SGG TIMELESS 加工ガイドライン (PDF:3.62 MB)

シャワーガラス
加工ガイドライン
加工ガイドライン
目次
1‐説明
2‐品質と許容誤差
3‐一般的な説明
3.1.
3.2.
3.3.
3.4.
コーティングの検出
取扱
加工
シート完成品の輸送
4‐開梱と取扱
5‐受領時と変形後の品質管理
6‐加工
6.1.
6.2.
6.3.
6.4.
6.5.
6.6.
6.7.
6.8.
6.9.
テーブル上での切断
エッジ加工
切り欠きと穿孔
洗浄
強化加工
ラミネートガラスの組立
曲面加工
スクリーン印刷
シャワー室内での組立
7‐使用説明書
2• SGG TIMELESS
説明 - 品質と許容誤差
説明
1‐説明
SGG Timeless は、シャワー室用の耐腐
食性コーティングガラスです。本製品
は、未処理のガラスに比べて簡単にク
リーニングすることができます。SGG
Timeless コーティングは、ほとんど
目に見えません。またさまざまな厚さ
の 製 品 を ご 用 意 し て い ま す 。 SGG
Timeless は、SGG Planiclear を素板と
する製品です(ご要望に応じ、他のガ
ラス素板もご利用いただけます)。
SGG Timeless は、マグネトロンスパッ
タリング技術を利用して蒸着したコ
ーティングにより、優れた特性を実現
しています。このコーティングには、
SGG Timeless に通常の透明のガラス
とほとんど変わらない美しさを与え
る 設 計 が 施 さ れ て い ま す 。 SGG
Timeless は「強化加工が必要な製品」
であり、最終的なコーティングの特性
を実現するためには、必ず強化加工
(熱処理)を行わなければなりません。
品質と許容誤差
2‐品質と許容誤差
Timeless は、EN 1096 欧州規格の
クラス A 耐久性基準を満たしていま
す。そのため、シャワー用としての使
用に適しています。
本製品の光学的特性については EN
1096 欧州規格に基づいて測定し、認
証を取得しています。反射率と透過率
はガラスと同程度であり、ほぼ無色で
す。また SGG Timeless コーティング
は、EN 1096-1 規格「コーティングガ
SGG
ラスの欠陥に関する許容基準(スポッ
ト、ピンホール、穿孔、傷)」の品質
要件も満たしています。コーティング
は通常のガラスと同様の外観を備え
ているため、ピンホールはほとんど目
に見えません。
SGG Timeless コーティングは、シャワ
ー室に関する EN 14428 欧州規格に
も適合しています。
3• SAINT-GOBAIN GLASS SIMPLICITY
一般的な説明 - 開梱と取扱
一般的な説明
3‐一般的な説明
3.1. コーティングの検出
3.2. 取扱
3.4. 完成品の輸送
・SGG Timeless コーティングは非常に
透明度が高いため、簡単に検出する
ことはできません。スズカウンター
または紫外線ランプを使用すれば、
スズ面を識別することができます。
SGG Timeless は、その反対側にコー
ティングされています(コーティン
グの蒸着面が常にフロートガラス
のエアー面になります)。
・指紋や汚れが付着しないように常に
注意してください。ガラスを再度ク
リーニングする必要が生じること
があります。
・輸送時にコーティングを損傷しない
ように必ず注意してください。
・据付時に混同を避ける別の方法とし
て、ガラスのスズ面(コーティング
面と反対側)に弱い粘着ステッカー
を貼ることを SGG Timeless の加工
業者にお勧めします。目的の据付作
業が終了したら、ステッカーまたは
ラベルを剥がしてください。残留物
が付着している場合には、コーティ
ングを損傷しないように静かにク
リーニングすることをお勧めしま
す。
・ サ ン ゴ バ ン ・ ガ ラ ス で は 、 SGG
Timeless コーティング専用のコー
ティング検出器を開発しています。
詳しい情報については、担当の販売
員にお問い合わせください。
・ガラスを取扱う際には、必ず清潔な
手袋を着用してください。加工作業
