ニューヨーク駐在員事務所情報(27年1月)

No.251
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平成 27 年 1 月 1 日
伊予銀行 ニューヨーク駐在員事務所
<経済>
米国経済
私が当地で感じる景気の見方は前月と変わらず「悪くなっているということはないが
強いほどではない。緩やかに成長。普通の人たちの雇用はまだしっかりしていない。自
動車関連、航空機関連、シェールガス関連などの景気はいいが、いいところ以外はもた
ついたまま。ただ、いいところがとてもいいので全体としては強くなってしまう・・・」
というような見方です。
原油価格の低下を受け、米国の普段の生活で直接的に一番大きな影響を実感するのは
車にガソリンを入れるときです。ガソリンが安くなってくれたのでとても助かる、と感
じます。当地のガソリン価格は、長く 1 ガロン(約 3.8 リットル)4.2~4.5 ドルとい
うイメージだったのですが、最近は 2.7 ドルとなっています。
ガソリンの価格は 1 リットル当りで計算すると日本より米国の方が安いのですが、普
通の人が普通の生活をするために車で走る距離が、米国の方が日本よりずっと長い(普
通の生活をするのに必要なガソリン消費量が米国の方が多い)ので、ガソリン価格の変
動の影響は、米国の方が大きいように感じます。
一方で、労働統計局発表の統計によると、ミドルクラスの米国人の「基礎的な支出」
がこの数年間で大きく膨らみ、他の支出が抑制されている姿が浮かび上がってきます。
ここでいう「基礎的な支出」とは、①医療/医療保険関連費用、②電話・インターネッ
トなどの通信費、③住居の賃借料、③教育費、⑤食費(外食ではなく、自宅で食べるも
の)
。
特に支出額が大きく増加しているのが、①医療/医療保険関連費用と②通信費です。
ミドルクラスの収入が伸びないなか、“必須”の支出が膨らみ、やむなく他の外食費、
洋服代、レジャーの費用などを抑制している姿が浮かび上がってきます。
このような環境下、原油価格の低下は、ガソリン代の低減を通じてミドルクラスの消
費増大につながることが期待されますが、同時に石油やガス関連企業の設備投資の抑制
要因ともなります。
2015 年の世界経済は、①米国の金融政策(出口戦略)
、②原油安、③欧州経済の低迷、
④地政学的リスクの増大、⑤サイバーセキュリティ、など注目ポイントがいっぱいです。
米国駐在の私としては、米国経済が浮き足立つことなく、どっしりと構えて着実に成
長し、世界経済を引っ張ってくれることを期待しています。
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<産業>
メキシコの自動車部品産業
メキシコ・バヒオ(中央高原)地区は 2 年程前から米国ビッグスリーやドイツ、日本
の自動車メーカーが新工場の建設を表明し、それを追うように自動車部品会社が進出、
あるいは進出を検討しているエリアです。
私は今回初めて同地を訪問しました。今回の訪問は、ジェトロメキシコ企画の「米国
発
メキシコ自動車産業ミッション」に参加する形で行ったもので、中央高原地区のケ
レタロ州、サンルイスポトシ州、グアナファト州、アグアスカリエンテス州の工業団地
を巡りました。
中央高原地帯を車で走って一番驚いたのは、川や湖、池などが見えないこと。水が貴
重で、工業団地では団地毎に井戸を掘って水を確保するそうです。工業団地での水代・
電気代はほぼほぼ日本と同じくらい高いと考えておく必要があるそうです。
車から見える景色は水が少ないからでしょうか、農地ではなく荒地です。工業団地が
できるまでは、荒地なので農業に従事することもできずに多くの若者が大都会であるメ
キシコシティに流れ込んでいたということです。
現地の日系自動車部品会社を数社訪問し話を聞く機会があったのですが、メキシコの
自動車部品産業の主な課題は以下の 2 点だと感じました。
第一点は、①裾野産業の現地での集積が十分でないので現地で原材料・素材などが十
分に調達できず、米国・日本・東南アジアなどから輸入せざるをえず、コストアップし
てしまう点。二点目は、②現地の作業員の賃金は安くコスト競争力があるが、マネジャ
ーなどの給与は米国並みに高く、技術者や鍵となる人材の確保が難しく、育成する必要
がある。人材の育成は日本人がつきっきりで行うことになるが、育成には時間がかかる、
という点です。
一方で「進出してきたからこそ受注できた」「進出してきたからこそ新規先との取引
が始まった」「半年前に稼動しはじめたばかりだが来月から工場拡張工事を始める」な
どの声もありました。
完成車メーカーとの関係等から、早い段階(この 2 年間)でメキシコに進出した日系
の部品メーカーは、日系の裾野産業・素材産業のメキシコ進出を心待ちにしていました。
彼らはメキシコ国内でサプライチェーンが完結する日を夢見て、苦しい今を顧客基盤拡
大の好機ととらえ頑張っている様子でした。
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見本市
MD & M West 2015 (Medical Design and Manufacturing West 2015)
医療機器製造技術を提供するサプライヤーと医療機器メーカー関係者との商談成立を
目的としている。世界最大規模の、米国医療機器市場への参入の足がかりに最適な、展
示会/国際会議である。
開催日
2015 年 2 月 10 日(火)~12 日(木)
開催地
Anaheim Convention Center
800 West Katella Avenue Anaheim, CA 92802
電話:714-765-8950
開催頻度
1 年に 1 回
出展社数:2,105 社
実績
(2013 年度)
来場社数:14,473 社
商談件数:160,567 件
補助あり: 768,000 円
出展料金
補助なし: 1,152,000 円
輸送料: 160,000 円
アシスタント 1 名: 32,000 円
