プラグイン・エフェクト - 5.67 MB | sonar_x3_plugin_fx_j01

プラグイン・エフェクト
SONAR には、音楽 制作において必要不可欠な高品 質プラグイン・エフェクトが豊富 に収録されていま
す。本書では、SONAR に収録のプラグイン・エフェクトのうち、主なプラグイン・エフェクトの操作方
法とパラメーターについて説明します。
※ プラグイン・エフェクトの挿入方法については、ユーザーズ・ガイドをご参照ください。
SONAR に収録されている主なオーディオ・エフェクトは、以下のとおりです。
名称
Producer
Studio
Essential
オートメーション対応
記載ページ
マルチ・エフェクト
VX-64 VocalStrip
○
×
×
○
P.4
PX-64 PercussionStrip
○
×
×
○
P.9
TH2 Producer
○
×
×
○
専用 PDF
TH2 SONAR
×
○
○
○
専用 PDF
TL-64 Tube Leveler
○
×
×
○
P.21
Sonitus:fx Delay
○
○
○
○
P.59
Tempo Delay
○
○
○
○
P.89
LP-64 Multiband
○
×
×
○
P.33
Sonitus:fx Compressor
○
○
○
○
P.56
Sonitus:fx Multiband
○
○
○
○
P.66
Compressor / Gate
○
○
○
○
P.87
○
○
○
○
P.62
○
○
○
○
P.41
LP-64 EQ
○
×
×
○
P.26
Sonitus:fx Equalizer
○
○
○
○
P.60
HF Exciter
○
○
○
○
P.91
TS-64 Transient Shaper
○
×
×
○
P.15
Sonitus:fx Wahwah
○
○
×
○
P.76
Alias Factor
○
○
○
○
P.82
Modfilter
○
○
○
○
P.92
モデリング
ディレイ
ダイナミクス
[ コンプレッサー ]
[ ゲート ]
Sonitus:fx Gate
[ リミッター ]
Boost11
イコライザー
フィルター
2
© 2014 ティアック株式会社 本書の一部、もしくは全部を無断で複写・転載することを禁じます。
名称
Producer
Studio
Essential
オートメーション対応
記載ページ
モジュレーション
Sonitus:fx Modulator
○
○
○
○
P.64
Classic Phaser
○
○
○
○
P.86
Multivoice Chorus / Flanger
○
○
○
○
P.84
BREVERB SONAR
○
×
×
○
専用 PDF
Perfect Space
○
×
×
○
P.52
Sonitus:fx Reverb
○
○
○
○
P.72
○
○
×
○
P.45
Sonitus:fx Surround
○
○
○
○
P.74
Sonitus:fx SurroundComp
○
○
×
○
P.77
○
○
○
○
P.70
リバーブ
イメージング
Channel Tools
サラウンド
スペシャル
Sonitus:fx Phase
3
VX-64 Vocal Strip
VX-64 Vocal Strip
VX-64 Vocal Strip は、 5 つのエフェクト・モジュールを組み合わせたマルチ機能プラグインです。各
モジュールはボーカル用に調整、最適化されており、アナログ・テープへのレコーディングをエミュレー
トしたり、歯 擦音の除去、ダブ リングとディ レイでボーカ ルに厚みと質 感を加えるな ど、ボーカル・ト
ラックの編集で力を発揮します。
Effect_Fig001.eps_50
プリセットをロードする
VX-64 Vocal Strip には、ボーカル用に調整された多数のプリセットが用意されています。プリセット
は、そのまま利用するだけでなく、プリセットを土台に調整を加えることも可能です。プリセットは以下
の方法でロードすることができます。
1. パネル左上にある Presets 欄の下向き矢印をクリックします。
プリセット一覧が表示されます。
2. 目的のプリセットをクリックします。
パラメーターを変更する
各パラメーターは、マウスを使い操作することができます。
つまみ、スライダーの操作
1. パラメーターを変更するつまみ、スライダーの上にカーソルを合わせます。
2. つまみやスライダーは上下にドラッグしてパラメーターを変更します。
ボタン、スイッチの操作
1. パラメーターを変更するボタンの上にカーソルを合わせます。
2. オンにするときはクリックし、オフにするときはもう一度クリックします。
ボタンは有効になると点灯します。
4
VX-64 Vocal Strip
各部の名称と機能
VX-64 Vocal Strip は、 5 つのエフェクト・モジュール、各エフェクトの状態をグラフィカルに表示す
るグラフ 表示部、エフェクト の配列を変更す るルーティン グ部、入出力を制御 するインプット /アウト
プット部から構成されています。
インプット部
Effect_Fig002_Img.eps
インプット部では、入力レベルの調整やチューブ・サチュレーションを使用することが
できます。
D
チューブ・サチュレーション
真空管アンプでオーバーロードした際に生じる独特の歪みのことをいいます。
C
A
名称
機能
A
インプット・メーター
VX-64 に入力されるオーディオ信号のピーク・レベルが表
示されます。
B
インプット・ゲイン
VX-64 に入力されるオーディオ信号のレベルを調節しま
す。コントロールの範囲は、-24dB ∼ +24dB、デフォル
ト設定は 0dB です。
C
サチュレーション・
オン/オフ
チューブ・サチュレーションのオン/オフを切り替えます。
D
サチュレーション・
レベル
サチュレーションへの入力量を調節します。コントロールの
範囲は 0 ∼ 100% で、デフォルト設定は 0% です。
B
ディエッサー
Effect_Fig003_Img.eps
ディエッサーを使用すると、ボーカルの歯擦音を抑えることができます。
A
E
B
C
D
名称
機能
A
ディエッサー・
オン/オフ
ディエッサーのオン/オフを切り替えます。
B
FREQUENCY
設定を超える周波数から歯擦音を検出します。コントロールの範囲は 2000Hz
∼ 12000Hz で、デフォルト設定は 4000Hz です。
C
DEPTH
歯擦音を除去する割合を指定します。コントロールの範囲は 0 ∼ 100% で、デ
フォルト設定は 40% です。
D
ディエッサー・
インジケーター
除去された歯擦音の量を確認することができます。除去された歯擦音が多いほ
ど、インジケーターが反応します。
E
LISTEN
除去された音のみを聞くことができます。オンにすると、FREQUENCY が適切
な(歯擦音のみが聞こえる)位置に設定されているかどうか判断することができ
ます。
5
VX-64 Vocal Strip
コンパンダー
Effect_Fig004_Img.eps
コンパンダーは、ダイナミック・レンジ(音声信号の小さい音と大きい音の比)を
圧縮伸張させ、全体的なレベルのバランスを調節することができます。
A
B
E
C
F
D
G
H
名称
機能
A
コンパンダー・
オン/オフ
コンパンダーのオン/オフを切り替えます。
B
EXPANDER
THRESHOLD
エキスパンダーの動作するポイントを決定します。
コントロールの範囲は -90dB ∼ 0dB で、デフォルト設定は -55dB です。
C
EXPANDER RATIO
エキスパンダーの比率を設定します。
コントロールの範囲は 1:1.0 ∼ 1:INF で、デフォルト設定は 1:2.0 です。
D
エキスパンダー・
インジケーター
エキスパンダーの動作状況を確認することができます。
E
COMPRESSOR
THRESHOLD
コンプレッサーの動作するポイントを決定します。
コントロールの範囲は -60dB ∼ 0dB で、デフォルト設定は -30dB です。
F
COMPRESSOR
RATIO
コンプレッサーの比率を設定します。
コントロールの範囲は 1.0:1 ∼ INF:1 で、デフォルト設定は 2.0:1 です。
G
コンプレッサー・
インジケーター
コンプレッサーの動作状況を確認することができます。
H
ATTACK
コンプレッサーが動作するまでの時間をコントロールします。
0.1 ∼ 100 ミリ秒でデフォルト設定は 1.0 ミリ秒です。
チューブ・イコライザー
Effect_Fig005_Img.eps
チューブ・イコライザーは、特定の周波数の範囲をアッテネート、カッ
ト、ブーストし、音のキャラクターを形作ることができます。
A
D
B
E
C
6
名称
機能
A
チューブ・イコライ
ザー・オン/オフ
チューブ・イコライザーのオン/オフを切り替えます。
B
サチュレーション
サチュレーションを有効にしたバンドへの入力量を調節します。
コントロールの範囲は 0 ∼ 100% で、デフォルト設定は 0% です。
C
サチュレーション・
オン/オフ
低、中、高域のサチュレーションのオン/オフを切り替えます。
D
FREQ
レベルを調整する帯域を変更します。
E
LEVEL
帯域ごとにレベルを増減します。
VX-64 Vocal Strip
ダブラー
Effect_Fig006_Img.eps
B
C
ダブラーは、入力された音声の複製を作り、ディレイをかけることで微妙なピッ
チ変調を加え、ボーカルに表情を生み出します。
A
名称
機能
A
ダブラー・オン/オフ
ダブラーのオン/オフを切り替えます。
B
PRESENCE
入力された音声から複製した音声のレベルを調整します。
コントロールの範囲は -INF ∼ 0dB で、デフォルト設定は -6dB です。
C
STEREO
入力された音声から複製した音声のステレオ感を調整します。
コントロールの範囲は 0% ∼ 100% で、デフォルト設定は 50% です。
ディレイ
Effect_Fig007_Img.eps
C
D
E
F
G
ディレイ・モジュールは、入力された音声にディレ
イ効果と広がりを加えます。
B
A
名称
機能
A
ディレイ・オン/オフ
ディレイのオン/オフを切り替えます。
B
SYNC
オンにするとディレイ・ タイムがプロジェクトのテンポと同期します。
C
TIME
元の音が聞こえてからディレイをかけた音が聞こえるまでの時間を調整します。
D
FEEDBACK
フィードバックの設定を高くすると、エコーが強くなり、ディケイが長くなり
ます。コントロールの範囲は 0% ∼ 100% で、デフォルト設定は 25% です。
E
LEVEL
ディレイをかけた音のレベルをコントロールします。
コントロールの範囲は -INF ∼ 0dB で、デフォルト設定は -18dB です。
F
FILTER MODE
ローパス、バンドパス、ハイパス・フィルター間でクロスフェードします。
G
CUTOFF
フィルターのカットオフ周波数をコントロールします。コントロールの範囲は
10Hz ∼ 22000Hz で、デフォルト設定は 1000Hz です。
7
VX-64 Vocal Strip
アウトプット部
Effect_Fig008_Img.eps
アウトプット部では、出力レベルの調整やチューブ・サチュレーションを使用すること
ができます。
A
名称
機能
A
サチュレーション・
レベル
サチュレーション・レベルを増加させます。コントロールの
範囲は 0 ∼ 100% で、デフォルト設定は 0% です。
B
アウトプット・ゲイン
出力されるオーディオ信号のレベルを調節します。コント
ロールの範囲は、-24dB ∼ +24dB、デフォルト設定は
0dB です。
C
サチュレーション・
オン/オフ
チューブ・サチュレーションのオン/オフを切り替えます。
D
アウトプット・
メーター
VX-64 で処理されたオーディオ信号のレベルが表示されま
す。
C
B
D
グラフ表示部
グラフ表示部には、ディエッサー、コンパンダー、チューブ・イコライザー、ダブラー、ディレイの効果
が視覚的に表示されます。現在のコントロールのパラメーター名、値が表示されます。
Effect_Fig009.eps_82
ルーティング部
各エフェクトに対応するアイコンをドラッグし、エフェクト順を変更することができます。
Effect_Fig010.eps_75
8
PX-64 Percussion Strip
PX-64 Percussion Strip
PX-64 Percussion Strip は、5 つのエフェクト・モジュールを組み合わせたマルチ機能プラグインで
す。各モジュールはパーカッション用に調整、最適化されており、アタック、ボディー、サステインのコ
ントロールやサウンドをウェット、タイト/ドライに調整、またアナログ・チューブ・サチュレーション
のエミュレートなど、パーカッション・トラックの編集で力を発揮します。
Effect_Fig011.eps_50
プリセットをロードする
PX-64 Percussion Strip には、パーカッション用に調整された多数のプリセットが用意されています。
プリセッ トは、そのまま利用 するだけでな く、プリセットを 土台に調整を加 えることも可 能です。プリ
セットは以下の方法でロードすることができます。
1. パネル左上にある Presets 欄の下向き矢印をクリックします。
プリセット一覧が表示されます。
2. 目的のプリセットをクリックします。
パラメーターを変更する
各パラメーターは、マウスを使い操作することができます。
つまみ、スライダーの操作
1. パラメーターを変更するつまみ、スライダーの上にカーソルを合わせます。
2. つまみやスライダーは上下にドラッグしてパラメーターを変更します。
ボタン、スイッチの操作
1. パラメーターを変更するボタンの上にカーソルを合わせます。
2. オンにするときはクリックし、オフにするときはもう一度クリックします。
ボタンは有効になると点灯します。
9
PX-64 Percussion Strip
各部の名称と機能
PX-64 Percussion Strip は、5 つのエフェク・トモジュール、各エフェクトの状態をグラフィカルに
表示するグラフ表示部、エフェクトの配列を変更するルーティング部、入出力を制御するインプット/ア
ウトプット部から構成されています。
インプット部
Effect_Fig012_Img.eps
インプット部では、入力レベルの調整やチューブ・サチュレーションを使用することが
できます。
D
チューブ・サチュレーション
真空管アンプでオーバーロードした際に生じる独特の歪みのことをいいます。
C
A
10
名称
機能
A
インプット・メーター
PX-64 に入力されるオーディオ信号のピークレベルが表示
されます。
B
インプット・ゲイン
PX-64 に入力されるオーディオ信号のレベルを調節しま
す。コントロールの範囲は、-24dB ∼ +24dB、デフォル
ト設定は 0dB です。
C
サチュレーション・
オン/オフ
チューブ・サチュレーションのオン/オフを切り替えます。
D
サチュレーション・
レベル
サチュレーションへの入力量を調節します。
コントロールの範囲は 0 ∼ 100% で、デフォルト設定は
0% です。
B
PX-64 Percussion Strip
トランジェント・シェイパー
Effect_Fig013_Img.eps
A
B
C
E
D
F
トランジェント・シェイパーは、ドラムのアタックのように短期間でピークに達する音
のダイナミクスを調整することができます。通常のコンプレッサーとは異なり、アタッ
クを、ディケイやサスティンとは独立して調整できることが特徴です。
名称
機能
A
トランジェント・
シェイパー・オン/オフ
トランジェント・シェイパーのオン/オフを切り替えます。
B
ATTACK
アタックのシャープさを調節し、強調/抑制することができます。
コントロールの範囲は 25% ∼ 400% で、 デフォルト設定は 100% です。
C
WEIGHT
音の厚みを調節します。
コントロールの範囲は 25% ∼ 400% で、デフォルト設定は 100% です。
D
WEIGHT COLOR
WEIGHT のゲイン・カーブを調整し、音の明暗を変更します。WEIGHT と
WEIGHT COLOR の設定に応じて、低域、中域、高域周波数に異なるゲイ
ンカーブが適用されます。値が 0(中央)の場合、すべての帯域で同じゲイ
ンカーブが適用されます。値を小さくすると、低域周波数で WEIGHT の効
果が強くなり、高域周波数では弱くなります。値を大きくした場合は、逆に
なります。コントロールの範囲は -100 ∼ +100 で、デフォルト設定は 0
です。
E
DECAY
ディケイを調整し、音のウェットまたはドライ/タイトします。ディケイ・
コントロールの範囲は 25% ∼ 400% で、デフォルト設定は 100% です。
DECAY COLOR
DECAY のゲイン・カーブを調整し、音の余韻の明暗を変更します。
DECAY と DECAY COLOR の設定に応じて、低域、中域、高域周波数に
異なるゲインカーブが適用されます。値が 0(中央)の場合、すべての帯域
で同じゲイン・カーブが適用されます。値を小さくすると、低域周波数で
DECAY の効果が強くなり、高域周波数では弱くなります。値を大きくした
場合は、逆になります。コントロールの範囲は -100 ∼ +100 で、デフォ
ルト設定は 0 です。
F
コンプレッサー
Effect_Fig014_Img.eps
A
D
B
ダイナミック・レンジ(音声信号の小さい音と大きい音の比)を圧縮して、全体的な
レベルのバランスを調節します。
C
名称
機能
A
コンプレッサー・
オン/オフ
コンプレッサーのオン/オフを切り替えます。
B
COMPRESSOR
THRESHOLD
コンプレッサーの動作するポイントを決定します。コントロールの範囲は
-60dB ∼ 0dB で、デフォルト設定は -30dB です。
C
COMPRESSOR RATIO
コンプレッサーの比率を設定します。コントロールの範囲は
1.0:1 ∼ INF:1 で、デフォルト設定は 2.0:1 です。
D
コンプレッサー・
インジケーター
コンプレッサーの動作状況を確認することができます。
11
PX-64 Percussion Strip
エキスパンダー
Effect_Fig015_Img.eps
A
D
C
B
大きな音はより大きく、小さな音はより小さくすることで音のダイナミック・レンジ
を広げます。また、コンプレッションによるノイズを抑えるために利用します。
名称
機能
A
エキスパンダー・
オン/オフ
エキスパンダーのオン/オフを切り替えます。
B
EXPANDER
THRESHOLD
エキスパンダーの動作するポイントを決定します。
コントロールの範囲は -90dB ∼ 0dB で、デフォルト設定は -45dB です。
C
EXPANDER RATIO
エキスパンダーの比率を設定します。コントロールの範囲は
1:1.0 ∼ 1:INF で、デフォルト設定は 1:2.0 です。
D
エキスパンダー・
インジケーター
エキスパンダーの動作状況を確認することができます。
イコライザー
Effect_Fig016_Img.eps
イコ ライザーは、特 定の周波数の 範囲をアッテ ネート、カット、ブ ーストし、
音のキャラクターを形作ることができます。
A
B
C
D
12
名称
機能
A
イコライザー・
オン/オフ
イコライザーのオン/オフを切り替えます。
B
FREQUENCY
レベルを調整する帯域を変更します。
C
LEVEL
帯域ごとにレベルを増減します。
D
MODE
帯域ごとに適用するフィルターを指定します。低域ではローシェルフとローパ
ス、中低域、中高域ではヴィンテージ・ベル(共鳴を減らすためにセンター・フ
リケンシーが下がる ) とクラシック・ベル、高域ではハイシェルフとハイパス・
フィルターの切り替えが可能です。
PX-64 Percussion Strip
ディレイ
Effect_Fig017_Img.eps
B
C
D
E
F
G
H
I
ディレイモジ ュールは、入力 された音声に ディレイ
効果と広がりを加えます。
A
名称
機能
A
ディレイ・オン/オフ
ディレイのオン/オフを切り替えます。
B
STEREO
ピンポン・ディレイ(ディレイ音が左右交互に鳴る)の効果を調整します。
コントロールの範囲は 0% ∼ 100% で、デフォルト設定は 35.5% です。
C
SYNC
オンにするとディレイ・タイムがプロジェクトのテンポと同期します。
D
TIME
元の音が聞こえてからディレイをかけた音が聞こえるまでの時間を調整します。
E
FEEDBACK
フィードバックの設定を高くすると、エコーが強くなり、ディケイが長くなりま
す。コントロールの範囲は 0% ∼ 100% で、デフォルト設定は 25% です。
F
LEVEL
ディレイをかけた音のレベルをコントロールします。コントロールの範囲は -INF
∼ 0dB で、デフォルト設定は -12dB です。
G
FILTER MODE
ローパス、バンドパス、ハイパス・フィルター間でクロスフェードします。
H
CUTOFF
フィルターのカットオフ周波数をコントロールします。コントロールの範囲は
10Hz ∼ 22000Hz で、デフォルト設定は 1000Hz です。
I
SMOOTH
ディレイ音のアタックを調整します。スムーズ・コントロールの範囲は 0% ∼
100% で、デフォルト設定は 59.8% です。
アウトプット部
Effect_Fig018_Img.eps
アウト プット部では、出力レベルの調整 やチューブ・サチュレーション を使用することが
できます。
A
C
B
D
名称
機能
A
サチュレーション・
レベル
サチュレーション・レベルを増加させます。コントロールの
範囲は 0 ∼ 100% で、デフォルト設定は 0% です。