中にガラスを取扱う際には、必ず手
袋を着用してください。
ガラスやコーティングに傷を付けな
いように注意してください。
3.3. 加工
・SGG Timeless は、標準的な器具を用
いて加工することができます。ただ
し、適切なメンテナンスを行ってく
ださい(コーティング層をこすらな
いでください)。
・必ず定期点検を実施し、コーティン
グと接触するもの(テーブル、換気
口、運搬用ローラー、保護紙など)
が全て清浄であることと、コーティ
ングに傷をつけ、破損する可能性が
ある(ガラスの)粒子がないことを
確認してください。
・コーティング面に付着した水を放置
して乾燥させないでください(本項
は、全ての加工段階に適用されま
す)。そのため、ガラスを清浄な水
ですすぎ洗いし、空気で乾燥させる
か、柔らかい清浄な布で拭き取って
ください。
開梱と取扱
4‐開梱と取扱
・SGG Timeless は、必ず十分に換気さ ・ガラスを取扱う際には、シート同士
が互いに滑らないように必ず注意
れた乾燥した場所に保管してくだ
してください。シートを持ち上げる
さい。未処理のガラスについては、
前に、必ず隣り合ったシートを分離
ガラスの表面に付着した水が乾燥
してください。
した痕が残らないようにしてくだ
さい。
・トングを使用する場合には必ず点検
し、損傷していない清浄なゴムを使
・荷積と積卸の際には、コーティング
用していることを確認し、コーティ
面に吸引カップを使用してかまい
ングを損傷しないようにしてくだ
ません。ただし、メンテナンスを十
さい。
分に行った清浄な吸引カップを使
用することを条件とします。
4• SGG TIMELESS
・カットサイズのガラスは箱に入れる
か(推奨)、または運搬用フレーム
に乗せ、ガラスに以下の保護を施し
た上で輸送してください。
‐積層品の上面と底面:
「エアセル」タイプの発泡包装シー
トを使用して保護してください。
‐各ガラスシート間:
中性の摩擦防止パウダーを用いて
保護してください。
または、柔らかい中性の(非酸性の)
油分を含まない清浄な間紙を用い
て保護してください。
または、小型の非粘着性コルク分離
パッドを用いて保護してください
(推奨)。
・標準カットサイズの積層品について
は、必ずラッピングし、保護してく
ださい。長距離の輸送に際して、ガ
ラスシート間に結露が生じるリス
クがある場合にのみ、乾燥剤を使用
してください。
品質管理 - 加工
品質管理
5‐受領時と加工後の品質管理
・ガラスの受領時には、必ずガラスの
管理を実施してください。欠陥が見
つかった場合には、サンゴバン・ガ
ラスにお知らせください。
・ガラスの加工後には、必ず厳格な品
質管理検査を実施してください。
・反射率と透過率に関する管理を行い
ます。欠陥の中には、透過率検査で
検出しやすいものと、反射率検査で
検出しやすいものがあります。EN
1096 規格には、標準的な観察条件
に関する説明が記載されています。
詳細については同規格を参照して
ください。
・透過率について検査する場合には、
照明管(ネオン)を設置した不透明
な黒い背景の前にガラスを設置し
ます。必ず照明管から 300 mm 以上
離れた場所にガラスを設置してく
ださい。
・反射率について検査する場合には、
均一かつ均質な強い光を透過する
拡散スクリーンの後ろに設置した
光源を使用してください。管理担当
者は、必ず 45°の角度から、ガラス
面での光源の反射を観察してくだ
さい。
加工
6‐加工
・原則として、SGG Timeless はフロー
トガラス用器具と同じ器具を用い
て加工することができます。ただし、
本文書に記載した注意事項を遵守
することを条件とします。最終的な
製品の特性を実現するためには、必
ず SGG Timeless の強化加工を行わ
なければなりません。
6.1. テーブル上での切断
・切断テーブルを必ず徹底的にクリー
ニングし、ガラスやその他の材料の
粒子を完全に除去してください。切
断加工が終了するまで、切断テーブ
ルを清浄に保たなければなりませ
ん。コーティングがテーブルに接触
しないように、必ずコーティング面
を上に向けて設置してください。
