Mendeley(メンデレー)は、学術論文の管理とオンラインでの情報共有を目的とした無料 の文献管理ツールです。Windows、Mac、Linux に対応するデスクトップ版と、オンライン でどこからでも利用できるウェブ版を組み合わせて使用できます。iOS(iPad、iPhone)に も対応しています。 Mendeley の特徴 ライブラリに追加した PDF から書誌情報を自動的に抽出 ハイライト、注釈機能を備えた PDF ビューア Web Importer で各種データベースから文献を直接インポート 強力な PDF 管理機能 Word への参考文献の挿入 世界のユーザーが登録したオンラインカタログを検索 グループ機能で他の研究者と文献を共有 個人プロファイル(研究成果)の公開 Mendeley を使用するにはユーザー登録が必要です。ユーザー登録後、デスクトップ版を インストールしてください。 1. ユーザー登録、インストール ① http://www.mendeley.com にアクセスします。 ② [Create a free account] をクリックします。 First name、Last name、E-mail、Password を入力 し、[Get started] をクリックします。 次の画面で分野と肩書を選択し、[Finish] をクリックし ます。 デスクトップ版のインストールプログラムがダウンロー ドされるので、実行します。 ③ デスクトップ版を起動すると E-mail と Password を入 力するように求められるので、②で登録した E-mail と Password を入力してサインインします。→ 下の「2. デス クトップ版」へ ④ ウェブ版にログインするには、[Sign in] をクリックし ます。②で登録した E-mail と Password を入力してサ インインします。→ p.3「3. ウェブ版」へ デスクトップ版では、PDF をドラッグ&ドロップするだけで書誌事項が自動的に抽出されます。 ハイライトや注釈が可能な PDF ビューアも備えています。 2. デスクトップ版 ● 文献の追加 Mendeley に文献を追加する最も簡単な方法は、PDF をイン ポートすることです。複数のインポート方法に対応していま す。 ① 個別の PDF を中央フレームにドラッグ&ドロップしま す。または [File] メニュー → [Add Files…] で追加 します。 書誌情報が自動的に抽出されます ② PDF が入ったフォルダを中央フレームにドラッグ&ドロ ップします。または [File] メニュー → [Add Folder…] で追加します。 ③ Watched Folder を利用すると、指定したフォルダに PDF を入れるだけで、自動的に Mendeley に追加されま す。電子ジャーナルから特定のフォルダに PDF をダウン ロードしている場合などに便利な機能です。 Watched Folder は以下で指定します。 ・ [File] メニュー → [Watch Folder…] ・ [Options] メニュー → [Watched Folder] ④ PDF から自動的に書誌情報が抽出され、右フレームに表 示されます。 PDF ファイル PDF が入ったフォルダ Watched Folder ● 文献情報の編集、マニュアルによる追加 ① 自動的に抽出された書誌事項が不完全な場合は、右フレー ムの Details タブで編集することができます。 ② マニュアルで情報を入力する場合は、[File] メニューから [Add Entry Manually…] を選択します。 ③ 文献の ArXiv ID、DOI、PMID で書誌情報を検索すること もできます。 ④ 執筆中の原稿など、Mendeley のオンラインカタログに索 引付けされたくない場合は、[Unpublished work – exclude from Mendeley Web catalog] をチェックしま す。 ⑤ 他の 文献管理ツール やデータベース から BibTeX 、 EndNote XML、RIS 形式でエクスポートした文献を Mendeley にインポートすることができます。[File] メニ ュー → [Import…] を選択し、該当するファイルタイプ を選択してください。 → EndNote および RefWorks からのエクスポート方法については、p.8 の下部を参照してください。 ● ライブラリの管理 ① 検索ボックスで、ライブラリ内の文献を検索できます。 ▼ をクリックして、検索項目を指定することもできます。 ② [Create Folder…] でフォルダを作成し、文献を分類する ことができます。 ③ 文献の前には以下のアイコンが付いています。 お気に入りの文献。Favorites フォルダで表示可能 未読の文献 PDF が添付されている文献 ウェブから PDF をダウンロード可能 ④ 著者名、タイトル、出版年、出版物名、登録日で並べ替え ることができます。 ⑤ 各文献にタグを付与し、文献を分類することができます。 ⑥ 著者キーワード、著者名、タグ、出版物名でフィルターを かけることができます。 ● PDF ビューア Mendeley は PDF ビューアを備えています。テキストをハイ ライトしたり、注釈を付けたりすることができます。 ① 検索ボックスにキーワードを入力して PDF 内を検索す ることができます。入力に合わせて、検索語がハイライ トされます。 ② 右フレームのNotes タブで文献に注釈を付けることがで きます。この注釈はライブラリの検索の対象です。 ③ ツールバーの [Highlight] を選択すると、テキストをハ イライトすることができます。 ④ ツールバーの [Note] を選択するか、該当箇所で右クリ ックして [Note] を選択すると、PDF 内に注釈を付ける ことができます。この注釈は検索の対象外です。 ⑤ テキストを選択し、右クリックして [Define] を選択す ると、Wikipedia の説明を確認することができます。 3. ウェブ版 ウェブ版では、Web Importer を使用して各種データベースから文献を直接インポートすることができ ます。My Library では、PDF のアップロードと閲覧、フォルダ管理などの基本的な操作が可能です。 ● Web Importer のインストール ① Dashboard タブで [Install the Web Importer] を選 択するか、下記 URL を指定します。 http://www.mendeley.com/import ② [Save to Mendeley] をブラウザのツールバーにドラッ グ&ドロップするか、お気に入りに登録します。ブラウ ザの種類によって操作が異なります。 ① 画面の下部に、Web Importer に対応するデータベース の一覧があります。 ● 文献の追加 Web Importer は、データベースの検索結果ページおよび個 別の論文ページで使用できます。データベースによっては、 論文ページにのみ対応している場合があります。 ① 各種データベースで Mendeley にインポートしたい文献 が見つかったら、ブラウザのブックマークまたはお気に 入りの [Save to Mendeley] をクリックします。 ② Web Importer のポップアップウィンドウが表示されま す。検索結果ページでは、個別の文献の [+] をクリッ クするか [Save all] をクリックして保存します。論文 ページでは、[Save] をクリックして保存します。 ③ ScienceDirect、Scopus、その他いくつかのデータベー スでは、製品内に Mendeley へのエクスポートのメニュ ーが用意されています。 ④ ScienceDirect やオープンアクセス誌では、PDF をダウ ンロードできる場合があります。[Download PDFs if available] をチェックすると、PDF もダウンロードされ ます。 ● My Library 追加した文献は、[My Library] タブで確認することができま す。ブラウザの別ウィンドウまたは別タブに表示されます。 2015 年 2 月のバージョンアップで、ウェブ版の My Library は、デスクトップ版と同様のデザインに変更されました。PDF のアップロードと閲覧、フォルダ管理などの基本的な操作が 可能です。 ② 2015 年後半に予定されているバージョンアップでは、 タグ、ノート/注釈、完全なグループ機能がサポートさ れるようになり、ウェブ版で可能な機能の幅が広がりま す。 4. デスクトップ版とウェブ版の同期 Mendeley は、デスクトップ版とウェブ版を組み合わせて使用します。デスクトップ版とウェ ブ版を同期することによって、どこからでも同じ環境で利用できるようになります。 デスクトップ版とウェブ版を同期させることによって、複数 の端末やデバイスから同じ文献にアクセスできるようになり ます。たとえば、大学/職場の Windows、自宅の Mac、通学 /通勤途中の iPad から同じ文献を読むことができます。 ウェブ版 ウェブ版はデータのバックアップの役割も果たします。新し い端末に Mendeley をインストールした場合、同期するだけ ですべての文献を新しい端末に 同期 同期は、デスクトップ版を起動したときに自動的に実行され ます。デスクトップ版のツールバーの [Sync] をクリックし て同期させることもできます。 デスクトップ版 Windows デスクトップ版 Mac デスクトップ版 Linux iPad / iPhone iOS ① デスクトップ版とウェブ版を同期するには、ツールバー の [Sync] をクリックします。 ② PDF の同期方法を指定するには、My Library 欄で All Documents を選択した状態で [Edit Settings] を クリックします。 ③ PDF を同期する場合は、[Synchronize attached files] をチェックします。同期の対象とするフォルダを指定す ることもできます。初期設定は全フォルダ(For my entire library)です。 ④ ウェブ版の空きディスク容量を確認できます。無料版で は 2 GB まで、機関版では 5GB まで利用可能です。個人 でのアップグレードも可能です。 ⑤ [Save & sync] をクリックし、設定の保存および同期を 実行します。 5. PDF の管理機能 Mendeley は優れた PDF の管理機能を備えています。インポートした PDF のコピーを作成し て、フォルダに分類したり、PDF に自動的に名前を付けたりすることができます。 初期設定では、Mendeley に PDF をインポートしても Mendeley 内にPDF のコピーは作成されません。 したがって、 Mendeley にインポートした後で元のフォルダからPDF を削 除すると、Mendeley からも PDF は削除されてしまいます。 ① Mendeley にインポートした PDF を管理するには、File Organizer を使用します。 