IIJグローバルソリューションズが PCのデータバックアップと ユーザー自身で復旧可能な環境を構築 5拠点、600台におよぶPCのデータバックアップを「HP Data Protector for PCs 7.0」で効率化しビジネスの継続性を強化 お客様導入事例: HP Data Protector for PCs 7.0を採用し、 データ資産の運用管 理を効率化 業界: 通信サービス 目的 クライアントPCがオンライン/オフライ ンの区別なく、常時データをバックアッ プでき、ユーザー自身によるデータ復元 も可能な環境を整備することで、情報シ ステム部門の負荷低減を目指した。さら にデータ保全の確度を高め、ビジネス継 続に貢献できることを目標とした。 アプローチ バックアップソフトウェアを軸に、ポリ シーサーバー、データボルトサーバー* を設置。本社以外の拠点にもデータボル トサーバーを設置し、全社的に運用で きるデータバックアップシステムを構築 した。 導入効果 • クライアント PC デ ー タの 常 時バック アップ体制を確立 • ユーザーによるセルフリカバリーで情 報システム部門の負荷を低減 • バックアップポリシーの自動化で効率 的な運用が可能 ビジネスの効果 • 高度な業務継続性を確保 • 情報システム部門の戦略価値の向上 • OS 移行やクライアントPCリプレイス時 の作業負荷も低減 *データボルトサーバー:(Data vault server) バックアップデータの保管場所となるサーバー。 高信頼なネットワークサービ スを提供 IIJグローバルソリューションズが、国内5拠 点、およそ 600台におよぶクライアントPC のデータバックアップシステムを導入した。 IIJグローバルソリューションズはIIJグルー プ傘下で、国内外にネットワークを基盤とし たさまざまなICTソリューションを提供する 企業だ。同社の執行役員、西塔裕志氏はそ の特色を次のように説明する。 「 弊 社 は、全 世 界 の 通 信 キャリアや ベン ダー企業と緊密なパートナーシップを結 び、法人のお客様のニーズに応じて最適な ソリューションを選択し、ネットワークを中 心とした高信頼なICTサービスを提供して います」 たとえば国内であれば、キャリアフリーの 立場で大手キャリアのネットワークを適材 適所で組み合わせ、統合された運用監視体 制と共に、冗長化されたネットワークサー ビスを提供している。その強みは先の震災 でも発揮されたという。 「キャリア各社の地域特性によって、同じエリアでも被 災したネットワークと無事だったネットワークがありま 情報システム部門の負荷低減を目指す IIJグローバルソリューションズの前身は、IBMグローバ ルネットワーク、そして AT & Tグローバル・サービス ワークは重大なダメージを受けにくく、キャリアの枠を ( AT & Tジャパン)である。2010 年 9 月に IIJグループ 超えたサポート体制と共にお客様の事業継続にも貢献 傘下に加わり、社員のおよそ 2 / 3 が移籍する形で IIJ した。結果的に我々が提供する冗長化されたネット できたのです」 (西塔氏) 株式会社IIJグローバル ソリューションズ 執行役員 カスタマー・サービス本部 兼 情報統括室 西塔 裕志氏 IIJグローバルソリューションズではこのネットワーク構 築の強みをさらに発展させ、さまざまなビジネスICTソ リューションをワールドワイドのレベルでも展開しよう としている。例えば、IIJグループの一員として、IIJのク ラウドサービスである 「IIJ GIO (ジオ)」を利用したSaaS によるアプリケーションサービスの提供や、使い勝手に 優れたビデオ会議環境の提供等である。世界に活躍の 場を広げようとする国内企業に対し、パートナーとの連 携のもと、国内のみならず、ワールドワイドにソリュー ションを提供する「グローバル・クラウド・インテグレー グローバルソリューションズとして発足した。現在、情 報システム部門の数名が、少数精鋭で社内のITインフ ラ全般の運用管理を担当しているという。 「従来から、重要な業務データについてはファイル サーバーを設置してバックアップデータを管理してき ました。 しかし、操作ミスやクライアントPCの不具合な どにより消えてしまった業務データの復旧作業まで、 情報システム部門の仕事になってしまうとさすがに手 に負えません」 と語るのは、 ビジネスシステム・サポート 部長の伊藤通洋氏。 ター」として飛躍しようとしているのだ。 