Others フライトテストベッドよくわかる！新たに開発されたエンジンや機体装備品などを、実際の飛行環境下で試験するために用いられる軍用機。海外ではこの種の任務を行う航空機を機体やエンジン、電子装備などのメーカーが保有・運用するか、軍の運用する大型機を借りて試験を行うケースが多いが、日本では航空自衛隊の C‐1FTB が担当している。海上自衛隊も、主に機内装備の試験を行う UP‐3C を保有・運用している。機関砲やミサイルなどの射撃訓練で標的として使用される軍用機。実弾射撃の標的には無人機が使われることが多いが、退役した有人戦闘機を改造した標的機を運用している国もあり、航空自衛隊も 1995 年から 1997 年まで、退役した F‐104J に遠隔操縦装置を追加した UF‐104JA を運用していた。アメリカ空軍は退役した F‐ ファントムⅡを改造した QF‐ を運用しており、間もなく F‐ を改造した QF‐ の運用も開始される。標的機航空自衛隊 C-1 輸送機の試作初号機を改造した、C-1FTB （写真：小久保陽一）その他の機体文：竹内修 YS-11FC 飛行点検機。飛行場の航法施設等を点検するのがその任務（写真：編集部） 11 航空機の飛行に不可欠な保安無線施設や標識などの航法設備を、上空から点検するための軍用機。全国各地に所在する、自衛隊が管理する航法設備の点検は、航空自衛隊の飛行点検隊が担当している。飛行点検隊は YS‐ をベースとした YS‐ FC と U‐125 を運用しており、両機とも航法設備の機上点検装置を備えているほか、YS ‐ FC には航空通信設備や計器侵入システムを点検するためのシステムも備えている。 4 ささえる」「軍用機 ◀◀◀ これまで紹介した以外にも、重要な任務を行う軍用機は存在する。その一部を紹介するぞ！研究機（技術実証機）は、そのまま研究機の形での実用化を前提とせず、将来実用機の開発にあたって必要とされる先進技術の研究や技術開発に用いられる軍用機だ。日本の場合は初飛行の待たれる先進技術実証機や、かつての T‐2CCV などがこれにあたる。アメリカの場合はこうした機体を軍と NASA （アメリカ航空宇宙局）、海外を含めた航空機メーカーなどが共同で開発し、軍または NASA が試験を行うケースが多い。代表的な機体としては、前進翼の研究に用いられたグラマン X‐ 、推力偏向機構の研究に用いられたロックウェル X‐ などがある。航空自衛隊 UF-104JA。用途廃止の F-104Jを改造したミサイル標的機で、 12 機つくられて全機撃墜された（写真：航空自衛隊） P-3Cを改造した評価試験機。新開発の機器の空中試験を行う（写真：藤原穣） 16 4 4 16 11 U-125は、ビジネスジェット機 BAe125-800を改造した飛行点検機だ（写真：小久保陽一）（技術実証機） 29 11 飛行点検機先進技術実証機。ステルス性や高運動性などの要素技術を実証するための飛行試験供試機である（写真：技術研究本部） 31 34