CosiMate のはじめ方 PSIM – Simulink 間の連成シミュレーションのチュートリアル Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 1/24 Ver.1.0 2014/05/28 はじめに 降圧チョッパ回路の例 このチュートリアルでは PID 制御された降圧チョッパ回路の連成シミュレーションの手順を示します。 システムの全体像は図 1 を参照してください。 図 1:降圧チョッパ回路 このシステム設計については、回路部分(チョッパおよびスイッチング信号生成)と制御部分(PID)の 2 つの異なるパートを記述しています。よってこのモデルは容易に二つのサブモデルに分けることが出来 ます。回路部分は PSIM で、制御部分は Matlab/Simulink で設計およびシミュレーションされます。 モデル間の相互作用は二つの信号によって行われます。一つ目は電流値 iL、二つ目は電圧指令値 Vm と して実装されます。 システムの分割が出来たら、連成シミュレーション環境にてモデルのカスタマイズを始めます。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 2/24 Ver.1.0 2014/05/28 モデルのカスタマイズ カスタマイズでは互いのシミュレータのモデルに対して 2 つのステップが必要です。 1. CosiMate 端子をモデル内に作成します。この操作は PSIM、Matlab/Simulink などシミュレータに よって異なります。 2. 連成シミュレーションのセットアップを迅速にするため、互いのモデルのインターフェース XML 記述ファイル(IXD file)を作成してください。これは Netlist とも呼ばれます。 これらの互いのモデル(controller(Simulink)と chopper(PSIM))の 2 つのステップは下記に示します。 Matlab/Simulink モデル モデルのカスタマイズ 1. %COSIMATE_DIR%¥examples¥PSIM-Simulink をディレクトリごとコピーします。 %COSIMATE_DIR% は ユ ー ザ が 設 定 し た 場 所 に な り ま す 。 コ ピ ー し た デ ィ レ ク ト リ に 「cosim_example_directory」と名前をつけてください。 2. Matlab を起動しモデルを Matlab 上で開きます。cosim_example_directory¥Control¥controller.mdl を選択し制御モデルを開いてください。 注意: サンプルには既に CosiMate 用のカスタマイズがされています。あなたのモデルから CosiMate ブロック(exin_disc および exout_disc ブロック)を削除してください。 図 2:CosiMate の入出力端子が無い状態のモデル 3. Simulink のライブラリブラウザを開いてください。CosiMate I/O ports library を選択し開いてく ださい。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 3/24 Ver.1.0 2014/05/28 図 3:Simulink ライブラリブラウザの CosiMate フォルダ 4. Discrete Data Ports(離散ポート)フォルダを開いてください。 図 4:CosiMate の離散ポートライブラリ 5. モデル内に必要なブロックを全てドラッグ&ドロップしてください。CosiMate 入出力端子ブロッ クの設定についてさらに詳しい情報が必要な場合は、CosiMate ユーザーズマニュアルの Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 4/24 Ver.1.0 2014/05/28 Matlab/Simulink の章を参照してください。 サンプルでは、離散ポートの exin_disc (cosim_in)と exin_disc (cosim_in) と exout_disc (cosim_out)が設置されています。 6. モデルの入出力にこれらを接続してください。サンプルでは、exin_disc 端子をフィルタ入力に 接続し、exout_disc 端子を PID 出力に接続しています。 図 5:名前をつけていないポート 7. CosiMate の入出力ポート(exins と exouts)の名前を変更してください。名前は、ユーザが認識 し易く、この選択された名前が CosiMate のネットリストで使用されるため重要です。サンプル では、exin_disc(cosim_in) ポートや exout_disc(cosim_out)の様にそれぞれのポートの名前を選 択しています。 図 6:名前を変更したポート Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 5/24 Ver.1.0 2014/05/28 8. 入出力ポートの変数表示を許可する CosiMate 入力ポート(exins)の場合、コンポーネントをダブルクリックして下図のダイアロ グボックスを表示します。 図 7:CosiMate 入力ポートのパラメータ パラメータ表示は 2 つのパラメータの設定を含みます。 Signal dimension : ポートがベクトルである場合は value = [1..n] where n >= 1、スカラ ーは value = 0、または継承した値は value = -1 と決定します。