B
アウトプット・ゲイン
出力されるオーディオ信号のレベルを調節します。コント
ロールの範囲は、-24dB ∼ +24dB、デフォルト設定は
0dB です。
C
サチュレーション・
オン/オフ
チューブ・サチュレーションのオン/オフを切り替えます。
D
アウトプット・メーター
PX-64 で処理されたオーディオ信号のレベルが表示されま
す。
13
PX-64 Percussion Strip
グラフ表示部
グラフ表示部には、トランジェント・シェイパー、コンプレッサー、エキスパンダー、EQ プロット、ディ
レイの効果が視覚的に表示されます。現在のコントロールのパラメーター名、値が表示されます。
Effect_Fig019.eps_82
ルーティング部
各エフェクトに対応するアイコンをドラッグし、エフェクト順を変更することができます。
Effect_Fig020.eps_75
14
TS-64 Transient Shaper
TS-64 Transient Shaper
TS-64 Transient Shaper は、オーディオ・トラックやミックスのダイナミクスを強力に制御すること
ができます。テンポに合わせて振れ幅が変化するドラムヒットやパーカッシブ楽器など、個々の音のダイ
ナミクスを操作するために、強力なエンベロープ/トランジェント検出、線形位相フィルタリング、ゲイ
ン・シェイピングを採用しています。個々のトラックやフルミックスの活性化、質の高いドラム録音のさ
らなる向上と、質の低いドラム録音の改善、楽器のアタックの強調または減衰、音の「パンチ」
「ボディ」
の増減、音を「ウェット」または「タイト/ドライ」に調整するなど、多くの状況で力を発揮します。
Effect_Fig026.eps_60
TS-64 Transient Shaper の機能は、次のとおりです。
●
●
●
●
●
●
強力なエンベロープ/トランジェント検出
線形位相フィルタリング
ゲイン・シェイピング
余韻または雰囲気のトランジェントを独立して作成
オートメーション可能なパラメーター
なめらかで継ぎ目のない出力
線形位相処理について
従来のプロセッサーで好ましくない音を作る原因となっている位相シフトを防ぐには、線形位相処理が重
要です。一般的なマルチバンド・プロセッサーでは、何もしない場合でも音が変化してしまいます。これ
は、位相シフトを使った IIR
(無限インパルス応答)フィルターで帯域の分割と再合成が行われるためです。
通常のマルチバンド・プロセッサーの位相シフトでは、フィルターごとの周波数に依存した方法で時間に
沿ってオ ーディオがシフ トされます。この 場合、低周波数と 高周波数の整合 が相互に変化 したり、元の
オーディ オに対して変 化してしまう ことがありま す。つまり、音が時間 に沿って「バラバ ラに分解」さ
れ、音の透明感と新鮮度が失われてしまうことになります。
通常のマルチバンド・プロセッサーやエンベロープ・フォロワーとは異なり、TS-64 Transient Shaper
で周波数 帯域を分割する フィルターは、線 形位相型のフ ィルターです。線形 位相フィルタ ーでは、オー
ディオの完全性をすべての周波数域で常に保持しながら、スペクトルを帯域ごとに分割・再合成すること
ができます。意図しないカラレーションや打ち消しが起こったり、コム・フィルターがかかったり、音の
立ち上がりや減衰が濁るというようなことはありません。ホスト・アプリケーションで全体的なレイテン
シーが補正されている場合、結果となる線形位相出力は、「ゼロ位相出力」と呼びます。
15
TS-64 Transient Shaper
インターフェース
つまみの操作
すべてのつまみは、上下にドラッグすることで操作します。つまみをクリックして選んでから、マウス・
ホイール やキーボード・ショ ートカットを 使って調節す ることもできま す。通常の操作で は、パラメー
ターは比較的大きく増減します。微調整するには、Shift キーを押しながらドラッグするかマウス・ホイー
ルを使用します。パラメーター値をリセットするには、つまみをダブルクリックします。
Effect_Fig027_Img.eps
パラメーター値の直接入力
マウスやキーボード・ショートカットでのつまみの値の調節に加えて、数値を直接入力することもできま
す。
1. つまみの下に表示されているパラメーター値をダブルクリックします。
2. 表示されたテキスト・ボックスに、値を入力します。
3. Enter キーを押して新しい値を決定します。
Effect_Fig028.eps_77
キーボード・ショートカット
次のキーボード・ショートカットを使って、選んだつまみを調節できます。
16
キー
キー操作
↓、↑
次の/前のパラメーター値の調節(通常の分解能)
←、→
次の/前のパラメーター値の調節(細かい分解能)
Page Up / Down
次の/前のパラメーター値の調節(粗い分解能)
TS-64 Transient Shaper
TS-64 Transient Shaper コントロール
TS-64 Transient Shaper のアルゴリズムは 3 つのステージに分かれています。各ステージに用意され
たコントロールにより、処理するトランジェントの範囲を選んだり、アタックのシャープさ、初期ディケ
イ、最終ディケイのティンバーを変えることができます。
Effect_Fig026.eps_60
POWER
プラグイ ン処理のオンと オフを切り替 えます。オフにな っている場合、処理 はバイパスさ れ、入力オー
ディオは出力に直接送られます。
Effect_Fig029.eps_70
ディテクション・ステージ
入力されたオーディオ信号のエンベロープをモニターします。モニターした信号からトランジェントが検
出され、その特性(アタック・レート、ピーク、さまざまなキー・レベル・ポイント)に関する情報が収
集されます。
Effect_Fig030.eps_70
名称
概要
トランジェント
検出メーター
トランジェントのピークがスレッショルドで設定したレベルを超えると、オレンジのライ
トが点灯します。ライトの点灯は、検出されたトランジェントが TS-64 Transient
Shaper で処理されていることを示します。
B
スレッショルド
つまみ
ディテクション・ステージにおいて、大変重要なコントロールです。スレッショルドつま
みで、処理を行う最小のトランジェント・ピーク・レベルを決めます。スレッショルドの
設定が -6dB の場合、-6dB を超えるトランジェントのみが処理されます。スレッショル
ド以下のトランジェントは処理されません。スレッショルドつまみの調整範囲は -40dB
∼ 0dB で、デフォルト設定は -20dB です。設定を 0dB にすると、事実上、処理が無効
になります。
C
アタックつまみ
アタックつまみで、検出されたトランジェントに適用するゲイン・カーブを操作します。
100% より高い値にするとアタック音が強くなり、100% より低い値にすると弱くなり
ます。アタックつまみの調整範囲は 25% ∼ 400% で、デフォルト設定は 100% です。
A
17
TS-64 Transient Shaper
シェイピング・ステージ
検出され たトランジェン トに対して、スムー ズでダイナミ ックなエンベロ ープを信号に適 用し、トラン
ジェントの形を調整します。TS-64 Transient Shaper は、ゲイン調整を周波数ごとにできるよう、複
数の線形位相フィルター・バンクを使用しています。これにより、検出された各トランジェントのティン
バー特性をさらに正確に操作できます。
Effect_Fig031.eps_70
A
B
C
名称
概要
ウェイトつまみ
ウェイトの値で、ディケイ開始時のゲイン・カーブの形が決まります(ピークは約 -12dB)
。
ウェイトの値を上げると、パーカッシブなサウンドの存在感や「厚み」が増します。この効
果は、ドラムやパーカッションに対するコンプレッサー/リミッターのエフェクトと同様で
す。ただし TS-64 Transient Shaper は、ピークがスレッショルドの値を上回って検出さ
れたトランジェントのみに、このエフェクトを適用します。ウェイトを下げると(負の値)
、
トランジェントのサウンドが細く、またはシャープになります。これは、圧縮されすぎた信
号に自然なディケイを取り戻すために使用できます。ウェイトつまみの調整範囲は 25% ∼
400% で、デフォルト設定は 100% です。
ウェイト・
ティンバーつまみ
複数の独立した線形位相フィルター帯域を介して、ウェイトの設定を各周波数に反映するよ
うにできます。ウェイトとウェイト・ティンバーの設定に応じて、低、中、高それぞれの周
波数域に異なるゲイン・カーブが適用されます。ウェイト・ティンバーがゼロ(中央)に設
定されている場合、各帯域で同じゲイン・カーブを適用します。
ティンバーを Low の方向へ調節すると、低い周波数域におけるウェイトの値の効果が強くな
り、高い周波数域では弱くなります。
ティンバーの値を High の方向へ調節した場合は、その逆になります。ウェイト・ティン
バーつまみの調整範囲は -100 ∼ +100 で、デフォルト設定は 0 です。
ディケイつまみ
ディケイの値で、検出されたディケイがピーク値より約 -12dB より落ち込んだ際、トラン
ジェントに適用される、ゲイン・カーブの形を決定します。100% より高い値にすると、
パーカッシブなサウンドの「ウェット感」とテイルが強くなります。リバーブの効果と似て
います。反対に、100% 低い値にすると、パーッカッションのサウンドが「ドライ」または
「タイト」になります。ディケイつまみの調整範囲は 25% ∼ 400% で、デフォルト設定は
100% です。
D
ディケイ・
ティンバーつまみ
複数の独立した線形位相フィルター帯域を介して、ディケイの設定を各周波数に反映するよ
うにできます。
)ディケイとディケイ・ティンバーの設定に応じて、低、中、高それぞれの周
波数域に異なるゲイン・カーブが適用されます。ディケイ・ティンバーがゼロ(つまみ中央)
に設定されている場合、各帯域で同じゲイン・カーブを適用します。
ティンバーを Low の方向へ調節すると、低い周波数域におけるディケイの値の効果が強くな
り、高い周波数域では弱くなります。
ティンバーの値を High の方向へ調節した場合は、その逆になります。ディケイ・ティン
バーつまみの調整範囲は -100 ∼ +100 で、デフォルト設定は 0 です。
E
ティンバー・
コントロール・
ボタン
ウェイトとディケイのティンバーつまみを有効/無効にします。ティンバー・コントロール
を無効にすると、処理から線形位相フィルターが省かれるため、CPU 負荷が大幅に軽減され
ます。
TS-64 Transient Shaper ではリミッティングを行いません。各ステージの処理で、トランジェン
ト・シェイプに対する TS-64 Transient Shaper の処理を歪めたり、打ち消したりする可能性があ
るからです。最終レベルの調整時には、クリッピングが強くならないように気をつけてください。
18
TS-64 Transient Shaper
アウトプット・ゲイン・ステージ
最終的な ゲイン操作を行 います。レベルを調 節して処理後 のクリッピング を回避できます。ア ウトプッ
ト・ゲインの調整範囲は -24dB ∼ +24dB で、デフォルト設定は 0dB です。
Effect_Fig032.eps
19
TS-64 Transient Shaper
ガイドライン
パラメーター調整のガイドライン
TS-64 には、はじめて使う方のために、いくつかのプリセットが含まれています。しかし、オーディオ
の信号はそれぞれに異なるため、作業対象に合う設定になるよう各種コントロールを調整することに、本
当の価値と面白さがあります。パラメーターを調整するために役立つガイドラインを紹介します。
目的
パーカッション・サウンドのテイルと
「ウェット感」を強める
方法
ディケイの値を上げる
パーカッシブなトランジェントを「ドライ」
または「タイト」にする
ディケイの値を 100% より低くする
パーカッション・サウンドの「パンチ」を
上げる/下げる
アタック・コントロールを調節する
パーカッシブなサウンドの「響き」を
上げる/下げる
ディケイ・コントロールを調節する
トランジェントのサウンドを細く/
シャープにする
ウェイトの値を 100% より低くする
パーッカッション・サウンドの存在感や
「厚み」を強める
パーッカッション・サウンドの「ボディー」を
上げる/下げる
ウェイトの値を上げる
ウェイト・コントロールを調節する
レイテンシー
TS-64 Transient Shaper は、主にマスタリング/ポスト・プロダクションのために設計されてお
り、ライブ・インサートには向きません。適切なゲインとフィルター・カーブを適用するために、入
力信号からトランジェントを検出し、その特性に関する情報を収集するために、かなり高いレイテン
シー(約 200ms)を必要とするためです。
20
TL-64 Tube Leveler
TL-64 Tube Leveler
TL-64 Tube Leveler は、アナログ真空管回路をモデリング したプリアンプ/プロセッサーです。直感
的なコントローラーを使用して、アナログ真空管の特性を再現することができます。個々のトラックやフ
ル・ミックスに「暖かみ」のある音や、強烈な「歪み」を追加することが可能です。
Effect_Fig033.eps_60
TL-64 Tube Leveler の機能は次のとおりです。
●
●
●
●
●
ダイナミックおよびスタティックのチューブ・モデル・ アルゴリズム
オートメーション可能なパラメーター
なめらかで継ぎ目のない出力
質の高い信号処理アルゴリズム
プリセット・ライブラリー
インターフェース
つまみの操作
すべてのつまみは、上下にドラッグすることで操作します。つまみをクリックして選んでからマウス・ホ
イールやキーボード・ショートカットを使って調節することもできます。通常の操作では、パラメーター
は比較的大きく増減します。微調整するには、Shift キーを押しながらドラッグするかマウス・ホイール
を使用します。パラメーター値をリセットするには、つまみをダブルクリックします。
Effect_Fig034_Img.eps
ボタンの操作
ボタンは、オンとオフを切り替えて使用します。オンにするときはクリックし、オフにするときはもう一
度クリックします。
Effect_Fig035_36_Img.eps
21
TL-64 Tube Leveler
パラメーター値の直接入力
マウスやキーボード・ショートカットでのつまみの値の調節に加えて、数値を直接入力することもできます。
1. つまみの下に表示されているパラメーター値をダブルクリックします。
2. 表示されたテキスト・ボックスに、値を入力します。
3. Enter キーを押して新しい値を決定します。
Effect_Fig037.eps_77
キーボード・ショートカット
次のキーボード・ショートカットを使って、選んだつまみを調節できます。
22
キー
キー操作
↓、↑
次の/前のパラメーター値の調節(通常の分解能)
←、→
次の/前のパラメーター値の調節(細かい分解能)
Page Up / Down
次の/前のパラメーター値の調節(粗い分解能)
TL-64 Tube Leveler
TL-64 Tube Leveler コントロール
TL-64 Tube Leveler のアルゴリズムは 4 つのステージに分かれています。各ステージに用意されたコ
ントロールによりアナログ真空管の特性を決めることができます。
Effect_Fig038_Img.eps
A
B
A. ドライブ・コントロール
C. サチュレーション・コントロール
C
D
B. ダイナミック・レスポンス・コントロール
D. ゲイン・コントロール
POWER
プラグイ ン処理のオンと オフを切り替 えます。オフにな っている場合、処理 はバイパスさ れ、入力オー
ディオは出力に直接送られます。
Effect_Fig039.eps
OVR-SAMP
Effect_Fig040.eps
エイリアシングや量子化ノイズを低減するための、オーバー・サンプリングを有効にし
ます。オーバー・サンプリングは CPU の使用率を著しく高くすることがあるため、高
周波成分を強く含むオーディオ素材の再生時にのみ、 オンにすることをお勧めします。
バウンスまたはミックスダウンの前にオーバー・サンプリングを有効にすると最適な音質を得ること
ができます。
ドライブ・コントロール
入力信号のサチュレーション・ステージへの入力量を調節します。コントロールの範囲は 0dB ∼ +24dB
で、デフォルト設定は 0dB です。
Effect_Fig041.eps_77
23
TL-64 Tube Leveler
ダイナミック・レスポンス・コントロール
真空管モデルのアルゴリズムを決定します(ダイナミックまたはスタティック)。デフォルトでは、ダイ
ナミック・モードに設定されています。
Effect_Fig042.eps_77
名称
概要
Dynamin Mode
ボタン
ダイナミックなチューブ・モデル・アルゴリズムを有効にします。入力信号によって時
間とともに特性が変化することがあります。
このような場合、ダイナミック・モードを ON にすると、実際の真空管のように振る舞
い、さらに本物らしさと存在感を与えます。
B
ローシェルフ・
フィルター
不要な低音域の音を低減できます。ダイナミック・モードがオンになっているときにの
み動作します。ローシェルフ・フィルターには次のパラメーターがあります。
• ローシェルフ・フリケンシー:
周波数の範囲は 20Hz ∼ 20kHz で、デフォルト設定は 20Hz です。
• ローシェルフ・ゲイン:
ゲイン範囲は -24dB ∼ -0.1dB で、デフォルト設定は -0.1dB です。
C
Shelf
Compensation
ボタン
オンにすると、ローシェルフ・フィルターによる低音域の音の低減を補正するフィル
ターが有効になります。補正フィルターは、フラット出力を維持しながら低音帯のク
リッピングを低減します。
補正フィルターがオンのときは、ダイナミック・レスポンス表示にフラット出力レスポ
ンスを示す青い点線が表示されます。
A
24
TL-64 Tube Leveler
サチュレーション・コントロール
真空管の属性を調節します。ADVANCED ボタンをクリックすると、 詳細な調節ができます。
Effect_Fig043.eps_77
名称
概要
クリッピング
つまみ
入力信号レベルが高い場合に行う、クリッピング・サチュレーションの強弱を決めます。
クリッピング・コントロールの範囲は 0 ∼ 1 で、デフォルト設定は 0.5 です。
B
オフセット
つまみ
ADVANCED ボタンをクリックして、オフセットつまみの表示/非表示を切り替えま
す。
サチュレーション・カーブに適用するオフセットを変更することができます。オフセッ
トを加えることで、プラス方向の波形よりもマイナス方向を上げたり、または下げたり
できます。実際の入力は多くの場合非対称なので、オフセットを使用することで音質を
より改善できることがあります。オフセットの調整範囲は -0.90 ∼ 0.90 で、デフォ
ルト設定は 0 です。
C
シンメトリー
つまみ
ADVANCED ボタンをクリックして、シンメトリーつまみの表示/非表示を切り替え
ます。
プラス方向のクリップは強め、マイナス方向は弱めるなど、クリッピング・サチュレー
ションの強弱を調整します。オフセットつまみと同様に、調整することで音質が向上す
ることがあります。シンメトリーの調整範囲は -1 ∼ 1 で、デフォルト設定は 0 です。
サチュレーション
入力信号に適用されるサチュレーション・カーブを表示します。
カーブの形は、クリッピング、オフセット、シンメトリーつまみの値によって決まりま
す。表示は、スタティック・モードの出力が正確に反映されています。
ダイナミック・モードが有効になっている場合、実際の出力はより生き生きとしてきま
すが、属性は表示されたカーブと同じです。
A
D
アウトプット・ゲイン・ステージ
Effect_Fig044.eps_77
最終的なゲイン操作を行います。レベルを調節して処理後のクリッピングを回避できます。
アウトプット・ゲインの調整範囲は -24dB ∼ +24dB で、デフォルト設定は 0dB です。
25
LP-64 EQ
LP-64 EQ
LP-64 EQ は、ミキシングやマスタリングに最適な線形位相(リ ニア・フェイズ)イコライザー・プラ
グインです。従来のイコライザーと は異なり、LP-64 EQ では、ゲイン 設定とは関係なくすべての周波
数において線形位相シフトしながら音のバランスを正確にコントロールすることができます。
Effect_Fig045.eps_60
LP-64 EQ の機能は、次のとおりです。
• 最適化された DSP:より高速な FFT(高速フーリ
エ変換)と複数レイヤーの畳み込み
• マウス・カーソルをかざすことで、コントロール・
ポイントのパラメーターを表 示(すべての情報を
表示する EQ グラフ)
• 数値によるパラメーター値の 直接入力可能(コン
トロール・ポイントのパラメーター表示ではない)
• ステレオ出力メーター。
• モノとステレオの操作。
• 192kHz までのサンプリング・レートでの
動作。
• 64 ビットの 2 倍精度信号パス。
• VST オートメーション。
線形位相処理について
従来のプロセッサーで音を濁らせる原因となっている位相差を防ぐには、線形位相処理は重要です。一般
的なイコライザーでは、何もしない場合でも音が変化してしまいます。これは、位相シフトを使った IIR
(無限インパルス応答)フィルターでー帯域の分割と再合成が行われるためです。
通常のイコライザーの位相シフトでは、フィルターごとの周波数に依存した方法で時間に沿って音声信号
