巻末付録

巻末付録
蠢 確定申告(証券投資関連)
■
縡 確定申告が必要なケース
(平成26年分の所得税の確定申告)
[1]株式等の譲渡益に係る申告
① 一般口座で株式等の取引を行った場合
一般口座で譲渡所得等が生じ、所得控
の売却損益と通算したり、さらに翌
年以降に売却損を繰越控除する場合
には確定申告が必要です。
爰
特定口座で源泉徴収選択口座を選
択したケース
除後も課税譲渡所得等の金額がある場合
特定口座で源泉徴収選択口座を選
には、原則として、確定申告を行う必要
択したケースでは、原則としては確
があります。「株式等に係る譲渡所得等
定申告の必要はありません。この口
の金額の計算明細書」を記入し、確定申
座内での取引については証券会社等
告書に添付します。
が税額を計算し、徴収・納付してく
② 特定口座を利用したケース
れるからです。
爬
特定口座で源泉徴収選択口座を選
択していないケース
巻末
巻末
付録
付録
特定口座を利用している場合で
蠢
■
確
定
申
告
︵
証
券
投
資
関
連
︶
ても、次のように複数の口座で取引
がある場合には、確定申告を行うこ
も、源泉徴収選択口座を選択してい
とができます。
ないケース (簡易申告口座) では一
・特定口座以外に一般口座でも取引
般口座で取引を行ったケースと同様
を行っていて、両口座間で損益通
に確定申告が必要となります。この
算を行いたいとき
場合は、特定口座取引分については、
140
ただし、源泉徴収選択口座であっ
・複数開設している特定口座のうち
証券会社から送られてくる「特定口
年間取引の損益が赤字(マイナス)
座年間取引報告書」を「株式等に係
となる特定口座があって、他の特
る譲渡所得等の金額の計算明細書」
定口座と損益通算を行いたい場合
に代えて、確定申告書に添付して申
なお、次の場合は特定口座内では
告を行うことができます。特定口座
対応できないため、源泉徴収選択口
での売却損を上場株式等の配当所得
座を利用している場合でも確定申告
と通算したり、売却損益を他の口座
が必要となります。
巻末付録
・特定口座での年間取引の損益がマ
イナスとなり、翌年以降に損失の
繰越しを行う場合
・繰越された上場株式等の譲渡損失
を特定口座内の譲渡益等と通算す
る場合など
確定申告書
確定申告書にはAと
Bがあり、「申告書A」は申告す
る所得が「給与所得」「配当所得」
「一時所得」「雑所得」のみの人が
使用します。それ以外の人は「申
告書B」を使用することになりま
[2]配当に係る確定申告
上場株式等の配当(公募株式投資信託の
す。さらに、「申告書A」、「申告
書B」以外に、分離課税の所得が
収益分配金を含みます)については、申告
ある人の申告には「分離課税用」
不要制度を選択した場合には、源泉徴収
があります。さらに譲渡損失を繰
のみで確定申告の必要はありません。
越控除する人は確定申告書付表
ただし、総合課税を選択した場合や申
告分離課税を選択して、上場株式等の譲
( 上場株式等に係る譲渡損失の繰越
用)の添付が必要です。
渡損失との損益通算を行う場合、また未
公開株式等の配当を受け取った場合に
・株式等の譲渡所得等の金額は、税務
は、確定申告が必要です (ただし、所得
署に用意されている「株式等に係る
税については1回当たり10万円に配当の計算
譲渡所得等の金額の計算明細書」に
期間月数を乗じてこれを12で除した金額以下
譲渡金額や取得価額等を記入するこ
。
の配当を受け取った場合には、申告不要)
とにより計算できるようになってい
ます。
縒 一般口座での株式等の譲渡に
ついて確定申告をする場合
渡所得等の金額の計算明細書」で計
・株式等の譲渡所得等の申告をする場
算した株式等の譲渡所得等の金額を
合には、確定申告書の「申告書B」
を使用します。
・「確定申告書B」の「第1表」、「第
2表」および「第3表(分離課税用)」
納税者は、この「株式等に係る譲
確定申告書の必要欄に転記し、その
「株式等に係る譲渡所得等の金額の
計算明細書」を確定申告書に添付し
た上で提出することになります。
に記入して提出する必要があります。
141
巻末
巻末
付録
付録
蠢
■
確
定
申
告
︵
証
券
投
資
関
連
︶
Q&A
Q
株式投資信託の収益分配金と
確定申告
A
確定申告をする必要はありません
が、確定申告をすることにより分
私は専業主婦ですが、本年、公募株式
配金受取時に源泉徴収された税金が還付
投資信託の収益分配金(普通分配金)を
されます。(本事例では復興特別所得税は考
30万円受け取りました。これ以外に他の
慮しておりませんが、源泉徴収された復興特別
収入は一切ありません。分配金受取時に
所得税も同様に還付されます。
)
4.5万円の所得税が源泉徴収されていま
す。確定申告の必要はありますか?
