CME日経225先物オプション CMEグループ金融調査/商品開発 エグゼクティブ・ディレクター JOHN NYHOFF [email protected] CMEの日経平均株価先物(日経225先物)の出来高は、円建およ 控えめに言っても、日本の株式市場はアベノミクスに対して極め びドル建てどちらも2013年から2014年始めにかけて大きく増加し て好意的に反応した。 日本の主要株価指数である日経225は、 た。 日次出来高の月平均での増加は、日本の経済成長見通しに関 2012年12月28日から2013年5月22日の大引けまでの間に、50% し、2013年は不透明さは高いながらもより楽観的観測が強まった 超値上がりした。その後日経225は、2013年5月終わりから2013年 ことによる。最近就任した日本の安倍晋三首相の指導の下に実施さ 6月中旬にかけて20%超値下がりし、その後実質的に大きく回復し れている総合経済政策である「アベノミクス」は、2013年から た。 2013年全体を通じて、日経225指数は2012年12月28日の 2014年の日本の現物株式市場および日本株のデリバティブ市場の 10,395.18から、2013年12月20日までの期間、56.70%を若干 活況との触媒役としてしばしば引用される。 上回る値上がとなった。 この日経225指数の値動きを、以下の 市場参加者に対して、リスク管理の代替策をさらに提供すべ く、CMEグループでは、日経225円建先物の四半期オプション チャート2に示す。 日経平均株価の推移 およびシリアル・オプションを、2014年4月14日を取引日とし て、2014年4月13日の午後5時より導入する予定である。 取引所上場のデリバティブ市場は、日本経済の見通しが明るくな ってきたことで大きな恩恵を受けてきた。 2013年のCMEの日経 225円建先物の日次平均出来高(ADV)は46,770枚と、2012年の ADVに比べおよそ106%増加した。 CMEの日経225ドル建先物の ADVは、178%超増加して18,575枚となった。 CMEの日経225先 物の月次出来高の増加パターンを、以下のチャート1に示す。 CME日経225先物 日次平均出来高の推移 最近の日本の株式市場のボラティリティ上昇を見るもう一つの方 法が、日経225指数の20日間の実現ボラティリティまたはヒストリ カル・ボラティリティ(20日間HV)を通じた方法である。 2012 年後半には、日経225の20日間HVは12%から16%の幅で停滞して いた。 2013年始めの日本株式の大幅な値上がりにより、20日間 HVは20%から30%の幅に拡大した。 ヒストリカル・ボラティリテ ィは、2013年の5月終わりから6月始めにかけて日経225が大きく 値下がりするにつれ拡大し、ピーク時には52%近くとなり、その後 20%の水準に向けて再び低下した。 その後2014年初めの日経225 指数の価格ボラティリティの影響を受けて、20日間HVは再び30% の水準に押し戻された。 20日間HVの動きを、以下の日経225指数 ヒストリカル・ボラティリティのチャート3に示す。 1 | CME日経225株価平均先物オプション | ©CME GROUP 日経225指数のヒストリカル・ボラティリティ(20日間) ダイナミック・ポートフォリオの再加重プログラム。 CMEは、2014年4月14日を取引日とする日経平均株価円建先物 オプションを、2014年4月13日の午後5時よりCME Globexに導 入する予定である。アメリカン・スタイルの日経円建先物オプ ションは、四半期サイクル(3月、6月、9月、12月)の連続す る2限月で、またヨーロピアン・スタイルのオプションは、2つ の連続する限月(1月、2月、4月、5月、7月、8月、10月、11 月)で上場される予定である。 日経225先物取引が大いに活況になったのは、日本の株式市場 の回復と実現ボラティリティの増加と一致している。 2013年の CMEの日経225円建先物の出来高は100%近く増加して、1日あた り47,000枚となったが、その一方で大阪証券取引所での日経225先 物の出来高は、同時期77%超の増加となった。 この日経225先物の堅固な出来高の増加傾向が、CMEが導入 し、CMEで清算を行うことができる日経225先物オプションの 需要を作り出した。 日本の株式市場参加者は、株式市場の価格 シフトに対するエクスポージャーを得る代替方法を求め続けて きた。 CMEによる日経225先物オプションの導入は、トレーダー に対して、先物取引だけでは達成できない市場エクスポージャ ーを確立できる、強化された一連のツールを提供するものであ る。 先物オプション戦略がもつ可能性としては、以下のようなも のが挙げられるが、これに限定されるものではない。