④ 県内産重要魚種の成分特性について 水産研究センター外海研究部 増殖加工グループ 山中 理恵子 1 はじめに 山口県のおいしい魚を消費者に PR するためには、魚の成分の特性や季節変化(旬) を把握することが重要である。このため、山口県水産研究センターでは平成 17 年 から県産重要魚種の成分分析を行っている。 魚の味に大きな影響を与える脂(=粗脂肪)の多い時期が、一般的に旬と言われて いる。このため、これまで行ってきた分析の結果から11魚種について粗脂肪によ る旬についてとりまとめたので紹介する。 2 方法 試料は漁獲される期間中、毎月1回6個体ずつを用いた。内臓を除去し、胸 鰭基部から頭部を切断後、三枚におろし半身を皮付きのままホモジナイズし、 均質化したものを分析用として用い、ソックスレー法により分析した。 3 研究の成果 粗脂肪量からみた旬は以下のとおりであった。※カッコ内は漁獲場所を示す。 (1)マ ダ イ( 瀬 戸 内 海 側 ):初冬 (2)チ ダ イ( 瀬 戸 内 海 側 ):初夏から秋 (3)ハ モ( 瀬 戸 内 海 側 ):秋 (4)タ チ ウ オ( 瀬 戸 内 海 側 ):初夏および初冬 (5)アカアマダイ( 日 本 海 側 ):夏 (6)メ ダ イ( 日 本 海 側 ):夏から秋 (7)サ ワ ラ( 日 本 海 側 ):冬 (8)イ サ キ( 日 本 海 側 ):初夏 (9)ア カ ム ツ(沖合底びき網):通年 (10)マ ア ナ ゴ(沖合底びき網):秋から初冬 (11)キ ダ イ(沖合底びき網):明確な季節変化なし 分析結果をとりまとめてパンフレットを作成し、県漁協をはじめとした水産 関係機関等に配布した。 3 成分分析の今後 今後も、県内の要望を取り入れながら分析魚種を増やしていく予定である。
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