エコフィード増産対策事業実施要綱(案) 平成20年4月1日付け19生畜第2395号 農林水産事務次官依命通知 最終改正 平成27年○月○日付け26生畜第○○号 第1 趣旨 昨今、海外の飼料穀物価格の高騰等の影響により配合飼料価格が上昇しており、飼料 自給率の向上のため、国内で発生する未活用・低利用の飼料資源を掘り起こし、有効に 活用する体制の整備が急務となっている。また、食品循環資源の再生利用等の促進に関 する法律(平成12年法律第16号)において、食品残さ等のリサイクルは飼料化を最優先 にすることが位置付けられているほか、農林水産大臣等の認定を受けたリサイクル・ル ープについて、廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (昭和45年法律第137号)上の特例が 措置されている等、エコフィード(食品残さ等利用飼料)の生産・利用の推進がますま す重要になっている。 このような課題に対処するため、エコフィード増産対策事業においては、食品残さ等 の適切な分別を普及するための取組、未利用資源の飼料化を確立及び普及する取組、エ コフィードの生産技術を向上させる取組、関係者の連携により食品残さ等の飼料利用体 制を構築する取組及びエコフィードの生産拡大に対する支援を実施する。 第2 1 定義 この事業において「食品残さ等」とは、食品製造副産物等(食品の製造過程で得ら れた副産物及び加工屑)、余剰食品(食品として製造されたが食品として利用されな かったもの)、調理残さ(調理に伴い発生した残さ)、食べ残し(調理され食用に供さ れた後食べ残されたもの)、農場残さ(農場及び選果場で廃棄された規格外の農産物 及び農産物の不可食部位)であって、本来飼料に供する目的で生産されたものではな い国産の資源をいう。 2 この事業において「エコフィード」とは、食品残さ等を用いて製造された家畜用の 飼料のことをいう。 第3 1 事業実施主体等 この事業の事業実施主体は、事業種類ごとに別表1の事業実施主体欄に掲げる者か ら公募により選定された者とする。 2 この事業の補助率は、事業種類ごとに別表1の補助率欄に掲げるとおりとする。 第4 事業内容 この事業の内容は、次に掲げるとおりとする。 1 食品残さ等飼料化分別普及体制構築事業 食品残さ等を飼料化するために必要な分別方法を普及させるため、民間団体等が、 - 1 - 次に掲げる取組を行う。 (1)分別方法の普及 検討会議の開催並びに食品残さ等の排出実態及び分別優良事例の調査を行い、食 品残さ等の飼料化分別マニュアルを作成するとともに、分別方法の普及・啓発等の 取組を行う。 (2)分別・流通手法の確立・実証 食品残さ等を飼料化するための新たな分別・流通手法を実証し、流通効率や経済 性等の検証を行う。 2 地域未活用資源飼料化確立支援事業 (1)飼料化実証試験事業 地域未活用資源である食品残さ等の飼料化を推進するため、地域の食品事業者と 畜産農家等とが連携して設立した民間団体等が、学識経験者の指導の下で、次に掲 げる取組を行う。 ア 未利用資源の利活用検討 未利用資源である食品残さ等を活用するための検討会議を開催し、食品事業者、 飼料化事業者、畜産農家等の地域情報を分析するとともに、イ及びウの実証試験 を行うために必要な検討を行う。 イ 未利用資源の飼料化実証試験 未利用資源である食品残さ等の特性に応じた飼料化の手法を検討・実証するた めの実証試験を実施する。 ウ エコフィードの給与実証試験 イにより生産されたエコフィードの給与実証試験を実施するとともに、これに より生産した畜産物について品質・格付け等の評価を行う。 (2)飼料化情報公開体制構築事業 全国で実施されている食品残さ等の飼料化試験情報を共有して、食品残さ等の飼 料化を推進するため、民間団体等が、検討会議の開催並びに飼料化試験情報の収集 及び集計を実施するとともに、これをデータベース化して情報公開する体制を構築 する。 (3)エコフィード先進事例普及事業 これまでに確立した食品残さ等の飼料化技術等を活用し、特色ある畜産物の生産 を推進するため、民間団体等が、これらの取組の状況を調査し、波及性の高い先進 事例の表彰等を通じて、その普及・啓発等を行う。 