がシフトされます。この場合、低周波数と高周波数の整合が相互に変化したり、元の信号に対して変化し
てしまうことがあります。すなわち、音が時間に沿って「バラバラに分解」され、音の透明感と新鮮度が
失われてしまうことになります。
通常のイコライザーとは異なり、LP -64 EQ で周波数帯域を分割す るフィルターは、線形位相型のフィ
ルターです。線形位相フィルターでは、音声信号の完全性をすべての周波数域で常に保持しながら、スペ
クトルを帯域ごとに分割・再合成することができます。意図しない不自然な音色変化や打ち消しが起こっ
たり、コム・フィルターがかかったり、音の立ち上がりや減衰が濁るというようなことはありません。
ホスト・アプリケーションで 全体的なレイテンシーが補正されている場合、 結果となる線形位相出力は、
「ゼロ位相出力」と呼びます。
26
LP-64 EQ
ユーザー・インターフェース
Effect_Fig046_Img.eps
G
H
I
J
K
L
M
N
B
A
C
D
E
F
名称
A
EQ オン/オフ
B
モード(ノーマル/カーブ)
C
グリッド・オン/オフ切り替え
D
周波数表示/非表示
E
ゲイン表示/非表示
F
Q 表示/非表示
G
ゲイン・スケール
H
コントロール・ポイント
I
EQ グラフ/編集(ヘッドアップ表示)
J
選ばれているコントロール・ポイント
K
メイン・メーター
L
出力ゲイン
M
周波数スケール
N
選ばれているコントロール・ポイント・パラメーター
つまみの操作
Effect_Fig047.eps_77
つまみは、マウスを垂直方向に動かすことによって操作します。マウスの左ボタン
を押したまま、上下にドラッグします。Shift キーを押しながら操作すると微調整
できます。ダブルク リックすると、初期値にリセッ トされます。選んだつまみは、
マウス・ホイールやキーボード・ショートカットを使って調節することもできます。
パラメーター値はつまみの下に表示され、数値をダブルクリックすると編集するこ
とができます。
27
LP-64 EQ
ボタンの操作
Effect_Fig048.eps
ほとんどのボタンは、オンとオフを切り替えて使います。オンにすると
きはクリック(ボタンが点灯)し、オフにするときはもう一度クリック
します。ボタンがオンになっているときは明るく表示されます。
キーボード・ショートカット
次のキーボード・ショートカットを使って、選んだつまみやボタンを調節できます。
キー
キー操作
Tab
選択を次のコントロール・ポイントに移動する
Shift+Tab
選択を前のコントロール・ポイントに移動する
↓または↑
次の/前のパラメーター値を調節(通常の分解能)。ボタンのオン/オフ切り替え
←、→
次の/前のパラメーター値の調節(細かい分解能)
Page Up / Down
次の/前のパラメーター値の調節(粗い分解能)
Delete
選ばれたコントロール・ポイントを削除
プラグインのオン/オフ
Effect_Fig049.eps
プラグインのオンと オフを切り替えます。オフの状態では 入力信号は処理されま
せん。
モード(ノーマル/カーブ)
LP-64 EQ には、2 つ のイコライザー・モードがあります。
• ノーマル・モード
従来の、フ ィルター要素(ローシェルフ、バン ドパス/バンドノッチ、ハイシェ ルフ)を表示するグ
ラフィカル・コントロール・ポイント付きパラメトリック EQ で、周波数、ゲイン、 Q(レゾナンス
とフィル ター・スロープ)をコントロールし ます。コントロール・ポイントの位置 は重ねたり順番を
変えたり することができます。イコライザー の出力は、どのような設定にしても 常に線形位相になり
ます。
• カーブ・モード
このモー ドでは直感的に曲線を編集する ことができます。コントロール・ポイ ントは、イコライゼー
ション・カーブに直接配置され、輪ゴムのように伸ばすことができるようになります。深いノッチ、レ
ゾナント・ ピーク、および急なロールオフは、コ ントロール・ポイントを必要な数 だけ追加すると作
ることができるようになります。コントロール・ポイントの順番は変えることができます。コントロー
ル・ポイント は隣のポイントのほうへ左ま たは右のみに動かすことができ ます。コントロール・ポイ
ントを近づけるとフィルター・ロール・オフが急になります。 このモードでは標準の EQ モードと同
じ高品質の線形位相出力を作ります。
モード・ボタンをクリックして、ノーマル・モードとカーブ・ モードを切り替えます。
28
LP-64 EQ
HUD(ヘッドアップ表示)
LP-64 EQ では、イコライゼーションに関するすべての情報は EQ グラフ表示部に表示されます。コン
トロール・ポイントの上でマウス・カーソルをかざすと、コントロール・ポイントについての詳細情報が
表示されます。グラフの上ででコントロール・ポイントを動かすと、情報もコントロール・ポイントに合
わせて動きます。周波数とゲインは典型的なイコライザーと同じで、XY のように配置されています。
Effect_Fig052.eps
HUD ではグラフの詳細を表示または非表示にすることができます。
• 周波数(フリケンシー)の表示/非表示
• ゲイン(表示/非表示)
• Q(表示/非表示)
• グリッドの表示/非表示
グリッドの表示/非表示
Effect_Fig053.eps
グリッド・ボタンでグリッド表示のオンとオフを切り替えます。
オンのときは、3dB 間隔で横の線が表示され、31.25Hz、62.5Hz、125Hz、250Hz、
500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHz、16kHz のところに縦の線が表示されます。
周波数(フリケンシー)の表示/非表示
Effect_Fig054.eps
このボタンは、HUD の各ポイントで表示される周波数の値の表示/非表示を切り替
えます。
周波数表示
選ばれたコントロール・ポイントのセンター/カットオフ周波数を設定します。ピーク/ディップ・フィ
ルターでは、周波数はセンター周波数を指します。その他のフィルター・タイプでは、周波数でカットオ
フ/シェルフ周波数を決めます。
コントロール・ポイントの周波数の値を調節するには、次の方法があります。
• コントロール・ポイントを左か右へドラッグする
• 周波数表示をダブルクリックして、値を入力します。
• 周波数表 示をクリックしてフォーカスが ある状態(現在の数値が赤く表示)に してから、矢印のキー
や Page Up / Down キーを使って値を調節する(キーボード・ショートカット参照)
ゲイン(表示/非表示)
Effect_Fig055.eps
このボタンは、HUD の各ポイントで表示されるゲインの値の表示/非表示を切り替
えます。
29
LP-64 EQ
ゲイン・パラメーター
ゲイン・パラメーターでは選ばれたコントロール・ポイントのブーストまたは減衰を調節します。
コントロール・ポイントの値を調節するには、次の方法があります。
• コントロール・ポイントを上または下へドラッグする
• ゲイン表示をダブルクリックして、値を入力する
• ゲイン表 示をクリックしてフォーカスが ある状態(現在の数値が赤く表示)に してから、矢印のキー
や Page Up / Down キーを使って値を調節する(キーボード・ショートカット参照)
Q(表示/非表示)
Effect_Fig056.eps
このボタンは、HUD の各ポイントで表示される Q の値の表示/非表示を切り替えます。
ノーマル・モードの操作では、コントロール・ポイントの Q またはレゾナンスは、コン
トロール・ポイントから上または下へ伸びるオレンジのハンドルを使ってコントロールし
ます。Q の値を低くすると、ハンドルが短くなります。ハンドルを長くすると Q の値が
上がり、フィルター要素のレゾナンスを鋭くします。
Q パラメーター
Effect_Fig057.eps
Q パラメーターは LP-64 EQ がノーマル・モードのときだけ表示されます。
Q パラメーターでは、選ばれたコントロール・ポイントの Q ファクターを調節します。Q はフィルター
の形と幅を決める設定です。Q の値を低くすると、フィルター帯域の帯域幅が広がることでサウンドがな
めらかな形になり、あまり「不自然な音色変化」がない状態になります。しかし、センター周波数周辺の
広い周波数レンジが影響されるので、フィルタリングの精度が低くなります。Q の値を高くすると、帯域
幅が狭くなり、フィルターの精度が上がりますが、周波数スペクトルにディップやピークができます。
コントロール・ポイントの Q の値を調節するには、次の方法があります。
• Q 表示/非表示ボタンがオンのときは、コントロール・ポイントのオレンジの Q ハンドルを上下にド
ラッグします。
• Q 表示をダブルクリックして、値を入力します。
• Q 表示をクリックしてフォーカスがある状態(現在の数値が赤く表示)にしてから、矢印のキーや Page
Up / Down キーを使って値を調節する(キーボード・ショートカット参照)
30
LP-64 EQ
グラフ・スケール
Effect_Fig058.eps
ゲイン(dB)の EQ グラフ・スケールはマウスで上または下へドラッグするとズー
ムすることができます。最小ズームは± 6dB で、最大ズームは± 24dB です。
また、コントロール・ポイントは dB ズーム・レベルに関係なく -inf(負の無限大)
に設定することができ、深い切り込みのフィルターを作ることができます。
アウトプット・ゲイン
Effect_Fig047.eps_77
アウトプット・ゲイン・コントローラーでは、プロセッサーへの出力の段階でイコ
ライゼーション後のオーディオにゲインの最終調節をすることができます。
範囲は -INF(負の無限)から +6dB で、デフォルト値は 0dB です。
出力メーター
Effect_Fig059.eps_50
出力メーターでは、EQ 後の信号レベルに出力ゲインをかけた後の左右のチャンネ
ルの信号レベルが表示されます。メーターに はクリップ・インジケーターがあり、
レベルが 0dB 以上になった場合に警告が表示されるようになっています。
メーターの上には最大のピーク値が数値で表示され、ダブルクリックするとリセッ
トできます。
31
LP-64 EQ
LP-64 EQ を使う
コントロール・ポイントを追加するには
EQ グラフをダブルクリックして、その位置に新しいコントロール・ポイントを追加します。ポイントを
ドラッグしてイコライゼーションを変えます。
EQ グラフには最大 20 個のコントロール・ポイントを追加することができます。周波数とゲインの情報
は、コントロール・ポイントの上にマウスカーソルを置くと表示されます。
コントロール・ポイントを選ぶには
コントロール・ポイントをクリックして、コントロール・ポイントを選びます。
選ばれたポイントには、ゲイン、周波数、Q の詳細情報が常に HUD のポイントの近くに表示されます。
Tab キーを押して、次のコントロール・ポイントを選び、Shift+Tab で前のコントロール・ポイントを
選びます。
コントロール・ポイントを削除するには
Delete キーを押して、選ばれたコントロール・ポイントを削除します。
コントロール・ポイントが削除されると、前のコントロール・ポイントが選ばれた状態になります。Tab
キーを押して、次のコントロール・ポイントを選び、
Shift+Tab で前のコントロール・ポイントを選びます。
パラメーターの値を直接入力するには
選ばれたコントロール・ポイントのゲイン、周波数、Q の値は、EQ グラフの下に表示されます。
特定のパラメーター値を入力するには、パラメーター値をダブルクリックして、テキスト編集ボックスに
値を入力します。
または、コントロール・ポイントをマウスでドラッグすることもできます。
32
LP-64 Multiband
LP-64 Multiband
LP-64 Multiband は、ミキシングやマスタリングに最適な線形位相( リニア・フェイズ)のマルチバン
ド・コンプレッサー・プラグインです。LP-64 Multiband では、スムーズで精度の高い 5 つの周波数帯
域(バンド)で、線形位相コンプレッションとイコライズをします。
Effect_Fig060.eps_60
LP-64 マルチバンド・コンプレッサーの機能は、次のとおりです。
• ルックアヘッド・ピーク・レベル検知による
クリッピングの回避。
• パンピング(音量の変動)を最小限に抑える、
プログラム依存型リリース(PDR)。
• ステレオ入力/出力メーター。
• 192kHz までのサンプリング・レートでの動作。
• モノでもステレオでも使用可能。
• 64 ビットの倍精度信号パス。
• VST オートメーション。
線形位相処理について
通常のリミッターとは異なり、LP-64 Multiband で周波数帯域を分割するフィルターは、線形位相型の
フィルタ ーです。線形位相フ ィルターでは、オー ディオの完全 性をすべての周 波数域で常に保 持しなが
ら、スペクトルを帯域ごとに分割・再合成することができます。意図しないカラレーションや打ち消しが
起こったり、コム・フィルターがかかったり、トランジェントが濁るというようなことはありません。
ホスト・アプリケーションで 全体的なレイテンシーが補正されている場合、結 果となる線形位相出力は、
「ゼロ位相出力」と呼びます。
33
LP-64 Multiband
LP-64 Multiband の利点
コンプレッサーの目的は、音楽やサウンドのダイナミック・レンジを制限することです。コンプレッサー
を使うと、音量の大きい部分の音量が下がり、ほぼ均一なレベルになります。マルチバンド・コンプレッ
サーは、入力オーディオ信号を 2 つ以上の周波数帯域に分割するクロスオーバー・フィルターと、帯域
ごとに使うコンプレッサーで構成されています。LP-64 Multiband には、4 つの調節可能なクロスオー
バー・フィルターがあり、入力されたオーディオは 5 つの帯域に分割されます。マルチバンド・コンプ
レッサーを使うときの主な課題の 1 つは、編集する必要のある特定の周波数域を隔離して、コンプレッ
サーをかけることができるようにするということです。他のダイナミック・プロセッシングと同じで、最
良の結果を得るには大量 の時間と経験が必要です。しかし、うまく使う ことができれば、
「良い」ミック
スとは差がついた「最高の」ミックスをつくることができます。
入力オー ディオ信号が、完全 な音楽ミック スなど複雑な 要素を含んでい る場合、マルチバ ンド・コンプ
レッサーは従来の(シングル・バンド)コンプレッサーと比べ、次の利点があります。
「パンピング」とは、ベース音 に標準コンプレッ
• 「パンピン グ」をほとんど排除することが できます。
サーを使 ったときに、中音域と高音域の音量 がビートに合わせて変動する現象 のことです。マルチバ
ンド・コン プレッサーでは、低周波数域と中・高 周波数域は、それぞれ別のコンプ レッサーで処理さ
れるため、この現象は発生しません。
• 信号はコ ンプレッションすると同時にイコ ライズされるので、それぞれのソース のイコライズの違い
が目立たなくなります。
• マルチバ ンド・コンプレッサーは、特定の周波数 範囲のダイナミック属性を抑制 したり強調したりし
ます。これ に基づき、ディエッシング、ポップ音 の除去、またはボーカルやインス トゥルメントのア
タックやリリースの調節などに利用できます。
ルックアヘッドとレイテンシー
LP-64 Multiband では、ルックアヘッド・ピーク・レベル検知を使って、ピークに達する前にゲインを
減少させます。「ルックアヘッ ド」とは、リミッターが出力を遅らせることで 、オーディオ入力を事前に
分析することを意味します。LP-64 Multiband は、他の線形位相型のマスタリング・プラグインと同じ
ように、20 ミリ秒程の大量な先読み時間が必要です。
通常の場合、マスタリング・ツールはポスト・プロダクションで使用するものであるため、この先読み時
間が問題になることはありません。
34
LP-64 Multiband
ユーザー・インターフェース
Effect_Fig061_Img.eps
N O
P
Q
R
A
B
C
S
D
T
E
F
U
G
H
I
J
K
L
M
名称
概要
A
帯域選択
編集する帯域を選びます。ユーザー・インターフェースの下部にあるコントロー
ラには、現在選ばれている帯域のコントローラーの値が表示されます。
B
帯域ソロ
ソロ・モードのオン/オフを切り替えます。
C
帯域オン/オフ
バイパス・モードのオン/オフを切り替えます。オフにすると、コンプレッショ
ンされていないオーディオがそのチャンネルを通ります(帯域はミュートされま
せん)
。
D
EQ グラフ/エディター
E
センター周波数
ダブルクリックして、周波数を入力します。また、EQ グラフ/エディターで、帯
域のハンドルを水平方向にドラッグすることでも入力できます。
F
選ばれた帯域
選ばれた帯域名を表示します。
G
アタックつまみ
選ばれた帯域に使うコンプレッサーのアタック・タイム(ミリ秒)を調節します。
H
リリースつまみ
選ばれた帯域に使うコンプレッサーのリリース・タイムを調節します。
I
PDR オン/オフ
PDR(プログラム依存型リリース)スイッチは、通常のリリース・コントロール
のメカニズムをバイパスし、入力オーディオのレベル変化に応じて 5 つの帯域の
コンプレッション・リリース・タイムを、リアルタイムで自動的に調節します。
PDR は高速なコンプレッションの変化を回避するのに役立ちます。
J
スレッショルドつまみ
スレッショルド値は、任意の帯域でコンプレッション処理を開始する dB レベル
を表します。
K
レシオつまみ
入力オーディオレ・ベルがスレッショルド・レベルを超えると信号にかかるコンプ
レッション(ゲイン・リダクション)の量を調節します。
L
ゲインつまみ
コンプレッサー・バンドに固定ゲイン調節を使います。これは、イコライザー調
節やコンプレッション・バンドのゲイン・リダクションに対する合成ゲインとし
て使います。
M
すべて編集スイッチ
このボタンを押すと、ユーザー・インターフェースの下部にあるアタック、リ
リース、スレッショルド、レシオ、およびゲインの各コントローラーを使って、
5 つすべての帯域を同時に調節することができます。
各帯域の EQ カーブが表示されます。ハンドルを左右にドラッグするとセンター・
フリケンシーを調節でき、上下にドラッグすると帯域ゲインを調節できます。ハ
ンドルをダブルクリックすると、その帯域のバンド・ゲイン値がデフォルト値
(0dB)にリセットされます。
35
LP-64 Multiband
名称
概要
N
ゲイン・リダクション・
メーター
各帯域にかかる自動ゲイン・リダクションの量が表示されます。メーターの右に、
ゲイン・リダクションの最大量が数値で表示され、ダブルクリックするとリセッ
トすることができます。
O
最大ゲイン・リダクション
P
選ばれた帯域
(青ボタン)
Q
入力メーター
コンプレッサーに入力されるオーディオ信号の、左右のチャンネルのピーク入力
レベルが表示されます。メーターの上には最大のピーク値が数値で表示され、ダ
ブルクリックするとリセットできます。
R
出力メーター
コンプレッション後の信号レベルに合成ゲインをかけた後の左右のチャンネルの
信号レベルが表示されます。メーターの上には最大のピーク値が数値で表示され、
ダブルクリックするとリセットできます。
S
出力ゲイン
プロセッサーへの出力の段階で、コンプレッション後のオーディオにゲインの最
終調節をすることができます。
T
入力ゲイン
プロセッサーへの入力の段階で、オーディオのゲインを調節することができます。
U
電源(バイパス)
プラグインのバイパスを切り替えます。
つまみの操作
Effect_Fig062_Img.eps
つまみは、マウスを垂直方向に動かす ことによって操作します。マウスの左ボタンを押し
たまま、上下にドラッグしま す。Shift キーを押し ながら操作すると微調整できます。ダ
ブルクリックすると、初期値にリセ ットされます。選んだつまみは、マウス・ホイールや
キーボード・ショートカットを使って 調節することもできます。パラメーター値はつまみ
の下に表示され、数値をダブルクリックすると編集することができます。
ボタンの操作
Effect_Fig063.eps
ほとんどのボタンは、オンとオフを切 り替えて使います。オンにするときはクリック(ボ
タンが点灯)し、オフにするときはもう 一度クリックします。ボタンがオンになっている
ときは明るく表示されます。
キーボード・ショートカット
36
キー
キー操作
Tab
次のパラメーターに移動する
Shift+Tab
前のパラメーターに移動する
↓または↑
次の/前のパラメーター値を調節(通常の分解能)。ボタンのオン/オフ切り替え
←、→
次の/前のパラメーター値の調節(細かい分解能)
Page Up / Down
次の/前のパラメーター値の調節(粗い分解能)
LP-64 Multiband
ゲイン・リダクション・メーター
Effect_Fig064_Img.eps
インターフェース上部にある 5 つのメーターには、各帯域(バンド)にかかる自動ゲ
イン・リダクションの量が表示されます。メーターの右に、ゲイン・リダクションの
最大量が数値で表示され、ダブルクリックするとリセットすることができます。
センター周波数、Q、帯域幅
帯域のセンター周波数を調節すると、その帯域の帯域幅だけでなく、隣接する帯域の帯域幅にも影響しま
す。たとえば、Low-Mid のセンター周波数を下げた場合、Low 帯域の帯域幅が狭くなり、Mid の帯域幅
が広くなります。
LP-64 Multiband は、自動 Q 機能を使います。 Q はフィルターの幅と形状を示します。Q 値が低いほ
ど、フィルター帯域の帯域幅が広くなり、Q 値が高いほど帯域幅が狭くなります。
