2016年度入試情報 せ 京都大 特色入試の概要を発表 2014/4/2 昨春、京都大は 2016 年度から大学独自の「特色入試」を導入する旨を公表していたが、この度その出願要 件や選抜方法などを記載した選抜要項が発表された。詳細は以下の通りである。 ■特色入試-高大接続と各学部が提示する基礎学力を重視 京都大では昨年3月に、現高校2年生が受験する 2016 年度入試より「京都大学特色入試」の導入を表明した。その 際に、特色入試のコンセプトや各学部の求める人材像、入試種別などの大筋が発表されていたが、今回はより具体的 に入試日程や選抜方法などが公表された。 はじめに、特色入試の基本方針を確認しておこう。特色入試では、高大接続と個々の学部の教育を受ける基礎学力 を重視する。このため入学者の選抜は、①高等学校での学修における行動と成果、②個々の学部におけるカリキュラ ムや教育コースへの適合力の2つを総合的に判定するとしている。 ①については、高大接続を重んじる観点から、調査書に加え高等学校長等の作成する「学業活動報告書」を提出さ せる。報告書には、高等学校在学中の顕著な活動歴(数学オリンピックや国際科学オリンピック出場、各種大会におけ る入賞、TOEFL・英検等の成績など)を記載させ、志願者が受験科目以外に学んできたこと、活動してきたことを見る。 さらに志願者自身が作成する「学びの設計書」をもとに、高等学校での活動内容を下地に大学で学びたいこと、卒業 後に就きたい仕事といった、志願者自らの学ぶ意欲や志について書類審査を通じて評価する。 ②については学部が定めたカリキュラムの内容を習得するのに必要とされる基礎学力や、個々の学部における教育 コースにとって望ましい能力を重んじる観点から、書類審査に加え、センター試験の成績、学部ごとの能力測定考査、 論文試験、面接試験、口頭試問を組み合わせて実施する。 特色入試の実施形態は、「AO型」「推薦」「後期日程」の3種に分かれる。「AO型」は総合人間、文、教育、経済、理、 農、医(人間健康科学)、薬の8学部、「推薦」は工、医(医)の2学部、「後期日程」は法学部で実施される。法学部は 2007 年度に後期日程を廃止しており、10 年ぶりの復活となる。 ■医学科では飛び級を実施 具体的な選抜方法は次頁の【表】にまとめた。募集人員は法(20 名)、経済(25 名)の社会科学系学部で多くなって いる。経済学部では特別入試の導入に伴い、一般選抜の論文入試が廃止される。その募集人員をそのままシフトした 形だ。このほかは、文、医(看護学)が 10 名、他の学部・学科は若干名から6名程度と募集人員はごく少数だ。 センター試験は医(医)を除く全学部で必須となっている。センター試験の利用方法はまちまちで、文、農学部などで は 1 次選考に利用するほか、教育、理学部などでは基準点として利用する。 出願資格は、「後期日程」で実施する法学部で卒業年次の制限がない。「AO型」では学部によりまちまちである。経 済学部では制限がないほか、農学部では3浪まで、総合人間、文、教育、理学部では1浪まで可となっている。一方、 医(看護学、理学療法学、作業療法学)、薬学部は現役のみに制限されている。「推薦入試」で実施される工、医(医) も既卒生の出願は認められない。なお、医(医)では現役生のほか、高2生の出願も許可される。国際科学オリンピック 世界大会の出場者とハードルは高いものの、いわゆる「飛び級」を認める。「飛び級」による大学入学は、2014 年度で 千葉大など6大学8学部が認めているが、医学部での実施は全国初である。医学科の「求める人物像」には、MD-PhD コースへの進学希望者が挙げられており、より若年の学生を受け入れることで、早期から研究者として歩ませる道を開 きたいという考えのあらわれであろう。 今年 1 月には、東京大からも 2016 年度入試から導入する推薦入試の概要が発表されている。折りしも教育再生実行 会議など政府筋から、大学入学者選抜の改革が提言されている。日本の大学の頂点に立つ2大学で思い切った入試 改革が行われることで、大学入試の在り方が変わるきっかけとなるかもしれない。 -1©Kawaijuku Educational Institution. 