編集後記 ﹁木曽路はすべて山の中である﹂ 昔、 で有名な山道を数日間かけて歩いたこと があるが、列車ではわずか 分程であり、 列車がいかに速いかを実感した。 アスピリンは約120年前に開発され、 解熱鎮痛消炎剤として広く使用されてき 抑制因子は年齢︵ 歳以上︶とプロトン コバクター・ピロリ感染であり、有意な 瘍に対する有意な危険因子は喫煙とヘリ たが、抗血小板剤として低用量アスピリ ン︵LDA︶が国内で承認されたのは 年前であり、古くて新しい薬である。 狭心症、心筋梗塞、虚血性脳血管障害 などにおける血栓・塞栓形成の抑制のた め、国内では約400万人がLDAを服 用していると推計されている。 ﹁心筋梗塞慢性期の治療 小川先生は、 として重要なことは、突然死、再梗塞、 ある。LDAの心筋梗塞二次予防効果︵再 不安定狭心症などの心事故発生の予防で 今月、最高時速260㎞の北陸新幹線 金沢開業で東京・金沢間が2時間 分で 結ばれた。益々便利な世の中になった。日 発抑制効果︶は確実である。一方、心血 PPIの選択が重要と考えられる。 や薬物動態学的相互作用などを考慮した LDAの長期投与は高齢者に多く、多 剤併用が多い背景があるため、胃酸分泌 択薬として推奨されている。 ける潰瘍の再発防止にはPPIが第一選 日本消化器病学会の﹁消化性潰瘍診療 ガイドライン﹂では、LDA投与時にお と報告されている。 ポンプ阻害薬︵PPI︶の服用であった 65 である。 クリニシアン 発 行 日 発 行 人 発 行 所 七〇三〇 印 刷 所 株 式 会 社 ひ で じ ま 電話五二二八 第六二巻 六三七号 二〇一五年三月一日 松 前 謙 司 エーザイ株式会社 東京都文京区小石川 新剤形5㎎ 錠を追加したパリエットが LDA潰瘍再発抑制のお役に立てば幸い ® 本アルプスを眼下に眺めながら飛行機で 行くか、新幹線で行くか選択に迷いそうだ。 管疾患一次予防効果については否定的で 消化管出血・消化器症状の副作用につい あり、今後のさらなる検討が必要である。 LDA服用患者における上部消化管合 併症を調査したMAGIC研究では、潰 しているとされている。 LDAによる胃・十二指腸粘膜傷害の 発症には直接作用の他に胃酸分泌も関与 ては考慮を要する﹂旨を解説されている。 一方で、時代の流れとともにブルート レインが姿を消しつつあるのは寂しい。 16 のんびりとした時間の旅も楽しみたい。 さて、今月の特集は﹁低用量アスピリ ン潰瘍﹂ 。熊本大学大学院生命科学研究 部 循環器内科学教授、国立循環器病研 究センター 副院長 小川久雄先生のご 監修により、ご専門の先生方に分かりや すく解説していただいた。 − 28 60
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