(所得税の計算)
配当所得(分配金)
所得控除(基礎控除)
課税総所得金額
所得税額
巻末
巻末
付録
付録
源泉徴収税額
差引税額
Q
30万円
▲38万円
0万円
0万円
4.5万円
▲4.5万円
還付される所得税
※原則として住民税も同様の計算になります(基礎控除は33万円です)。
&
A
解説
① 公募株式投資信託の収益分配金は、受け取った金額の多寡にかかわらず、申告不要の特
例により確定申告は不要となります。
② ただし、確定申告をすることもできます。確定申告をした場合には、配当所得として原則
総合課税の方法(申告分離課税も選択可)により税金が計算されます。
③ 所得税の計算においては、誰でも38万円の所得控除(基礎控除)があります。
④ よって、確定申告を行うことにより、分配金受取時に源泉徴収された税金が精算されま
す。
⑤ 確定申告をした場合には「合計所得金額」に含まれますので、このケースでは38万円以
上の配当を申告すると夫の所得の金額の計算上配偶者控除等の所得控除等が適用できな
くなりますので注意が必要です。
142
巻末付録
蠡 非課税貯蓄制度
■
縡 財形(住宅・年金)貯蓄の非
課税制度
② 財形住宅貯蓄
一定要件を満たす財形住宅貯蓄につい
ては、所定の手続き(非課税貯蓄申告書の提
[1]財形貯蓄の非課税制度
出等)をすることを要件として、財形年
財形貯蓄は、勤労者財産形成促進法に
金貯蓄と併せて、1人当たり元利合計550
基づいた「勤労者財産形成貯蓄(一般財
万円までの利子等について非課税の適用
」、「勤労者財産形成住宅貯蓄(財
形貯蓄)
を受けることができます。この制度を利
形住宅貯蓄)
」、「勤労者財産形成年金貯蓄
用するためには、次の要件が必要です。
(財形年金貯蓄)」の3制度からなってい
ますが、税務上の取扱いは、その利子等
爬
非課税貯蓄の対象となる「勤労者
財産形成貯蓄契約」を締結すること
について非課税扱いを受けられるのは、
なお、契約は、複数の契約をする
財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄に限られ、
ことはできず、1人1契約 (1金融
一般財形貯蓄については適用されませ
機関)に限られます。
ん。
爰
非課税の対象となる貯蓄の種類
証券会社(公社債投資信託、一部の
① 一般財形貯蓄の利子等
株式投資信託(安定収益の確保を目的
一般財形貯蓄の利子、収益分配金等に
とし、安定運用を行うことが信託約款
ついては、一般の預貯金の利子や公社債
に記載されているもの)、国債等の商
投資信託の収益分配金と同様に、一律
品) のほか、銀行、信託会社、信用
〈注〉の源泉
20% (所得税15%、住民税5%)
金庫、労働金庫、郵便局等を相手方
分離課税が適用され、非課税措置はあり
とする預貯金、合同運用信託などが
ません。
あります。
〈注〉平成25年1月1日から平成49年12月31日
までの間は、別途、復興特別所得税が課税
されます。
爲
非課税の手続き
まず、財産形成非課税住宅貯蓄申
告書および財産形成非課税住宅貯蓄
申込書を提出します。これらの書類
143
巻末
巻末
付録
付録
蠡
■
非
課
税
貯
蓄
制
度
には、非課税の適用を受けようとす
る最高限度額を記載し、事業主へ提
出します。
この非課税限度額を超えた貯蓄に
ついては、以後の利子等は全額課税
扱いとされますが、貯蓄は継続でき
ます。
爻
目的外払出し等があった場合の取
戻し課税
財形住宅貯蓄について、目的外の
いる貯蓄をいいます。ただし、1人1契
約に限ります。
爬
金融機関等を預入先とする場合
E
契約時において55歳未満であっ
て、かつ、その事業主に「給与所
得者の扶養控除等申告書」を提出
していること
ロ
⃝
5年以上の期間継続して定期的
に積立てを行うものであること、
は、その払出し日から過去5年以内
また積立期間と年金支払期間の間
に支払われた利子および収益分配金
に5年以内の据置期間を設けるこ
については、20%(所得税15%、住民
とができること
税が行われます。
〈注〉平成25年1月1日から平成49年12月31日
までの間は、別途、復興特別所得税が課税
蠡
■
非
課
税
貯
蓄
制
度
適用にあたっては、次の要件を備えて
払出しや中途解約があった場合に
〈注〉の税率による源泉分離課
税5%)
巻末
巻末
付録
付録
ることができます。
されます。
F
年金の支払いは、契約者が60歳
に達した日以降の契約所定の期間
から5年以上20年以下の期間にわ
たって行われること
I
その契約に基づく預貯金やその
利子については、その支払いは、
③ 財形年金貯蓄
上記Fの年金のほか、その勤労者
一定要件を満たす財形年金貯蓄につい
が死亡した場合 (重度障害の状態
ては、所定の手続き(非課税貯蓄申告書の
となった場合を含みます)、および
提出等) をすることを要件として、財形
継続預入等で一定要件を満たす場
住宅貯蓄と併せて、1人当たり元利合計
合に限り、これら以外の払出し、
550万円まで (郵便貯金、生命保険・損害
譲渡または償還をしないこととさ
保険の保険料、生命共済の共済掛金、郵便年
れていること
金の掛け金等に係るものにあっては385万円)
