別添 – 1 FS 調査の TOR 案 1. 業務の概要 1.1 背景 パプアニューギニア国(以下「パ」国)は、太平洋の南西に位置するニューギニア島とおよそ 600 の島からなる島国であり、地形が急峻なせいもあり道路交通網にミッシングリンクと呼ばれ る未開通区間が多く陸上交通が極めて非効率である。このような状況下において、航空は都市間 を結び人や物資を運ぶ交通手段として、その役割は重要であり、 「パ」国の経済発展及び社会サ ービスの普及強化には空港の整備が急務である。 今般、LNG 等の資源の輸出に関連し、 「パ」国経済は大きな成長が予想され、それに呼応し国 際・国内航空需要も増加傾向である。しかしながら、 「パ」国の国際空港はポートモレスビー国 際空港のみで、 「パ」国の経済活動の促進、利便性向上、安全性確保の観点から、 「パ」国政府は レイ市にあるナザブ空港を第二国際空港としての改良を決定し、我が国へその改良計画調査につ いて技術協力を依頼した。本調査はナザブ空港に対し、2025 年を目標年次とした妥当性評価調 査を実施するものであり、以下に調査概要と業務内容を示す。 1.2 目的 「パ」国第二の都市であるレイ市は、近年北部地域の玄関口として非常に活気があり、今後発 展が期待されている。また、国内線の約 3 割程度の旅客量を抱え、将来の航空需要の増加が期待 されている。そのため、将来航空需要に合致した施設へ改修するとともに、ポートモレスビー国 際空港に次ぐ国際空港として機能を加えた旅客ターミナルビルを整備する。 ナザブ空港の国際化は、 「パ」国民への利便性の向上のほか、航空ネットワークの強化、安全 面の増強にもつながり、さらに、新規路線の開拓等国内外の航空会社への機会拡大を促進し、レ イ市を起点とした「パ」国全体の経済発展が期待される。 1.3 業務内容 ナザブ空港の国際化にともなう旅客ターミナルの新設および将来航空需要に合致した空港諸 施設の改修 1.4 実施機関 本プロジェクトの実施機関は、空港を所有している運輸省傘下の空港会社(National Airports Corporation: NAC)である。航空保安施設については、航空サービス会社(PNG Air Services Limited) である。 別添 1 - 1 調査内容 2. 本調査内容は以下の通りである。 2.1 空港・航空関連情報の現状調査 「パ」国における航空の現状把握・整理を行い、主として空港・航空関連情報を収集するとと もに、ナザブ空港の現地踏査を実施する。 2.2 社会・経済関連情報の収集・分析 空港開発計画および航空需要予測に必要となる「パ」国における社会・経済関連情報の収集を 行うとともに、分析検討を実施する。なお、以下に示す社会・経済関連情報のほか、必要と思わ れる関連情報について、適宜追加する。 2.3 航空セクターの既存調査 航空セクター関連国家開発計画 航空関連法令および環境関連法令 外国企業投資関連法令 入札関連法令 空港開発計画の必要性およびコンセプト 航空関連情報および社会・経済関連情報を基づき分析を行い、ナザブ空港開発計画の機能・役 割について立証する。 2.4 需要予測 ナザブ空港の航空需要予測を、国際/国内線ごとに航空機離発着回数、旅客数、航空貨物に対 し、空港開発目標年の 2025 年および 2035 年それぞれ実施する。 2.5 既存航空統計データ・需要予測値および社会・経済指標の検討 以下に示す既存航空統計データ・航空需要予測値および「パ」国社会・経済指標を検討し、さ らに適宜必要な関連情報も追加する。 旅客および貨物交通量(定期便/チャーター便別) GDP、鉱工業生産額、貿易レベル、人口等 ホテル客室数、観光消費額、入れ込み観客数等 近隣国の航空関連収入 別添 1 - 2 2.6 市場分析 航空会社および旅行代理店、航空貨物フォワーダー等の航空関連事業者のニーズ、今後の事業 展開に係る市場展望を把握するため、関係者へのヒアリングを行う。特に鉱業資源開発、観光産 業に関連する需要の掘り起こしなどに留意する。 2.7 将来航空ネットワークの想定 「パ」国は首都を中心に航空ネットワークが形成されているため、既存航空ネットワークを考 慮しつつ、ナザブ空港勢力圏を想定し、将来的に設定可能な航空路線を抽出し、将来航空ネット ワークを想定する。 2.8 社会・経済フレームワークの検討 「パ」国の GDP、収入、人口等の成長率は需要予測の説明変数として使用するため、 「パ」国 関連機関、世銀等に確認する。 2.9 需要予測モデルの構築 ナザブ空港の航空需要予測モデルを構築する。 2.10 需要予測 設定した需要予測モデルと社会・経済指標等に基づき、ナザブ空港の航空需要予測を行う。