デフォルト値は-1 にな ります。 Initial value : シミュレーション初期化中の exin コンポーネントの出力の初期値を設定 します。デフォルト値は 0 になります。 CosiMate 出力ポート(exouts)の場合、コンポーネントをダブルクリックして下図のダイア ログボックスを表示します。 図 8:CosiMate 出力ポートパラメータ パラメータ表示は下記のパラメータ設定を含みます。 Signal dimension : ポートがベクトルである場合は value = [1..n] where n >= 1、スカラ ーは value = 0、または継承した値は value = -1 と決定します。デフォルト値は-1 にな ります。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 6/24 Ver.1.0 2014/05/28 9. コンフィギュレーションパラメータダイアログボックス(Simulation メニュー)を開いて、モデ ルで必要とされるシミュレーションパラメータを設定します。特に重要なのは、シミュレーショ ンステップの大きさ(step size) 、シミュレーションの開始時刻(start time) 、シミュレーション 停止時間(stop time)です。この例では、シミュレーション停止時間を 10 秒程度と定義し、最 大シミュレーションステップを 0.01 程にします。 図 9:シミュレーションパラメータボックス 注意: CosiMate 側で設定されたシミュレーション終了時間と異なっていたとしても CosiMate で はシミュレーション時間を変更しません。結果確認時に終了時間は整合されます。 モデル記述(IXD)のエクスポート モデル記述は CosiMate のバス接続を設定するために使用されます。モデル記述は IXD と呼ばれるテキス トファイルに保存されます(※インターフェース XML 記述ファイル(Interface XML Description file) 。 その内容の詳細については、CosiMate ユーザーズマニュアルを参照してください。 ) Matlab R2007b および その上位バージョンの場合 1. Simulink メニューから Tools>CosiMate>Save IXD を選択してください。下記のメッセージがロ グウィンドウに表示されます。 Info: the IXD file controller.ixd has been created in the current directory. IXD ファイル「controller.ixd」はカレントディレクトリ内に作成されています。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 7/24 Ver.1.0 2014/05/28 図 10:コマンドウィンドウ この操作は Matlab の作業ディレクトリ内で利用可能な<name_of the_model>.ixd ファイルを作成 します。このファイルは相互接続ファイルを構築するために後で使用されます。また、このファ イルはネットリストとも呼ばれます。 2. 以上でカスタマイズは完了です。モデルを保存し、Matlab を終了してください。 リモートマシンでの手順: モデルをリモートマシン上で実行する場合、リモートマシン上の任意 のディレクトリにモデルをコピーしてください。 注意: 最も良い作業方法は、直接リモートマシン上でモデルを作成し、カスタマイズすることで す。しかし、ネットリストを構築するメインマシンに IXD ファイルをインポートすることを忘れ ないでください。 全ての Matlab バージョンの場合 1. このファイルを作成するには、実行ボタンを押して CosiMate 環境外で Matlab のシミュレーショ ンを実行します。下記のメッセージがログウィンドウに表示されます。 Warning: Simulation running out of the co-simulation environment. 連成シミュレーション環境外でシミュレーションが実行されています。 Info: the IXD file controller.ixd has been created in the current directory. IXD ファイル「controller.ixd」は現在のディレクトリに作成されています。 図 11:コマンドウィンドウ この操作は Matlab の作業ディレクトリ内で利用可能な<name_of the_model>.ixd ファイルを作成 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 8/24 Ver.1.0 2014/05/28 します。作業ディレクトリはデフォルトでは<Matlab_install_path>¥work になります(※パスは startup.m ファイルファイルによって変更される場合があります。詳しくは MALAB ユーザーズガ イドを参照してください) 。 2. 以上でカスタマイズは完了です。モデルを保存し、Matlab を終了してください。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 9/24 Ver.1.0 2014/05/28 PSIM モデル ライブラリの構成 ライブラリは独自な CosiMate の入出力のタイプ(double(実数)型に基づくスカラー入力と出力)で構 成されています。 