勧めします。切断後には、余分な油
を除去し、油が流れた痕が残らない
ようにすることをお勧めします(痕
が残った場合、除去するのが難しい
ケースが多く見られます)。シート
の切断後は、ガラスシート同士が摩
擦を生じないようにしてください
(ガラスの間にコルクか、プラスチ
ックか、柔らかい紙か、発泡材を必
ず敷いてください)。
・ガラスに付着した水を放置して乾燥
させないでください。切断後、ただ
ちに清浄な水でクリーニングした
上で乾燥させてください。
6.2. エッジ加工
・SGG Timeless を加工する前に、エッ
ジ加工装置(特にガラスと接触する
部品)を必ず徹底的にクリーニング
してください。コンベヤ用ローラー
とガラスとの間に絶対に滑りが生
じないようにしてください。
・切断時に過剰な油分を含む製品を使
用した場合、油膜が残留する可能性
があります。その場合、加工作業を
続ける前に徹底的なクリーニング
を行う必要があります。したがって、
・エッジ加工により過剰な残留物が生
Aachener
Chemische
Werke
じるのを防ぐため、エッジ加工装置
GmbH 製 ACECUT 5250 オイルま
の内蔵回路内の水を必ず定期的に、
たは ACECUT 5503 オイル(脂肪族
かつ頻繁に交換してください。
炭化水素を主成分とするオイル)な
どの切断加工用蒸発油の使用をお
・エッジ加工サイクルの終了後、必ず
ただちにガラスをすすぎ洗いし、エ
ッジ加工によって生じた残留物を
除去してください。残留物を除去し
たら、ガラスを洗浄装置に投入する
ことができます。エッジ加工により
ガラスに付着した水については絶
対に放置せず、乾燥した痕が残らな
いようにしてください。装置からの
鉱物油や油脂の痕跡が残っていな
いことを確認してください。水に添
加物(可溶化油、冷媒)を使用する
場合には、必ず事前に試験を行い、
添加物がコーティングに適合して
いることを確認してください。
エッジ加工装置の種類ごとに、必ず以
下の注意事項を遵守してください。
‐両側型:ガラスの位置が正しいこと
を確認してから、装置の保持システ
ムにガラスを固定してください。
‐直線型:コンベヤ用ローラーとガラ
スとの間に絶対に滑りが生じない
ようにしてください。
‐面取りエッジとデジタルエッジ加
工:特に保護を施す必要はありませ
ん。
5• SAINT-GOBAIN GLASS SIMPLICITY
加工
6.3. 切り欠きと穿孔
・SGG Timeless ガラスには、切り欠き
/穿孔加工を施すことができます。
ただし、コーティングを損傷しない
ように注意することが条件となり
ます。
6.4 項の説明に従い、必ずただちにガ
ラスをクリーニングしてください。コ
ーティングに付着した水を放置して
乾燥させないでください。
6.5. 強化加工
・
・SO2 ガスの使用はお勧めできません。 6.7. 曲面加工
・可能であれば、コーティング面を上
に向け、強化炉にガラスを投入して
6.4. 洗浄
ください。コーティング面を上に向
けることができない場合には(エナ
・洗浄水の最適温度は、35~40℃です。
メルガラスなど)、強化炉のローラ
必ず水質を確認してください(推奨
ーを十分にクリーニングし、コーテ
条件:中性(pH=6~8)、伝導率 <
ィングを損傷しないようにしてく
20 μS/cm)。
ださい。
・装置を必ず徹底的にクリーニングし
・SGG Timeless の強化加工条件(温度、
てください(ブラシなど)。コンベ
加熱時間)は、通常のガラス(コー
ヤ用ローラーシステムを必ずクリ
ティングなし)と同じです。強化炉
ーニングし、滑らかに正しく回転す
からガラスを取り出したら、必ず乾
るようにしてください。
燥させてください。
・洗浄:
・強化加工後、SGG Timeless にラミネ
‐予備洗浄台の使用をお勧めします。
ート加工を施すことができます。
‐酸化セリウムをクリーニングに使
6.6 項の要件を遵守してください。
用しないでください。
‐水に添加物を加えないでください。 ・強化加工前に、コーティングに印刷
‐水質検査を実施したことを確認し