「ネットワーク 「ファイルサーバーにはさまざまなメリットがあります がビジネスに欠かせないインフラとなった今、お客様 株式会社IIJグローバル ソリューションズ カスタマー・サービス本部 ビジネスシステム・サ ポート 部長 伊藤 通洋氏 弊社では標準クライアントとしてノートPCを採用して 客様のビジネス競争力に貢献するのが弊社のミッショ おり、時に外に持ち歩き、オフラインで業務を遂行する ンです」 (西塔氏) そのIIJグローバルソリューションズが、なぜ、クライア ントPCのデータバックアップに取り組もうというのか、 狙いは大きく2つあると西塔氏は話す。 「弊社のサービスの一つであるネットワークアウト ソーシングサービスは、コンサルティングから設計、導 入構築、運用管理、 さらに刷新に至るまで、ネットワーク のライフサイクル、すべての局面に対して、 トータルな サービスをご提供しています。お客様に高信頼なサー ビスをご提供していくからには、我々の業務も止めて はならない。事業継続の観点から “業務データの保全” 株式会社IIJグローバル ソリューションズ カスタマー・サービス本部 ビジネスシステム・サ ポート 担当課長 今荘 智広氏 株式会社IIJグローバル ソリューションズ カスタマー・サービス本部 ビジネスシステム・サ ポート 三浦 博文氏 2 が、データ管理をそこに一本化してしまうのは難しい。 に最適なICTソリューションをグローバルで提供し、お は非常に重要なテーマでした。もうひとつ、切実な課題 として IT 部 門における管 理 業 務 の 負 荷 軽 減があり ました」 ケースも多いのです。その時に、ローカルでもデータ を安全にバックアップし、必要に応じて復元までが可能 な仕組みが必要と判断しました」 (西塔氏) このようにしてデータバックアップシステムの方針が 決められ、情報システム部門に負荷をかけず、ユー ザーサイドでデータの復旧ができること。また、バック エンドのサーバーとは別に、クライアントPC単体でも ローカルで安全にデータがバックアップされ復元が可 能なこと。その2つを柱に、 ソリューション導入に踏み切 ることとなった。 PC PC LAN LAN WAN LAN HP独自の製品機能を高く評価 IIJグローバルソリューションズがこれらの要件を満た すデータバックアップ製品を選定し、実際に検証した結 果、 採用されたのが 「HP Data Protector for PCs 7.0」 だ。 製品選定に関わったビジネスシステム・サポートの担当 課長である今荘智広氏は次のように話す。 「決め手になったのは、ユーザーに意識させないデー タバックアップ、ユーザー自身による迅速な復旧を可 能にする機能の優位性です。HP Data Protector for 「万一、重要なデータを削除・消去してしまったときも、 マウス右クリックでファイル履歴から復元することが できます。ユーザー自身で操作を行え、迅速に復旧で きることがポイントです」 (今荘氏) さらに、バックアップシステム自体の運用負荷の低さに も着目したという。具体的には「バックアップポリシー 管理の容易さ」である。今荘氏とともに製品の検証を 担当したビジネスシステム・サポートの三浦博文氏は次 のように話す。 PCs 7.0はその点で、我々の要求を完全に満たしてい 「バックアップポリシーをクライアントPC そのもので ました」 はなく、ユーザーアカウント (Active Directoryのグルー プ) と紐づけて管理できるのは、HP Data Protector 「HP Data Protector for PCs 7.0」のシステム構成要 for PCs 7.0だけでした。弊社のように複数拠点で運用 素は、バックアップポリシーを管理するポリシーサー バー、データボルトと呼ばれるファイルサーバー、バッ クアップ対象となるクライアントPC の 3 点と実にシン プルだ。 し、拠点ごとにデータボルトを設置するという場合、 ユーザーがどこにいるのかさえ把握できれば、拠点ご とのポリシーが適用できる。つまり、Active Directory 上 の 操 作 だけでポリシー も変 更 できるわけです 。 HP Data Protector for PCs 7.0では、一般的なバック グループ変更は自動化することも可能なため、スタッ アップソリューションが採用するスケジュールバック フの異動に伴うポリシー変更の漏れも確実に回避でき アップは行わない。対象となるファイルは継続的に変 ます」 更差分がローカルリポジトリに保存され、開いている ファイルについても定期的にスナップショットを生成し 保存する。これによりクライアントPCの負荷を最小限 にしている。 この時にクライアントPCがオンラインの状態であれば、 自動的に変更差分のみがデータボルトに転送される。 ユーザーがオンライン/オフラインを意識せずとも、 確実にデータはバックアップされるのだ。もちろん、バッ クアップされたデータは暗号化・圧縮化されてデータボ ルトに格納されるためセキュリティも確保される。 