ロング・ ポジションへのエクスポージャーおよび(または)デビッド・ バーティカル・スプレッドのエクスポージャーに関連した、リ スク価格が限定されたディレクショナル・ポジション、従来の ストラドルまたはストラングル・ポジションを通じたロングま たはショートのボラティリティ取引ポジション、カバード・オプ アメリカン・スタイルで権利行使されるオプション限月は、 権利行使するとその原資産であるCMEの日経円建先物限月の ポジションとなる。 アメリカン・スタイルのオプションは、 オプション購入後オプション買い手がいつでも権利行使可能で ある。 イン・ザ・マネーの状態にあるヨーロピアン・スタイルのシリア ル限月オプションは、シリアル・オプションの満期日における日本 の現物株式市場の最後の30秒間の取引での、大阪証券取引所のミ ニ日経先物での取引活動により決定される出来高加重平均価格 (VWAP)の固定価格を基に、自動的にCMEの日経円建先物に権利 行使される。 アット・ザ・マネーおよびアウト・オブ・ザ・マネー にあるヨーロピアンスタイルのオプションは放棄され、価値ゼロで 満期を迎える。 CMEの日経平均株価円建先物のヨーロピアン・ス タイルのシリアル・オプションについては、逆張り指示は認められ ない。 四半期サイクルのCMEの日経平均株価円建先物は、満期日の第2 金曜日の日経225指数の最終清算数値 SOQ(Special Opening Quotation)で決済される。 CMEの日経平均円建先物のイン・ザ・マネーにあるオプション は、満期日に、原証券となる先物商品に自動的に権利行使され、 その後日経225株価平均のSOQで値洗いされる。 ション作成プログラムを通じた収益強化ポジション、バタフライ、 コンドルまたはホリゾンタル・スプレッドを通じたタイムバリュー 獲得に関連したポジション、並びにストラングル作成戦略を通じた 次ページに、CMEの日経平均株価円建先物オプションの取引 要綱を掲載する。 さらに詳しい情報は、 cmegroup.com/nikkei225 をご覧いただくか [email protected] まで、お問い合わせください。 2 | CME日経225株価平均先物オプション | ©CME GROUP CME グループの日経225株価平均円建先物 取引要綱 取引開始日 2014年4月14日 取引単位 CME日経225円建先物取引1枚 オプションのティッカー・ シンボル 四半期オプション:NKW 取引形態 Globexのみ ティック・サイズ アウトライト取引:1指数ポイント(=500円) 行使価格の刻み 50ポイント の権利行使価格の刻み:アット・ザ・マネーにある権利行使価格から+40% 取引時間 月曜~金曜:午後5時00分(前日)から4時15分(全ての時間は米国中部標準時(CT)で表示) 限月 3月を開始月とする四半期サイクル(例:3月、6月、9月、12月サイクル)での2限月、連続した2限 シリアル・オプション:NKY 月 (1月、2月、4月、5月、7月、8月、10月、11月) 満期日時 四半期オプション:四半期取引満期月の第2金曜日に先立つ木曜日の午後4時15分(米国中部標準時) シリアル・オプション:限月の第2金曜日の日本の大阪における午後3時00分 権利行使手順 四半期オプション:アメリカン・スタイル シリアル・オプション:ヨーロピアン・スタイル 毎日の清算時間 午後3時15分(米国中部標準時) 満期時の決済: 四半期オプション:オプションの権利行使の結果、原証券の差金決済先物取引のポジションが作ら れる(例えば、3月に満期となる日経225円建先物オプションの原証券先物取引は、同先物の3月限 となる)。 取引最終日にイン・ザ・マネーであるオプションは、自動的に権利行使される。イン・ ザ・マネーである四半期オプションは、満期を迎える既存の差金決済先物に権利行使され、この先 物は最終清算数値 SOQ(Special Opening Quotation)で決済される。 シリアル・オプション:オプションの権利行使の結果、原証券の差金決済先物取引のポジションが 作られる(例えば、1月または2月に満期を迎える日経225円建先物オプション取引の原証券先物 取引は、3月限の先物となる)。取引最終日にイン・ザ・マネーであるオプションは、自動的に権利 行使される。 シリアル・オプション満期日の取引時間の最後の30秒(大阪時間の2時59分30秒から 午後3時)に取引された大証のミニ日経225先物の出来高加重平均価格を基に、大阪時間午後3時に 価格を決定し、その価格を使ってどのオプションがイン・ザ・マネーとなるかを決定する。シリア ル・オプションの場合は、イン・ザ・マネーの権利放棄など逆張り指示は認められない。 1日の値幅制限 オプション取引は、値幅制限による取引休止中は認められない。 ブロック取引への対応 対応可 ブロック取引の最低規模 50枚 持高制限 既存の日経(円建)先物およびEミニ日経(円建)先物と共に適用される。 