需 要予測は、上限・下限・中間の3つのシナリオを想定して 2035 年まで行い、その項目は以下の 通り。 2.11 (1) 年間旅客数(路線別・国際国内別・定期不定期別) 年間貨物量(国際国内別) 航空機離発着回数(機材別・国際国内別・定期不定期別) 自然条件調査 地形測量 以下に示す施設の概略設計に資するため、地形測量を実施する。 概略設計区域における水準測量を含む地形測量 既存地盤高を含む地形図、断面図 (2) 土質調査 主として土木施設(用地造成)設計の概算事業費検討のため、土質調査を実施する。 別添 1 - 3 2.12 概略設計 既存配置計画に基づき、STEP の適用を念頭に、エコエアポート関連技術をはじめとした本邦 技術適用の検討を含め、空港施設の概略設計を実施する。設計基準は国際標準である ICAO、IATA、 FAA および日本国基準に準拠する。 (1) 空港土木施設 滑走路、誘導路、エプロンの舗装構造、雨水排水設計、場周及び構内道路等の土木施設につ いて概略設計を行う。 (2) 空港建築施設 新ターミナル地区を構成する駐車場施設を含む国際・国内線旅客ターミナルビル、貨物ター ミナルビル、管理ビル、関連ビルついて概略設計を行う。また、上記施設における概略設計図 面および概略仕様書作成を行う。 (3) 航空保安施設 空港に必要となる無線通信施設、航行援助施設、航空照明施設、気象観測施設、動力受電供 給施設について、概略仕様および配置図を作成する。 (4) 管制塔および管理施設 既存管制塔および管理施設を調査し、必要に応じ管制塔の必要な高さ、位置を検討し、平面 図、立面図を作成する。 (5) 消防救難施設 ICAO 基準の消火救難施設カテゴリーに基づき、消火救難体制を検討するとともに、消防局 舎の概略設計、消火救難車両の仕様を設定する。 (6) 航空燃料貯蔵施設 需要予測に基づき、必要な航空機燃料貯蔵施設および給油システムの概略仕様を設定する。 (7) ユーティリティ施設 ユーティリティ施設については、需要予測に基づき必要な設備・システムの概略仕様を関連 基準に準拠し、電力、上下水、ゴミ施設に対し設定する。 (8) アクセス道路 主要幹線道路からの取り付けルートについて概略設計を行う。 別添 1 - 4 2.13 施工計画 概略設計の結果に基づき、気象条件等を考慮して、日当たり施工量と必要な施工機械等「パ」 国の現状を踏まえた上で、施工計画を立案する。 2.14 概算事業費算出 概略設計、施工計画に基づき、経済・財務分析に必要となる事業費を算出する。概算事業費は、 主要工種毎に、維持管理費等を含めるとともに、事業に係る我が国のサービス提供及び製品の比 率を整理する。 2.15 (1) 経済・財務分析 経済分析 空港開発プロジェクトの実施による「パ」国の経済的価値を総合的に評価することを目的し て、経済分析を行う。経済的価値は、 「with and without project」の原則に基づき、国民経済的視 点に立脚したプロジェクト費用と便益との比較による経済的内部収益率(EIRR)によって評価 する。 (2) 財務分析 空港拡張プロジェクトの財務分析評価は、設定された事業方式の検討に基づき、ある独立し た事業体で建設・運営さえることを前提に行う。財務分析は、「財務的内部収益率」、「損益収 支予測分析」 、「資金収支予測分析」の 3 方法で行う。 2.16 環境社会配慮分析 「国際協力機構 環境社会配慮ガイドライン」 (2010 年 4 月) (以下、JICA 環境ガイドライン) に基づき、環境社会配慮面からの代替案の比較検討を行い、重要な環境影響項目の予測・評価・ 緩和策、モニタリング計画案の作成を行う。また、JICA 環境ガイドライン参考資料 I「環境チェ ックリスト」案の作成を行う。主な調査項目は以下の通り。 ベースとなる環境社会の状況(土地利用、自然環境、先住民族の生活、および経済 社会状況等)の確認 相手国の環境社会配慮制度・組織の確認 環境配慮に関連する法令や基準、手続き等 JICA 環境ガイドラインとの乖離 関係機関の役割 スコーピングの実施 影響の予測 影響の評価および代替案の比較検討 緩和策の検討 環境管理計画・モニタリング計画の検討 予算、財源、実施体制の明確化 必要に応じてスタークホルダー協議の開催支援 別添 1 - 5 2.17 空港運営改善計画の提言 航空行政、空港整備、運営管理体制について、現状調査を踏まえ、事業方式を考慮して、組織 体制、人材育成について検討・提言案を作成する。この提言に基づき、経済・財務分析に使用す る維持管理費を算出する。 2.18 報告書 以下の報告書を機構に提出する。 