手術支援ロボット「ダヴィンチ」のご案内 ダヴィンチ Si の導入 茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンターでは 2013 年 6 月に手術支援ロボット「ダヴ ィンチ Si」(米国インテュイティブ・サージカル社製)を導入し、同年 9 月より前立腺がんに 対する前立腺全摘除術にロボット支援手術を開始いたしました。 前立腺全摘除術は 2012 年 4 月より公的医療保険が適用となっており、前立腺がんの多い 米国では 95%以上がロボット支援手術となっています。日本国内では 150 台(2013 年 12 月現在)が稼働しており、これまで集計されただけでも 3000 例以上のロボット支援前立腺 全摘除術が実施されています。 当院は、医師 2 名、看護師 2 名、臨床工学士 2 名が専門的トレーニングを受け、現在専 門チームとして手術を担当しています。 今後は保険適用外の術式にも導入拡大し、手術の低侵襲化を目指す予定です。 手術支援ロボット「ダヴィンチ」とは ダヴィンチはロボットアームと操作ブース(2 台)、コンピューターおよび助手用モニター 部などで構成されています。ロボットアームには先端に鉗子やメスなどを取り付ける 3 本 のアームと 1 本のカメラが装着されています。術者はケーブルで接続された操作ブースに 座り、中に映し出される3次元立体画像を見ながらアームを操り、患部の切除や縫合を行 います。 ダヴィンチ Si は最新機種で操作ブースが 2 台あることが最大の特徴で、2 名の術者での 操作が可能となったこと、医師の技術向上はもちろん、若手医師への教育を通して手術の 質、医療の質の向上に貢献します。 ロボットアーム 操作ブース コンピューター・ 助手用モニター ロボット鉗子の可動域(人間の手と アームに接続された鉗子 同等以上) =医師の手の動きに同調して動く ダヴィンチを用いたロボット支援手術のメリット ・患者さんへの負担を軽くし、より早期の社会復帰が可能です。合併症、後遺障害も従来 の開腹手術よりも少なくすることが可能です。 ○手術の傷口が小さく、術後の痛みが軽いため早期の退院・復帰が可能です。 ○3 次元立体画像、正確かつ緻密なロボットアームの操作性から、より確実な切除と縫合が 可能となり、出血や機能障害が少なくなります。 ○前立腺がんに対する前立腺全摘除術について、従来の方法とダヴィンチによる手術を比 較しました。 従来の開腹による前立腺全摘除術 ダヴィンチによるロボット支援前立腺全摘除術 ●傷口が大きく、出血量も多くなりやすい。 ●傷口を最小限の大きさにとどめることができる。 ●見える範囲が限られており、血管や尿道括 ●カメラで人間の目よりも狭い場所を拡大して見る 約筋や神経に対してのアプローチが難しい。 ことができること、ロボットアームの精度からより正 確な切除・縫合か可能 出血が多く、尿失禁が起きやすい。男性機能の ●炭酸ガスによる気腹下に手術を行うため、出血 温存(神経温存)が難しい。 の量が少ない。 出血が少なく、尿失禁が少ない。また神経の温存 の確実性が高い。 実際の手術の様子 操作ブースで手術をする医師 ロボットアーム お問い合わせ 茨城県立中央病院 電話 0296-77-1121(代表) 地域医療連携室 (内線 2703) 医事課 (内線 2031) (土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く、午前9時から午後5時まで) ダヴィンチに関するセカンドオピニオン外来のお問い合わせ(予約制) 茨城県立中央病院 医療支援相談室 電話 0296-78-5420(直通) (土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く、午前9時から午後5時まで)
© Copyright 2024 ExpyDoc