2 つのセンター周波数が互いに近づくにつれて、帯域が 2 重に重なって合成されたゲインが壊れないよ
うにするために Q 値が自動的に高くなります。
帯域(バンド)の操作
帯域(バンド)の選択
Effect_Fig065_Img.eps
LF、LMF、MF、HMF、HF ボタンを使って、編集する帯域(バンド)を次の 5 つから選びます。
帯域(バンド)が選ばれるとボタンが青く点灯します。
帯域(バンド)のソロ
Effect_Fig066_Img.eps
選ばれた 帯域(バンド)のソロ をオン/オフ します。ソロをオ ンにするとボ タンが赤く点 灯し、ソロに
なっていない帯域(バンド)がミュートされます。帯域(バンド)のソロを使用すると、その帯域(バン
ド)でコンプレッションされたオーディオ信号だけを試聴することができます。
37
LP-64 Multiband
帯域(バンド)のオン/オフ
Effect_Fig067_Img.eps
帯域(バンド)をオンにすると、その帯域(バンド)がオーディオ・コンプレッションとイコライザーで
処理されます。帯域(バンド)をオンにするとボタンが青く点灯します。帯域(バンド)オン/オフする
と、帯域(バンド)ごとにコンプレッション前とコンプレッション後の信号を、簡単に聞き比べることが
できます。
EQ グラフ/エディター
Effect_Fig068.eps_80
EQ グラフ/エディター には、各帯域(バンド)の EQ カーブが表示されま す。センター周波数と帯域
(バンド)ゲイン・コントロー ラーは、小さな「ハンドル」として表示され、グラ フ内でドラッグするこ
とができます。ハンドルを左右にドラッグするとセンター周波数を調節でき、上下にドラッグすると帯域
(バンド)ゲインを調節でき ます。ハンドルをダブルクリックする と、その帯域(バンド)のバンド・ゲ
イン値がデフォルト値(0dB)にリセットされます。
38
LP-64 Multiband
フィルターの操作
Effect_Fig069.eps
各つまみを操作し、選ばれた帯域(バンド)に適用するフィルターを調整します。
名称
機能
アタック
コンプレッサーのアタック・タイム(ミリ秒)を調節します。
範囲は 0.05 ms から 100 ms までです。アタックは、入力オーディオのレベルがスレッ
ショルドに達してから、コンプレッサーがそれに反応するまでの時間を表します。
リリース
コンプレッサーのリリース・タイムを調節します。
範囲は、20 ミリ秒から 2 秒までです。リリースは、入力レベルがスレッショルド値以下
まで下がり、コンプレッサーがかかっていない状態に戻るまでにかかる時間を表します。
PDR(プログラム
依存型リリース)
PDR(プログラム依存型リリース)スイッチは、通常のリリース・コントロールのメカニ
ズムをバイパスし、入力オーディオのレベル変化に応じて 5 つの帯域(バンド)のコンプ
レッション・リリース・タイムを、リアルタイムで自動的に調節します。PDR は高速なコ
ンプレッションの変化を回避するのに役立ちます。
スレッショルド
コンプレッション処理を開始する dB レベルを表します。
範囲は -60dB から 0dB で、デフォルト値は 0dB です。入力信号のレベルがスレッショル
ドより小さい場合、コンプレッションは行われません。信号がスレッショルドに達すると、
レシオ、アタック、およびリリース設定に従って入力信号のゲインが減少されます。
レシオ
入力オーディオ・レベルがスレッショルドレベルを超えると信号にかかるコンプレッショ
ン(ゲイン・リダクション)の量を調節します。範囲は、1:1 から 60:1 までで、デフォ
ルト値は 1:1 です。
ゲイン
イコライザーの調節やバンドのゲイン・リダクションに対する合成ゲインとして使います。
範囲は -18dB から +18dB で、デフォルト値は 0dB です。
ALL
ボタンを押すと、ユーザー・インターフェースの下部にあるアタック、リリース、スレッ
ショルド、レシオ、およびゲインの各コントローラーを使って、現在選ばれている帯域
(バンド)だけでなく、5 つすべての帯域(バンド)を同時に調節することができます。
インプット・ゲイン
Effect_Fig070.eps_80
インプット・ゲインは、入力の段階でオーディオのゲインを調節することができます。
範囲は -24dB から +24dB で、デフォルト値は 0dB です。
39
LP-64 Multiband
アウトプット・ゲイン
Effect_Fig071.eps_80
アウトプットは、コンプレッシ ョン後のオーディオにゲインの最終調節を することが
できます。範囲は -24dB から +24dB で、デフォルト値は 0dB です。
40
Boost 11
Boost 11
Boost 11 は、 原音のクオリティーを損なわず、クリアにピークを抑えるマキシマイズが可能です。
Boost 11 の先読みピーク・リミッティング・アルゴリズムと PDR(Program Dependent Release)
により、不自然なレベル変動を極限まで減らし、かつパンチの効いたサウンドを作り出します。
約 1.5ms の先読みバッファにより、レイテンシーを最小限に抑えつつ、自然なリミッティングを両立し
ています。
Boost 11 は内部 64 ビット倍精度演算、最大 192kHz までのモノラル/ステレオに対応しています。
Boost 11 の主な機能
• クリッピング・ノイズを防ぐ先読みピーク検出
• 不自然なレベル変動を防ぐ PDR(Program Dependent Release)
• インプット vs アウトプットのリアルタイム波形表示
• インプット vs アウトプットのピーク/ RMS レベル・メーター
• 最大 192kHz まで対応
• 内部 64 ビット倍精度浮動小数点演算
• VST オートメーションに対応
Effect_Fig074.eps_80
41
Boost 11
Boost 11 の概要
Boost 11 の目的は、ピークを抑えつつ最大の音圧を得ることにあります。Boost 11 は音質に悪影響
を与えない範囲でピークレベルを抑制し、その分全体のレベルを上げます。Boost 11 は、ミキシング/
マスタリングの段階で最終ミックスで使用するとよいでしょう。
音声信号には、局所的に音量が増大する「ピーク」と呼ばれる箇所があります。全体的にボリュームを上
げようとすると、ピークの部分でクリッピング・ノイズが発生してしまいます。
Effect_Fig075.eps_115
局所的なピークを効率的に抑制することで、歪むことなくさらにレベルを上げることができます。
Effect_Fig076_77_Img.eps
リミッターは、音質を変えずにピークを抑制するための工夫が施されています。多くのリミッターは音質
を損なわず、ピークレベルを 6 ∼ 12dB 低下させることができます。
リミッティング
リミッターは、あるレベル(スレッショルド)を超えた部分(ピーク)の振幅を抑制します。Boost 11
では先読みピーク検出によって、スレッショルドを超える直前から少しずつ振幅を調整し、ピークを抑え
ています。スレッショルドを下回ると、通常のゲインに戻ります。
ピーク検出
Boost 11 は、先読みピーク検出によって、実際のピークに到達する前にピーク・レベルを検出していま
す。実際には、検出はリアルタイムで、ゲイン調整と出力は約 1.5ms 秒後に行われます。この時間差の
ことを通常、リミッターのアタック・タイムと呼びます。
PDR(Program Dependent Release)
信号がスレッショルド・レベルを下回ると、リミッターによるレベル調整は徐々に元に戻ります。元に戻
るまでの 時間をリリース・タ イムと呼びま す。リリース・タイム はリミッター の音質に大きく 影響しま
す。リリース・タイムが短いとノイズが発生してしまいます。逆に長すぎると不自然なレベル変動が生じ
てしまいます。Boost 11 は、ソースに応じて自動的にリリース・タイムを変化させる PDR(Program
Dependent Release)機能を持っています。頻繁にリミッティングをするときは短めの、リミッティン
グの頻度が少ないときな長目のリリース・タイムになります。PDR によって音質を変化させることなく、
最大の音圧を得ることができるでしょう。
42
Boost 11
ヘルプ
パネルの背景部分を右クリックして表示されるメニューより「ヘルプ」を選ぶと、ヘルプ画面が表示され
ます。
オン/オフ
Effect_Fig078.eps_65
Boost 11 の動作をオン/オフします。オフにすると音の変化はなくなります。
(オートメーションでコントロールすることができます。)
BOOST
Effect_Fig079.eps_65
インプットのゲインを調整をします。調整範囲は 0 ∼ +24dB です。入力側の
波形表示横にあるスラ イダーでも調整することができます。
(オ ートメーション
でコントロールすることができます。)
OUTPUT
Effect_Fig080.eps_65
アウトプット・レベルのスレッショルド、すなわち最大レベルを調整します。調
整範囲は -24 ∼ 0dB です。出力側の波形表示横にあるスライダーでも調整する
ことができます。(オートメーションでコントロールすることができます。)
入出力レベル・メーター
Effect_Fig081_82_Img.eps
入力、出力の ステレオ・レベ ル・メーターです。ピ ーク・レベルと
RMS が同時に表 示されます。ピー ク・レベルは赤色 のインジケー
ターで、RMS は濃い青色のインジケーターで示されます。メーター
下には数値 によるピーク・ホー ルド機能があり、ダ ブルクリックで
リセットすることができます。
43
Boost 11
ゲイン・リダクション
Effect_Fig083.eps_65
ピークをどれ くらい抑制できたかを表 示するメーターです。リダ クション量に応じて、
黄色、赤で表示されます。メーター下には数値による最大リダクション量の表示があり、
ダブルクリックでリセットすることができます。
入出力波形表示
入力波形、出力波形を表示します。入力側は BOOST のゲインが足された状態で表示されます。
スレッショルドも表示され、リミッティングされる箇所は赤で表示されます。
Effect_Fig084.eps_65
波形表示オン/オフ
入出力波形の表示オン/オフを切り替えます。
Effect_Fig085.eps_130
レベルの調節
Boost 11 の主な操作子は、BOOST と OUTPUT の 2 つだけです。BOOST は、オリジナルからどれ
くらいレベルを上げるかを調節します。OUTPUT は出力の最大レベルを調整します。
まず最初に OUTPUT を操作して出力レベルを決め、次に BOOST を徐々に上げていって音圧感を調整
していきます。オン/オフ・スイッチを使って、オリジナルのサウンドと聴き比べながら、BOOST を調
節していくとよいでしょう。
プリセット
Boost 11 には以下のプリセットがあります。
44
プリセット名
概要
備考
Default
6dB ブーストのプリセットです。
Boost = +6dB, Output = -0.1dB
Full Reset
BOOST、OUTPUT ともに 0dB にリセットします。
Boost = 0dB, Output = 0dB
Squash!
最大の音圧感を狙ったプリセットです。
Boost = +9dB, Output = -3dB
Final Mix
マスタリング用の軽いセッティングです。
ソースのレベルに応じて BOOST を
増やしてみるといいでしょう。
Boost = +2.5dB, Output = -1.5dB
Channel Tools
Channel Tools
Channel Tools は、ステレオ・トラックの LR チャンネルの調整に最適なプラグインです。ゼロ・レイ
テンシーで LR チャンネル間の定位、広がりをを自在に操ることができるほか、チャンネルごとにゲイン、
位相、ディレイの調整が可能です。ディレイはサンプル単位、または、ミリ秒単位での調整ができるよう
設計されています。また、ミッド・サイド方式の録音ソースをデコードでき、定位感も調節することがで
きます。
Effect_Fig086.eps_65
信号のフロー図
Channel Tools は、次の順序で信号を処理します。
Effect_Fig126.eps
45
Channel Tools
インターフェース
つまみの操作
Effect_Fig087_Img.eps
すべてのつまみは、上下にドラッグすることで操作します。つまみをクリックして
選んでからマウス・ホイールやキーボード・ショートカットを使って調節すること
もできます。通常の操作では、パラメーターは比較的大きく増減します。微調整す
るには、Shift キーを押しながらドラッグするかマウス・ホイールを使用しま す。
パラメーター値をリセットするには、つまみをダブルクリックします。
パラメーター値の直接入力
Effect_Fig088.eps
マウスやキーボード・ショートカットでのつまみの値の調節に加えて、数値を直接
入力することもできます。
1. つまみの下に表示されているパラメーター値をダブルクリックします。
2. 表示されたテキスト・ボックスに、値を入力します。
3. Enter キーを押して新しい値を決定します。
キーボード・ショートカット
次のキーボード・ショートカットを使って、選んだつまみを調節できます。
46
キー
キー操作
↓、↑
次の/前のパラメーター値の調節(通常の分解能)
←、→
次の/前のパラメーター値の調節(細かい分解能)
Page Up / Down
次の/前のパラメーター値の調節(粗い分解能)
Channel Tools
Channel Tools の概要
Channel Tools は、4 つのコントロール部から構成されています。各コントロール部を操作することに
より、クリエイティブなミキシングを行うことができます。
Power
プラグイ ン処理のオンと オフを切り替 えます。オフにな っている場合、処理 はバイパスさ れ、入力オー
ディオは出力に直接送られます。
Effect_Fig089.eps
メーター
Effect_Fig090.eps_70
入力メーターには、左右のチャンネルの処理前の信号のレベルが表示されます。
出力メーターには、左右のチャンネルの処理後の信号のレベルが表示されます。
Channel Tools コントロール部
信号処理で最初に使用するコントロール部です。入力の制御を行います。
Effect_Fig091.eps_86
名称
ステレオ入力モードの動作
ミッド・サイド入力モードの動作
φL
L チャンネルの位相を反転
LR チャンネルを入れ換える
φR
R チャンネルの位相を反転
LR チャンネルを入れ換える
SWAP
LR のチャンネルを入れ換える
サイド・チャンネルの位相を反転する
47
Channel Tools
ディレイ・コントロール部
LR チャンネルのタイミングを正確に調節でき、マイクの配置によるディレイの調整に使用したり、ステ
レオ・エフ ェクトと しても使用 すること ができます。デ ィレイは、プ リ・ディレイ処 理または ポスト・
ディレイ処理のいずれかにのみ設定できます。ディレイの調整範囲は 0 ∼ 1 秒で、サンプル単位および
ミリ秒単位で調節ができます。
Effect_Fig092.eps_80
48
操作子
機能
PRE
ディレイ処理を最初に行います。
POST
ディレイ処理を最後に行います。
OFF
ディレイをバイパスします。
DELAY L
L チャンネルのディレイの長さを調節します。
MSEC はミリ秒単位、SAMPLES はサンプル単位で調節できます。
DELAY R
R チャンネルのディレイの長さを調節します。
MSEC はミリ秒単位、SAMPLES はサンプル単位で調節できます。
LINK
リンク・ボタンをオンにすると、LR チャンネルがリンクし、ディレイ値を同時に
調節できます。
Channel Tools
インプット・モード・コントロール部
インプット・モード部を使用して、入力ソースが標準的な左右ステレオであるか、ミッド・サイド・ステ
レオであ るかを指定しま す。いずれのモー ドでも、出力は標 準的な左右ステ レオで生成さ れます。ミッ
ド・サイド・モードでは、左入力チャンネルがミッド信号になり、右入力チャンネルがサイド信号として
扱われます。
Effect_Fig093.eps_80
操作子
機能
STEREO
入力ソースがの LR ステレオの場合にオンにします。
MID-SIDE
入力ソースがミッド・サイド・ステレオ方式を使って録音されている場合にオンに
します。
OFF
入力ソースをミュートします。
MID GAIN
ミッド信号の相対的なゲインを調節します。
この値を大きくすると、オーディオがモノラルに近くなります。
SIDE GAIN つまみ
サイド信号の相対的なゲインを調節します。
この値を大きくすると、ステレオ・サウンドの広がりが大きくなります。
L GAIN つまみ
左チャンネル信号の音量を調節します。
R GAIN つまみ
右チャンネル信号の音量を調節します。
49
Channel Tools
ミッド・サイド録音とは
ミッド・サイド録音とは、ステレオマイク収録方式のひとつです。ミッド・マイクとサイド・マイクと呼
ばれる、ふたつのマイクを使 って収録します。後処理によって、ステレオの広 がり感を調整できるため、
クラシックの収録などによく使われます。
ミッド・サイド録音では、単一指向性マイクをミッド・マイクとして、サウンド・ステージに向けてまっ
すぐに設置します。サイド・マイクは双志向性マイクで、ミッド・マイクの方向に対して直角に設置しま
す。ミッド・マイクはサウンド・ステージのセンターに定位する音源を大きく収録します。サイド・マイ
クは、ステー ジの左右の音源 は大きく収録し ますが、センター の音は双志向性 マイクにより相 殺されま
す。ミッド・マイクとサイド・マイクの信号を、この Channel Tools でデコードすることで、ステレオ
の信号を取り出すことができます。通常のステレオ収録では、左右のマイクの位相差により、左右の信号
を合成しても、完全なモノラル・サウンドを再現することはできません。ミッド・サイド録音では、ミッ
ド・マイクの信号だけを取り出すことで完全なモノラルサウンドを取り出すことができます。
Effect_Fig094.eps_52
ミッド・サイド・デコードを使用するには
● 1 つのステレオ・トラックからミッド・サイド・チャンネルをデコードするには
1. ミッド・チャンネルがトラックの左チャンネルに録音されていることを確認します。
2. サイド・チャンネルがトラックの右チャンネルに録音されていることを確認します。
3. トラックをセンターにパンします。
4. Channel Tools プラグインをトラックの FX 欄に挿入します。
5. Channel Tools プラグインの入力モードをミッド・サイドに設定します。
●複数のトラックからミッド・サイド・チャンネルをデコードするには
1. ミッド・チャンネルが含まれるトラックを一番左にパンします。
2. サイド・チャンネルが含まれるトラックを一番右にパンします。
3. 両方のトラックを同じバスにルーティングします。
4. Channel Tools プラグインをバスの FX 欄に挿入します。
5. Channel Tools プラグインの入力モードをミッド・サイドに設定します。
50
Channel Tools
パン・コントロール部
Effect_Fig095.eps_63
L チャンネルと R チャンネルのアングルとワイズをそれぞれ個別に
調節できます。アングルとワイズによって、左右の出力チャンネ ル
に信号をどのくらい送るか決定します。アングルとワイズの関係 に
は制約があります。ワイズが 100% に設定されている場合、 信号
は事実上モノ ラルになり、アングルは 0 度になります。ワイズ が
100%に設定されている状態でアングルを 0 度以外に変更すると、
ワイズが小さくなくなります。
51
Perfect Space
Perfect Space
Perfect Space コンボリューション・リバー ブはステレオ・コンボリューショ ン・プロセッサーです。
任意の空間(またはサウンド)の音響特性を任意の入力信号に適用することができます。Perfect Space
は 64 サンプルという低いレイテンシー(44.1kHz で 1.5ms)で動作できるので、リアルタイム録音
のときに使うことも可能です。
Effect_Fig096.eps_50
インパルス・レスポンスは、有名な大聖堂からロッカー・ルームのシャワーまで、特定の空間を音響的に
表現することができます。インパルス・レスポンスは、空間の中で特殊なスイープ音を発音させた後また
はスターター・ピストルを発射した後のリバーブを録音して作成されます。
さらにこの技術は、既存の空間を模倣するだけに留まりません。無条件にどんなサウンド(ドラム、手を
たたく音、叫び声、タオルを打ちつける音など)をソース・オーディオとして利用できるのです。コンボ
リューション技術を創造的に活用すれば、様々な効果のフィルター、リバーブ、ディレイなどのエフェク
トを得ることができます。
Perfect Space のインパルス・レスポンスは、任意のビット数の標準モノ、ステレオまたはマルチ・チャ
ンネル非圧縮の .wav ファイル、または .aiff ファイルが使用できます。SONAR に含まれているインパ
ルス・レスポンスのほかに、ご自分でライブラリを作成することも可能です。
52
Perfect Space
パラメーター
Effect_Fig097_Img.eps
プログラム管理コントロール
ファイル・セレクター
メイン・コントロール
インパルス調整
コントロール
出力コントロール
プログラム管理コントロール
