… 450
16-2-3 フリンジ・ベネフィットの課税方法…………… 497
15-10 権利承継相続人が権利行使した場合の
16-3 ドイツ………………………………………………………… 499
所得区分(税制非適格)
… ………………………………… 452
16-3-1 フリンジ・ベネフィットの課税範囲…………… 499
15-11 一株当たりの権利行使価額………………………………… 454
16-3-2 フリンジ・ベネフィットの評価………………… 504
15-12 付与決議の日から2年以内に権利行使が
16-3-3 フリンジ・ベネフィットの課税方法…………… 505
行われた場合……………………………………………… 456
16-4 フランス……………………………………………………… 507
15-13 経済的利益に対する源泉徴収……………………………… 458
16-4-1 フリンジ・ベネフィットの課税範囲…………… 507
15-14 米国の親会社から子会社の取締役に
16-4-2 フリンジ・ベネフィットの評価………………… 510
ストックオプションが付与された場合………………… 460
16-4-3 フリンジ・ベネフィットの課税方法…………… 513
15-15 税制非適格ストックオプションの経済的
16-5 韓国…………………………………………………………… 515
利益に対する国内源泉所得の範囲……………………… 463
16-5-1 フリンジ・ベネフィットの課税範囲…………… 515
15-16 税制非適格ストックオプションを発行会社に
16-5-2 フリンジ・ベネフィットの評価………………… 518
12 目 次
16-5-3 フリンジ・ベネフィットの課税方法…………… 519
16-6 オーストラリア……………………………………………… 520
16-6-1 フリンジ・ベネフィットの課税方法…………… 520
16-6-2 課税対象となるフリンジ・ベネフィット
の範囲………………………………………………… 523
第1
現物給付と課税
現物給付に対して課税する理由 3
2 第1 現物給付と課税
1-1 現物給付に対して課税する理由
問
せる経済的利得はすべて所得を構成する。純資産増加税ともいう)
とが対立していましたが、最近では、包括的所得概念が一般的に支
我が国の雇用関係においては、労使関係の円滑化
持を受けており、各国の税法もそれを前提に規定され、また、解釈
を図り、会社への帰属意識や雇用条件を高めるため
されています。したがって、包括的所得概念の下では、経済的利益
に、社宅の貸与、厚生施設の利用、社内融資等が通
の享受も、当然に「所得」を構成することになり、課税の対象にな
常的に行われていますが、それらの現物給付(経済的利益の供
ります。
与)についてなぜ課税するのですか。それらが一般化していれ
次に、現物給付は、確かに、我が国の雇用関係の下では一般化し
ば、強いて課税しなくても、課税の公平に支障は生じないと思
ていますが、それでも、大企業と中小企業、企業が存在する地域、
いますし、そのような現物給付の評価も困難ですから、無理し
外資系企業と本邦企業等との間で格差があり、所得である経済的利
て課税するとかえって課税の不公平が生じないでしょうか。
益に対して課税しないと、それらの企業に勤める者間に課税の不公
また、役員に対し現物を給付する法人については、無償取引
平が生じます。課税の公平は、税法執行の基本でもありますので、
に係る収益が認定され、役員賞与課税等が生じると聞きます
現物給付に対する課税は看過できないと思います。もっとも、経済
が、企業会計上の会計処理となじまないことをなぜ行う必要が
的利益の測定(評価)には多くの困難が伴いますので、社会通念上
あるのでしょうか。
一般的に行われているレクリエーション行事へ参加する利益、少額
な経済的利益等については、課税しないように取り扱われていま
答
現物給付(経済的利益)を受けた個人に対する所得
す。
課税あるいは現物給付をする法人に対する法人課税
また、法人が、その役員や使用人に対し、無償(低額)で所有資
及び源泉所得課税については、所得の意義、課税の公
産を譲渡(給付)したり、無利息(低率)で資金を貸し付ける場合
平、所得の実現時期等の見地から根拠づけられます。
説 明
には、当該資産のキャピタル・ゲイン等の清算課税(所得の実現)
の必要が生じます。さらに、役員報酬等には、損金算入の制限があ
りますし、所得税の源泉徴収の問題もあります。したがって、現物
現物給付によって受ける利益(フリンジ・ベネフィット、現物給
給付をする者(主として法人)においても、法人税や源泉所得税の
与、経済的利益等と称されています)は、第一に、税法上の所得概
課税関係が生じることになります。
念によってその課税が根拠づけられます。
以上の所得税や法人税の課税の必要性は、消費税の課税にも関係
すなわち、税法上の所得概念は、①制限的所得概念(経済的利得
することになります。
のうち、利子、配当、地代、利潤、給与等、反復的・継続的に生ず
る利得のみを所得とする)と、②包括的所得概念(担税力を増加さ