の利子等について、非課税の適用を受け
144
_
金銭の払込みは、給与からの天
引きで行われるものとすること
巻末付録
生命保険会社等を預入先とする場
爰
蓄 (保険を除きます) は、以後の利
子等が全額課税扱いとなりますが、
合
ロ 、F、Iに相当す
上記爬のE、⃝
る要件( F の20年以下の要件はありま
せん)のほか、次の要件を満たすこと
E
契約に基づく保険金等の支払い
継続することはできます。
目的外払出し等があった場合の取
爻
戻し課税
財形年金貯蓄を目的以外に払い出し
は、上記爬Fによる年金のほかは、
た場合など要件違反に該当した事実が
年金支払開始日前にその人が死亡
あったときは、その事実が生じた日か
した場合に限り行われ、その場合
ら過去5年以内に支払われた利子、収
の額は一定額以下であること
益分配金および差益に相当する額につ
ロ
⃝
被保険者と、年金の受取人が同
一人であること
〈注〉
いて、20%(所得税15%、住民税5%)
による源泉分離課税が適用されます。
契約に基づく剰余金の分配、ま
〈注〉平成25年1月1日から平成49年12月31日
たは割戻金の割戻しは、利差益に
までの間は、別途、復興特別所得税が課税
F
係る部分に限り行われること
されます。
なお、財形年金貯蓄の利子等につ
いては、前記の契約要件を満たして
いれば、退職後であっても年金とし
て支払われる期間について非課税と
されます。
非課税の手続き
爲
「財産形成非課税年金貯蓄申告書」
を勤務先と金融機関等の店舗を経由
縒 障害者等の少額貯蓄非課税制
度(マル優制度)
従来の「老人等の少額貯蓄非課税制度」
は、平成14年度の税制改正により、平成
15年から3年間の経過措置を経て「障害
者等の少額貯蓄(少額公債)非課税制度」
に移行しました。
して納税地の所轄税務署に提出し、
預入れに際しては「財産形成非課税
《制度のあらまし》
年金貯蓄申込書」を勤務先を経由し
これらの非課税制度は、国内に住所を
て金融機関等の店舗宛に提出しなけ
有する個人で、次の人たち (以下「障害
ればなりません。
者等」といいます) を適用対象者とする
なお、非課税限度額を超過した貯
制度です。
145
巻末
巻末
付録
付録
蠡
■
非
課
税
貯
蓄
制
度
衢 身体障害者手帳の交付を受けてい
⃝
る人
衫 遺族基礎年金受給者である被保険
⃝
者の妻である人
袁 寡婦年金受給者 等
⃝
③ 制度を利用する際の手続き
証券会社等の受入機関で初めてこの制
度を利用する場合には、「非課税貯蓄申
告書」に必要事項を記入し、その支店を
経由し税務署に提出します。この場合、
一定の確認書類 (147ページ[障害者等の
[1]障害者等の少額預金の利子所得等
の非課税制度
① 制度の内容
範囲と確認書類]参照)を提示して「障害
者等に該当する旨」および「氏名・生年
月日・住所」を告知しなければなりません。
次の3種類の貯蓄を合計し、1人当た
その後、設定した非課税限度額内で債
り元本350万円までの利子・収益分配金
券等を購入する都度、証券会社の支店等
について非課税となります。
に「非課税貯蓄申込書」を提出し、かつ、
衢 一定の有価証券
⃝
前記と同様の確認書類の提示と告知が必
衫 預貯金 (郵便貯金および当座預金を
⃝
要です。
除きます)
巻末
巻末
付録
付録
蠡
■
非
課
税
貯
蓄
制
度
袁 合同運用信託
⃝
衾 特定公募公社債等運用投資信託
⃝
[2]障害者等の少額公債の利子の特別
非課税制度(特別マル優制度)
① 制度の内容
② 貯蓄の受入機関
この制度は、前記[1]障害者等の少
証券会社・銀行・信託銀行・信用金
額預金の利子所得等の非課税制度とは別
庫・信金中央金庫・労働金庫・労働金庫
枠で、国債および公募地方債の個人消化
連合会・信用協同組合・信用協同組合連
を促進するために設けられたものであ
合会・農林中央金庫・商工組合中央金
り、1人当たり元本350万円までの利子
庫・農業協同組合・農業協同組合連合
が非課税とされる制度です。
会・漁業協同組合・漁業協同組合連合
この非課税の対象となる公債は、本邦
会・水産加工業協同組合・水産加工業協
通貨で表示され、かつ、国内において発
同組合連合会等
行された国債および公募地方債に限られ
ます。
なお、公募地方債については、その地
146
巻末付録
方債の発行に際して、契約により証券会
貯蓄の限度額等を記入して、一般のマル
社がその募集の取扱いをするものをい
優制度の場合と同様に、一定の確認書類
い、それ以外の地方債は、特別マル優制
を提示し、確認を受けて、取扱いをする
度の対象とはされません。
証券会社等を経由して納税地の所轄税務
ただし、一般のマル優制度では、地方債
署長に提出し、初回は、この申告書と
であればすべて非課税の対象とされます。 「特別非課税貯蓄申込書」を同時に提出
することが必要です。
なお、購入した国債および公募地方債
② 制度を利用する際の手続き
最初にこの特別マル優制度を利用しよ
は、直ちに購入した証券会社あるいは支
うとする際には、「特別非課税貯蓄申告
払利子を受け取る証券会社または銀行等
書」に住所・氏名・生年月日、その証券
に保管を委託するか、登録しなければな
会社等の支店で利用しようとする非課税