該当する取引所規則と章 352C 3 | CME日経225株価平均先物オプション | ©CME GROUP 先物取引とスワップ取引は、あらゆる投資家に適しているわけではありません。損失のリスクがあります。先物とスワップはレバレッジ投資であり、取引に求められ る資金は総代金のごく一部にすぎません。そのため、先物やスワップの建玉に差し入れた当初証拠金を超える損失を被る可能性があります。生活に支障をきたすことの ない、損失を許容できる資金で運用すべきです。また、一度の取引に全額を投じるようなことは避けてください。すべての取引が利益になることは期待できません。 本資料に掲載された情報およびすべての資料を、金融商品の売買を提案・勧誘するためのもの、金融に関する助言をするためのもの、取引プラットフォームを構築す るためのもの、預託を(容易に)受けるためのもの、またはあらゆる裁判管轄であらゆる種類の金融商品もしくは金融サービスを提供するためのものと受け取らないよ うにしてください。本資料に掲載されている情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。助言を意図したものではなく、また助言と解釈しないでください。掲載 された情報は、特定個人の目的、資産状況もしくは欲求を考慮したものではありません。本資料に基づいて行動を起こす前に、専門家の適切な助言を受けるようにして ください。 本資料にある規則・要綱等に関するすべての記述は、CME、CBOT および NYMEX の公式規則に準拠するものであり、それらの規則が優先されます。取引要綱に関す る事項はすべて、現行規則を参照するようにしてください。 本資料に掲載された情報は「当時」のものであり、明示のあるなしにかかわらず、いかなる保証もありません。本資料には、CME Group もしくはその役員、従業員、 代理人が考案、認証、検証していない情報が含まれていたり、リンクしていたりする場合があります。CME Group では、そのような情報について一切の責任を負わず、 またその正確性や完全性についても責任を負いません。CME Group は、その情報もしくはリンク先の提供するものが第三者の権利を侵害していないと保証しているわけ ではありません。本資料に外部サイトへのリンクが掲載されていても、CME Group は、いかなる第三者も、あるいはそれらが提供するサービスおよび商品を推薦、推奨、 承認、保証、紹介しているわけではありません。 CME Group は、CME Group, Inc.の商標です。地球儀ロゴ、CME、Chicago Mercantile Exchange、E-mini、E-micro および Globex は、Chicago Mercantile Exchange Inc.の商標です。CBOT および Chicago Board of Trade は、Board of Trade of the City of Chicago, Inc.の商標です。ClearPort および NYMEX は、New York Mercantile Exchange, Inc.の商標です。Dow Jones は、Dow Jones Company, Inc.の商標です。その他すべての商標が、各所有者の資産となります。 Chicago Mercantile Exchange Inc.、New York Mercantile Exchange, Inc.および Board of Trade of the City of Chicago, Inc.は、それぞれシンガポールで認定 市場運営者(RMO)として登録されています。RMO の3社および CME Group Singapore Operations Pte Ltd は、CME Group Inc.の完全子会社です。 上記に加え、ここに掲載された情報は、金融商品取引法(法令番号:昭和二十三年法律第二十五号)に規定された外国金融商品市場、もしくは外国金融商品市場での 取引に向けられた清算サービスに、直接アクセスするためのものではないという認識で提供しています。 Copyright © 2014 CME Group. 無断転用・複製禁止 CME GROUP 本社 CME GROUP グローバル拠点 20 South Wacker Drive Chicago, Illinois 60606 cmegroup.com シカゴ ニューヨーク ロンドン シンガポール カルガリー 香港 ヒューストン サンパウロ ソウル 東京 ワシントン D.C. +1 312 930 1000 +65 6593 5555 +1 713 658 9292 (03) 3242 6232 +1 212 299 2000 +1 403 444 6876 +55 11 2565 5999 +1 202 638 3838 +44 20 3379 3700 +852 3180 9387 +82 2 6336 6722
© Copyright 2024 ExpyDoc