3 エコフィード生産技術向上支援事業 エコフィードについて、飼料として要求される安全性や品質の確保・改善を図るた め、民間団体等が、エコフィードの生産技術の向上に関する地域講習会等を開催する。 4 食品残さ等飼料利用体制構築事業 食品残さ等の飼料化を新たに開始する際に、目的を共有し、役割分担によって取組 を進めるため、食品事業者、飼料化事業者、畜産農家、地方自治体等とが連携して設 立した民間団体等が、次に掲げる取組を行う。 (1)食品残さ等の活用による飼料生産の実態調査 食品残さ等の排出及び活用の実態や先進事例の調査を行うとともに、成分が未判 明である食品残さ等の成分分析等を実施する。 - 2 - (2)食品残さ等の活用による飼料生産の事業化に向けた取組方針の策定 食品残さ等の活用による飼料生産の事業化に向けて、関係者の役割分担、事業の 規模・範囲、飼料化の手法、事業化までの作業工程等の取組方針を策定する。 (3)食品残さ等の活用による飼料生産の事業化の検討 食品残さ等の活用による飼料生産を事業化するための検討会議を開催し、(1) の調査に基づき、(2)の事業化に向けた取組方針を策定するために必要な検討を 行う。 5 エコフィード生産拡大支援事業 (1)食品残さ等の飼料利用拡大 エコフィードの生産拡大を推進するため、民間団体等が、エコフィードの原料と する食品残さ等の利用を拡大する。 (2)活用が進んでいない食品残さ等の飼料利用拡大 分別の手間が必要であること、水分が多いために運搬コストが高くなること、栄 養価の片寄りがあることや嗜好性が悪いこと、収集効率が悪いこと等の理由により、 エコフィードへの活用が進んでいない食品残さ等の利用を推進するため、民間団体 等が、(1)の取組と併せて次に掲げる取組を行う。 ア 食品残さ等の分別の実施 エコフィードの原料のうち、分別の手間が必要な食品残さ等について、分別管 理したものの利用を拡大する。 イ 食品残さ等の含水率の削減 エコフィードの原料のうち、水分含量の高い食品残さ等について、食品事業者 の事業場で含水率を低下させたものの利用を拡大する。 ウ 成分分析等の実施 成分が未知又は変動する食品残さ等及びそれを原料として生産したエコフィー ドの成分分析、家畜給与試験等を実施する。 エ エコフィードと国産飼料作物等との混合 エコフィードの栄養価や嗜好性の調整によって、国産飼料作物等との混合利用 を拡大する。 オ 他の再生利用手法との一体的なリサイクルの実施 エコフィード及び他の再生利用製品の原料とする食品残さ等を一体的に収集 し、リサイクルを実施することによって、エコフィードの原料とする食品残さ等 の利用を拡大する。 (3)食品残さ等の飼料利用体制の整備 民間団体等が、(1)及び(2)の取組を達成するために必要な機材を導入する (リース契約によるものに限る。)。 第5 事業実施期間 この事業の実施期間は、第4の1及び2の(2)の事業については平成25年度から平 成27年度までの3年間、第4の2の(1)の事業については平成22年度から平成27年度 までの6年間、第4の2の(3)及び4の事業については平成27年度から平成29年度ま での3年間、第4の3及び5の事業については平成26年度から平成30年度までの5年間 とする。ただし、第4の5の事業実施主体の取組の実施期間は、それぞれの事業実施主 - 3 - 体ごとに取組実施初年度から連続した3年以内の期間とする。 第6 1 事業実施手続 事業実施主体は、毎年度、生産局長が定めるところにより事業実施計画を作成し、 第4の2の(1)、4及び5の事業については事業実施主体の所在地を管轄する地方 農政局の地域センター(以下「地域センター」という。)を経由して(地方農政局が 所在する府県のうち地域センターの管轄区域以外の区域、北海道及び沖縄県にあって は、直接。以下同じ。)地方農政局長(北海道にあっては北海道農政事務所長、沖縄 県にあっては内閣府沖縄総合事務局長。以下同じ。)に、第4の1、2の(2)及び (3)並びに3の事業については生産局長に提出し、その承認を受けるものとする。 ただし、生産局長が別に定める公募要領により選定された者が策定した当該選定時 の事業実施計画については、当該承認を受けたものとみなす。 