インセプションレポート インテリムレポート ドラフトファイナルレポート ファイナルレポート 別添 1 - 6 別添 – 2 NAC 職員の能力改善 目 的 1. NAC 職員の空港開発計画策定に係る能力の改善 2. 留意点 NAC 職員は、実施中の CADIP との同時作業となるため、十分コミュニケーションをとり効率 よく OJT を実施する。そのため、毎週定期的な会議の開催し、業務の進捗を相互確認しながら 能力改善を行った。そのまとめとして以下のワークショップを専門性毎に開催した。 3. (1) 能力改善ワークショップ 第一回能力改善ワークショップ 日時: 内容: 講師: 出席者: 2013 年 7 月 19 日(金) 、10:00~11:00 マスタープラン策定手法/需要予測 佐伯 登志夫(総括/空港計画) No. Name Position 1 Gebo Henou Senior Manager 2 Alphonse Dresok Project Engineer 3 Rodney Wapindu Project Engineer 4 Kila Kwari Architect 5 Haroro Gari Construction Engineer 6 Lloyd Mono Airport Inspector 7 Micheal Tolimanaram Project Engineer 8 Simon Rouiaia Project Engineer 9 Enoch Johannes Airport Inspector 10 Barksy Panka Project Environment Scientist 11 Stanley Nombe Draftsman 12 Lionel Abotoboni Draftsman 13 Jeffery Patterson Snr Cad Draftsman 14 Navu Kila Draftsman 15 Alvin Kenere Project Engineer 別添 2 - 1 別添 2 - 2 別添 2 - 3 別添 2 - 4 (2) 第二回能力改善ワークショップ 日時: 内容: 講師: 出席者: 2013 年 7 月 24 日(水) 、14:00~15:00 施設・機器規模算定等(システム自動化) 工藤 宗一(技術指導総括/空港設備・機材) No. Name Position 1 Alphonse Dresok Project Engineer 2 Haroro Gari Construction Engineer 3 Lloyd Mono Airport Inspector 4 Micheal Tolimanaram Project Engineer 5 Enoch Johannes Airport Inspector 6 Barksy Panka Project Environment Scientist 7 Stanley Nombe Draftsman 8 Lionel Abotoboni Draftsman 9 Jeffery Patterson Snr Cad Draftsman 10 Desmond Kipan Draftsman 11 George Bayang Electrical 12 Geibrial Anarea Electrical 別添 2 - 5 別添 2 - 6 別添 2 - 7 別添 2 - 8 (3) 第三回能力改善ワークショップ 日時: 内容: 講師: 出席者: 2013 年 7 月 26 日(金) 、10:00~11:00 空港エアサイド施設必要規模算定等 久万 博也(空港土木・建築) No. Name Position 1 Gebo Henou Senior Manager 2 Kila Kwari Architect 3 Haroro Gari Construction Engineer 4 Lloyd Mono Airport Inspector 5 Micheal Tolimanaram Project Engineer 6 Simon Rouiaia Project Engineer 7 Enoch Johannes Airport Inspector 8 Stanley Nombe Draftsman 9 Lionel Abotoboni Draftsman 10 Jeffery Patterson Snr Cad Draftsman 11 Navu Kila Draftsman 12 Alvin Kenere Project Engineer 別添 2 - 9 別添 2 - 10 別添 2 - 11 別添 2 - 12
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