対策概要 [PDFファイル/575KB]

流域下水道の地震対策について
福岡県建築都市部下水道課
1.概
要
下水道は人が社会生活を営む上で欠かせない重要なライフラインの一つです。
近年の大規模地震による下水道施設の被害は、終末処理場における処理機能の停止をはじめ下水
道管の損壊による道路陥没・交通障害、排水不能による汚水の滞留や未処理下水の流出など住民の
生活や社会活動に甚大な影響を及ぼすこととなっています。
このため、本県が管理する流域下水道では、震災に強い下水道施設の耐震化に取り組んでいます。
2.流域下水道における耐震性能
県では、平成 24 年度までに流域下水道の全施設について耐震診断を行っています。
各流域下水道における耐震性能は以下のとおりです。
※ ピンク着色部(■)は、耐震性能を有していない箇所を示す。
<その他凡例>
×:管渠・マンホール、△:マンホール、▲:処理場施設(土木・建築)の一部、■:ポンプ場(土木・建築)
3 . 実施計画
流域下水道の地震対策を実現可能なものとするため、短期(当面 5 カ年)と中長期に区分した目
標設定のもと、流域下水道の地震対策計画を平成 25 年度に策定しました。
[ 短期目標(平成 25 年~平成 29 年までの 5 年間) ]
人命の確保、最低限の必要な機能を確保するための下水道施設の耐震化を実施します。
・管渠、マンホールの耐震化
・ポンプ場の耐震化
・処理場の耐震化(有人施設、ポンプ施設、沈殿施設、消毒施設等)
被災により施設の機能が停止した場合においても被害の最小化が図れる体制を構築します。
・流域下水道BCP※(業務継続計画)の策定等
※BCPとは、災害が発生した際、ヒト、モノ、情報及びライフライン等の利用できる資源に制約がある状
況下においても、適切な業務執行を行うことを目的とした計画をいう。
(BCP:Business Continuity Plan)
[ 中長期目標 ]
短期目標に含まれない処理場の一部施設は、施設の改築更新時期に合わせて耐震化工事を実施
します。
4 . 短期目標の実施期間
短期目標で対象となった施設の耐震化実施期間は、以下のとおりです。
流域名
施設区分
対象施設
管路施設
二日市幹線、老司幹線、放流2号
処理場施設
御笠川浄化センター
管路施設
宇美幹線、篠栗幹線、第1放流
処理場施設
多々良川浄化センター
管路施設
三国幹線、津古幹線
処理場施設
宝満川浄化センター
ポンプ場
力武ポンプ場、馬市ポンプ場
管路施設
山家幹線、永岡幹線
ポンプ場
朝日中継ポンプ場
筑後川中流右岸
管路施設
甘木幹線
遠賀川下流
ポンプ場
蓮花寺中継ポンプ場
御笠川那珂川
多々良川
宝満川
宝満川上流
実施期間(5年間)
H25
H26
H27
H28
H29
5 . 地震対策の実施内容と対策例
本県流域下水道における地震対策の実施目標のうち、短期目標に掲げた施設の耐震化について、
実施内容や対策イメージおよびその対策例の一部を紹介します。
○ 短期目標に掲げた下水道施設ごとの実施内容について
管路(管渠・人孔)施設
<対策内容> 排水機能の確保を可能とする全路線の耐震化。
ポンプ場施設
<対策内容> 揚排水機能の確保を可能とする全ポンプ場の耐震化。
処理場施設
<対策内容> 建物倒壊防止による人命の確保及び簡易処理機能(最低限の機能)の確保を可能
とする施設の耐震化。
※簡易処理機能(最低限の機能)とは、揚排水機能、沈殿機能、消毒機能。
具体的には、以下の施設が対象となる。
「人命の確保」・・・(例)有人施設(人員が常駐する管理棟など)、エキスパンシ
ョンジョイント(EXP.J)
「簡易処理機能の確保」
・・・
(例)管理棟、自家発棟、沈砂池・ポンプ棟、最初沈
殿池、塩素混和池
○ 短期目標対策イメージ
○ 対策例
(1)管渠の耐震化対策
具体的な対策としては、既設管の内面を更生材により被覆し既設管と一体化した強固な複合管と
する管更生工法やコンクリート増打ち工法等があります。
施工前
管更生工法
コンクリ-ト増打ち工法
管渠内側
管渠外側
管内面を更生材により被覆した複合管
管外面へのコンクリ-ト増打ち
(2)人孔・土木構造物の耐震化対策
具体的な対策としては、
「コンクリ-ト増打ち」
「鋼板補強」
「後施工プレ-ト定着型セン断補強」
「炭素繊維シ-ト補強」
「鉄骨ブレ-ス補強」等があります。
施工前
コンクリ-ト増打ち工法
後施工プレ-ト定着型セン断補強工
地山側
内空断面側に制約がない
場合の耐震補強方法
内空断面側に制約がある
場合の耐震補強方法
(3)建築構造物の耐震化対策
建築構造物は、保有水平耐力の向上を目的とした対策となり、部材の新設や断面性能を向上させ
る工法があります。
施工前
コンクリ-ト壁の新設
コンクリート増打ち
内壁
外壁
(4)エキスパンションジョイント(EXP.J)の耐震化
エキスパンションジョイント(構造物の継目)は、汚水の流出や土砂の流入を防止するための対
策として、伸縮性のある可とう継手を設置します。
施工前
可とう継手設置後