主要な経済指標の発表予定と予測

経済指標解説
2015 年 3 月 20 日
経済調査部
主要な経済指標の発表予定と予測
(3/23~3/27)
藤 貴伸
03-3591-1340
【来週の注目材料】※( )内はみずほ総研予想
23日 :内閣府月例経済報告(3月)
27日 :2月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品)(前月比+0.1%、前年比+2.2%)
:3月の東京都区部消費者物価指数(除く生鮮食品)(前月比+0.5%、前年比+2.1%)
:2月の小売業販売額(前年比+0.3%)、大型小売店販売額(前年比+0.7%)
:2月の全世帯実質消費支出(前年比▲2.8%)、勤労者世帯実質消費支出(前年比▲2.3%)
:2月の完全失業率(3.5%)、2月の有効求人倍率(1.14倍)
輸出数量は増加基調を維
持
18 日に発表された 2 月の貿易統計では、輸出数量(※)が前月比▲2.5%(1
月同+3.0%)と 3 カ月ぶりに減少した。欧州向け(同+0.1%)がほぼ横ばい
となったが、米国向け(同▲6.2%)、アジア向け(同▲2.7%)が減少に転じ
た。1 月に一般機械等の輸出が集中したことや、中華圏での春節休暇前の駆け
込みが例年以上に大きかったことによる反動があった模様である。もっとも、
輸出数量の 1~2 月平均は 10~12 月期比+1.6%(10~12 月期前期比+3.2%)
と、増加基調は崩れていない。2 月の輸入数量(※)は前月比+5.9%(1 月同
▲1.1%)と 2 カ月ぶりに増加した。国内の生産回復を受けた原料別製品等の
輸入増加が押し上げに寄与した。また、貿易収支(季節調整値)の赤字額は
6,388 億円と 1 月(4,123 億円の赤字)から小幅に拡大した。原油価格の低下
などを背景に輸入金額(前月比▲3.4%)は減少が続いたが、輸出金額(同
▲7.0%)の減少がそれを上回った。 (※)みずほ総合研究所による季節調整値
来週は消費者物価指数、雇用・消費関連指標などが発表される。
全国コアCPIの前年比
は前月から横ばい
27 日に発表される 2 月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、以下
コアCPI)は前年比+2.2%(1 月同+2.2%)
、3 月の東京都区部コアCPI
(中旬速報値)は同+2.1%(2 月同+2.2%)と予測する。石油製品のマイナ
ス幅が拡大する一方、電気代・ガス代の値上げの影響がほぼ相殺する形となり、
2 月の全国コアCPIの伸び率は前月から変わらない見通しである。3 月の都
区部コアCPIは、前年の水準が高かった反動もあって、前年比上昇幅が縮小
1
するとみられる。
消費関連指標は緩やかに
回復
同日に発表される 2 月の小売業販売額は前年比+0.3%(1 月同▲2.0%)
、
大型小売店販売額は同+0.7%(1 月同▲0.0%)と予測する。また、2 月の実
質消費支出は全世帯が前年比▲2.8%(1 月同▲5.1%)、勤労者世帯が同
▲2.3%(1 月同▲4.3%)と予測する。春節休暇中に日本を訪れた中華圏から
の観光客が増加した影響などから、小売業販売額は前年比プラスとなる見通し
である。また、ガソリン価格低下が家計の負担減につながっていることや、株
高を背景に高額品への支出が活発化したことなどから、実質消費支出(全世帯)
は前年比マイナス幅が縮小するとみられる。
失業率は低下、有効求人倍
率は横ばい
同日に発表される 2 月の雇用関連指標は失業率が 3.5%(1 月 3.6%)
、有効
求人倍率が 1.14 倍(1 月 1.14 倍)と予測する。これまで労働需要が高水準で
推移していた医療・福祉や宿泊・飲食などのサービス業に加えて、製造業でも
求人増加の動きが見られる。失業率は低下、有効求人倍率は横ばいを予測する。
図表1
小売業販売額の推移
図表 2 有効求人倍率と失業率の推移
(前年比、%)
(%)
3
2
予測
1
0
▲1
▲2
▲3
その他
自動車
織物・衣服・身の回り品
14/05
14/07
14/09
燃料
飲食料品
各種商品
14/11
(倍)
5.0
4.8
4.6
4.4
4.2
4.0
3.8
3.6
3.4
3.2
3.0
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
有効求人倍率
(右目盛)
(年/月)
(注)2015年2月はみずほ総合研究所による予測値。
(資料)経済産業省「商業動態統計」
0.6
0.5
11
15/1
1.2
失業率
12
13
14
15
(年/月)
(注)1.季節調整値。
(注)2.2015年2月はみずほ総合研究所による予測値。
(資料)総務省「労働力調査」、厚生労働省「一般職業紹介状況」
執筆担当~ 藤貴伸
予測担当~ 消費者物価指数:風間春香、雇用・消費関連指標:齋藤周
米国主要経済指標(ダイアリー掲載分)
:山崎亮
●当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに
基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。
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【 来週のダイアリー 】
経 済 指 標 等
日 付
3/21(土) 日 春分の日(日本休場)
3/23(月) 日 内閣府月例経済報告(3月)
予 想
米 中古住宅販売件数(2月)
年率
3/24(火) 中 HSBC製造業PMI(3月速報)
米
消費者物価指数(2月)
[食品・エネルギーを除く]
前月比
前月比
新築住宅販売件数(2月)
年率
2年国債入札
3/25(水) 米 耐久財受注(2月)
前月比
前 回
前々回
[482万件]
482万件
507万件
50.5
50.7
49.7
[+0.1%]
[±0.0%]
▲0.7%
+0.2%
▲0.3%
+0.1%
[42.0万件]
48.1万件
48.2万件
[+0.4%]
+2.8%
▲3.7%
N.A.
106.8
106.7
[290千人]
291千人
290千人
[+2.3%]
[+2.2%]
[+2.2%]
[+2.1%]
+2.4%
+2.2%
+2.3%
+2.2%
+2.4%
+2.5%
+2.3%
+2.2%
[3.5%]
3.6%
3.4%
[1.14倍]
1.14倍
1.14倍
5年国債入札
独 ifo景況感指数(3月)
3/26(木) 日 2年利付国債入札
米 失業保険新規申請件数(~3/21)
7年国債入札
比 金融政策決定会合
3/27(金) 日
消費者物価(2月全国)
[除・生鮮食品]
消費者物価(3月東京都区部)
[除・生鮮食品]
前年比
前年比
前年比
前年比
完全失業率(2月)
有効求人倍率(2月)
米
実質消費支出[全世帯](2月)
前年比
[▲2.8%]
▲5.1%
▲3.4%
大型小売店販売額[既存店](2月速報)
小売業販売額(2月速報)
前年比
前年比
[+0.7%]
[+0.3%]
▲0.0%
▲2.0%
+0.1%
+0.1%
[92.0]
3月速報
91.2
2月確報
95.4
10~12月期速報
7~9月期
+5.0%
ミシガン大消費者信頼感指数(3月確報)
GDP(10~12月期確定)
前期比年率
[+2.5%]
+2.2%
予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg 等)。予定は変更になる可能性があります。
日:日本、米:米国、独:ドイツ、中:中国、比:フィリピン
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