名称
機能
Preset ボタン
クリックすると、プリセット/バンクの基本的な管理タスクが実行されます。
• Load Preset:
保存したプログラム・ファイルを現在のプログラムにロードします。
• Save Preset:
現在のプログラムの設定をプログラム・ファイルに保存します。
• Load Bank:
保存したプログラム・バンク・ファイルをロードします。
• Save Bank:
プログラム・バンクのすべてのプログラムの設定をプログラム・バンク・ファイルに保
存します。
• Set as Default:
現在ロードされているプログラムをデフォルト・プリセット・プログラムに指定します。
以後このデフォルト・プログラムは、プラグインの新規インスタンスを有効にするたび
に、または現在のプログラムをリセットするたびにロードされます。
• Reset Default:
プリセットをデフォルトの工場出荷時状態に戻します。
A | B ボタン
カレント・プログラムとシャドウ・プログラムとを(または「A プログラム」と「B プロ
グラム」とを)切り替えます。
Copy ボタン
カレント・プログラムがシャドウ・プログラムにコピーされます。
Reset ボタン
カレント・プログラムがリセットされます。
すべてのパラメーターはデフォルトに戻ります。
A | B ボタンを使うと、プログラムをコピーすることができます。まずコピー元のプログラムに切
り替え、Copy ボタンを押します。
次いでコピー先のプログラムに切り替え、A | B ポタンを押します。
53
Perfect Space
ファイル・セレクター
このコントロールは、現在選ばれているファイル・スロットにインパルス・レスポンスをロードするのに
使用します。
名称
機能
ファイル・メニュー・ボタン
ハードディスクにある任意の .wav ファイルを選びます。
X ボタン
現在ロードされているファイルがアンロードされます。
左右方向矢印ボタン
ファイル・リスト全体をすばやくスクロールできます。
ファイル名表示ボタン
このボタンを押し続け、現在ロードされているファイルがあるフォルダから
任意のファイルを素早く選ぶことができます。
インパルス・レスポンスのファイル・サイズには制限はありませんが、大きいファイルほど必要とな
る処理が増えますので、ご注意ください。
2 バイト文字を含むパス、ファイル名は正しく表示されませんのでご注意ください。
メイン・コントロール
名称
機能
In → Mono
受信したオーディオを強制的にモノにミックスします。
Left Mono
左チャンネルのみの処理が強制されます。
Latency 表示
この値は現在の内部処理レイテンシーを表します。
出力コントロール
名称
機能
Dry
ドライ信号のゲイン値を調整します。
Wet
ウェット信号のゲイン値を調整します。
Wet Pan
ウェット信号のパンニングを調整します(3dB パンニング・ロー)
。
Mute Dry
ドライ信号のオン、オフが切り換わります。
Mute Wet
ウェット信号のオン、オフが切り換わります。
右クリック+ドラッグで、精密な調整を行うことができます。
上下ドラッグすると値を調節できます。
ダブルクリックすると、デフォルト位置に戻ります。
54
Sonitus:fx 共通の操作
Sonitus:fx 共通の操作
すべての Sonitus:fx プラグインは、共通の標準ユーザー・インターフェースや機能を持っています。こ
こでは、それらの操作方法や機能について説明します。
ツール・バーの操作
Effect_Fig098.eps_80
Bypass ボタン
このボタンをクリックしてプラグインをバイパスし、変更されていないオーディオのストリーミングを聞
くことができます。
パイパスされている状態で黄色く点灯します。
Undo ボタン
プラグインで最後に行なったパラメーターの変更を取り消し(リセット)することができます。取り消し
作業の後は、ボタンの機能が Redo に変わり、Undo で取り消した作業をプラグインのパラメーターにや
り直すことができます。
Setup A / Setup B
プラグイン・パラメーターの 2 種類の設定を比較をすることができます。切り替えボタンをクリックす
ると、Setup A と S etup B を切り替えることができます。
ドロップ・ダウン・メニューでは、すべてのパラメーターを Setup A から Setup B へコピー(または
その逆)することができます。
Reset ボタン
すべてのパラメーターを初期設定値に戻します。リセットの操作は、現在アクティブになっている Setup
(A または B)だけに効果があります。
Presets ドロップ・ダウン・メニュー
Sonitus:fx シリーズだけで使うこと ができる独自の機能です。作成したプリセットをプラグイン間で共
有するために使用します。
Help ボタン
オンライン・ヘルプが表示されます。
55
Sonitus:fx Compressor
Sonitus:fx Compressor
Sonitus:fx Compressor は、内蔵ピーク・リミッターつきの可変ニー・コンプレッサーです。
コンプレッサーの目的は、音楽や音のダイナミック・レンジを制限することです。コンプレッサーでは信
号の大きい部分を小さくし、レベルをだいたい一定にします。コンプレッサーの始まりは映画産業で、映
画の中の会話のボリュームを一定に保つことで、声を聞き取りやすくする必要があったからです。音楽で
は、コンプレッサーは、ミュージシャンが楽器を弾いたり、ボーカリストが歌ったりするときのわずかな
ボリュームの違いを一定にするために使います。すべてのラジオ局では、コンプレッサーをかけて送信し
て、ダイナミック・レンジが広くなりすぎないようにしています。これで、たとえば車の中など、ノイズ
が多い中でも音が聞きやすくなるようにしています。
コンプレッサーは、効果の割には使いづらいように思えるかもしれませんが、どのようなオーディオの作
業でもよく使う便利なツールです。コンプレッサーの動きかたや、どのような素材に使えば最適かという
ことを理解するには、時間がかかります。このドキュメントをよく読んで、違うコンプレッサーの使いか
たや設定を試してみましょう。うまくいけば、実りある結果が出るでしょう。
※ Sonitus:fx Compressor は内蔵ピーク・リミッターに先読みバッファー構造を装備しています。入
力モニター機能の使用時にリ ミッターをオンにすると、出力信号に短いディレイ(約 1.5ms)がか
かります。既に記録されているデータに対してリミッターをかけるときには、この遅れはありません。
リミッターは、場合によってはオフにすることができます。
サイド・チェイン
Sonitus:fx Compressor は、サイド・チ ェイン入力に 対応しています。サ イド・チェイン入 力からの
オーディオ信号をコンプレッサーのコントロール・シグナルとして使用することができます。
Sonitus:fx Compressor をトラック、またはバスの FX 欄にプラグインすると、サイド・チェイン入力
用の仮想ポートが1つ作成されます。オーディオ・トラックやバス、センドの出力を、このサイド・チェ
イン入力にルーティングすることができます。
Audio / Sidech ボタンをクリックして Sidech に切り替えると、プラグインのオーディオ出力からサ
イド・チェイン入力信号を聞いて確認することができます。
56
Sonitus:fx Compressor
パラメーター
Effect_Fig099.eps_70
名称
機能
Input メーター
コンプレッサーを通るオーディオ信号のピーク入力レベルが表示されます。
Threshold
コンプレッサーが機能しはじめるときのレベルを設定します。
Threshold は入力レベルとオーディオ素材の種類に応じて調節します。入力信号レベ
ルが Threshold レベル以下で、Knee パラメーターが HARD に設定されているとき
は、コンプレッサーは機能しません。Threshold レベルになるとコンプレッサーが機
能し始め、現在の Ratio、Knee、Attack、Release の設定に合わせて入力信号のゲ
インが減少します。
Ratio
Threshold レベルになったときに、信号にかかるコンプレッサー(ゲイン・リダク
ション)の量を調節します。Ratio は入力レベルと出力レベルの比を表しています。
たとえば、Ratio を 4:1 にしたときは、Threshold レベル以上の入力レベルが 4dB
大きくなると、出力レベルが 1dB 大きくなります。
Knee
コンプレッサーが、指定された Ratio で機能するまでの、スレッショルドの上下の
dB の範囲を設定します。
Hard では、Threshold レベルを超えるとすぐにコンプレッサーがかかり、Soft
knee 設定(値が大きい)は、徐々にコンプレッサーがかかります。
Type
コンプレッサーのカーブの全体の特徴を決めます。
Normal タイプではクリーンで透明な感じになりますが、オーディオ素材によっては
出力信号が「フラット」になることがあります。Vintage タイプでは、アナログ・コ
ンプレッサーのようなコンプレッション・カーブを作ります。大きな違いは、Ratio
がだんだんと小さくなり、1:1 にゆっくりと戻ります。
Vintage タイプは TCR パラメーターにも影響し、違うリリース・タイム調節の方法
を使うことができます。
Compression curve
グラフ
グリッド上に白で、Threshold、Ratio、Knee、Gain 設定の組み合わせが表示され
ます。これらのパラメーターを調節すると、カーブの形や場所を見ることができます。
信号レベルは対角線の下になると小さくなります。
Threshold レベル付近の、傾きが変わるあたりのカーブを knee といいます。
Gain
コンプレッサーの処理後のレベルを調節します。
Audio / Sidech
切り替えボタン
このボタンでプラグインのオーディオ出力を切り替えます。コンプレッサーを通って
処理されたオーディオ信号を聞くか、サイド・チェイン入力信号を聞くかを選ぶこと
ができます。
Output メーター
Gain の後の信号レベルが表示されます。
57
Sonitus:fx Compressor
58
名称
機能
Limiter ボタン
内蔵のピーク・リミッターのオンとオフを切り替えます。
リミッターがオフの状態では、信号がリミットではなくクリップされます。
Attack
入力信号が Threshold レベルを超えてから、完全にコンプレッサーがかかるまでの時
間を調節します。遅いアタックの設定を使うと、ゆっくりとコンプレッサーがかかる
ので、音のアタックの部分にはコンプレッサーがかかりません。
Release
入力信号が Threshold レベル以下に落ちてから、コンプレッサーがオフの状態に戻る
までにかかる時間を設定します。
TCR ボタン
TCR(Transient Controlled Release)は特別なアルゴリズムでリアルタイムで自
動的にリリース・タイムを調節して、早いコンプレッション変更を防ぎます。
実際のリリース・タイムは Release パラメーター設定に関連して調節されます。
TCR をオンにするとオーディオ素材によっては、ポンピングやブリージングを抑えて
信号全体の音量をさらに大きくすることができます。
Sonitus:fx Delay
Sonitus:fx Delay
Sonitus:fx Delay は、テンポ・シンク付きの新型のステレオ・ディレイです。
パラメーター
Effect_Fig100.eps_57
名称
機能
Delay time left / right
ディレイ・タイムを設定します。
Factor left / right
ディレイ・タイムを音符の長さで指定します。
Feedback left / right
各チャンネルのディレイに戻る信号の量を設定します。
Crossfeed left / right
左から右へ、または右から左へ、クロス・フィードバックする信号の量を設定します。
Mix left / right
エフェクトがかかった音と原音のバランスを調節します。
Output
出力レベルを調節します。
Output メーター
ディレイ処理後の信号レベルが表示されます。
Link 切り替えボタン
ボタンがアクティブの状態(明るい黄色)では、Left / Right の Delay time、
Feedback、Crossfeed、Mix がリンクされます。
Listen ボタン
オン(明るい黄色)のときは、オーディオ入力信号が出力から削除され、ディレイのテー
ルだけを聞くことができます。
「Mix」モードがオンのときは、ミックスされた信号を聞くことができます。
Tempo sync.
ディレイ・テンポ同期モードを設定するのに使います。Man(マニュアル)に設定されて
いるときは、ベース・テンポを入力することができます。Off モードでは Delay time コン
トローラーを使って、ディレイ・タイムを自由に編集することができます。Hos にすると、
ホスト・アプリケーション側のテンポの設定が反映されます。
Diffusion
Time は、diffusion reflections の空間をコントロールします。高い値では、でこぼこな
壁の大きい部屋の中のように、離れたポジションに置きます。Time を 0 に設定すると効
果がなくなります。Amount は diffusion reflections のディケイまたはフィードバック・
コントローラーのように使います。高い値はエフェクトのかかりかたを強くします。
Low filter
低域フィルターです。指定された Frequency 以下の成分を減衰させます。Q はフィルター
の形や幅を決める設定です。低い Q の値はフィルターのカットオフの線がゆるやかな坂に
なり、高い Q の値はカットオフの線が急な坂になります。
High filter
高域フィルターです。指定された Frequency 以上の成分を減衰させます。Low filter と組
み合わせることにより、ある帯域の成分だけを選択的に抽出することができます。
59
Sonitus:fx Equalizer
Sonitus:fx Equalizer
Sonitus:fx Equalizer は、各バンドとフリケンシー・レスポンス ・グラフでフィルター・タイプを選ぶ
ことができる 6 バンド・パラメトリック・イコライザーです。
イコライザーはいろいろな音楽や音で周波数域のバランスを微調整する道具です。異なるフィルター特性
を組み合わせることで、特定の周波数や周波数域をアッテネート(減衰)
、カット(除去)、ブースト(増
幅)して、オーデ ィオ信号全 体の特徴の形 を作ることが できます。音には 低音域、高音域、中 音域があ
り、イコライザーではこれらの周波数の補正をします。イコライザーは、存在感を加えたり、特定の周波
数を強くしたり、ノイズやハム、または低域でゴロゴロ鳴るような音を削除したり、特別なエフェクトや
その他の目的に使います。可能性は限りなくあるといってよいでしょう。音というのは主観的なものなの
で、イコライザーは注意して使う必要があります。イコライザーを使うときには、モニターする環境(オー
ディオ機器や部屋など)の音響特性、作業しているオーディオ素材のことも考慮に入れてください。
パラメーター
Effect_Fig101.eps_57
60
名称
機能
グラフ
上にある青い部分は現在のフィルター・バンド設定とそれらがどのように周波数の曲
線に影響するかを表したグラフです。初期設定では、縦軸の範囲は± 20dB です。
グラフの中のどこかで右クリックするとポップアップ・メニューが表示され、縦軸の
範囲を 5 ∼ 40dB から変えることができます。
周波数のグラフは対数になっています。フィルター・バンド番号がついた黄色のマー
カーをドラッグすると、各フィルターの設定が変わります。
Ctrl キーを押しながらクリックすると、複数のフィルターを選択または選択解除する
ことができます。
マーカーをダブルクリックすると、バンドのオンとオフが切り替わります。オフに
なったフィルター・バンドはグレーのマーカーで表示されます。オンになっていると
きと同じように選んだり動かしたりすることができます。Shift キーを押しながらマー
カーを左右にドラッグするか、マウス・ホイールを使うと、Q が変化します。
Sonitus:fx Equalizer
名称
機能
Band ボタン
1 から 6 のボタンは、各バンドのオン/オフ切り替えボタンです。オフになっている
バンドは処理されないので、CPU の使用を節約することができます。このボタンを右
クリックするとメニューが表示され、以下のオプションを実行できます。
• Set band defaults:
選ばれたバンドを初期設定のパラメーター値に戻します。
• Copy to band n:
選ばれたバンドのすべてのバンド・パラメーター値を他のバンドへコピーします。
• Copy to all bands:
すべてのバンド・パラメーター値を他のすべてのバンドへコピーします。
選ばれたバンドにかかるフィルター・タイプを以下から選ぶことができます。
• Peak / Dip (Bell)
Filter Type ボタン
• Lowpass
• Highpass
• Shelving Low
• Shelving High
Frequency
フィルターのセンター/カットオフ周波数を設定します。
Filter Type が Peak / Dip のときはセンター周波数を、それ以外のタイプではカッ
トオフ/シェル周波数を設定します。
Q
フィルターの形を幅を決めます。小さい値ではバンド幅が広く、広い範囲にわたって
フィルターの効果が影響します。大きい値にすると、影響を与える範囲を狭くできま
すが、スペクトルにディップ/ピークが作られ、音のイメージを邪魔したり、不要な
フェイズ・シフトができる場合があります。
Flat ボタン
現在のフィルター・パラメーターをリセットします。すべての Gain が 0 になり、
ローパス/ハイパス・フィルターがオフになります。Frequency と Q の設定には影
響しません。
Gain
各バンドをブーストまたはアッテネート量を指定します。
Lowpass / Highpass フィルターでは使うことができません。
Output
出力レベルを調節します。
Output メーター
イコライザー処理後の信号レベルが表示されます。
61
Sonitus:fx Gate
Sonitus:fx Gate
Sonitus:fx Gate は、サイド・チ ェイン・フィルターと先読みバッファを搭 載したダイナミック・ゲー
トです。
Sonitus:fx Gate には、いろい ろな使いかたがあります。特定のレベル以下 の信号をブロックして、ノ
イズ・ゲートとして使うことができます。これは、レコーディングや演奏中などの無音部分に入っている
ヒスやハムなどのノイズを除去するのに便利です。
また、チューニング可能なピーク Punch モードもあり、これで各ドラム音に欠けている周波数に一時的
なパン チを加えて、ゲ ートを通っ た信号に 存在感を与 えます。変動す るハイパ スとローパ ス・サイド・
チェイン・フ ィルターを使 うと、
「フリケンシ ーを意識した」ゲ ートのかけかた をすることが できます。
クリックやポップを削除する Duking モードに変えることができます。
サイド・チェイン
Sonitus:fx Gate は、サイド・チ ェイン入力に対応しています。サイド・チェイ ン入力からのオーディ
オ信号をコンプレッサーのコントロール・シグナルとして使用することができます。
Sonitus:fx Gate をトラック、またはバスの FX 欄にプラグインすると、サイド・チェイン入力用の仮想
ポートが1つ作成されます。オーディオ・トラックやバス、センドの出力を、このサイド・チェイン入力
にルーティングすることができます。
Audio / Sidech ボタンをクリックして Sidech に切り替えると、プラグインのオーディオ出力からサ
イド・チェイン入力信号を聞いて確認することができます。サイド・チェイン入力はハイパスおよびロー
パス・フィルターを使って加工することもできます。
パラメーター
Effect_Fig102.eps_57
62
名称
機能
Threshold と Input メーター
ゲートがかかり始めるレベルを設定します。通常のノイズ除去アプリケー
ションでは、Threshold をできるだけ低く設定して、必要な信号が失われな
いようにします。Input メーターをガイドとして使い、適当な値を設定しま
す。モードが Duck に設定されていると、ゲートの開閉が逆になり、
Threshold レベルを超えるとゲートが閉じます。
Sonitus:fx Gate
名称
機能
Depth
ゲートが閉じているときに入力信号にかかるアッテネート(減衰)の量を設
定します。これでゲートがオンになり、不要な信号全体を削除したり、
Threshold レベル以下(または Duck モードのときは Threshold レベル以
上)にある信号をアッテネート(減衰)するのに使います。
Low cut
ローカット・フィルターは、指定されたカットオフ周波数以下の成分をアッ
テネート(減衰)します。これはゲートを通ったオーディオには影響せず、
トリガーに使うサイド・チェイン・シグナルだけを変化させます。
High cut
指定されたカットオフ周波数以上の成分をアッテネート(減衰)します。こ
れはゲートを通ったオーディオには影響せず、トリガーに使うサイド・チェ
イン・シグナルだけを変化させます。
Gate status
3 つの LED がゲートの状態を表します。ゲートが閉じているときは、赤い
LED が点灯します。ゲートが開いているときは緑の LED が点灯し、赤い
