第 2 部 モバイル時代のプロジェクタ入門 第 6章 小型 / 高画質 / 低価格…キー・デバイス進化中 モバイル時代到来! 最新プロジェクタのしくみ 大泉 慎二 信号 VGA画像 コンポーネント HDTV, STV DVI コンポジット・ ビデオ S-Video A-D コンバータ DVI レシーバ 専用プロセッサやASIC プロジェクタ・ コントロールIC フレーム・レート変換 スケール調整 色フォーマット変換 画像補正 など DLPドライバ 光学レンズ 投影デバイス:DLP ビデオ・ デコーダ USB フィルタや レンズ群 赤/青/緑の 色フィルタ バラ スト ランプ 1024×768個の微小 ミラー群で入射光を レンズに反射する 照明 光学系 カラー・ホイール 図 1 プロジェクタの内部ブロック MP624(BenQ,2009 年製)の内部ブロック ● いつでもどこでも大画面表示 プロジェクタの最大の特徴は,本体の大きさにかか わらず,大きな映像を表示できることかと思います. ほかのディスプレイ(テレビやスマートフォンなど) の場合は,画面サイズが 40 インチのものだったら本 体サイズも 40 インチです.持ち運びやすいように小 さくすれば,画面は小さくなり,画面を大きくすれ ば,持ち運びづらくなります.つまり,画面サイズと 携帯性は,トレードオフの関係です. ところがプロジェクタの場合は,平らな面があれ ば,そこがディスプレイとなります.A4 の紙があれ ば A4 のディスプレイとなり,100 インチの壁があれ ば,100 インチのディスプレイとなるわけです.明る ささえ確保できれば,プロジェクタがどんなに小さく なっても,画面サイズは状況に応じて好きなようにで きるのです. 特集で紹介するモバイル・プロジェクタは,大きさ 的にはスマートフォンを少し厚くしたくらいのサイズ 60 で,重さも数百 g しかありません.ラズベリー・パイ など最近の小型 PC との組み合わせにピッタリの大き さです.本稿では,なぜモバイル・プロジェクタを作 ることができたのか理由を探るため,現在のプロジェ クタの投影方式と光源の種類,しくみについて解説し ます. 基本構造 外形寸法 30 × 20 × 10cm ほどの一般的なプロジェ クタを例に,基本構造について説明します.ハード ウェアの構成を図 1 に,内部構造を写真 1 に示します. 主な構成要素は次の通りです. ・投影デバイス(DLP や LCD など,1024 × 768 画素 など) ・ ・カラー・ホイール ・ランプ 投影レンズ 2015 年 5 月号
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