【表】京都大 特色入試一覧 センター 教科科目 数 センター 試験 基準点 2/10 5-6,7 680/800 点以上 12 月 中旬 2/10 5,6-7 760/900 点以上 学力型 AO 10 月 初旬 2/10 5,6-7 720/900 点以上 20 名 後期 日程 1月 末 3/23 5,6-7 - 経済 25 名 学力型 AO 12 月 中旬 2/10 5,6-7 630/900 点以上 理 5名 学力型 AO 10 月 初旬 2/10 5-7 630/900 点以上 学部 (学科・専 攻) 募集 人員 試験実 施方式 出願 期間 総合人間 5名 学力型 AO 11 月 初旬 文 10 名 学力型 AO 教育 6名 法 (地球 工) (電気 電子 工) 3名 2/10 5名 工 2/10 推薦 (情報) 若干 名 農(食料・ 環境経済) 3名 (医) 5名 (看護) 10 名 (理学) 3名 (作業) 3名 2/10 学力型 AO 推薦 12 月 中旬 11 月 初旬 1次:調査書、学業活動報告書、学びの 設計書(合格者 50 名) 2 次:能力測定考査(英語、文系総合問 題、理系総合問題)、センター試験 1次:センター試験(合格者 30 名) 2 次:論文試験、「学びの設計書」に関連 する論述試験、書類審査 1次:調査書、学びの報告書、学びの設 計書 2 次:課題および口頭試問、書類審査、2 次合格者のうちセンター試験の成績が 基準以上の者を最終合格とする 1次:センター試験、調査書 2 次:センター試験、小論文 1次:センター試験(合格者 80 名) 2 次:学業活動報告書、学びの設計書、 センター試験、論文試験 1次:調査書、学業活動報告書、学びの 報告書 2 次:能力測定考査(数学に関するも の)、口頭試問、2 次合格者のうちセンタ ー試験の成績が基準以上の者を最終 合格とする 1次:調査書、推薦書、学びの設計書、 活動実績 2 次:口頭試問、面接試験 最終:提出書類、口頭試問、面接試験、 センター試験 薬(薬科 学) 3名 10 月 初旬 卒業年に制限なし ・1 浪まで ・現役 ・国際的な科学競技会出場 者または国内大会における 成績優秀者 ・推薦人数は各校1名以内 ・現役 ・授業科目の一環として実施 した課題研究や科学に関す る課外活動において顕著な 実績をあげた者 ・推薦人数は各校1名以内 ・現役 ・国際オリンピック(情報、数 学、物理)のいずれかにおい て高校在学中日本代表選手 候補となった者 ・推薦人数は各校1名以内 850/1000 点以上 1次:調査書、推薦書、学びの設計書、 活動実績 1次合格者のうちセンター試験の成績が 80%以上の者を合格とする(1科目でも 80%に達しない科目がある場合は不合 格となることがある) ・現役 ・国際オリンピック(化学、数 学、物理、生物学)のいずれ かで銅メダル以上 ・推薦人数は各校1名以内 1次:書類審査、センター試験 2 次:小論文 ・3 浪まで - 1 次:書類審査 2 次:小論文(物、化、生のうち2科目の 基礎知識が必要)、面接 ・現役 ・評定平均 4.7 以上 ・TOEFL-iBT 83 点以上 ・国際科学オリンピック(数 学、物理、化学、生物)世界 大会に出場した高2生 ・推薦人数は各校1名以内 (高2生は別枠で1名) 760/950 点以上 1次:調査書、学業活動報告書、学びの 設計書 2 次:論文試験、面接、2 次合格者のうち センター試験の成績が基準以上の者を 最終合格とする ・現役 ・評定平均 4.3 以上 740/900 点以上 1次:調査書、学業活動報告書、学びの 設計書、TOEFL-iBT 2 次:論文試験、面接、2 次合格者のうち センター試験の成績が基準以上の者を 最終合格とする ・現役 ・評定平均 4.3 以上 ・TOEFL-iBT 75 点以上 5-7 5-7 2/10 5-7 720/900 点以上 2/10 卒業年に制限なし 1次:調査書、推薦書、学びの設計書、 活動実績 2 次:口頭試問、2 次合格者のうちセンタ ー試験の成績が基準以上の者を合格と する - 5-7 5,6-7 学力型 AO ・1 浪まで ・評定平均 4.3 以上 5-7 2/10 2/10 ・1 浪まで 書類審査、センター試験 提出書類がA評価の者のうち、センター 試験の成績が基準以上の者を合格とす る 5-7 10 月 初旬 ・1 浪まで ・評定平均 4.3 以上 720/900 点以上 医 学力型 AO 主な出願資格 720/900 点以上 指定全科 目が 80% 以上 1/13 選抜方法 5-7 11 月 初旬 2名 (工業 化学) 最終合 格発表 日 5-7 -2©Kawaijuku Educational Institution.
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