LED は消灯します。入力信号がスレッショルド以下になると、緑の LED が
消え、黄色の LED がホールドとリリース・タイムの間点灯します。
Normal / Duck
ゲートのモード(Normal または Duck)を切り替えます。現在のモードは
ゲート・エンベロープ画面に表示されます。
Punch mode
Punch では、ゲートの立ち上がりでゲインを加えます。これでゲートがか
かった信号にかなりのパワーを与えることができます。フィルター・オプ
ションでは選ばれた周波数へのパンチを調節して、より微妙な調整ができる
ようになります。Level でパンチ・レベルを設定します。0dB に設定すると
無効になります。Tune ではバンドパス・フィルターの センター周波数を設
定します。
Attack
ゲートが開く速さを決めます。速いアタック・タイムではノイズが入ること
があります。
Hold
信号が Threshold レベル以下になったときに、ゲートをあけたままにする時
間を決めます。これにより、早い周期でゲートの開閉が起きる現象を防ぎ、
典型的なゲート・リバーブ音を作ることができます。
Release
信号が Threshold レベル以下になり、Hold 時間経過後から、ゲートが閉じ
るまでの時間を決めます。
Lookahead
このパラメーターを大きくすると、ゲートを通るオーディオにディレイがか
かります(サイド・チェイン・シグナルにはかかりません)。
これにより、波形の立ち上がり部分がゲートをトリガーする前にゲートを開
くことで、アタック部分を失わずすむようになります。
Gain
出力レベルを調節します。
Audio / Sidech ボタン
このボタンでプラグインのオーディオ出力を切り替えます。
ゲートを通って処理された入力信号であるオーディオ出力を聞くか、サイ
ド・チェイン・フィルター出力を聞くかを選ぶことができます。
Output メーター
ゲート処理後の信号レベルが表示されます。
63
Sonitus:fx Modulator
Sonitus:fx Modulator
Sonitus:fx Modulator は、6 つの時間依存性モジュレーション・エフェクトが 1 つのプラグインにまと
まったエフェクトです。
パラメーター
Effect_Fig103.eps_57
64
名称
機能
Mode ボタン
モジュレーション・モードを切り替えます。
• Flanger:
1 チャンネルにつき 1 つのモジュレーション・ディレイを使います。
• Ensemble:
3 つの同期していないモジュレーション・ディレイを使い、ちらちらするようなエフェ
クトで深く豊かな音を作ります。フランジャーよりもより拡散したコーラス・エフェク
トなので、注意して使う必要があります。
• String Phaser:
アナログ・スウィーピング・シンセ・ストリングの音を再現しようとしています。ディ
レイのかわりに、信号の位相をモジュレートして作られます。これはコーラス・エフェ
クトと組み合わせて、すべての種類のストリングスで深い広範囲の音を作ります。
• Phaser 6:
6 段階のフェイザーです。このモードには String Phaser のようなコーラス・エフェ
クトはありません。
• Phaser 12:
12 段階のフェイザーです。このモードには String Phaser のようなコーラス・エフェ
クトはありません。
• Tremolo:
LFO 波形を使って、Rate パラメーターの通りに入力オーディオ信号のボリュームを切
り替えます。Phase で LFO の位相差をコントロールし、Mix で効果を調節します。
EQ Mode ボタン
EQ モードを切り替えます。Low Cut EQ では処理前の信号から低域成分を、High Cut
EQ では高域成分を取り除きます。Mix パラメーターと組み合わせて使うと、低音部または
高音部だけをモジュレートして、好きなようにウェットとドライの混ざりかたを調節する
ことができます。
EQ Frequency
EQ のカットオフ周波数を設定します。
Rate
モジュレーション・レイト(ディレイまたはフェイズがモジュレートされる速度)を設定
します。
LFO ボタン
LFO 波形を指定します。LFO とは Low Frequency Oscillator(ロー・フリケンシー・
オシレーター)のことです。これで時間によってどのようにディレイが変化するか、どの
プリセット波形にあわせるかを決めます。ボタンをクリックすると、使用可能な LFO 波形
が切り替わります。
Sonitus:fx Modulator
名称
機能
Phase
左右のチャンネルの LFO の位相差を調節します。Phase の値を大きくすると、2 つの
チャンネルの関連がより少なくなるので、ステレオの立体像が広くなります。
このパラメーターは、モードが Flanger または String Phaser になっているときだけ変
更可能です。
Depth
ディレイ・タイムの変化量を調節します。
Delay
最低となるディレイ・タイムの調節をします。実際のディレイ・タイムは Delay 以上、
Delay + Depth 以下で変化します。
Tape ボタン
実際のディレイ・タイムの平均値分だけ、ディレイを加えます。これで、アナログ・テー
プ・フランジャーを連想させるような音を作ることができます。最大の効果を出すには、
Mix を 50% に、Invert Mix ボタンをオンにします。
Tape 切り替えボタンは Flanger モードだけで使うことができます。
Feedback
各チャンネルでディレイ・ラインに戻される信号の量を設定します。
Invert Feedback
ボタン
フィードバックされた信号をディレイ・ラインに戻す前に逆に、位相を反転させます。
Crossmix
チャンネルをクロス・ミックスさせ、ステレオの立体像を広げます。フェイズから外れた
音が目立つようになるので、非常に高い設定はおすすめしません。
Mix
この設定はエフェクト音/原音のバランスを調節します。
Invert Mix ボタン
エフェクト音の位相を反転させます。
Output
出力レベルを調節します。
Output メーター
モジュレーター処理後のレベルを表示します。
65
Sonitus:fx Multiband
Sonitus:fx Multiband
Sonitus:fx Multiband は、5 バンド可変ニー・コンプレッサーに、Normal と Vintage コンプレッショ
ン・モードと出力リミッターがついています。
コンプレッサーの目的は、音楽や音のダイナミック・レンジを制限することです。
コンプレッサーでは信号の大きい部分を小さくし、レベルをだいたい一定にします。マルチバンド・コン
プレッサーには、受信したオーディオ信号を 2 つ以上の周波数域に分割して、それぞれの周波数域に別
のコンプレッサーをかけることができる、クロスオーバー・フィルターがあります。
Sonitus:fx Multiband では 4 つの調節可能なクロスオーバー・フィルターがあり、オーディオ素材が 5
つの周波数域に分割されます。
マルチバンド・コンプレッサーを使うときの難題のひとつは、作業したい特定の周波数域を分離して、コ
ンプレッサーで処理するということです。どのダイナミック・プロセッサーでも同じですが、よい結果が
出るようになるには時間と経験が必要ですが、正しく使えばすばらしいミックスができあがります。
マルチバンド・コンプレッサーを使うと、通常(1 バンド)のコンプレッサーよりも、完全な音楽のミッ
クスのように複雑なハーモニック素材を含んだオーディオ信号に使うときの利点がたくさんあります。
「ポンピン グ」が実質的に除 去されます。
「ポン ピング」とは、低音 のビートがあ る音楽を通常 のコンプ
レッサーを通したときに聞こえる現象です。中音や高音のアンプリチュードまたはビートの「ポンプ」が
変わります。マルチバンド・コンプレッサーは、低音部の周波数が中音部や高音部の周波数域のプロセッ
サーとは別れているので、ポンピングが起こりません。
コンプレ ッサーを通ると 信号が均一化さ れ、別のソースと の違いがわかり にくくなります。マ ルチバン
ド・コンプレッサーは特定の周波数域のダイナミック・プロパティを抑えたり、高めたりします。これを
使って、ディ エッサー、ポップ 削除、ボーカルや インストゥル メントのパン チやブレス(アタ ックとリ
リースの曲線)の調節などの作業もすることができます。
※ Sonitus:fx Multiband は内蔵ピーク・リミッターに先読みバッファー構造を装備しています。入力
モニター機能の使用時にリミ ッターをオンにすると、出力信号に短いディレイ(約 1.5ms)がかか
ります。既に 記録されているデータ に対してリミッターを かけるときには、この遅れ はありません。
リミッターは、場合によってはオフにすることができます。
66
Sonitus:fx Multiband
パラメーター
Sonitus:fx Multiband は、5 つの独立したコンプレッサーで、周波数のそれぞれ違う範囲に作用します。
操作パネルには、各バンド共通のメーターやパラメーター・コントローラが表示されます。特に記載がな
い場合には、バンドに依存しない用語を使って説明します。
操作パネルで特定のバンドが選ばれると、対応したパラメーターが自動的に反転表示され、現在選ばれて
いることを示します。
Effect_Fig104.eps_50
マルチバンド表示(Input メーター/ Threshold スライダー/ GR メーター)
各バンドの入力レベルの表示、Threshold レベルの設定、Gain Reduction の表示と、バンドの選択を
します。
名称
機能
Input メーター
各バンドの、コンプレッサーを通る前のレベルが表示されます。
Threshold
コンプレッサーが機能しはじめるときのレベルを設定します。
Threshold は入力レベルとオーディオ素材の種類に応じて調節します。
Input メーターをガイドとして使って適当な値を設定します。
GR(Gain Reduction)メーター
コンプレッションにより、どれだけゲインが減少しているのかを表示し
ます。
Threshold バンド 1 ∼ 5
各バンドの、コンプレッサーが機能しは じめるときのレベルを数値で設定します。Threshold は入力レ
ベルとオーディオ素材の種類に応じて調節します。Input メーターをガイドとして使って適当な値を設定
します。
入力信号レベルが Threshold レベル以下で、Knee パラメーターが HARD に設定されているときは、コ
ンプレッサーは機能しません。Threshold レベルになるとコンプレッサーが機能し始め、現在の Ratio、
Knee、Attack、Release の設定に合わせて入力信号のゲインが減少します。
67
Sonitus:fx Multiband
Solo、Bypass ボタン 1 ∼ 5
バンドが Solo モード(Solo ボタンが黄色)のときは、その他すべてのバンドがミュートされ、Bypass
ボタンが赤く点灯します。
バンドがBypassモード
(Bypassボタンが緑色)
のときは、コンプレッサーがかからない状態になります。
クロスオーバー表示
各バンドのクロスオーバー周波数の調整、Gain の設定と、バンドの選択をします。
フィルター・カーブの一番上の端をクリックすると、各バンドの Gain を調節することができます。フィ
ルター・カーブの一番上の端をダブルクリックすると、ゲイン値をリセットします。
縦のクロスオーバー・スライダー(下端にグレーのつまみが付いた白い垂直の線)をドラッグすると、ク
ロスオーバー周波数を調節することができます。クロスオーバー・カーブの傾きは、Common タブの Q
の値で決まります。
クロスオーバー周波数
各バンドのクロスオーバー周波数を、数値で設定します。
Compression curve グラフ
コンプレッション・カーブはグリッド上に白で、Threshold、Ratio、Knee、Gain 設定の組み合わせが
表示されます。これらのパラメーターを調節すると、カーブの形や場所を見ることができます。信号レベ
ルは対 角線の下 になる と小さく なります。Threshold レ ベル付近 の、傾きが変 わるあ たりのカ ーブを
「knee」といいます。
現在選ばれているバンドのカーブは白で表示され、それ以外のカーブはグレーで表示されます。
グラフには、60dB の範囲で入力レベルと出力レベルが表示されます。入力レベルが横軸、出力レベルが
縦軸です。グラフには左から右へななめの線が表示され、入力と出力レベルが同じでコンプレッサーがか
かっていない状態を表します。
再生中に小さい白いマーカー・ボールがコンプレッション・カーブを上下に動いて信号レベルが表示され
ます。ボール は現在選ばれて いるバンドの信 号レベルを示 し、入力信号レベル から見たコンプ レッショ
ン・カーブのポジションを決めるときに便利です。
グラフを使って、マウスを使いながら Ratio と Knee を変化させることができます。マウスのポインター
をコンプレッション・カーブ・グラフの部分へ動かして、左のマウス・ボタンをクリックします。マウス・
ポインターが十字型に変わります。ボタンを押しながら十字型を上下に動かすと Ratio が、左右に動か
すと Knee が調節できます。
68
Sonitus:fx Multiband
Band タブ 1 ∼ 5
各バンドの Ratio、Knee、Type、Gain、Attack、Release を指定します。
名称
機能
Ratio
Threshold レベルになったときに、信号にかかるコンプレッサー(ゲイン・リダクション)の量を
調節します。Ratio は入力レベルと出力レベルの比を表しています。Threshold レベル以上の信号
にどのくらいコンプレッサーがかかるかを示します。たとえば、Ratio を 4:1 にしたときは、
Threshold レベル以上の入力レベルが 4dB 大きくなると、出力レベルが 1dB 大きくなります。
Knee
コンプレッサーが、指定された Ratio で機能するまでの、スレッショルドの上下の dB の範囲を設
定します。Hard では、Threshold レベルを超えるとすぐにコンプレッサーがかかり、Soft knee
設定(値が大きい)は、徐々にコンプレッサーがかかります。
Type
コンプレッサーのカーブの特徴を決めます。
Gain
コンプレッサーの処理後のレベルを調節します。
Attack
入力信号が Threshold レベルを超えてから、完全にコンプレッサーがかかるまでの時間を調節しま
す。遅いアタックの設定 0 コンプレッサーがかかりません。
Release
入力信号が Threshold レベル以下に落ちてから、コンプレッサーがオフの状態に戻るまでにかかる
時間を設定します。
Common タブ
全バンドに共通のパラメーターを設定します。
各バンド毎に設定可能なパラメーターが表で表示されています。
名称
機能
Q
バンドのクロスオーバー・フィルターの傾きを調節します。Q 値を低くすると傾きはなだらかに、
Q 値を高くすると急な傾きになります。
TCR
TCR(Transient Controlled Release)は特別なアルゴリズムでリアルタイムで自動的にリリー
ス・タイムを調節して、早いコンプレッション変更を防ぎます。
実際のリリース・タイムは Release パラメーター設定に関連して調節されます。TCR をオンにす
るとオーディオ素材によっては良い効果がありますが、ポンピングやブリージングを抑えて、信号
全体の音量を大きくすることができます。
Limit
内蔵のピーク・リミッターのオンとオフを切り替えます。出力レベルが 0dB を超えると、リミッ
ターが自動的にピークをアッテネートして、安全なレベルに押さえ込みます。リミッターがオフの
状態では、信号がリミットではなくクリップされます。
Out
全体の出力レベルを調節します。
Overload LED
出力信号がクリッピング・レベル(0dB)を超 えている状態を表示します。リミッターがオンのときは、
Overload LED が点灯して、リミッタ ーがかかっていることを表示します。そ うでなければ、出力信号
がクリッピングされていることを表示します。
通常は LED が黒になっています。出力が Overload の状態になった場合は、赤く点灯し、それから暗い
赤になり、リミッターまたはクリッピングが行われていることを示します。LED をクリックするとリセッ
トされます。
Output メーター
Sonitus:fx Multiband のすべての処理後の信号レベルが表示されます。
69
Sonitus:fx Phase
Sonitus:fx Phase
Sonitus:fx Phase は、信号の位相を任意に調節します。
※ Sonitus:fx Phase はフェイズ・シフター/フェイズ・ディレイです。フェイザー・エフェクトでは
ありません。
※ モノ出力には左右の位相差は存在しないので、Sonitus:fx Phase にはステレオ信号を入力する必要
があります。
パラメーター
Effect_Fig105.eps_67
名称
機能
Filter ボタン
フィルター・タイプ(IIR または FIR)を指定します。
IIR(Infinite Impulse Response)は早く、位相差がよく出ますが、信号に常にフェイズ・シ
フトがかかります。
FIR(Finite Impulse Response)は遅く、高い周波数には正しいフェイズ・シフトがかかり
ますが、低い周波数ではあまり効果はありません。また FIR では一定のフェイズ・シフトがか
からず、両方のチャンネルに少しディレイがかかります。
4 つのフェイズ・シフト調節方法が切り替わります。
Mode ボタン
70
• LR Phase:
左右のチャンネルの位相差を調節します。Phase がプラス方向に調節されると、左チャンネ
ルが先で右チャンネルが遅くなります。マイナス方向に調節されると、逆の結果(右が早く
て左が遅い)になります。
• MS Phase:
Phase で中央(モノ)とサイド(ステレオ)の信号の位相差を調節します。
• CS Encode:
センター情報を左チャンネル、サラウンド情報を右チャンネルに配置する信号をエンコード
するときに使います。Phase は自動的に 90 度に設定されます。このモードを選ぶと、フェ
イズ・キャンセルが起こらずに、サラウンド・ミックスの前から後ろへ信号をパンするのに
最適な設定になります。
• SC Encode:
CS Encode ど同じ効果ですが、サラウンド情報を左のチャンネルから、センター情報を右
のチャンネルから読み込みます。このため先と後のチャンネルが逆になります。
Phase
位相をコントロールします。
0 度では、(フィルター・タイプによる、一定のフェイズ・シフト/ディレイ以外)には何も起
こりません。プラスの値では最初の信号を、選ばれたモード(Left、Mid、Center、
Surround)によって前の時間へ動かします。マイナスの値では後ろへ動かします。
Width
ステレオ信号の幅をコントロールするのに使います。
100% は、処理されたステレオ信号のことです。幅を狭くすると、サイドの情報が少しずつ削
除され、0% でモノ信号になります。幅を広げるとサイドの情報のレベルがブーストされ、最
大値の 200%(通常のレベルの 2 倍)まで上がります。
Sonitus:fx Phase
名称
機能
Output
出力レベルを調節します。
入力レベルが適切であれば、出力レベルを調節する必要はありません。しかし、信号の先頭に
ほとんどスペースがない場合は、クレスト・ファクター(信号のピーク値と RMS 値の差)の変
化のため、または信号のピークとディップがシフトされたため、クリッピングが起こることが
あります。
Pre / Post ボタン
Phase メーターのモードを切り替えます。
Pre は処理前の位相差、Post は処理後の位相差を表示します。
Phase メーター
2 つのチャンネルの位相差をリアルタイムで表示します。
Phase メーターでは、位相差だけが表示され、ズレの方向は表示されません。
Output メーター
Sonitus:fx Phase のすべての処理後の信号レベルが表示されます。
71
Sonitus:fx Reverb
Sonitus:fx Reverb
Sonitus:fx Reverb は、高品質のリバーブ・エフェクトです。
リバーブ とは、部屋などの囲 まれた音響の環 境でエコーが かかったように 音が鳴るエフェ クトです。リ
バ ー ブ は連 続 し た エ コ ー で、エコ ー の 密 度 が 高 くて 個 別 に 分 け ら れな い 状 態 と も 考 えら れ ま す。
Sonitus:fx Reverb では、仮想的な部屋の壁で音が反射している現 象を再現して、いろいろな環境の特
徴、ディケイ、レスポンスなどを持ったリバーブをつくることができます。
パラメーター
Effect_Fig106.eps_67
72
名称
機能
Input Mute ボタン
入力信号をミュートします。リバーブ音だけを聞きたいときなどに使用します。
Input Level
入力信号のレベルを調節します。
Input メーター
Input Level 通過後のオーディオ信号の入力レベルが表示されます。
Low Cut
低域フィルターです。
このフィルターは、リバーブ音を生成する前の信号にかかります。
High Cut
高域フィルターです。
このフィルターは、リバーブ音を生成する前の信号にかかります。
Low / High Cut グラフ
Low / High Cut フィルターの特性を調節できます。
白い丸印をダブルクリックすると、初期設定値に戻ります。
Predelay