さらに、西塔氏は経営的な観点からもHPを選んだ意義 は大きいと語る。 「まず、HP Data Protector for PCs 7.0は競合製品と 比較してコストメリットが圧倒的でした。さらに、弊社は 中国に現地法人を立ち上げ、タイ・バンコクにブランチ を開設するなど積極的な海外展開を進めています。そ の時に、 グローバルできちんとサポートしていただける 製品を選ぶということも動機として大きかったですね」 3 ソリューション 概略 ローカルでデータを管理できるメリット HP ソフトウェア 全容を整理してみよう。対象となるクライアントは、本 •• HP Data Protector for PCs IIJグローバルソリューションズが導入したシステムの 社を含め 5 つの拠点に配備される約 600 台の PCだ。 「HP Data Protector for PCs 7.0」の導入に際して、 新たに追加されたハードウェアは、全クライアントのお よそ 8割が稼働する本社オフィス用のデータボルト兼 ポリシーサーバーの1台と、各拠点のデータボルトの計 5台。なお、データボルトは既存のファイルサーバーを 利用することも可能だ。 スタッフひとりあたりのバックアップ領域を指定するこ とができ、保持期限を過ぎた世代のデータは自動的に クリーンアップされるため、データボルトの管理負荷も 最小限で、継続的な運用が可能となっている。 また、バックアップポリシーはユーザーアカウントに紐 づけられ、どの拠点のデータボルトにアクセスするか を定義づけている。もちろんWAN越しのバックアップ も可能だ。 「 いつデータのバックアップが取られているのか、 ユーザーはまったく感知できないでしょう。クライアン トPCへの負荷はそのくらい小さなものです。データボ ルトに転送されるデータも変更差分のみなので、ネット ワークへの負荷も低い。我々情報システム部門の負荷 も軽減されるなど、まさしく求めていたものが具現化 したソリューションだと思います」 と伊藤氏は評価する。 データバックアップの環境が整備されたことで、同社の ビジネスにどのような効果があったのだろうか。 「いつでも、どこでもデータがバックアップされてい る、このことがユーザーにもたらす安心感は非常に大 きなものです。また、 これまで情報システム部門まで上 がってこなかった、つまりユーザーがデータ復元を諦 めていたケースも少なくなかったはずです。その場合、 失われたデータは一から作り直していたわけで、それ が解消されたことで、 ビジネス効率も確実に上がって いると見ています」 さらに、IIJグローバルソリューションズでは全社的にク ライアントPCのOSバージョンアップを予定していると いう。OSの移行となれば、通常はクライアントPC1台1 台のデータをバックアップすることからスタートするも のだが、HP Data Protector for PCs 7.0により恒常的 にデータがバックアップされているため、そのプロセス 自 体 が 簡 略 化 さ れる効 果 も 大 き いと今 荘 氏 は 期 待する。 「クライアントPCの全データをバックアップしようとす れば、1台につき4~5時間を要するでしょう。半日は業 務を止めざるを得ない。それが実質的にゼロになるわ けですから、OS移行に際してかなりの効率化が見込め ると考えています」 (今荘氏) 最後に西塔氏は次のように締めくくった。 「クラウドがトレンドとされていますが、デリバリーま での時間とスピードを重視しても、 また、先の震災のよ うに、万一の際の事業継続を考えても、ローカルで データを管理するメリットはまだまだ大きいといえま す。我々のビジネスにフィットした現実的な選択が HP Data Protector for PCs 7.0だったのです」 伊藤氏は業務データ保全による事業継続性は確実に 高まっていると語る。 Get connected hp.com/go/getconnected 記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。 記載事項は2012年4月現在のものです。本カタログに記載されている情報は取材時におけるものであり、 閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。 ©Copyright 2012 Hewlett-Packard Development Company,L.P. 日本ヒューレット・パッカード株式会社 〒136-8711 東京都江東区大島2丁目2番1号 4AA4-0477JPN, CSW12015-01 2012年 4月, 2012年 8月改訂 1訂版
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