りません。
蘆 障害者等の範囲と確認書類
対 象 者
障 害 者
その他の人
確 認 書 類
備 考
手帳・証書等
手帳・証書等に住所・氏名・生年月日の記載がある場合
手帳・証書等と住民票の写し
手帳・証書等に住所・氏名・生年月日の記載がない場合
証書等および妻(母)であることを
証する書類
証書等または妻(母)であることを証する書類に住所・氏名・生年月日の
記載がある場合
証書等および妻(母)であることを
証する書類ならびに住民票の写し等
証書等または妻(母)であることを証する書類に住所・氏名・生年月日の
記載がない場合
巻末
巻末
付録
付録
147
蠡
■
非
課
税
貯
蓄
制
度
蠱 金融派生商品と税金
■
[1]金融派生商品 (デリバティブ) の
基礎知識
代表的な金融派生商品としては、
[2]先物取引・オプション取引と税金
① 先物取引等の種類
現在、国内の取引所を介して行われて
① 先物取引
いる先物取引等で代表的なものは、次の
② オプション取引
とおりです。
③ スワップ取引
有価証券先物取引等(大阪取引所)
爬
E 有価証券先物取引 (債券先物取
等があります。
①の先物取引とは、将来の価格を予想
引)
国債先物
し、前もって決めておいた価格で取引す
るもので、その対象は貴金属や穀物等の
有価証券指数等先物取引
ロ
⃝
東証株価指数 (TOPIX) 先物、
商品価格から始まり、現在では、金利、
日経平均株価(日経225)先物
通貨、株式、債券等へと広がっています。
巻末
巻末
付録
付録
蠱
■
金
融
派
生
商
品
と
税
金
②のオプション取引とは、通貨や債券
F
有価証券オプション取引
TOPIXオプション取引、日経
等を一定価格で売買する権利の取引で、
日経平均株価オプションのように取引所
225オプション取引、個別株オプ
に上場している一般的な商品もあれば、
ション取引、債券先物オプション
相対で取引する店頭オプションもありま
取引
す。
爰
通貨、金利、金融指標等
③のスワップ取引とは、通貨、金利、
商品等を交換する取引で、現在では、債
金融先物取引(金融先物取引所)
爲
商品先物取引(商品取引所)
券や株式の指数を対象にしたインデック
金 (Gold)、銀、白金、ゴム、大
ス・スワップ、株価上昇率を交換条件に
豆、コーヒー豆等
組み入れたエクイティ・スワップが行わ
れ、さらに、スワップとオプションを組
み合わせたスワップションでも行われて
います。
148
巻末付録
② 有価証券先物取引 (債券先物取引)
と税金
爬
平成15年度税制改正において、平
成15年1月1日以後の商品先物取引
売買の対象
の差金等決済に係る事業所得または
国債先物等の証券先物取引は、株
雑所得については、20%(所得税15%、
式と同様に証券会社が顧客の注文を
〈注〉の税率で申告分離課
住民税5%)
受け、それを証券取引所に取り次い
税によることとなりました。
で執行します。
売買の対象となるのは「標準物」
さらに、平成16年1月1日以後は、
有価証券先物取引、有価証券指数等
と呼ばれる〈架空の国債〉です。債
先物取引、有価証券オプション取引
券先物取引では、現存する多数の国
の差金等決済に係る課税は、商品先
債の中の1つを先物として売買する
物取引と合体されて「先物取引に係
のではなく、架空の債券を1つの指
る雑所得等」となり、申告分離課税
標として取引の対象とします。
が適用されることとなりました。
この場合の決済は、反対売買によ
有価証券先物取引等で損失が生じ
る差金決済と、現物 (現存する国債
た場合には、雑所得 (または事業所
と「標準物」を一定比率で交換) によ
得)の損失として扱われます。なお、
る受渡決済があります。
先物取引の差金等決済に係る事業所
爰
売買損益の計算と課税方法
得、または雑所得の金額の計算上生
有価証券先物取引の売買損益は、
じた損失の金額があるときは、その
買建て (または売建て) したその建
年の翌年以後3年内の各年分の先物
玉ごとに個別に計算されます。
取引に係る雑所得等の金額から控除
売買損益の計算に際しては、委託
手数料は必要経費になりますが、他
の現物の有価証券との損益通算はで
きません。
先物取引では、買付けしたものを
することができる繰越控除制度が創
設されました。
〈注〉平成25年1月1日から平成49年12月31日
までの間は、別途、復興特別所得税が課税
されます。
転売したり、売付けしたものを買戻
しすることができ、その売買差額だ
けを差金決済することができます。
③ 有価証券指数先物取引と税金
有価証券指数先物取引とは、東証株価
149
巻末
巻末
付録
付録
蠱
■
金
融
派
生
商
品
と
税
金
指数(TOPIX)先物取引、日経平均株価
ことをいいます。
(日経225) 先物取引、東証業種別株価指
この場合、
数先物取引などのことですが、株価や株
・買い付ける権利=コール・オプシ
価指数は抽象的な数値であり、現物の有
ョン
価証券が存在しませんので、転売、買戻
・売り付ける権利=プット・オプシ
しや最終決済はすべて差金決済となりま
ョン
す。
・予め定められた価格=権利行使価格
この取引における売買益の扱い、損
・予め定められた期日=満期日とな