したり、マークを付けたり、その他
てください(上記を参照)。
の欠陥を生じさせたりしないでく
‐標準的なブラシを使用できます。
ださい。強化加工後に除去できなく
‐ガラス厚に合わせて、ガラスとブラ
なる可能性があります。
シとの間隔を必ず調整してくださ
6.6. ラミネートガラスの組立
い。
‐洗浄プロセス中にブラシの下でガ
SGG Timeless の外面にコーティングし、
ラスを絶対に停止させないでくだ
ラミネート加工を施すことができま
さい。滑らかに連続して洗浄してく
す。ただし、ラミネート加工を施す前
ださい。
に必ずガラスに強化加工を行ってく
ださい。
・すすぎ洗い:
‐必ず清浄な水を用いてガラスをすす
・上記の取扱と洗浄に関する説明を必
ぎ洗いしてください(脱塩水(伝導
ず遵守してください。ただし、すす
率 < 20μs/cm)を推奨)
。清浄な水
ぎ洗い水の伝導率を 5 μS/cm まで
以外を使用した場合、石灰による白
下げなければなりません。必ずガラ
い汚れが生じるおそれがあります。
スを徹底的に洗浄してからラミネ
ート加工を施してください。
・乾燥:
‐コーティングには、乾燥が非常に重
・生産ラインのコンベヤ用ローラーと
要な作業となります。水を完全に乾
ラミネート加工装置用ローラーの
燥させないと、強化加工後に肉眼で
定期点検を必ず実施してください。
もはっきりと見える痕が付き、永久
ローラーにガラスの粒子が付着し
に残ることがあります。正しい方法
ないように清浄な状態を維持しな
を用いて空気を濾過し、必ず点検を
ければなりません。また摩擦によっ
実施して乾燥段階でガラスに汚れ
てガラスとコーティングが傷つく
が付着していないことを確認して
ことがないように、ローラーが滑ら
ください。
かに回転しなければなりません。
‐駆動装置のグリースニップルの状
・PVB シートを貼付する場合には、最
6• SGG TIMELESS
高レベルの清浄度条件下で行わな
ければなりません。ガラスの表面と
PVB フィルムの検査を必ず徹底的
に実施し、必ず全ての粒子を除去し
てから組立作業を実施してくださ
い。
態を点検してください(漏れなど)
。
‐洗浄装置から取り出した時点でガ
ラスに痕が残っている場合には、柔
らかい布とイソプロパノール(推
奨)またはエタノールを使用してク
リーニングすることができます。
・ 電 気 加 熱 炉 を 使 用 す れ ば 、 SGG
Timeless ガラスに曲面加工を施す
ことができます。お客様には発注に
先立ち、ご使用の機器、ならびに曲
面加工半径が SGG Timeless に適合
していることの確認をお勧めいた
します。その場合には、サンゴバ
ン・ガラスまでお問い合わせくださ
い。
・SGG Timeless ガラスの標準的な曲げ
半径は、約 1 メートルです。標準値
よりも曲率が大きい場合(半径が小
さい場合)には、特に注意が必要で
す。
6.8. スクリーン印刷
・ガラスのどちら側の面にもスクリー
ン印刷を施すことができます。
6.9. シャワー室内での組立
・必ずガラスのコーティング面をシャ
ワー室内に向けて取付/据付を行
ってください。
一般的なシャワーガラス用接着剤を
使用することができます。不明な場合
には、コーティングと接着剤との適合
性試験を実施してください。
必要に応じ、試験済接着剤のリストに
ついてサンゴバン・ガラスまでお問い
合わせください。
・接着剤は、必要な場所以外には使用
しないでください。不要な接着剤が
付着した場合には、固化する前にた
だちに除去してください。窓用の中
性洗剤を柔らかい紙や柔らかい布
に含ませて使用するか、または清浄
なゴム製のへらを使用してクリー
ニングすることができます。シール
継手を使用することができます。
・シャワー室に取付けられている金属
部品やその他の付属品によって傷
を付けないように必ず注意してく
ださい。
使用説明書
使用説明書
7‐使用説明書
・シャワー室内における SGG Timeless
の使用とメンテナンスに関する説
明については、専用の説明書を参照
してください。
7• SAINT-GOBAIN GLASS SIMPLICITY