障害者雇用納付金制度の概要と算定例

三井住友海上経営サポートセンター
2015年1月7日
Business News
第173号
三井住友海上経営サポートセンターでは、会員企業・法人の経営者の皆様から各種経営相談をお受け
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本号では、平成27年4月から対象が拡大される「障害者雇用納付金制度の概要と算定例」について、
社会保険労務士法人みらいコンサルティングに寄稿いただきました。
障害者雇用納付金制度の概要と算定例
1.制度の概要
障害者の雇用の促進等に関する法律では、障害者の雇用を促進するために、「障害者雇用納付金制度」を
設けています。雇用している障害者数が法定雇用率(民間企業は常時雇用労働者数の2%)を超えている事業
主に対しては調整金が支給されます。反対に法定雇用率を下回る事業主は、納付金を納める制度です。
この制度の対象は、平成27年3月までは、常時雇用する労働者数が200人を超える事業主です。法改正に
より対象が拡大され、平成27年4月からは、常時雇用する労働者数が100人を超える事業主となります。
2.障害者雇用納付金・調整金の算定例
改正により新たに対象となる「常時雇用労働者数100人超200人以下」の企業のケースで、納付金・調整金
の算定例をご紹介します。
(1) 対象事業主に該当するかの確認
原則として常時雇用労働者が100人を超える月が年度(4月1日から翌年3月31日まで)内に5ヵ月以上ある
場合は、対象事業主となります。
以下のケースでは、常時雇用労働者数が100人を超える月が8ヵ月(8月から翌3月まで)あるため、平成27
年度は対象事業主となります。対象事業主は、申告(申告期限:平成28年4月1日から5月16日まで)を行う必
要があります。
※週所定労働時間20時間以上30時間未満の短時間労働者は、1人を0.5カウントして計算します。
(2)納付金・調整金の算定
各月における常時雇用労働者数を基に、「対象年度における法定雇用障害者数の合計」と、「対象年度にお
ける雇用障害者数の合計」との差をもとめて、納付金または調整金を算定します。
<ケースⅠ>障害者をまったく雇用していないため、納付金として次の額を申告・納税する必要があります。
雇用納付金=(法定雇用障害者数20人-障害者雇用数0人)×40,000円(※)=800,000円
※ 常時雇用労働者数が100人超200人以下の事業主は、平成27年4月1日から平成32年3月31日まで減額特例
が適用されるため、1人あたり50,000円のところ40,000円となります。
<ケースⅡ>雇用障害者数22人のため、調整金として次の額の支給申請ができます。
雇用調整金=(雇用障害者数22人-法定雇用障害者数20人)×27,000円=54,000円
平成27年度
8 月 9 月 10 月
11 月
12 月
1月
2月
3月
単位:人
合計
105
101
105
103
104
105
1,213
2
2
2
2
2
2
2
20
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1.5
2
2
2
3
3
3
3
22
4月
5月
6月
7月
常時雇用労働者数(a)
90
95
98
99
103
105
法定雇用障害者数
(a)×2% ※
1
1
1
1
2
ケースⅠ
0
0
0
0
ケースⅡ
0
0
1
1.5
雇用
障害者数
※法定雇用障害者数の算定に当たって、1未満の端数は切り捨てます。
なお、障害者雇用納付金制度の詳細については、厚生労働省ホームページ「障害者雇用対策」をご確認くださ
い。(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html)
(社会保険労務士法人みらいコンサルティング)
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