輸送料: 240,000 円
アシスタント 1 名: 48,000
円
(ジェトロ・ジャパンパビリオン
募集は定員に達した為締め切り)
入場料
関係者は無料。それ以外の入場希望者は 95 ドルの入場料が必要となる。
参加者
ビジネス関係者のみ
展示商品
医療製品、装置、包装技術、ラベル機器、試験技術など
主催団体 UBM Canon LLC
参加・出展
電話 310-445-4200
問い合わせ先
ウェブサイト: http://mdmwest.mddionline.com/
E-mail: [email protected]
次回開催予定
2016 年
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米国の見本市情報(2015 年 1 月~2015 年 3 月)
MODA
(ニューヨーク)
1 月 4 日~6 日
【備考】モダン・コンテンポラリーコレクション
40th Winter Fancy Food Show – San Francisco
(サンフランシスコ)
1 月 11 日~13 日
【備考】専門食品、菓子、チーズ、コーヒー、スナック、自然食品など
NY NOW
1 月 31 日
(ニューヨーク)
~2 月 4 日
【備考】家庭用品、ライフスタイル、ハンドメイド製品
World of Conference 2015
(ラスベガス)
2 月 3 日~6 日
【備考】コンクリート建設用設備、サービス、材料、セメント、建設資材など
MD & M West Show 2015
(アナハイム)
2 月 10 日~12 日
【備考】医療品、装置、包装技術、クリーンルーム、試験技術、殺菌・生産機器など
112th annual North American International Toy Fair
(ニューヨーク)
2 月 14 日~17 日
【備考】伝統的おもちゃ、高度な玩具、美術工芸、ボードゲーム、スポーツ用品など
Game Connection America
(サンフランシスコ)
3 月 2 日~5 日
【備考】ビデオゲーム、ゲームのアウトソーシングサービス・技術
International Home + Houseware Show 2015
(シカゴ)
3 月 7 日~10 日
【備考】バス用品、キッチン関係、テーブルウェア、家電など
※上記見本市は予定が変更になる場合もありますのでご留意ください。
以上
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★トピックスレポート(NY 現地スタッフ便り)★
ニューヨークの賃貸住宅事情
今回は、ニューヨークの賃貸住宅についてお話します。
この街に来てから、色々な物件に住みました。最初は女
性専用の寮に滞在し、学生専用アパートを経て、自分名
義で部屋を借りるようになりました。部屋の形態も、大
きなビルディングアパートメントから、個人宅オーナー
が貸し出している所など、様々です。シェアをしたり引
越したりして、今は個人オーナーさん経営のワンルーム
アパートに住んでいます。
その家賃ですが、マンハッタン市内でひとり暮らしと
なると、狭いワンルームでも 2,000 ドルはします。中心
から離れた地区まで行くと、もう少し下がります。しか
しながら治安も込みで考えると、安全な地区に住んだほ
うが、後々危険な目に遭わずに済みます。最近は開発が
進み、昔は危ないと言われていたエリアでも高級アパートを建設しているので、一概には
言えませんが。
その開発で、マンハッタンはもとより周辺地域の家賃が軒並み値上がりしています。特
にブルックリンはこの 1 年で 75%上昇したとフリーペーパーの記事で見かけました。現在
私が住んでいる地区、クイーンズ区のアストリアも、すごい速さで上昇しています。ワン
ルームで 1,000 ドルの家賃はざらです。
こんな状況なので、数人で家賃を折半して住む選択もあります。といっても形態は大き
く二通りあり、家賃を節約するために格安の部屋に住む人と、良い地区の高級アパートに
住むため、一室をあえてシェアする人がいます。友人の例で、前者はブルックリンにある
マットレスを敷くと床が見えなくなる部屋を、月 300 ドルで借りていました。後者は、マ
ンハッタンのイーストビレッジにある、部屋にパティオがあるアパートの一室に、月 1,200
ドルを払っていました。私はラッキーなことに、丁度いい規模の部屋で予算内の家賃で暮
らせているものの、時々引っ越し欲が湧いてきます。ただ、次を見つけるのがとても難し
いのです。普通の勤め人にとっては、部屋のチョイスがとても少ない街だと痛感していま
す。
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これまで、自分の引越しや、人を訪ねたりして色々
な部屋を見てきた中で、忘れられない位ありえない部
屋がありました。ずいぶん前になるのですが、“ペン
トハウス”に住んでいる絵描きさんを訪ねた時のこと
です。その部屋は、高級アパート地区である、マンハ
ッタンのアッパーウエストにありました。さぞかし立
派なアトリエなのだろうと期待しながらビルのエレ
ベーターに乗り、“PH”というボタンを押して、最上
階まで上がりました。エレベータを出るとそこはビル
の屋上で、どう見ても掘っ立て小屋でしかない建物が
ありました。絵描きさんいわく、暖房もお風呂もない
けど、絵さえ描ければいいので、その小屋には 11 年
間、住んでいるとのことでした。ギャラリーと契約し
ているプロフェッショナルの人だったのですが、狭い
部屋を見渡しても画材とオブジェしかなく、実際どうやって生活しているのかは、全くの
ナゾでした。この小屋、今でも時々思い出して人に話すものの、都市伝説扱いされます。
絵描きさんが住んでいたビルがどこだったかも、正確な場所は忘れたので、気になるので
すが確認しようもないのです。本当の話なのですが。
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