益の計算や課税方法および損益通算に
ついては、前記「②有価証券先物取引
(債券先物取引) と税金」の扱いと同じ
です。
ります。
爰
有価証券オプション取引と税金
有価証券オプション取引による利
益は、その個人がオプション取引を
営業として行っていると認定される
④ 有価証券オプション取引と税金
して扱われますので、一般投資家の
爬 オプション取引
オプションとは、「予め定められ
巻末
巻末
付録
付録
蠱
■
金
融
派
生
商
品
と
税
金
場合 (事業所得) 以外は、雑所得と
場合は、大部分が雑所得です。
た期日 (満期日) までに、予め定め
有価証券オプション取引による損
られた価格 (権利行使価格) で、も
益は、株式等の現物取引によって生
ととなる商品 (基礎商品=株価指数、
じた損益と通算することはできず、
通貨、債券等) を売買する権利」の
「先物取引に係る雑所得等」のなか
蘆オプション取引の仕組み
コール・
オプション
取
引
買 い 方 ……
[買い付ける権利]を取得し、その対価(プレミアム)
を売り方に支払う。
売 り 方 ……
プレミアムを受け取る代わりに、買い方の請求(権利
行使)があれば、基礎商品を権利行使価格で売り渡さ
なければならない。
買 い 方 ……
[売り付ける権利]を取得し、その対価(プレミアム)
を売り方に支払う。
売 り 方 ……
プレミアムを受け取る代わりに、買い方の請求(権利
行使)があれば、基礎商品を権利行使価格で買い向か
わなければならない。
オプション
取
引
プット・
オプション
取
引
150
巻末付録
でのみ通算されます。
商品取引所に上場されているカバード
有価証券オプション取引における
ワラントをいいます。)に表示される
課税方法は、前記の「②有価証券先
権利の行使若しくは放棄又は上場カ
物取引(債券先物取引)と税金」(149
バードワラントの一定の譲渡も「先
ページ参照)と同じ扱いです。
物取引に係る雑所得等」として申告
ちなみに、株券(個別株)オプショ
分離課税の対象とされます。また、
ン取引の損益についての所得税法上
上場FX (=外国為替保証金取引) は
の取扱いの概要は下表のとおりです。
既に「先物取引等に係る雑所得等」
Ⅲ[2]
なお、金融先物取引(巻末付録■
として申告分離課税の対象とされて
①148ページ参照)も平成17年7月以
いますが、平成24年1月1日以後に
後は「先物取引に係る雑所得等」と
行う店頭FX等の利益についても
して申告分離課税の対象とされまし
「先物取引に係る雑所得等」として
た。さらに、平成22年1月1日以後
申告分離課税の対象となっています。
に行う上場カバードワラント(金融
蘆 株券オプション取引の損益についての所得税の取扱い
区 分
当初買付け時・売付け時
反対売買〈注3〉
買い方
非課税
コール・
オプション
売り方
買い方
プット・
オプション
売り方
権利行使時
課税関係は発生しな
い(オプション料は
損益として認識され
ない)
〈注1〉
申告分離課税
〈注2〉
権利放棄
支払オプション料
は、申告分離課税
における損失とし
て取り扱われる
株式の譲渡益として
課税(受取オプショ
ン料は株式の譲渡益
に加算する)
受取オプション料
は雑所得等として
申告分離課税の対
象となる
株式の譲渡益として
課税(支払オプショ
ン料は、株式の譲渡
益から控除する)
支払オプション料
は、申告分離課税
における損失とし
て取り扱われる
非課税〈注2〉
受取オプション料
は雑所得等として
申告分離課税の対
象となる
〈注〉
1.当初買付け時の支払いオプション料は所得から控除し、当初売付け時の受取オプション料は所得に加算
します。株式等の譲渡所得等との通算はできません。損失は有価証券先物取引や商品先物取引の雑所得
内でのみ控除できます。
2.権利行使により取得した株式を譲渡した場合は、株式の譲渡益として課税されます。その際、支払オプ
ション料は、株式の取得費として取り扱われます。
3.反対売買時には先物取引に関する調書が提出されます。
151
巻末
巻末
付録
付録
蠱
■
金
融
派
生
商
品
と
税
金
蠶 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得
■
及び譲渡所得等の非課税措置(いわゆるNISA)
[1]非課税措置の概要
巻末
巻末
付録
付録
蠶
■
譲非
渡課
所税
得口
等座
の内
非の
課少
税額
措上
場
置
︵
い株
わ式
ゆ等
るに
N係
I
Sる
A配
︶当
所
得
及
び
業所に開設した非課税口座に非課税管
非課税口座内の少額上場株式等に係る
理勘定を設けた日から同日の属する年
配当所得及び譲渡所得等の非課税措置
の1月1日以後5年を経過する日まで
(いわゆるNISA) は、金融商品取引業者
の間に支払を受けるべき非課税管理勘
等で非課税口座を開設し、その非課税口
定に係る非課税口座内上場株式等の配
座内において受け入れた上場株式や株式
当等については、所得税を課さないこ
投資信託などに係る配当等や譲渡益を非
ととされています。
課税とする制度です。非課税口座に受け
② 譲渡益の非課税
入れることができる株式等は年間100万