ライブラリへのアクセス方法 1. Windows スタートメニュー>すべてのプログラム>PSIM x.x.x>PSIM を選択し、PSIM を起動し ます。 2. 回路を新規作成するか既存の回路を開きます。 3. 回路が開いたら、Elements メニューから CosiMate リンクのライブラリにアクセスできます。 4. 二種類の素子(CosiMate ポート)があります。 図 12:CosiMate 入出力ポートのライブラリ ポートの説明 利用可能なポートのリストを以下に示します。各ポートには名称、説明、PSIM 側および CosiMate 側で のデータ型が与えられています。 表 1:CosiMate ポートの説明 名称 イメージ ポートの説明 CosiMate Input CosiMate 入力ポート(スカラー) (Input port) 使用するデータ型 : double CosiMate Output CosiMate 出力ポート(スカラー) (Output Port) 使用するデータ型 : double Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 10/24 PSIM 側の CosiMate 側の データ型 データ型 double double double double Ver.1.0 2014/05/28 モデルのカスタマイズ 1. PSIM を起動し回路を PSIM 上で開きます。MATLAB/Simulink のモデルカスタマイズで作成した cosim_example_directory ディレクトリ内の Circuit¥chopper.psimsch を選択し回路モデルを開い てください。 注意: サンプルには既に CosiMate 用のカスタマイズがされています。あなたのモデルから CosiMate ポートブロックを削除してください。 2. 入力または出力ポートを選択し、ドラッグして回路上にドロップします。 図 13:入力ポートの例 3. ポートをダブルクリックしてパラメータを入力します。 A) 名前を変更します。素子の名前は CosiMate バスに接続するポートの名前にします。 B) 入力ポートの場合は、初期値を設定することもできます。デフォルト値は 0.0 です。 図 14:入力ポートのパラメータ 4. 接続する各 CosiMate ポートに対して上記のステップ 2 と 3 を繰り返して設計を完了します。 図 15:ポートが接続された回路 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 11/24 Ver.1.0 2014/05/28 5. 回路図のシミュレーションコントロールブロックを開いてシミュレーション条件を設定します。 Time step(タイムステップ)や Total time(トータルタイム(シミュレーションの終了時間))な どのパラメータを設定します。 図 16:シミュレーション条件 注意: CosiMate で使用される通信タイムステップは、上記のシミュレーション条件で設定して いるタイムステップと同一である必要があります。 6. 回路を保存します。 モデル記述(IXD)のエクスポート モデル記述は CosiMate のバス接続を設定するために使用されます。モデル記述は IXD と呼ばれるテキス トファイルに保存されます(※インターフェース XML 記述ファイル(Interface XML Description file) 。 その内容の詳細については、CosiMate ユーザーズマニュアルを参照してください。) 1. 回路と CosiMate ポートを全て接続してシミュレーションモデルの構築が完了した後、メニュー の Simulate>Run Simulation を選択します。この時点では、CosiMate はまだ実行されていない ので、この操作では回路が保存されているディレクトリに IXD ファイルが生成されます。 2. 以上でカスタマイズは完了です。モデルを保存し、PSIM を終了してください。 リモートマシンでの手順: 回路のシミュレーションがリモートマシン上で実行される場合、リモ ートマシン上の任意のディレクトリに回路をコピーしてください。 注意: 最も良い作業方法は、直接リモートマシン上でモデルを作成し、カスタマイズすることで す。しかし、ネットリストを構築するメインマシンに IXD ファイルをインポートすることを忘れ ないでください。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 12/24 Ver.1.0 2014/05/28 ネットリストの作成 全てのカスタマイズを終えると、サブモデルの連成シミュレーションの準備が整います。次のステップ では、CosiMate ネットリストやコンフィギュレーションファイルの構築を行っていきます。操作を行う ために、 スタートメニュー>全てのプログラム>CosiMate xxxx.xx>CosiMate を選択し CosiMate の GUI を起動します。GUI を起動すると、以下のようなウィンドウが表示されます。 図 17:CosiMate の GUI 連成シミュレーション用ネットリストの構築 この操作では、全てのモデルのインスタンスを一つに接続します (モデルはシミュレータインスタンスに なります)。構造図を作成するには下記の手順を実行します。 1. 図 20 の様に、新しいプロジェクトを作成します。ツールバーの New ボタンをクリックするか、 File メニューの New...を選択します。