フィールドサイエンス IB 畑地雑草の分類・生態 解説 1.調査結果 提出してもらったレポートをもとに被度の高い順に記載してある。 1)耕地 1班 種名 密度 被度 アカザ 63 2 一年草 ホソナガイヌビユ 12 2 一年草 イヌビエ 25 1 一年草 メヒシバ 5 1 一年草 種名 密度 被度 イヌムギ 36 4 一年草 アカザ 79 1 一年草 メヒシバ 11 1 一年草 スベリヒユ 20 1’ 一年草 イヌビユ 1 + 一年草 種名 密度 被度 スベリヒユ 34 1 一年草 シロザ 16 1 一年草 アキメヒシバ 4 1 一年草 メヒシバ 6 1’ 一年草 スカシタゴボウ 5 1’ 一年草 エノコログサ 2 1’ 一年草 ツユクサ 2 1’ 一年草 カヤツリグサ科の一種 5 + 種名 密度 被度 シロザ 31 4 一年草 ※4 アカザ 5 1 一年草 ※4 エノコログサ 4 1 一年草 メヒシバ 3 1 一年草 スベリヒユ 3 1 一年草 ※1 2班 ※2 ※1 3班 ※3 4班 2)非耕地 溝の側 種名 密度 被度 フキ 21 3 多年草 セリ 72 3 多年草 コブナグサ 34 1 一年草 ※5 イヌスギナ 20 1 多年草 ※6 トウバナ 13 1’ 多年草 ヒメジョオン 3 1’ 一年草(越年草) ヒナタイノコズチ 1 + 多年草 オオバコ 1 + 多年草 種名 密度 被度 ミゾソバ 90 3 一年草 コメヒシバ 50 1 一年草 ※3 ギシギシ 3 1 一年草 ※7 フキ 3 1 多年草 ホソムギ 3 1 多年草 ヨモギ 12 1’ 多年草 スギナ 6 1’ 多年草 トウバナ 3 + 多年草 密度 被度 水路側非耕地 人通りがある非耕地 種名 シロツメクサ 3 多年草 オオバコ 6 1 多年草 ギシギシ 5 1 多年草 イネ科の一種 28 1’ スギナ 4 + 種名 密度 被度 オオヨモギ 8 2 多年草 ツユクサ 4 1 一年草 スギナ 4 1 多年草 ネズミムギ 3 1 一年草 ヘクソカズラ 3 1 多年草 ※7 多年草 日陰 ※8 ヒカゲイノコズチ 3 1 多年草 ヒメジョオン 2 1 一年草(越年草) エビヅル 1 1 多年生(木本性) セイヨウタンポポ 1 1’ 多年草 ハコベ 1 + 一年草 ※1 1 班はホナガイヌビユ、2 班はイヌビユと同定したがおそらく同じものであろう。 ※2 調査対象の耕地にはイヌムギは生えていないはず。エノコログサかイヌビエの間違 いであろう。 ※3 ※4 シロザとアカザは他の班では区別していない可能性がある。 ※5 コブナグサと教えましたが、ササガヤ(多年草)の間違いでした。訂正します。 ※6 おそらくスギナの間違い。 ※7 農場に多く生えているのはエゾノギシギシ ※8 おそらくヨモギ 2.解説 多くの学生は、耕地に一年草、非耕地に多年草が多いことに着目しており、その理由も正 しく考察していた。ただし、その考察を記述する際には、レポートには種名や被度のデータ だけでなく、上の表に示したように、一年草、多年草などの記載欄を加えるとわかりやすく なる。表に一年草、多年草の記載を加えた学生はごくわずかであった。 そのほか、耕地の一年草にはC4植物が多いことを指摘した学生もいた。今回の調査にお ける出現種のなかでは、イヌビユ、イヌビエ、メヒシバ、エノコログサ、スベリヒユなどが それである。C4植物の特徴は高温期の成長が速いことで、ダイズやウリ類、ジャガイモ、 サトイモなどのC3植物にとっては脅威的な害草となる。 非耕地では 4 か所の調査を行ったが、光、水、土壌の諸条件のほかに、草刈りの実施や踏 み付け頻度などが種構成に影響する。 イネ科やカヤツリグサ科植物は花がないと種の同定が困難である。今回は時間の関係で 十分に同定できなかったが、花がない場合、栄養器官の形態が図鑑の記載と一致するか慎重 に吟味し、必要があれば、植物体を持ち帰って栽培して開花させてみる必要がある。
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