居住者等が、金融商品取引業者等の
円まで、非課税期間は非課税口座に設け
営業所に開設した非課税口座に係る非
られた非課税管理勘定〈注〉ごとに最長5年
課税管理勘定を設けた日から同日の属
間です (平成26年から平成35年までの10年
する年の1月1日以後5年を経過する
間、毎年非課税管理勘定を設定することがで
日までの間に、非課税口座内上場株式
。
きます。
)
等のうちその非課税管理勘定に係るも
NISAによる非課税の対象となる配当
のを非課税上場株式等管理契約に基づ
等は、非課税口座を開設する金融商品取
いて譲渡をした場合には、その譲渡に
引業者等 (支払の取扱者) を経由して交
よる所得については、所得税を課さな
付される配当等に限られていますので、
いこととされています。
上場株式等の発行会社から直接投資家に
一方、その譲渡により譲渡損失が生
交付される配当等は対象外となります。
じた場合には、その譲渡損失はなかっ
〈注〉非課税管理勘定とは、金融商品取引業者
等において、他の課税対象となる口座と区
別するために非課税口座内において各年に
設けられる勘定をいいます。
① 配当等の非課税
居住者等が金融商品取引業者等の営
152
たものとされます。
したがって、この譲渡損失の金額に
ついては、「上場株式等に係る譲渡損
失の損益通算及び繰越控除」の適用を
受けることができません。
巻末付録
NISAの概要
非
課
税
対
象
非課税口座内の少額上場株式等の配当等、譲渡益
開 設 者 ( 対 象 者 ) 口座開設の年の1月1日において満20歳以上の居住者等
口 座 開 設 可 能 期 間
非課税管理勘定設定数
平成26年1月1日から平成35年12月31日までの10年間
各年分1非課税管理勘定(勘定設定期間につき1金融商品取引業者等に限り
ます。なお、平成27年以後は各年に異なる金融商品取引業者等に設定可能)
1非課税管理勘定における投資額(①新規投資額及び②継続適用する上
非
保
課
税
投
有
期
資
額
場株式等の時価の合計額)は100万円を上限
※未使用枠は翌年以後繰越不可
間
最長5年間、途中売却可(ただし、売却部分の枠は再利用不可)
非 課 税 投 資 総 額
最大500万円(100万円×5年間)
非課税期間5年間
投資開始年
平成
26年
27年
28年
29年
30年
26年 27年 28年 29年 30年 31年 32年 33年 34年 35年 36年 37年 38年 39年
100万
投資
100万
投資
100万
100万
投資
100万
100万
投資
100万
100万
投資
33年
34年
35年
5年後、時価で、課税口座(特
定口座又は一般口座)
に移すか、
翌年のNISA口座(100万円)
を活用して非課税保有を続け
ることができます。
ある年における「非課税投資
総額」は、
最大500万円
(年間100万円×5年)
蠶
■
譲非
渡課
所税
得口
等座
の内
非の
課少
税額
措上
場
置
︵
い株
わ式
ゆ等
るに
N係
I
Sる
A配
︶当
所
得
及
び
100万
100万
投資
31年
32年
巻末
巻末
付録
付録
100万
100万
100万
投資
100万
100万
投資
100万
100万
投資
100万
100万
投資
100万
口座開設可能期間は、平成26年から平成35年までの10年間
153
(参考)上場株式の配当金等の受取方法と非課税口座での課税関係
上場株式の配当金等の受取りは、次の3つの方法から選択することができます。
① ゆうちょ銀行等及び郵便局で受け取る(配当金領収証方式)。
② 指定の銀行口座で受け取る(登録配当金受領口座方式、個別銘柄指定方式〈注1〉)。
③ 証券会社の取引口座で受け取る(株式数比例配分方式〈注2〉)。
ただし、非課税口座で購入した上場株式の配当金等について、①のゆうちょ銀行等・郵便局、
②の指定の銀行口座で受け取る場合には、非課税とはならず、20%の税率で源泉徴収〈注3〉されます。
なお、上記①又は②により配当金等を受領した場合は、確定申告の必要はありませんが、確定
申告を行うことにより、総合課税を選択して配当控除の適用を受けることができ、又は申告分離
課税を選択して特定口座や一般口座で保有する上場株式等の譲渡損失との損益通算や繰越控除を
することができます。
また、①から③のいずれの場合であっても、非課税口座で買付けた上場株式等の売買益は非課
税となります。
受取方式
受取方法
①配当金領収証方式
ゆうちょ銀行等
及び郵便局
②登録配当金受領口座方式
巻末
巻末
付録
付録
指定の銀行口座
③個別銘柄指定方式
④株式数比例配分方式
蠶
■
譲非
渡課
所税
得口
等座
の内
非の
課少
税額
措上
場
置
︵
い株
わ式
ゆ等
るに
N係
I
Sる
A配
︶当
所
得
及
び
証券会社の取引口座
NISA口座
の配当金等
NISA口座
の譲渡益
20%課税
非課税
20%課税
非課税
20%課税
非課税
非課税
非課税
〈注〉1.
「登録配当金受領口座方式」は、株主等が所有する全ての銘柄の配当金を1つの銀行口座
で受け取る方法で、「個別銘柄指定方式」は、株主等が所有する銘柄ごとに銀行口座を指定
して配当金を受け取る方法です。
2.