初期反射音のディレイ・タイムをコントロールします。
Predelay は、部屋の大きさに合わせて設定します。Predelay はスラップバッ
ク・エコーを作り、信号がこもった音になるので、注意して使いましょう。
Room Size
部屋の大きさを設定します。
設定範囲は 1 ∼ 100 で、単位はありません。
Sonitus:fx Reverb
名称
機能
Diffusion
反響の密度をコントロールします。
低い Diffusion 設定は反響の音がわかりやすく、個々のエコーを聞き分けること
ができるようになります。
Bass Multiplier
Crossover 以下の周波数帯のディケイ・タイムを調節します。
このパラメーターは係数で表示されます。1.0 では Crossover 以下の周波数帯と
その他の帯域のディケイ・タイムが同じになります。
Crossover
Bass Multiplier のクロスオーバー周波数を指定します。
Decay Time
リバーブ・タイムをコントロールします。このパラメーターは、残響音が原音に
対して -60dB になるまでの時間を指定します。
High Damping
残響音の高域成分のダンピングを調節します。このパラメーターを最大値に設定
すると、High Damping の効果がなくなり、OFF と表示されます。
グラフ
Bass Multiplier、Crossover、Decay Time、High Damping パラメーターを
調節します。横軸が周波数、縦軸が残響時間を表します。
グラフの上にある白いハンドルをドラッグして、値を変えることができます。
紺色のボックスが Bass Multiplier(垂直)と Crossover フリケンシー(水平)
を、明るい青のボックス/三角で Decay Time(垂直)や High Damping(水
平)を調節します。
ハンドルをダブルクリックすると 2 つの関連したパラメーターが初期設定値に戻
ります。
Dry Mute 切り替えボタン
原音をミュートします。
Dry Level
原音の出力レベルを設定します。
E.R. Mute ボタン
初期反射音(Early Reflections)をミュートします。
E.R. レベル
初期反射音(Early Reflections)の出力レベルを設定します。
初期反射音は、仮想的な部屋の壁をはね返る初期のエコーのことです。
広がる反響に加えて、部屋の直接の存在感を作り、小さい部屋に現実感を与える
ことができます。
Reverb Mute ボタン
残響音をミュートします。
Reverb レベル
残響音のレベルを設定します。
Width
残響音のステレオの幅を調節します。
Output メーター
Sonitus:fx Reverb からの出力レベルを表示します。
73
Sonitus:fx Surround
Sonitus:fx Surround
Sonitus:fx Surround は、ドップラー効果、 距離効果、ベロシティー効果のレンダリング機能、ジョイ
スティックによるコントロール、加えてグラフ編集機能を搭載した、サラウンド・パン/エンコーダーで
す。
Sonitus:fx Surround は、仮想空間に おける効果 を 2 チャン ネルのステ レオ信号 として出力 します。
Sonitus:fx Surround を、5.1 チャンネルなどに分離したマルチ・チャンネル・パンとしては使うこと
はできません。
パラメーター
Effect_Fig107.eps_57
Panning エリア
青い Panning エリアはサラウンドの音場で、サラウンドのパンをするのに使います。スピーカーのアイ
コンは Left、Right、Center、Surround チャンネルと同じポジションにあり、パンをするときのガイ
ドとして機能します。表示する範囲は Zoom で切り替えることができます。
白い十字型で音源の位置を示します。マウスを使ってドラッグして動かすか、ジョイスティック・コント
ローラーを使うと、十字型をうごかすことができます。
74
名称
機能
Left / Right
音源の左右の位置を数値で表示します。
Front / Rear
音源の前後の位置を数値で表示します。
Zoom ボタン
Panning エリアの表示範囲を切り替えます。
ズーム 1 は、画面上のパンの範囲と実際のサラウンドのパンが 1:1 になります。ズームを 3 ま
たは 5 にすると、通常のパンの設定よりも 3 倍または 5 倍のパンの範囲を使えるようになりま
す。Path と Focal point 機能の組み合わせなどのフライバイ・エフェクトで便利です。
Input ボタン
入力信号の形式を選びます。
Mono は、モノラル・ソースのサラウンド・パン配置に一番良く使われる設定です。オリジナ
ルの入力信号がステレオの場合は、あらかじめ左右のチャンネルがミックスされます。
Stereo では、ソースのステレオ感をある程度保つことができます。左右どちらかにパンを動か
すと、ステレオ・バランス・コントロールになります。Left / Right では、右/左チャンネル
のデータだけを、モノラル信号として使用します。
Sonitus:fx Surround
名称
機能
Focal point ボタン
焦点の処理、アッテネート、ドップラー効果を切り替えます。
Focal point がオンのときは、黄色の十字がパンの範囲に表示されます。このポイントは仮想
のリスナーに音が一番近い場所に配置されます。Focal point の処理はドップラー効果を加え
るだけでなく、相対的なパンのポジションでアッテネートをレンダリングすると、スピードと
ベロシティー効果を作ることができます。Focal point を動かすには、クリックして動かした
い場所へドラッグします。パンの十字型とは違い、Focal point は Zoom1 の表示の内側に配
置されていなければなりません。Attenuation と Doppler 設定がされていないと Focal point
の効果はありません。
Attenuation
Focal point の処理を使うときにかけるアッテネートの量をコントロールします。
このパラメーターは Focal point から離れたときにどのように音が減衰するかをコントロール
します。アッテネートの設定を低くすると、音源が Focal point から離れてもあまり小さくな
りません。アッテネートの量が増えると、黄色の円が Focal point 近くに表示されます。これ
はレベルが 6dB 小さくなる範囲を示します。
Doppler
Focal point の移動時にかけるドップラー効果の量をコントロールします。
このパラメーターでは、ドップラー効果またはドップラー・シフトという物理の現象を再現し
ます。サラウンドのパンにドップラーを応用すると、動いている物により現実感を与えること
ができます。低い設定では、パンの焦点に近づいたり離れたりするときのピッチの変化が小さ
くなり、高い設定では差が大きくなります。ドップラーはパンのスピードが速くなると、効果
がわかりやすくなります。とても高い設定では、レコードのスクラッチングと同じようなエ
フェクトを作ることができます。
Path ボタン
Path 機能では、音源の移動を再現します。
最も簡単な Path の形は直線で、ポイントが追加されると、パンの曲線が複雑になります。最
大で 25 のポイントを作ることができます。最初は、Path には重なった 2 つのポイントがあ
ります。簡単なパンの曲線を作るには、上のコントロール・ポイントをクリックして、別の場
所へドラッグします。Path が有効のときは、音源を任意の位置に移動させることはできなくな
ります。新しいポイントを追加するには、マウスのポインターを Path まで動かし、ダブルク
リックします。新しいポイントを Path の最後に追加して、その場所へ延長するには、Ctrl
キーを押しながら、パンの範囲の中でダブルクリックします。ポイントを選ぶには、ポイント
をクリックします。複数のコントロール・ポイントを選ぶには、Ctrl キーを押しながら、各ポ
イントをクリックします。選ばれたポイントを削除するには、Delete キーを押します。
Closed path ボタン
Path を閉じるかどうかを切り替えます。
Path が開いているときは、あるポイントから移動が始まります。閉じている Path では同じ開
始地点と終了地点を使うので、継続的なループを作ります。
Path time
Path の最初から最後まで移動するのにかかる時間を設定します。
Joystick ボタン
ジョイスティックで音源をコントロールします。
Test noise
テスト・ノイズを発生します。
テスト・ノイズ・ジェネレーターでは -20dB RMS のピンク・ノイズと入力信号を入れ替えま
す。この機能はサラウンドの設定をチェックするためにある、すべてのスピーカーが正しく接
続され、同じレベルに調節されていることを確認します。
Output gain
Sonitus:fx Surround からの出力レベルを調節します。
Output メーター
Sonitus:fx Surround からの出力レベルを表示します。
75
Sonitus:fx Wahwah
Sonitus:fx Wahwah
Sonitus:fx Wahwah は、ワウ・エミュレーターです。
ワウは典型的なギター・エフェクトで、人の声のような独特な効果を演出します。Sonitus:fx Wahwah
はアナログ・モデリングをデジタルで再現していますので、実在のストンプ・ボックスの効果を再現する
こともできます。
パラメーター
Effect_Fig108.eps_67
76
名称
機能
Mode ボタン
ワウのモードを切り替えます。
• Manual:
手動でワウをコントロールすることができます。
• Automatic:
いわゆるオート・ワウです。
• Triggered:
アタックとリリース・タイムを使ってエンベロープをコントロールします。ワウをトリガー
するスレッショルド・レベルの設定によります。
Wah
ワウ・エンベロープのポジションをコントロールします。このパラメーターは、Mode によっ
て効果が異なります。Manual モードでは強調する帯域を指定します。ワウのペダル上で足を
前後に動かすように、ワウの動作を直接コントロールすることができます。Auto モードでは
オート・ワウの位相を指定します。Triggered モードではワウの範囲を指定します。
Tempo
Auto モード時のスピードを設定します。
Attack
Triggered モード時のアタック・タイムをコントロールします。アタック・タイムとは、ワウ
がトリガーされてから High wah 設定になるまでにかかる時間のことです。
Release
Triggered モード時のリリース・タイムをコントロールします。リリース・タイムとは、ワウ
のトリガーがオフになってから Low wah 設定に戻るまでにかかる時間のことです。
High
ワウを「開いた」ときの設定です。
Low
ワウを「閉じた」ときの設定です。
Input メーター
入力信号レベルを表示します。
Threshold
Triggered モード時のトリガー・レベルを指定します。Threshold を超えると、Attack で指
定された時間をかけてワウが High まで「開き」
、Threshold 以下になると Release で指定さ
れた時間をかけてワウが Low まで「閉じ」ます。
Mix
エフェクト音と原音のバランスを調節します。
Output
Sonitus:fx Wahwah の出力レベルを設定します。
Sonitus:fx Surround Compressor
Sonitus:fx Surround Compressor
Effect_Fig109.eps_57
Sonitus Surround Compressor は、Sonitus:fx Compressor をサラウンド対応に拡張したバージョ
ンです。
Surround Compressor では、4 系統のステレオ・コンプレッサーによるコンプレッションが可能です。
Surround Compressor をサラウンド・バスにプラグすると、バスのインプット・チャンネルのどのよ
うなコンビネーションでも 4 つのコンプレッサーに割り当てることができるので、選んだ複数のステレ
オ・ペアやセンター・チャンネル、LFE の組み合わせを各コンプレッサーに送ることができます。
初期設定ではすべてのチャ ンネルがコンプレッサー 1 に入力されていま すが、必要であれば任意のチャ
ンネルを他のコンプレッサーに割り当てなおすことができます。
各コンプレ ッサーには独立 したカーブが設 定でき、すべての カーブが同じグ ラフ上に同時に表 示されま
す。4 つのコンプ レッサー選択ボタンの いずれかをクリックす ると、対応するカーブがア クティブにな
り、マウスで編集することができます。
アクティブな状態では、選択ボタンと対応するカーブは同じ色(コンプレッサ 1= 赤、2= 青、3= 緑、
4= オレンジ) で表示されます。
インプット・レベル・メーターとアウトプット・レベル・メーターは 9 本ずつ用意されています。
使用されないレベル・メーターはグレー・アウトします。
Surround Compressor には、一般的なサラウンド・ミックスを想定したいくつかのプリセットが付属
しており、それらをカスタマイズして独自のプリセットとして保存することも可能です。
77
Sonitus:fx Surround Compressor
コンプレッサー選択
Effect_Fig110.eps_80
ボタン名
78
機能
コンプレッサー 1 選択ボタン
(図では C と表示)
コンプレッサー 1 が選ばれ、ボタンと対応するカーブがアクティブになり、赤
く表示されます。
▼をクリックして表示されるドロップダウン・メニューでは、どのサラウン
ド・チャンネルをコンプレッサー 1 で処理するかを選ぶことができます。ボタ
ンには、現在設定されているサラウンド・チャンネルの一覧が表示されます。
コンプレッサー 2 選択ボタン
(図では L / R と表示)
コンプレッサー 2 が選ばれ、ボタンと対応するカーブがアクティブになり、青
く表示されます。
▼をクリックして表示されるドロップダウン・メニューでは、どのサラウン
ド・チャンネルをコンプレッサー 2 で処理するかを選ぶことができます。ボタ
ンには、現在設定されているサラウンド・チャンネルの一覧が表示されます。
コンプレッサー 3 選択ボタン
(図では Ls / Rs と表示)
コンプレッサー 3 が選ばれ、ボタンと対応するカーブがアクティブになり、緑
で表示されます。
▼をクリックして表示されるドロップダウン・メニューでは、どのサラウン
ド・チャンネルをコンプレッサー 3 で処理するかを選ぶことができます。ボタ
ンには、現在設定されているサラウンド・チャンネルの一覧が表示されます。
コンプレッサー 4 選択ボタン
(図では LFE と表示)
コンプレッサー 4 が選ばれ、ボタンと対応するカーブがアクティブになり、オ
レンジで表示されます。
▼をクリックして表示されるドロップダウン・メニューでは、どのサラウン
ド・チャンネルをコンプレッサー 4 で処理するかを選ぶことができます。ボタ
ンには、現在設定されているサラウンド・チャンネルの一覧が表示されます。
4 つの Bypass ボタン
コンプレッサー毎のバイパス・ボタンです。
4 つの Threshold
コンプレッサー毎の Threshold パラメーターです。
Threshold パラメーターではコンプレッサーが機能しはじめるときのレベルを
設定します。設定範囲は 0.0 ∼ -60.0dB です。
スレッショルドは入力レベルとオーディオ素材の種類によって調節します。
Input メーターをガイドとして使って適当な値を設定します。入力信号レベル
がスレッショルド以下で、Knee パラメーターが HARD に設定されていると
きは、コンプレッサーは使われません。スレッショルド・レベルになるとコン
プレッサーがスタートし、現在の Ratio、Knee、Attack、Release の設定に
合わせて入力信号のゲインが減少します。
Sonitus:fx Surround Compressor
Input メーター
Effect_Fig111.eps_75
サラウン ド・チャンネルごと の入力レベ・ルメ ーターです。チャ ンネル名はメ ーターの下に表 示されま
す。メーター上には、各チャンネルのピーク入力レベルが表示されます。Threshold スライダーをドラッ
グすると、各コンプレッサーの Threshold を調節できます。
Output メーター
Effect_Fig112.eps
コンプレッサー通過後の出力レベルが表示されます。メーターの範囲は、0.0 ∼ -60.0dB です。
79
Sonitus:fx Surround Compressor
Compression curve グラフ
Effect_Fig113.eps_85
Compression curve グラフは、4 つのコンプレッサーの入出力レベル、Ratio、Knee の設定を目で確
認し、マウスを使って直接カーブを調節することができます。
グラフでは、60dB の範囲で入力レベル対出力レベルを表示します。横軸は入力レベル、縦軸は出力レベ
ルを表し ます。コンプレッ ション・カーブは グリッド上に白 で表示され、グラ フの形状は Threshold、
Ratio、Knee、Gain の組み合わせで決まります。
これらのパラメーターを調節すると、カーブの形や場所を見ることができます。グラフの傾きが変わるレ
ベルを「Threshold」と呼び、Threshold 近辺の折れ曲がりかたを「Knee」と言います。
再生中は、小さい白いマーカー・ボールがカーブを上下に動いて信号レベルを表示します。グラフをマウ
スでドラッグすると、Knee、Ratio を変更することができます。
GR メーターは、コンプレッションによって、どれだけゲインが減少しているのか(ゲイン・リダクショ
ン)を表示します。メーターの範囲は 0.0 ∼ 30.0dB です。
Gain スライダーは、コンプレッション後の出力レベルを調節します。設定範囲は、+30.0 ∼ -30.0dB
です。
80
Sonitus:fx Surround Compressor
コンプレッション・パラメーター関連
Effect_Fig114.eps
パラメーター
機能
Ratio
スレッショルド・レベルになったときに、コンプレッションの量(ゲイン・リダクション)
を調節します。範囲は 0.4:1 ∼ 30:1 です。
たとえば、4:1 というレシオは入力レベルが 4dB 大きくなると、スレッショルド・レベル
以上の信号の出力レベルは 1dB しか大きくならないということです。
Knee
スレッショルド・レベル付近のレシオの変化を調節します。範囲は 0dB(Hard)∼ 30dB
です。
Hard knee は、スレッショルド・レベルになるとすぐにコンプレッサーがかかり、Soft
knee 設定は信号の範囲で、だんだんとコンプレッサーがかかります。
Type 切り替え
ボタン
コンプレッサーのタイプを決めます。Normal または Vintage のどちらかが選べます。
Normal タイプは典型的なコンプレッサーのようになり、レシオ設定を使ってスレッショ
ルド・レベルの上のゲインをアッテネートします。クリーンで透明な感じになりますが、
オーディオ素材によっては「平坦」な音になることがあります。
Vintage タイプでは、Teletronix LA2A などのアナログ・コンプレッサーのようなコン
プレッション・カーブを作ります。大きな違いはスレッショルド以上でコンプレッション・
レシオがだんだんと小さくなり、レベルが 1:1 にゆっくりと戻ります。これで、ドラム・
ビートやその他のピークなど、信号の大きな部分に、信号の他の部分に比べてあまりコン
プレッサーがかからないようになります。これによりあたたかみと「パンチ」を加えるこ
とができます。Vintage タイプは TCR パラメーターにも影響し、違うリリース・タイム
調節の方法を使うことができます。
Attack
スレッショルド・レベルになってから完全にコンプレッサーがかかるまでの時間を調節しま
す。範囲は 0.0 ∼ 400.0ms です。
早いアタックの設定は、ほとんど瞬間的にコンプレッサーがかかるということです。遅い
アタックの設定を使うと、ゆっくりとコンプレッサーがかかるので、早い設定よりも信号
のバリエーションがたくさん使えます。アタックはオーディオ素材の性質によって調節し
ます。
Release
レベルがスレッショルド以下に落ちてからコンプレッサーがオフの状態に戻るまでにかか
る時間を設定します。範囲は 1 ∼ 4000ms です。
短いリリース・タイムはコンプレッションを柔軟にして出力信号をアレンジすることがで
きるようになりますが、違和感のある音になることもあります。長いリリース・タイムで
は、音圧を上げるという面では不利になります。
Limiter 切り替え
ボタン
内蔵のピーク・リミッターのオンとオフを切り替えます。
ゲインを調節して出力レベルが 0dB を超えると、リミッターが自動的にピークをアッテ
ネートして、安全なクリッピングなしのレベルにします。これは、クリッピングによるノ
イズの心配をせずに、ゲインを 30dB まで安全にブーストさせることができるということ
です。リミッターがオフの状態では、信号がリミットではなくクリップされます。
TCR 切り替え
ボタン
TCR(Transient Controlled Release)は特別なアルゴリズムでリアルタイムで自動的
にリリース・タイムを調節して、コンプレッションの急激な動作を防ぎます。
リリース・タイムは現在の Release パラメーター設定に関連して調節されます。TCR を