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 13/24 Ver.1.0 2014/05/28 図 18:CosiMate プロジェクトの新規作成 2. メニューの File>Save As を選択し、名前を付けて任意のフォルダ内にネットリストを保存しま す。ダイアログボックスが表示されるので、ネットリストの名前を入力してください。例えば 「Chopper」といった様に名前をつけます。デフォルトで選択されるフォルダは、最後に IXD フ ァイルがインポートされたフォルダになります。この例では、「cosim_example_directory」フォ ルダに保存します 注意: IXD ファイルをインポートする前にネットリストを保存することで、自動的にモデルにア クセスするための相対パスの使用を可能にします。これを利用しない場合、CosiMate は絶対パス を使用します。 注意: GUI で作成したネットリストファイル拡張子は.gcn になります。 3. 全ての IXD ファイルをインポートします(※IXD ファイルの作成方法については上記のセクショ ンを参照してください) 。ツールバーから Import a model description file ボタン をクリックす るか、File メニューの Import model...を選択します。フォルダブラウザが開かれるので、作業デ ィレクトリに移動し、ロードする最初の IXD ファイルを選択します。 「開く」をクリックして選 択内容を確認してください。この操作は GUI の構成図内に新しい I/ O ポート付きのブロックを作 成します。この例では、<cosim example directory>¥Control¥controller.ixd をインポートします。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 14/24 Ver.1.0 2014/05/28 図 19:Simulink インスタンス 4. 全ての IXD ファイルをインポートするために、必要な回数分だけ上記の操作を繰り返します。こ の例では、PSIM モデル(<cosim example directory>¥Circuit ¥chopper.ixd)をインポートする為 に、同じ操作を行います。 5. 連成シミュレーションバスにすべてのモデルに接続してください。まずはモデル上の接続ポイン ト(緑色の四角形)をクリックし、次にバス上の接続ポイントをクリックすると接続できます。 CosiMate は、同じ名前と特性を持つモデルのポートを接続します。全てのポートが接続されてい るかどうかを確認するには、モデルを選択します。プロパティウィンドウ(GUI 左側)で、 「Ports」 タブを選択します。 「Connection state」欄またはポートの色を確認してください。赤色は接続さ れていないことを意味し、青色は接続されていることを意味します。 注意: ポートが接続されていない場合、リスト内のポートを選択し「Connect」ボタン(ポート リストの下)をクリックしてください。ダイアログボックスに接続先のポートのリストが提示さ れるので、選択して OK を押してください。 ポートが現在接続されている場合、それぞれ接続さ れていないポートに同じ操作を行います。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 15/24 Ver.1.0 2014/05/28 図 20:構造図またはネットリスト 6. Save アイコンをクリックするか、File>Save を選択してネットリストを保存します。 構造図の作成は以上で完了です。続いてモデルのパラメータの確認と変更をしていきます。 モデルのパラメータ設定 1. 各モデルにて、関連付けられているプロパティを開きます。ブロックを選択してツールバー上の Object properties ボタン 2. を選択します。 フォームには「General」 「Environment」 「PAC」 「Simulation」 「Ports」 「Description」の 6 つの タブがあります。 A) General タブ: モデルタイプ、モデル名、連成シミュレーションモード(ソルバーに対する 同期の許可のみ)といった情報を提供します(※詳細は CosiMate ユーザーズマニュアルの GUI の項目を参照してください)。モデル名とシミュレータのバージョン番号が正しく(ご 使用の環境によって異なります)設定されているか確認出来ます。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 16/24 Ver.1.0 2014/05/28 図 21:General タブ B) Environment タブ: 主にホスト/ログイン情報、モデルのディレクトリ、ユーザコマンドとい った情報を提供します(※詳細は CosiMate ユーザーズマニュアルの GUI の項目を参照して ください) 。中でもディレクトリの情報は重要です。ディレクトリがこのブロックで指定され たモデルが存在するディレクトリであることを確認してください。相対パスを使用すること も出来ます。 リモートマシンでの手順: リモートマシンの識別情報(ホスト名または IP アドレス)を入 力します。例えば、 「machine_name.domain_name.com」や「192.172.4.3」という様に入力 します。デフォルトではホスト ID は「localhost」になります。