Windows: [Tools] メニュー → [Options] → [File Organizer] タブ Mac: [Mendeley Desktop] メ ニ ュ ー [Preferences…] → [File Organizer] タブ → ② [Organize my files] をチェックすると、指定したフォ ルダに、Mendeley にインポートした PDF がコピーされ ます。 ③ [Sort files into subfolders] をチェックすると、②で指 定したフォルダ内に、Author、Title、Year、Journal で分類したサブフォルダが作成され、PDF が保存されま す。 [Rename document files] で Author – Year – Title を指定した例: ④ [Rename document files] をチェックすると、PDF の 名前を、Author、Title、Year、Journal を使ったわかり やすいファイル名に自動的に変更することができます。 ③ 初期設定ではすべてオフです。 5. Word への参考文献の挿入 Word で論文を執筆する際に、Mendeley から参考文献を簡単に挿入できます。7,000 以上の参 考文献のスタイルに対応しています。LibreOffice、BibTex にも対応しています。 ● Word プラグインのインストール Word 文書に参考文献を挿入するには、Word プラグインの インストールが必要です。 ① デスクトップ版の [Tools] メニューから [Install MS Word Plugin] を選択します。 Windows のツールバー: インストールが完了すると、Mendeley のツールバーが以下 の場所に表示されます。 ② Windows: Word の [参考資料] メニューに表示されま す。 Mac のツールバー: ③ Mac: Word のメニューの下に表示されます。表示されな い場合は、[表示] メニューから [ツールバー] → [Mendeley Toolbar] を選択してください。 ● 参考文献の挿入 ① 原稿内の参考文献を挿入したい個所で、[Insert Citation] をクリックします。 ② ポップアップウィンドウが現れるので、必要な文献を Author、Title、Year で検索します。 ③ 希望の文献を選択し、[OK] をクリックします。 ④ Mendeley 本体で検索したい場合は、 [Go To Mendeley] をクリックします。文献を選択し、ツールバーから [Cite] をクリックします。 ⑤ マウスカーソルの場所に文献符号が挿入されます。 → 文献符号のスタイルの変更については、p.5「参考文献スタイルの変 更」を参照 ● 参考文献リストの作成 ① 参考文献リストを挿入したい場所にマウスカーソルを置 き、[Insert Bibliography] をクリックします。 ② 該当箇所に参考文献リストが挿入されます。 → 参考文献のスタイルの変更については、p.5「参考文献スタイルの変 更」を参照 ● 参考文献スタイルの変更 ① 参考文献のスタイルは、Style プルダウンリストで変更 することができます。 ② Style プルダウンリストにないスタイルを使用するには、 [More Styles…] を選択します。 ③ 希望のスタイルがインストール済の場合は、ポップアッ プウィンドウの [Installed] タブから選択し、[Use this Style] をクリックします。 ④ 既存のスタイルに基づいて新しいスタイルを編集するに は、右クリックで表示されるメニューから [Edit Style] を選択します。CSL Editor が起動するので、スタイルを 編集し、保存します。 ⑤ 文献タイプがウェブページの場合にのみ参考文献に URL を含めるようにするには、Include URLs and Date Accessed in Bibliographies で [Only for Webpages] を選択します。 ⑥ 希望のスタイルがまだインストールされていない場合 は、[Get More Styles] タブで検索し、[Install] をク リックしてインストールします。 ※ 6. カタログ検索 参考文献のスタイルは、Mendeley デスクトップ版の [View] メニュー -> [Citation Style] でも指定できます。 Mendeley は、世界中のユーザーが登録した文献を匿名で収集し、巨大なオンラインカタログと して提供しています。キーワードで検索したり、関連論文を調べたりすることができます。 ● デスクトップ版 ① デスクトップ版の左フレームの Literature Search を 選択すると、検索ボックスが表示されます。 ② 検索ボックスに検索語を入力します。 ▼ をクリックして、検索項目を限定することもできます。 ③ 検索結果から文献を選択すると、右フレームに詳細情報が 表示されます。 ④ 文献を Mendeley に保存するには、[Save References] をクリックします。PDF がダウンロードできる場合は、 [Save PDF] をクリックします。 ⑤ 文献を左フレームのフォルダにドラッグ&ドロップして 保存することもできます。 ● ウェブ版 ① ウェブ版では、[Papers] タブから検索できます。 ② 検 索 ボ ッ ク ス に 検 索 語 を 入 力 し ま す 。 [Advanced search] をクリックすると、検索項目を指定することが できます。 ③ 検索結果から文献を選択すると、個別の論文ページが表示 されます。 ④ 文献を Mendeley に保存するには、[Save reference to library] をクリックします。