Automotive high strength sheet steel and its application technologies 自動車用高強度鋼板とその利用技術 Shigeru Yonemura Nippon steel & Sumitomo Metal Corporation 米村 繁 新日鐵住金株式会社 Abstract / アブストラクト 衝突安全と CO2 排出削減を両立するために,より高強度の鋼板が車体構造に多用 されつつある.高強度鋼板の適用は,すでに,ホットスタンプによる引張強さ 1.5GPa 近い超高強度鋼板を筆頭に,従来の冷間プレスを前提としても 1180MPa 級の鋼板に まで進展しつつある.これら高強度鋼板は板厚を増加させることなく,衝突時の吸 収エネルギーや強度を高めることができる.しかし,プレス加工では,鋼板の強度 上昇とともにスプリングバックやしわが増加し,部品の寸法精度の確保が困難とな る.また,鋼板の強度上昇にともなう延性の低下はプレス加工時だけでなく,衝突 時の破断の危険性を高める. このような課題に対する材料側からのアプローチとして,高延性型(低降伏比型, TRIP 型,高曲げ型)の高強度鋼板が開発され実用化されている.今後,ますます高 強度化される車体用鋼板を合理的かつ効率的に適用するには,多種多様の鋼板メニ ューの特徴を把握したうえで成形性,部材機能に応じて各種高強度鋼板を適材適所 に使い分ける必要がある.そこで本報告では,これら各種高強度鋼板について概説 した後,これら高強度鋼板を使いこなすために必要となる利用技術について報告す る.
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