これは、シミュレータがこの マシン上で起動されることを意味します。 図 22:Environment タブ Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 17/24 Ver.1.0 2014/05/28 C) PAC (Processor Affinity Controller)タブ: 2 つのサブパネルを持ちます。 i. 選択されたモデルのシミュレーションに割り当てるコア(単数または複数(マルチコアの 場合) )を指定するためのコントローラ。 ii. 実行したシミュレーションの「最終シミュレーション日付」 「プロセスの実行時間」 「プロ セスのカーネル時間」 「プロセスのユーザ時間」といった情報を提供するモニタ。 図 23:PAC タブ D) Simulation タブ: 主に協調シミュレーションパラメータとシミュレータ開始モードといっ た情報を提供します(※詳細は CosiMate ユーザーズマニュアルの GUI の項目を参照してく ださい) 。ここでは 3 つの情報が重要になります。まずは「End time」に正確なシミュレーシ ョンの終了時間を入力します(今回は 1.2ms です)。次は「Time step」に正確なタイムステ ップを入力します(今回は 1us です) 。そして「Simulation start mode」は「Manual」にチ ェックを入れます。 図 24:Simulation タブ Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 18/24 Ver.1.0 2014/05/28 E) Ports タブ: 名前、方向、タイプ、配列(またはベクトル)のサイズ、接続状態といったポ ートの説明が含まれています。修正が行われた場合、これはモデル I/ O ポートを変更する必 要があることを意味します。 図 25:Ports タブ F) Description タブ: 注釈やコメントのためのテキスト記述を含んでいます。 3. フォーム情報を確認するために「OK」をクリックします。 4. 必要な場合はブロックごとに手順 2 と 3 を繰り返します。 5. CosiMate のネットリストを保存します。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 19/24 Ver.1.0 2014/05/28 連成シミュレーションの実行 この章では、それぞれのシミュレータがユーザの制御下にある(Manual スタートモード)状態で行われ るローカルで対話型の連成シミュレーションの手順を説明します。 1. Manual スタートモード(各モデルのプロパティウィンドウの Simulation タブで設定)では、シ ミュレータの制御をユーザが行います。それぞれのシミュレータ上でモデルを開きます。 CosiMate ネットリスト上のモデルインスタンスをダブルクリックするか、Windows スタートメ ニューなどから開きます。 注意: ネットリストを使用してモデルを開く前に、モデルのプロパティウィンドウの General タブにてシミュレータのバージョンが正しく選択されていることを確認してください。CosiMate は紐付けられたシミュレータの種類とバージョンに対してコマンドを使用します。 注意: 正しいシミュレータ環境でモデルを開く、モデルのシミュレーションを開始するためにコ マンドを変更する場合には、CosiMate ユーザーズマニュアルの「コンポーネントパネル」または 「カスタマイズ」を参照してください。 2. ツ ー ル バー のボ タ ン をク リ ッ クす るか Co-simulation メ ニ ュー を 選択し 、「 Interactive cosimulation」を選択します。 3. Manual スタートモードでは、CosiMate は各モデル一つずつを起動するように要求します。その 要求メッセージはログウィンドウとダイアログボックスの両方に表示されます。 CosiMate (40300):controller (Simulink): Waiting a secured access for shared memory...(共有 メモリへのセキュアアクセスを待っています...) CosiMate (40301):controller (Simulink): Semaphore locked...(セマフォロックしました) CosiMate (40302):controller (Simulink): Please, launch the application...(アプリケーションを 起動して下さい) 図 26:ダイアログボックス モデルのシミュレーションをスタートします。その後は CosiMate の要求メッセージのとおりに 操作します。最後のメッセージでは連成シミュレーションを開始するように求められます。そう したら次のステップに進みます。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 20/24 Ver.1.0 2014/05/28 図 27:対話型連成シミュレーションの全体図 4. 5. CosiMate ツールバーの Run ボタンをクリックし、連成シミュレーションを開始します。 連成シミュレーションでは、最初に起動したシミュレータはシミュレーションの終了時刻に達す ると自動的に停止します。何らかの原因により連成シミュレーションが停止しない場合は、 CosiMate ツールバーの Stop ボタンをクリックして停止してください。 