PDF がダウンロードできる 場合は、[Save PDF to library] をクリックします。 ⑤ 論文ページでは、この文献を Mendeley に登録している ユーザーの数と読者層(分野、肩書、国)を確認すること ができます。 7. グループの利用 Mendeley のグループ機能は、他のユーザーと文献を共有することを可能にし、研究者間のコ ラボレーションを促進します。 ● グループの種類と作成 ① グループの作成は、ウェブ版の [Group] タブで行いま す。 (デスクトップ版でも同様の操作が可能です。 ) ② [Create a new group] をクリックします。 ③ ポップアップウィンドウで、グループ名、グループについ ての説明を入力し、グループの種類を選択します。 Private … 招待されたメンバーのみが閲覧・投稿で きます。書誌情報と PDF を共有できます。プライベ ートな研究プロジェクトに適しています。 Invite-only … 誰でも閲覧できますが、招待された メンバーのみが投稿できます。ラボの研究成果やリー ディングリストの公開に適しています。 Open … 誰でも閲覧・投稿できます。オープンなデ ィスカッショングループに適しています ④ [Create Group] をクリックすると、グループが作成さ れます。 ● プライベートグループ 無料版では 3 人まで、機関版では 25 名までのプライベートグ ループを作成できます。個人でのアップグレードも可能です。 プライベートグループでは、PDF も共有することができます。 ① グループに他のユーザーを招待するには、[Invite people to join] をクリックします。 ② ポップアップウィンドウに、招待したいユーザーの E-mail を入力し、[Send] をクリックして招待を送信し ます。 ※ 招待されたユーザーが [Accept] すると、グループに参 加できます。 ③ グループで共有したい文献をデスクトップ版のグループ のフォルダにコピーします。 ④ ツールバーの [Sync] をクリックしてウェブ版と同期す ると、文献を他のユーザーと共有できるようになります。 ⑤ プライベートグループでは、PDF に書き込んだハイライ トや注釈も他のユーザーと共有できます。 ● オープングループ オープングループでは、自分と同じ関心のあるユーザーと情報 交換することができます。オープングループで共有できるのは 書誌情報だけで、PDF を共有することはできません。 ① 検索ボックスにキーワードを入力し、 グループを検索しま す。 ② グループに参加するには [Join this group] をクリック します。 8. 個人プロファイルの公開 Mendeley に自分のプロファイルや発表論文を公開することによって、簡易ホームページとして 活用することができます。 ● 他の研究者の検索 ① ウェブ版の [People] タブで、Mendeley に登録してい る他の研究者を検索することができます。 ② 検索ボックスに名前を入力し、他の研究者を検索します。 ③ この研究者の発表論文は [Publications] 欄に表示され ます。 ④ この研究者をフォローしたい場合は、[Follow] をクリッ クします。 ● 個人情報および発表論文の公開 ① ウェブ版にログイン後、[My Account] メニューから [Edit my profile] を選択します。 ② [Edit Profile] タブで以下の情報を入力します。 Main Information - Academic Degree/Title - Positions - Institution/Organization - City - Academic Discipline - Research Interests Publications Awards and Grants Biographical Information CV Contact Information ③ 公開したい自分の発表論文は、My Publications フォルダ にコピーします。 ④ ツールバーの [Sync] をクリックしてウェブ版と同期す ると、自分の出版物が個人プロファイルに公開されます。 他の文献管理ツールからのデータのエクスポート方法 EndNote の場合 1. [File] メニューから [Export...] を選択する 2. [Export file name:] ダイアログボックスでファイルの種類として XML (*.xml) を選択する 3. [Export Selected References] のチェックを外す 4. [保存] をクリックする エルゼビア・ジャパン株式会社 ヘルプデスク Tel: 03-5561-5035 E-mail: [email protected] RefWorks の場合 1. [レコード] メニューから [エクスポート] を選択する 2. [レコードをエクスポート] ポップアップウィンドウの Select an Export Format で [Bibliographic Software (EndNote, Referece Manager, ProCite)] を選択する 3. [↓レコードをエクスポート] をクリックする 4. 拡張子 .ris で保存する Mendeley ユーザー向け情報 本ガイドの PDF 版、バージョンアップ情報、オンライン講習会情報、よくある質問など http://www.elsevier.com/jp/mendeley/users
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