2 第4の2の(1)、4及び5の事業について、事業の範囲が複数の地方農政局の管 轄する区域にわたる場合においては、事業実施計画の提出を受けた地方農政局長は、 1の承認を行うに当たり、あらかじめ関係地方農政局長に対し、事業実施計画の写し を送付し、必要な調整を図るものとする。 3 生産局長及び地方農政局長は、事業実施主体から提出された事業実施計画の審査及 びその承認に当たっては、外部の有識者の意見を踏まえるとともに、必要に応じ関係 部局で構成する検討会を開催し、公平性の確保に努めるものとする。 4 生産局長が別に定める事業実施計画の重要な変更については、1から3までに準じ て行うものとする。 第7 国の助成 国は、この事業の実施に必要な経費について、予算の範囲内において、別に定めると ころにより、事業実施主体に助成するものとする。 第8 事業の実施状況の報告 事業実施主体は、生産局長が別に定めるところにより、この事業の実施状況を第6の 1に準じて生産局長又は地方農政局長に報告するものとする。 第9 1 推進体制等 事業実施主体は、この事業が適切かつ効率的に実施されるよう、関係機関及び関係 団体との連携に努めるものとする。なお、国は、関係省庁、地方公共団体等との連携 にあたり、事業実施主体に協力・指導するものとする。 2 地方公共団体は、この事業が適切かつ効率的に実施されるよう、事業の趣旨、内容 等の周知に努めるとともに、事業実施主体等に対する指導その他必要な支援に努める ものとする。 第10 その他 この要綱に定めるもののほか、この事業の実施に必要な事項については、生産局長が 別に定めるところによるものとする。 - 4 - 附 則 (平成22年4月1日付け21生畜第1911号) この要綱は、平成22年4月1日から施行する。 附 則 (平成23年4月1日付け22生畜第2458号) この要綱は、平成23年4月1日から施行する。 附 則(平成24年4月6日付け23生畜第2727号) この要綱は、平成24年4月6日から施行する。 附 則(平成25年5月16日付け24生畜第2578号) この要綱は、平成25年5月16日から施行する。 附 則(平成26年4月1日付け25生畜第2087号) 1 この要綱は、平成26年4月1日から施行する。 2 エコフィード緊急増産対策事業実施要綱の一部改正について(平成26年4月1日付 け25生畜第2087号農林水産事務次官依命通知)による改正前の本要綱に基づき実施し た事業については、なお従前の例による。 附 則(平成27年○月○日付け26生畜第○○号) この要綱は、平成27年○月○日から施行する。 - 5 - 別表1(第3関係) 事業種類 1 事業実施主体 食品残さ等飼料化分別普及体制構築事 民間団体等 業 補助率 定額 (生産局長が別 (生産局長が別に定める に定める要件を 相当定額) 満たすもの。) 2 地域未活用資源飼料化確立支援事業 民間団体等 定額 (生産局長が別 (生産局長が別に定める (1)飼料化実証試験事業 に定める要件を 相当定額) (2)飼料化情報公開体制構築事業 満たすもの。) (3)エコフィード先進事例普及事業 3 エコフィード生産技術向上支援事業 民間団体等 定額 (生産局長が別 (生産局長が別に定める に定める要件を 相当定額) 満たすもの。) 4 食品残さ等飼料利用体制構築事業 民間団体等 定額 (生産局長が別 (生産局長が別に定める に定める要件を 相当定額) 満たすもの。) 5 エコフィード生産拡大支援事業 民間団体等 (1)食品残さ等の飼料利用拡大 (1)及び(2)定額 (生産局長が別 (生産局長が別に定める (2)活用が進んでいない食品残さ等の飼 に定める要件を 相当定額) 料利用拡大 満たすもの。) ア 食品残さ等の分別の実施 イ 食品残さ等の含水率の削減 ウ 成分分析等の実施 エ エコフィードと国産飼料作物等と 2以内 の混合 オ (3)リース経費の1/ 他の再生利用手法との一体的なリ サイクルの実施 (3)食品残さ等の飼料利用体制の整備 - 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