6. 結果を分析し保存します。 7. 全てのシミュレータを終了します。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 21/24 Ver.1.0 2014/05/28 結果の解析 結果を分析する方法はそれぞれのシミュレータ環境に依存しますが、CosiMate の機能を使用すると結果 を保存することができます。 シミュレータ環境内で結果を取得する シミュレーションの結果は Matlab/Simulink または PSIM のブロックを使用することで確認できます。 モデルのカスタマイズ中に分析環境を設定する事が推奨されます。 Simulink では、多くの種類の出力が利用可能であり、ワークスペースやファイルへの出力ブロックも含 まれています。これらのブロックでは、結果を保存し連成シミュレーション後に解析を実行することが 出来ます。連成シミュレーション中(特に遅いシミュレーションの場合)は、Scope ブロックが非常に 便利です。 図 28:Simulink のデータ表示と結果保存用のブロック PSIM では、片端子の電圧プローブ、差動の電圧プローブ、電流プローブを使用してデータの取得を行い ます。取得したデータは Simview という波形表示用の画面で結果の閲覧や解析を行います。データをフ ァイルに保存する場合には、データを一度 Simview で表示させてメニューの File>Save As…を選択し形 式を選んで保存します。保存形式は smv(Simview 用ファイル) 、txt(テキストファイル) 、txt(タブ区 切りテキストファイル) 、csv(カンマ区切りファイル)が選択可能です。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 22/24 Ver.1.0 2014/05/28 図 29:PSIM のデータ取得ブロックと結果表示・保存画面 注意: シミュレーション結果を分析する前に結果を保存します。シミュレータが何らかの理由で 異常停止した場合にデータの損失を防ぐことができます。 結果の収集と動的な分析を行うために、CosiMate と C プログラムを使用することができま す。 CosiMate の Scope を使用して結果を取得する ユーザーズマニュアルの CosiMate ツール>連成シミュレーションの実行>ローカル連成シミュレーシ ョン>対話型連成シミュレーションと CosiMate Scope のセクションを参照してください。 連成シミュレーションバスを使用して結果を取得する 連成シミュレーションバスを使用して 2 つの出力モードが利用可能です。両方のパラメータは、 Co-simulation>Parameters…メニュー(ツールバー上のショートカットボタンを押す)を使用して連成 シミュレーションプロパティボックスまたはタブで設定する必要があります。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 23/24 Ver.1.0 2014/05/28 図 30:連成シミュレーションプロパティボックス 最初のモードは、Spy data モードです。連成シミュレーションのデバッグを行う場合にこのモードは便 利です。各データ転送において、データおよび時間がログウィンドウに送られます。Spy data モードで は、与えられたタイムステップでデータの同期を確認するために非常に有用です。 注意: すべてのデータを表示すると連成シミュレーションが遅くなるので、このパラメータが設定され ている場合には性能試験をしないことをお勧めします。 二つ目のモードは、ポスト連成シミュレーション分析です。連成シミュレーションのプロパティボック スで Excel traces または VCD traces モードをチェックする事により、CosiMate は 2 つの異なるフォー マット(CSV 形式と VCD 形式(※主にハードウェアと論理シミュレーションのために使用される) )に 連成シミュレーションバス上の全ての転送データのトレースを生成します。結果の分析は、推奨される CSV・VCD エディタを使用することにより、連成シミュレーションの後に行うことができます。 注意: CSV・VCD 形式に任意のエディタを関連付けるには、ユーザーズマニュアルを参照してください。 連成シミュレーションの終了時にトレースを開くには次の手順に従ってください。 1. CosiMate の GUI を使用し、入力と出力を分析するモデルを構造図(ネットリスト)でシミュレ ータインスタンスをクリックして選択してください。 2. Tools>Open Traces…メニューを選択し任意のエディタにてトレースを開きます。表示されるダ イアログボックスには CSV、CSF、VCD ファイルを開くための選択肢が表示されます。 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 24/24 Ver.1.0 2014/05/28 3. 開きたいファイルを選択し、OK ボタンをクリックします。 4. トレースは選択したエディタ上で開かれます。 5. あとは結果の分析を行ってください。 図 31:CosiMate Scope 上でのトレース表示画面 Getting Started with CosiMate Doc.No. TN-133 Page. 25/24 Ver.1.0 2014/05/28
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