オンにするとオーディオ素材によっては良い効果があり、ポンピングやブリージングを抑
えて、信号全体の音量を大きくすることができます。
Mode
スレッショルドに達したかどうかを検出するときに着目する対象を選びます。
Peak は最もレベルの大きい信号、Sum は選ばれたコンプレッサーを通過するすべての信
号の合計です。
81
Alias Factor
Alias Factor
Effect_Fig115.eps_80
Alias Factor は、リサンプリング処理によって故意にサウンドを破壊するプラグイン・エフェクトです。
Alias Factor の仕組み
Alias Factor は、オーバー・サンプリング・テクノロジーを使い、オリジナルのサンプル・レートの設
定によらず、広範囲なサンプル・レートの変換を擬似的にシミュレーションします。多くのデシメータ・
エフェクトとは異なり、サンプル・レートをオリジナルから大きく変更した場合も、非常にスムーズにリ
サンプリング処理を行うことができます。
デジタル・オーディオでは、サ ンプル・レートの 1/2(ナイキスト・ポイン トと呼ばれます)より高い
周波数は、誤って低い周波数であると解釈されます。この効果をエイリアシングと呼びます。エイリアシ
ングは歪みの一種なので、実際に音の歪みとなって聞こえる場合があり、時としてこの歪みはサウンドに
絶大な効果を与えます。Alias Factor は一般的なローパス・フィルターを装備していますので、カット
オフ周波数をナイキスト・ポイントよりも高く設定し、レゾナンスを上げることで、エイリアシングの効
果を最大限に強調することができます。一方、カットオフ周波数をナイキスト・ポイントより低く設定し
た場合は、フィルターをエイリアシングの除去に利用することもでき、昔のデジタル楽器のようなロー・
ファイなサウンドを作り出すことができます。
このように、 高性能なリサン プリング処理に 加えてエイリア シングを取り除 いたり強調したり すること
で、古いサンプラーのようなサウンドから、破壊的に歪んだサウンドまで、あらゆるサウンドを作ること
ができます。
82
Alias Factor
Alias Factor のパラメーター
カットオフ・モード(CUTOFF MODE)
Alias Factor には次のようなカットオフ・モードがあります。
• FREE
カットオフ周波数を自由に設定できるモードです。
• UNDER
カットオ フ周波数は常にナイキスト・ポイン トよりも低い周波数に固定されま す。エイリアシングを
カットする際に使用します。
• AT
カットオ フ周波数は常にナイキスト・ポイン トに固定されます。エイリアシング をやや強調する際に
使用します。
• OVER
カットオ フ周波数は常にナイキスト・ポイン トよりも高い周波数に固定されま す。エイリアシングを
大きく強調する際に使用します。
エイリアシングを最大限に強調するには、カットオフ・モードを OVER に設定した上で、レゾナンスの
設定を大きくします。実際にレゾナンスで強調される周波数はナイキスト・ポイントよりも高い周波数で
すが、その結果エイリアシングによって発生するエイリアス・ノイズも強調されることになります。
一般 的 なサ ンプ ラー の よう なス ムー ズ なエ イリ アシ ン グの 除去 を行 うに は、カ ット オフ・モ ー ドで
UNDER を選び、レゾナンスも低めに設定します。
UNDER はスムーズなサウンド、AT はやや歪んだサウンド、OVER は激しく歪んだサウンドに、それぞ
れ適しています。
サンプリング周波数(SAMPLING FREQ)
Alias Factor でエミュレートするサンプル・レートを指定します。100Hz ∼ 32kHz で設定できます。
カットオフ(FILTER CUTOFF)
このパラメーターは、カットオフ・モードで FREE が選ばれているときのみ有効です。カットオフ・モー
ドが FREE に設定されている場合は、このパラメーターでフィルターのカットオフ周波数を設定します。
レゾナンス(FILTER RESO)
カットオフ周波数近辺の周波数を強調します。高い値に設定すると、カットオフ周波数の周りの周波数が
強調されます。
ビット・デプス(BITDEPTH)
Alias Factor でエミュレートするビット数を設定します。ビット・デプスの設定に応じて、歪みやノイ
ズをより効果的に発生させることができます。
ミックス(MIX)
ドライ音とエフェクトのかかった音とのバランスを調節します。
レベル(LEVEL)
Alias Factor のボリュームを調節します。
83
Multivoice Chorus / Flanger
Multivoice Chorus / Flanger
コーラスは、原音とわずかな時間差(ディレイ)を持つ音を足し合わせ、さらにディレイ・タイムに揺れ
をつけることで、音に厚みや広がり感を出すエフェクトです。
フランジャーも同様に、原音とわずかな時間差を持つ音を足し合わせますが、コーラスと比較してさらに
短いディレイで、ディレイ にフィードバックをかけます。これにより、 金属的な「ジェット・サウンド」
などと呼ばれる効果が得られるエフェクトです。
パラメーター一覧
Effect_Fig116.eps_80
つまみをダブルクリックするとパラメーターは初期値にリセットされます。
表示
84
パラメーター
解説
CHORUS MODE
コーラス・モード
入力信号にどんなモジュレーション効果を与えるかを設定し
ます。
以下のモードから選べます。OFF / MONO(MON CH)/
STEREO CHORUS(STE CHO)/ 6-VOICE CHORUS
(6VO CHO)/ ENSEMBLE(ENSMBL)/ MONO
FLANGER(MON FLA)/ STEREO FLANGER(STE
FLA)
WAVEFORM
ウェーブフォーム
モジュレーションのサイクルを決めるウェーブフォームを選
びます。
選べるウェーブフォームの種類は、SIN / SIN^3 / TRI の
3 種類です。
DELAY
ディレイ
ディレイ・タイムを指定します。
SPEED
スピード
モジュレーション(揺れ)の速さを設定します。
DEPTH
デプス
モジュレーション(揺れ)の深さを設定します。0-100% で
設定します。
EQ MODE
EQ モード
ディレイからの出力に対して 2 バンドのイコライジング処理
をします。
LOW
EQ による低域の減衰量を設定します。
HIGH
EQ でよる高域の減衰量を設定します。
FEEDBACK
フィードバック
エフェクト出力をどれだけ入力にフィードバックするかを指
定します。
MIX
ミックス
エフェクト音と原音のバランスを調整します。
LEVEL
レベル
Chorus / Flanger からの出力レベルを調整します。
Multivoice Chorus / F langer
EQ モード
Multivoice Chorus / Flanger の EQ には、 以下のモードがあります。
EQ モード
カットオフ周波数(Hz)
レゾナンス
Q
STD
Low:250 / High:500
弱い
狭い
WIDE
Low:250 / High:1000
弱い
狭い
HIGH
Low:500 / High:1500
弱い
狭い
RES STD
Low:500 / High:2500
強い
広い
RES WIDE
Low:1000 / High:4000
強い
広い
RES HIGH
Low:500 / High:8000
強い
広い
85
Classic Phaser
Classic Phaser
フェイザーは、原音とはわずかに異なる位相の音を重ね合わせて、音にうねり、揺れを加えるエフェクト
です。原音に自然な揺れを付けることができることから、主に楽器音などに使われることが多いエフェク
トです。
Classic Phaser(クラシック・フェイザー)は、ホスト・アプリケーションのテンポに同期した揺れを
加えることのできるフェイザーです。
パラメーター一覧
Effect_Fig117.eps_80
つまみをダブルクリックすると、パラメーターは初期値にリセットされます。
表示
パラメーター
解説
PHASER MODE
モード
フェイザー・アルゴリズムを選びます。
モードは、OFF / MONO / STEREO / QUADRA の 4
種類です。
TEMPO SYNC
テンポ・シンク
LFO の周期(揺れの周期)をプロジェクトのテンポに合わ
せます。周期は、拍数で指定します。
LFO RATE Hz
LFO スピード
LFO 変調のスピードを設定します。
値を小さくするとゆっくりと、値を大きくすると速く(短
い周期で)音が揺れます。
LFO DEPTH
LFO デプス
LFO 変調の深さを設定します。
値を大きくすると、より大きく音が揺れます。
WAVEFORM
LEO ウェーブフォーム
変調をかける LFO の波形を選びます。
Center f
センター周波数
フィルターの帯域を指定します。
FEEDBACK
フィードバック
エフェクト音を入力へフィードバックする量をパーセント
で指定します。
LEVEL
アウトプット・レベル
Classic Phaser からの出力信号レベルを調整します。
テンポ・シンクの「D」は付点音符を、
「T」は 3 連符を示します。
86
Compressor / Gate
Compressor / Gate
コンプレッサーは、ある一定以上の音量を小さくするエフェクトです。音のばらつきを目立たなくするた
めに使われるほか、ダイナミック・レンジを狭くすることで、その分全体のレベルを大きくするためにも
使われます。
ゲート は、ある一定以 下の音量を 小さくす るエフェク トです。無音時 のノイズ を消すため に「ノイズ・
ゲート」としてや、リバーブと組み合わせて「ゲート・リバーブ」の効果を出すために使われます。ピア
ノ、ドラムなどにかけて、リリース・タイムを短くするなど、積極的な音づくりにも使えます。
Compressor / Gate(コンプレッサー/ゲート)は、その名の通り、コンプレッサー機能とゲート機
能を併せ持つエフェクトです。
また、ゲートの開閉を手動で操作できる MANUAL TRIGGER を装備しています。これにより、
「スライ
サー」のような効果を出すことができます。
パラメーター一覧
Effect_Fig118.eps_80
つまみをダブルクリックすると、パラメーターは初期値にリセットされます。
表示
パラメーター
解説
ATTACK
アタック・タイム
入力信号がスレッショルド・レベルを超えてから、コンプレッサー
が圧縮を始めるまでの時間を設定します。
RELEASE
リリース・タイム
入力信号がスレッショルド・レベルを下回ってから、コンプレッ
サーが圧縮をやめるまでの時間を設定します。
THRESHOLD
スレッショルド・レベル
コンプレッサーが圧縮を始める入力信号のレベルを設定します。
デシベル(dB)で設定します。
RATIO
レシオ
スレッショルドを超えた部分の入力信号は、レシオで設定した比率
で圧縮されます。
1:1 から 40:1 の範囲で設定できます。
INPUT GAIN
インプット・ゲイン
Compressor / Gate の前の段階で、入力のレベルを増幅できま
す。
ゲート・モード
Compressor / Gate のゲート機能には、MODE と TRIGGER
という 2 つの特別なパラメーターがあります。TRIGGER はゲー
トを手動で操作する機能です。MODE で、トリガー機能を有効に
するかどうかを設定します。
• OFF:
ゲート機能は働きません。
• NORMAL:
通常のゲート機能です。アタック・タイムやリリース・タイム、
スレッショルドに応じてゲート機能が働きます。
• MANUAL:
マニュアル・トリガーが操作されたときにゲートが開閉します。
GATE MODE
87
Compressor / Gate
88
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パラメーター
解説
THRESHOLD
スレッショルド
ゲートが機能する信号レベルを設定します。
入力信号がゲート・スレッショルドを下回った場合、ゲートが閉ま
り、入力信号はカットされます。デシベル(dB)で設定します。
MANUAL
TRIGGER
マニュアル・トリガー
手動でゲートの On / Off をコントロールします。
トリガーを ON にすると、ゲートは完全に閉じ、スレッショルド
の設定に関わらず音声は全く通過しません。
LEVEL
出力レベル
Compressor / Gate からの出力信号レベルを調整します。
Tempo Delay
Tempo Delay
ディレイ はその名の通り、音 を遅らせるエ フェクトです。短 いディレイ・タイ ムで音に厚みを 持たせた
り、ディレイ・タイムを曲のテンポに合わせたり、聴こえない程度のディレイを付加して雰囲気を作った
りなど、様々な使い方があります。
Tempo Delay(テンポ・ディレイ)は、ホスト・アプリケーションのテンポに同期したディレイを簡単
に加えることのできる、ディレイ・エフェクトです。
パラメーター一覧
Effect_Fig119.eps_80
つまみをダブルクリックするとパラメーターは初期値にリセットされます。
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パラメーター
解説
DELAY MODE
ディレイ・モード
ディレイ音のフィードバックの方法によって、4 つのモードがあり
ます。各モードについては、「ディレイ・モード」をご覧ください。
TEMPO SYNC
テンポ・シンク
ディレイをプロジェクトのテンポに合わせます。拍数を指定する
と、プロジェクトのテンポに合わせてディレイ・タイムが設定され
ます。
TIME LEFT /
TIME RIGHT
ディレイ・タイム
ディレイ・タイムを 0.00-2.00 秒の間で設定します。
この設定はシンク・モードでは効果がありませんので注意してくだ
さい。
EQ MODE
EQ モード
LOW
ローカット
EQ による低域の減衰量を設定します。
MID
ミッドカット
EQ による中域の減衰量を設定します。
HIGH
ハイカット
EQ でよる高域の減衰量を設定します。
FEEDBACK
フィードバック
ディレイ音をどれだけ入力にフィードバックするかを、パーセン
テージで指定します。
MIX
ミックス
ディレイ音と原音のバランスを調整します。
LEVEL
レベル
Tempo Delay からの出力レベルを調整します。
3 バンド EQ で、ディレイからの出力に対して低域/中域/高域の
周波数をカットし、レゾナンスを加えます。各モードについては、
「EQ モード」をご覧ください。
テンポ・シンクの「D」は付点音符を、
「T」は 3 連符を示します。
シンク・モードを OFF 以外の値に設定した場合、ディレイはプロジェクトのテンポに同期します。
時間に関するパラメーター(Time L / R)を設定していた場合でも、シンク・モードでの設定が優
先されます。テンポ・シンクを設定しなおすと、シンク・モードが再開されます。
89
Tempo Delay
ディレイ・モード
ディレイ音のフィードバックの方法によって、4 つのモードがあります。
モード
効果
STEREO
左右のチャンネルのディレイ・タイムを独立してコントロールできます。
PING
フィードバック音が左右を行ったり来たりするピンポン効果が得られます。
CROSS
クロス・チャンネル・フィードバックです。
標準的なセンター定位のディレイに比べて、より躍動感のあるディレイ効果が得られます。
LRC
3 チャンネル・ディレイです。レフト、ライト、センターの 3 つのチャンネルを通してフィード
バック音が出力されます。
EQ モード
Tempo Delay の EQ には、以下のモードがあります。
90
EQ モード
カットオフ周波数(Hz)
レゾナンス
Q
STD
Low:250 / High:500
弱い
狭い
WIDE
Low:250 / High:1000
弱い
狭い
HIGH
Low:500 / High:1500
弱い
狭い
RES STD
Low:500 / High:2500
強い
広い
RES WIDE
Low:1000 / High:4000
強い
広い
RES HIGH
Low:500 / High:8000
強い
広い
HF Exciter
HF Exciter
エキサイターは高域成分を強調することで、音にメリハリや、きらびやかさを加えるエフェクトです。
HF Exciter(ハイ・フリケンシ ー・エキサイター)は、さらに原音 には含まれていない倍 音成分を追加
することによって、音が明るくクリアにするエフェクトです。
パラメーター一覧
Effect_Fig120.eps_80
つまみをダブルクリックするとパラメーターは初期値にリセットされます。
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パラメーター
解説
f
周波数
エキサイターが動作する周波数帯を設定します。
Drive
ドライブ
ドライブは、音にエッジを加えるようなディストーション効果をもたらし
ます。
0-100% の範囲で設定できます。
SPREAD
スプレッド
左右のチャンネルの距離感をコントロールすることにより、ステレオ効果
を増やします。
ステレオ効果は 0% で効果無し、100% で最大になります。
91
Modfilter
Modfilter
フィルターは、ある周波数以上/以下の成分を遮断するエフェクトです。フィルターのカーブや、フィル
ターを複数組み合わせることで、様々な種類がありますが、シンセサイザーをお使いの方ならなじみ深い
エフェクトでしょう。
Modfilter(モジュレーション・フィルター)は基本的なローパス・フィル ターの機能に加えて、入力信
号や LFO の周期に合わせてダイナミックなフィルタリングを可能にしたエフェクトです。
パラメーター一覧
Effect_Fig121.eps_80
つまみをダブルクリックすると、パラメーターは初期値にリセットされます。
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92
パラメーター
解説
FILTER MODE
フィルター・モード
Modfilter の動作モードを選びます。
• LFO:
フィルターをロー・フリケンシー・オシレーター(LFO)でコント
ロールします。LFO の波形は、サイン波、三角波、矩形波、サン
プル&ホールドの中から選べます。LFO の周期は、テンポ・シン
クの値によります。
• EG:
フィルターは入力信号の強さでコントロールされます。ATTACK
/ RELEASE つまみで、カットオフに達するまでの時間と、その
後フィルターを開いたままにしている時間を設定します。
• MANUAL:
フィルターは LFO やエンベロープ・ジェネレーターからはコント
ロールされませんが、TEMPO SYNC / MOD DEPTH /
WAVEFORM / LFO RATE / ATTACK / RELEASE 以外のつ
まみの設定は、そのまま有効になります。
• OFF:
バイパスされます。
TEMPO SYNC
テンポ・シンク
LFO の周期をプロジェクトのテンポに合わせます。
拍の長さを指定すると、プロジェクトのテンポに合わせて LFO ス
ピードが設定されます。
CUTOFF
カットオフ
カットオフ周波数を設定します。
Reso
レゾナンス
レゾナンスの量を設定します。レゾナンスはカットオフ周波数付近の
帯域を強調します。
MOD DEPTH
モジュレーション・
デプス
LFO でフィルターを変調する深さを設定します。大きな値ほど、深い
効果が得られます。
WAVEFORM
ウェーブフォーム
LFO で使用する波形を選びます。サイン波(SIN)
、三角波(TRI)、
矩形波(SQR)
、サンプル&ホールド(S&H)から選びます。
LFO Rate Hz
LFO レイト
テンポ・シンクが OFF の時、LFO の周期を設定します。
ATTACK
アタック
カットオフ周波数に達するまでの時間を設定します。
(EG モード時)
Modfilter
表示
パラメーター
解説
RELEASE
リリース
カットオフ周波数に達してからどれだけの間フィルターを開いておく
かを設定します。
(EG モード時)
OVERDRIVE
オーバードライブ
オーバードライブは、入力信号を歪ませエッジのある音にします。
1-100% で歪み量を設定します。
LEVEL
レベル
Modfilter からの出力レベルを調整します。
テンポ・シンクの「D」は付点音符を、
「T」は 3 連符を示します。
93
Para-Q
Para-Q
イコライザーは、特定の周波数帯域の音を増幅/減衰させるエフェクトです。
「イコライザー」の名が示すと おり、本来は音を整える目的で使われますが、フ ィルターと同様に積極的
な音づくりにも使われています。
パラメトリック・イコライザーは、増幅/減衰させる周波数を任意に変えることのできるタイプのイコラ
イザーです。
Para-Q(パラキュ ー)は、ピーキング・タイプ のイコライザー 2 基を搭載した、2 バ ンド・パラメト
リック・イコライザーです。
パラメーター一覧
Effect_Fig122.eps_80
つまみをダブルクリックすると、パラメーターは初期値にリセットされます。
94
表示
パラメーター
解説
f
センター周波数
各バンドの周波数帯を設定します。
Gain
ゲイン
各バンドの増幅/減衰量を指定します。
BW
バンド・ワイズ
イコライザーの鋭さ(センター周波数周辺の帯域に与える影響)を設
定します。
単位はオクターブで、値が小さいほど、狭い帯域だけ増幅/減衰させ
ます。
LEVEL
レベル
Para-Q からの出力レベルを調整します。
D01225000A