「株式数比例配分方式」は、上場株式の配当金等を証券会社の取引口座で受け取る方式です。
「株式数比例配分方式」を選択すると、非課税口座以外の特定口座や一般口座で購入・保有
されるすべての上場株式の配当金等についても、自動的にこの「株式数比例配分方式」で
受け取ることになります。
3.税率は復興特別所得税を含めると20.315%となります。
154
巻末付録
〈注〉1.「非課税口座内上場株式等」とは、非課
税上場株式等管理契約に基づき、非課税
口座に係る振替口座簿への記載若しくは
記録又は保管の委託がされている上場株
式等をいいます。
2.上記②でいう「譲渡」の範囲は、上場
株式等の一般的な譲渡のほかに、上場株
[3]非課税口座を開設することができ
る者
非課税口座を開設することができる者
は、非課税口座を開設しようとする年の
1月1日において、年齢20歳以上の居住
者等とされています。
式等につき会社の合併・分割型分割、資
本の払戻し、残余財産の分配、出資の消
却・払戻し、法人からの退社・脱退によ
る持分の払戻し、法人の組織変更などの
[4]非課税口座の開設方法
① 非課税適用確認書の交付申請
事由が生じたことにより、その上場株式
非課税口座を開設するために提出す
等の譲渡の対価とみなされる金額が生ず
る非課税口座開設届出書には、非課税
る場合におけるこれらの事由による、そ
適用確認書の添付が必要とされていま
の上場株式等の譲渡の対価の額とみなさ
す。したがって、非課税口座を開設す
れる金額に対応する部分の権利の移転又
るためには、まず、非課税適用確認書
は消滅も含まれます。一方、いわゆる有
価証券先物取引により行う譲渡は対象と
なりません。
[2]非課税口座
の交付を受ける必要があります。
非課税適用確認書の交付を受けよう
とする居住者等は、交付申請書に基準
日〈注1〉における国内の住所を証する書
非課税口座とは、居住者等が本特例の
類〈注2〉を添付して、勘定設定期間の開
適用を受けるため、非課税口座開設届出
始の日の属する年の前年10月1日から
書にその勘定設定期間に係る非課税適用
勘定設定期間の終了の日の属する年の
確認書等を添付した上、これを金融商品
9月30日までの間に、これを金融商品
取引業者等に提出して、その金融商品取
取引業者等に提出します。その際、一
引業者等との間で締結した非課税上場株
定の本人確認書類を提示して氏名、生
式等管理契約に基づき、平成26年から平
年月日及び住所を告知し、その告知し
成35年までの間に設定された上場株式等
た事項について確認を受けなければな
の振替口座簿への記載若しくは記録又は
らないこととされています。
保管の委託に係る口座をいいます。
〈注〉1.平成26年1月1日から平成29年12月31
日の間に非課税口座を開設する場合の基
155
巻末
巻末
付録
付録
蠶
■
譲非
渡課
所税
得口
等座
の内
非の
課少
税額
措上
場
置
︵
い株
わ式
ゆ等
るに
N係
I
Sる
A配
︶当
所
得
及
び
準日は、原則として、平成25年1月1日
となります。
2.「基準日における国内の住所を証する書
類」とは、基準日における国内の住所の
④ 非課税口座の開設申請
非課税口座を開設しようとする居住
者等は、非課税口座開設届出書に、そ
所在地を管轄する市区町村長から交付を
の口座開設年の属する勘定設定期間の
受けたもので、金融商品取引業者等に提
非課税適用確認書等を添付して、その
出する日前6か月以内に作成された次に
口座開設年の前年10月1日からその口
掲げる書類をいいます。
座開設年において最初に上場株式等を
①住民票の写し、②住民票の除票の写
し、③住民票の記載事項証明書、④戸籍
の附票の写し、
⑤戸籍の附票の除票の写し
受け入れる日までに、非課税口座を開
設しようとする金融商品取引業者等に
提出しなければならないこととされて
います。なお、非課税口座開設届出書
巻末
巻末
付録
付録
蠶
■
譲非
渡課
所税
得口
等座
の内
非の
課少
税額
措上
場
置
︵
い株
わ式
ゆ等
るに
N係
I
Sる
A配
︶当
所
得
及
び
② 所轄税務署長への申請事項の提供
は、非課税適用確認書を添付して提出
交付申請書の提出を受けた金融商品
することが原則ですが、「非課税適用
取引業者等は、その提出を受けた後速
確認書の交付申請書」と「非課税口座
やかに、その交付申請書に記載された
開設届出書」を別々に提出することは、
事項 (申請事項) をその金融商品取引
申請者が2回の手続きを行うことにな
業者等の営業所の所在地の所轄税務署
り煩雑ですので、通常は、金融商品取
長に提供しなければならないこととさ
引業者等において、これらの書類を一
れています。
つの様式(兼用様式)にしています。
③ 非課税適用確認書の交付等
[5]勘定設定期間及び基準日
申請事項の提出を受けた所轄税務署
勘定設定期間とは、非課税口座内に新
長は、その申請者について、重複して
たに非課税管理勘定を設けることができ
申請が行われていないかどうかの確認
る期間のことをいい、基準日とは、具体
を行うこととされています。そのうえ
的には、次の表のとおりとされています。
で、金融商品取引業者等を通じて一定
非課税口座を開設している居住者等
の書類を申請者に交付することとされ
は、一定の手続の下で、その非課税口座
ています。
に設けられた非課税管理勘定の年分の属
する勘定設定期間と同一の勘定設定期間
156
巻末付録
内において、非課税管理勘定を設定する
上場株式等を受け入れている場合、その
金融商品取引業者等を変更することがで
非課税管理勘定については、金融商品取
きます。ただし、非課税管理勘定に既に
引業者等の変更はできません。
勘定設定期間
基準日
①平成26年1月1日から平成29年12月31日まで(4年間)
平成25年1月1日
②平成30年1月1日から平成33年12月31日まで(4年間)
