資料4-5 要対応技術情報とするために更なる調査を必要とする案件 番号 H2013-04-01 件名 概要 主な問題点 原子力規制庁の見解(案) 発電所の配電系統電圧の妥 1970 年代に Millston2 号機において、外部送電網の電圧が長 所内電源において、劣化電圧 国内では外部電源の長期劣化電圧状態に対 当性 時間低下した状態で電動機の通常起動による電圧変動が生 状態が継続している間に、安 する備えはない。国内では電力供給体制が異 (RIS2011-12) じると、不足電圧リレーが動作してクラス1E負荷が外部電源か 全系等の機器が起動すると、 なるが、米国のような電力の需給バランスに起 ら切り離される等の可能性が指摘された。また、Arkansas で 電源が不安定になる可能性 因する長期劣化電圧状態の発生が否定でき は、通常の送電網電圧であっても、送電網とクラス1E 母線間 がある。その場合、安全系機 ない。 の設備欠陥等により、劣化電圧状態が発生しうることが判明し 器の起動を阻害する可能性 本件に係る国内事業者の対応方針等を確認 た。NRC はその対策として、第2段劣化電圧保護リレー(DVR) がある。 し、その後の対応を判断する。 の設置を要求した。 誤った劣化電圧保護方法の適用が検査官から指摘される事 例が後を絶たない。劣化電圧保護条件のうち電圧条件が安 全機器の作動には低すぎ、非常用電源からの給電には高すぎ る事例がある。また、タイマーの遅延時間が不適切であり、プラ ントの事故解析における仮定と一致しなかった事例もある(DC Cook1,2、Fermi2、Peach Bottom2,3、Palo Verde1,2,3)。 1 要対応技術情報とするために更なる調査を必要とする案件 番号 H2013-04-02 件名 概要 主な問題点 原子力規制庁の見解(案) 安全関連系統の機能に影響 ①サスケハナ(BWR)は原子炉建屋内換気空調系(HVAC)入 国内プラントで事例①と同様 国内のBWRプラントで事例①と同様のシステ を及ぼす換気空調系の設計 口と室温の差により蒸気漏えい検知機が作動する設計である のシステムがあれば、単一脆 ムがあるかについて確認する。 管理上の問題 が、外気温低下時に温度制御装置が故障すると、蒸気漏洩 弱性による複数システムの隔 以上のことから、事業者に事例①関係について 検出器が誤作動して主蒸気隔離弁等の複数の系が同時に 離が発生する懸念がある。 確認し、その後対応を判断する。 隔離される可能性が示された。 事例②③と同様、欠陥や不 ②ディアブロキャニオン(PWR)の補助建屋換気系(ABVS)にお 適切な設計上の想定が存在 いて、交換したプログラム可能なロジックコントローラ(PLC)の作 する場合、システムの動作不 動ロジックに欠陥があり、ABVS が動作不能となった。 良を引き起こす懸念がある。 ③ポイントビーチ(PWR)の制御室非常用ろ過系(CREFS)にお けるモータの熱負荷設計に関する外気温度の想定が不適切で あったため、外気が低温になった時に CREFS ファンが運転不能 となった。 2 要対応技術情報とするために更なる調査を必要とする案件 番号 H2013-04-03 件名 概要 主な問題点 原子力規制庁の見解(案) サーベランス試験前の圧力スイ Monticello(BWR)において、主蒸気管圧力低トリップの圧力ス 不適切な方法によりサーベイラ 国内プラントにおいて、BWR では安全関連の計 ッチの事前調整 イッチに関する校正のサーベイランス試験を実施する前に、試験 ンス試験を行った場合、機械 装チャンネルに本事例のような機械的スイッチが 装置を取付けるため当外部を一時開放していた。これにより、 的圧力スイッチの動作信頼性 使用されていた時期があるが、順次伝送器タイ 機械的スイッチを作動させるダイアフラムに正の最大作動圧力 が確認できない可能性があ プの圧力スイッチにリプレースされている。しか が働くため、圧力スイッッチの作動不良の原因となる粘着または る。そして、万一、圧力スイッチ し、機械的スイッチが完全にリプレースされてい 固着の発見を困難にしていた。なお、他プラントで隔離弁を設 が正常に作動しない場合、当 ない可能性があるため、その状況を事業者等 けることにより、上記のような不適切な事前調整を回避している 該インタロック(例えば主蒸気 に確認する。 例を知りながら改善していなかった。 管圧力低トリップ)の動作を阻 固着による圧力スイッチのトラブルの有無、設 Waterford3 号機(CE-PWR)、格納容器真空逃がし系で 5 件 害する。 計対応及びメンテナンス、サーベイランス試験の の差圧スイッチ故障。原因は固着により作動しなかった。 実施方法等を事業者に確認する。 T-Spec 変更評価の際に運転条件全般を評価せず、更に試 前項に示す確認を行いながら、その後の対応を 験前の事前調整より、それ以前の機能試験中に発生した可 判断する。 能性のある固着の発見を困難にした。 3
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