平成29年1月1日
③平成34年1月1日から平成35年12月31日まで(2年間)
平成33年1月1日
勘
︵定
4
年設
間定
︶期
間
平成26年
34年 ・・・
〈変更例〉
…………………………………A 金融商品取引業者等
平成27年
…………………………B 金融商品取引業者等
平成28年
…………………C 金融商品取引業者等
平成29年
…………D 金融商品取引業者等
勘
︵定
4
年設
間定
︶期
間
平成30年
・
・
・
・
・
・
平成26年 27年
28年
29年
30年 31年
・
・
・
・
32年
33年
非課税期間 最長5年
巻末
巻末
付録
付録
《金融商品取引業者等の変更に係る手続》
融商品取引業者等に対し、非課税口
非課税口座を開設している金融商
座を開設しようとする年 (口座開設
品取引業者等に対し、その非課税口
年)の前年10月1日から上場株式等
座に非課税管理勘定が設けられる日
をその非課税口座に受け入れる日又
の属する年 (勘定設定年) の前年10
はその口座開設年の9月30日のいず
月1日からその勘定設定年の9月30
れか早い日までに、「非課税管理勘
日までの間に、「金融商品取引業者
定廃止通知書」を添付した「非課税
等変更届出書」を提出し、その金融
口座開設届出書」を提出〈注〉します。
①
商品取引業者等から「非課税管理勘
定廃止通知書」の交付を受けます。
②
非課税口座を開設しようとする金
〈注〉提出しようとする金融商品取引業者等に
既に非課税口座を開設している場合には、
「非課税管理勘定廃止通知書」のみを提出
します。
157
蠶
■
譲非
渡課
所税
得口
等座
の内
非の
課少
税額
措上
場
置
︵
い株
わ式
ゆ等
るに
N係
I
Sる
A配
︶当
所
得
及
び
[6]非課税口座年間取引報告書
巻末
巻末
付録
付録
蠶
■
譲非
渡課
所税
得口
等座
の内
非の
課少
税額
措上
場
置
︵
い株
わ式
ゆ等
るに
N係
I
Sる
A配
︶当
所
得
及
び
所得税に関する法令の規定が適用されま
金融商品取引業者等は、その年におい
す。
てその金融商品取引業者等の営業所に開
①
非課税口座から他の保管口座への
設されていた非課税口座がある場合に
移管、非課税口座内上場株式等に係
は、その非課税口座を開設した居住者等
る有価証券のその居住者等への返還
の各人別に、その非課税口座を開設した
又は非課税口座の廃止
居住者等の氏名及び住所、その年中にそ
② 贈与又は相続若しくは遺贈
の非課税口座において処理された上場株
③
非課税上場株式等管理契約におい
式等の譲渡の対価の額、その非課税口座
て定められた方法に従って行われる
に係る非課税口座内上場株式等の配当等
譲渡以外の譲渡
の額その他所定の事項を記載した非課税
このみなし譲渡によって、払出し時の
口座年間取引報告書を非課税口座ごとに
金額(価額)で非課税上場株式等管理契
作成し、その年の翌年1月31日までに、
約に基づく譲渡があったものとみなされ
その金融商品取引業者等の営業所の所在
ますので、払出し時の金額(価額)まで
地の所轄税務署長に提出しなければなら
の金額に対応する損益(取得価額との差
ないこととされています。
額)は非課税又はないものとされます。
〈注〉
[7]非課税口座から非課税口座内上場
株式等の払出しがあった場合の取
扱い
次に掲げる事由により、非課税口座か
上記①の事由による非課税口座内上場株式
等の払出しがあった非課税口座を開設してい
る(又は開設していた)居住者等については、
これらの事由による払出しがあった時に、そ
の払出し時の金額をもってそれぞれの事由に
よる払出しがあった非課税口座内上場株式等
らの非課税口座内上場株式等の一部又は
の数に相当する数の、その非課税口座内上場
全部の払出し(振替によるものを含みま
株式等と同一銘柄の上場株式等を取得したも
す。)があった場合には、その払出しが
のとみなされます。
あった非課税口座内上場株式等について
は、その払出し事由が生じた時に、その
[8]非課税期間終了後の取扱い
払出し時の金額(価額)により非課税上
非課税口座で上場株式等を保有したま
場株式等管理契約に基づく譲渡があった
ま非課税期間が終了した場合には、移管
ものとみなして、この非課税措置その他
依頼書を金融商品取引業者等へ提出する
158
巻末付録
など一定の手続の下で、①引き続き、非
課税口座で翌年の非課税枠100万円を利
用し、そのまま保有し続けるか、②特定
口座や一般口座などの課税口座に移管す
ることができます。
[9]非課税口座の廃止及び再開設
非課税口座を廃止した場合であって
も、一定の手続の下で、同一の勘定設定
期間内において非課税口座の再開設をす
ることができることとされています。た
だし、廃止した年分の非課税管理勘定に
既に上場株式等を受け入れている場合、
その廃止した年分については、非課税口
座の再開設をすることはできません。
平成26年 27年
勘
︵定
4
年設
間定
︶期
間
勘
︵定
4
年設
間定
︶期
間
28年
29年
30年
31年
32年
33年
巻末
巻末
付録
付録
34年 ・・・
平成26年
〈再開設例〉
…………………………………A 金融商品取引業者等
平成27年
…………………………A 金融商品取引業者等
口座廃止
平成27年
…………………………B 金融商品取引業者等
再開設
平成28年
…………………B 金融商品取引業者等
平成29年
…………B 金融商品取引業者等
平成30年
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
非課税期間 最長5年
〈注〉 廃止した年分の非課税管理勘定に既に上場株式等を受け入れている場合、
その廃止した年分につい
ては、
非課税口座の再開設をすることはできません。
159
蠢
■
確
定
申
告
︵
証
券
投
資
関
連
︶