**マルチファイヤーエンド TA 30 ステープラー

**2014 年 10 月 24 日改訂(第 5 版)
*2014 年 1 月 31 日改訂(第 4 版)
高度管理医療機器
**
医療機器承認番号:22100BZX00131000
機械器具(30) 結紮器及び縫合器
体内固定用組織ステープル(単回使用手術用ステープラ)
JMDN コード:35615003
マルチファイヤーエンド TA 30 ステープラー
再使用禁止
**【形状・構造及び原理等】
1. 構造等
それぞれのカートリッジにはチタニウム製ステープルが互い違い
に 3 列に打たれ、組織を縫合する。閉鎖後のステープルの高さや形
状は組織の厚さによって変わる。
**【警告】
<使用方法>
1. 本品を使用する前に、必ず組織の厚さを確認し、適切なステー
プルサイズを選択すること[厚すぎる又は薄すぎる組織に使用
すると、ステープルが正しく形成されないため]
。
2. 補強材を使用する際は、組織と補強材を合わせた厚さを考慮し、
適切なカートリッジを選択すること。
3. 術前に放射線療法等を行うと組織が変化することがあり、組織
の厚さあるいは硬さが、選択したステープルの適応範囲や器械
縫合の適用を超える場合がある。術前に患者が受けた治療や病
態を考慮すること。
4. 組織に本品をセットする際、クリップ等の障害物がアゴに挟ま
っていないか確認すること[本品の破損、動作不良、ステープ
ル形成不良、切離不良などのステープルが正しく形成されない
可能性があるため]。
5. ティッシュストップの内側に、組織が入り込んでいないかを確
認すること[ステープルの形成不良を引き起こす可能性がある
ため]。
6. アプロキシメイティングレバーは、打針前に、側面のホワイト
マーキングが見えなくなり、カチッと音がするまで完全に押し
下げること[本品の破損及び部品の体内落下、ステープル形成
不良等のリスクがあるため]
。
7. 打針を完全に行うこと[不完全な打針は、ステープルの形成不
良を引き起こし、不十分な止血やリークの原因となるため]。
8. 打針後は必ずステープルラインを調べて、止血が完全で適切な
ステープルが形成されていることを確認すること。止血が不完
全な場合には、電気メス、追加縫合又は結紮等適切な方法で止
血処置を行うこと。
9. 1 回の手術中に本品を複数回使用する場合は、使用毎に必ず使用
済みカートリッジを取り外し、新しいものと交換すること。本
品は、使用済みカートリッジでは打針できないように安全機構
を備えている。安全機構が働いている状態で無理に打針しない
こと。再度打針する際には、ガーゼ等でアンビルに付着した余
分なステープルや組織等をきれいに取り除くこと[本品の破損
及び部品の体内落下、ステープル形成不良等のリスクがあるた
め]
。
A)
B)
C)
D)
E)
F)
G)
H)
I)
J)
K)
L)
アゴ
シャフト
回転ダイヤル
アプロキシメイティングレバー
ホワイトマーキング
セーフティレバー
ハンドル
カートリッジ
3 マーク
アンビル
ティッシュストップ
リローディングボタン
色
配列数
ステープル
数
縫合長
(mm)
閉鎖前
ステープル
(mm)
閉鎖後
ステープル
(mm)
ステープ
ル径
(mm)
ホワイト
3列
24
30
2.5
約 1.0
0.21
ブルー
3列
24
30
3.5
約 1.5
0.21
カートリッジサイズ
マルチファイヤーエンド
TA30-2.5
マルチファイヤーエンド
TA30-3.5
2. 原材料
ステープル :純チタン
カートリッジ :ポリカーボネート
アンビル
:ステンレススチール(ニッケル・クロム含有)
プッシャー :ナイロン
**【禁忌・禁止】
<適用対象>
1. 本品は、脆く繊細な組織には使用しないこと[アゴの閉鎖時に
組織を損傷する可能性があるため]
。
2. 本品は、止血が目視で確認できない部位には使用しないこと。
3. 本品を、前もって遠位端・近位端のコントロールがされていな
い主要血管に使用しないこと。
4. 虚血又は壊死組織には使用しないこと。
<適用対象(患者)>
1. 本品のアンビルに対する感作又はアレルギー反応を示す可能性
のある患者には使用しないこと[ニッケル・クロムを含むため]。
<使用方法>
1. 再使用禁止。
2. 打針後、止血が目視で確認できない場合の使用禁止。
3. 本品は同一症例において 7 回カートリッジ交換でき、8 回まで使
用可能。カートリッジを 8 回以上交換しての使用禁止[ステー
プルが正しく形成されず、リークや縫合不全の原因となるた
め]。
4. 器械縫合が適応外とされる症例への適用禁止。
(1) 圧縮して 1mm 未満になる組織への 2.5mm ステープルの使用禁
止[十分な止血効果が得られないため]。
(2) 組織を 1mm の厚さにまで容易に圧縮できない場合及び大動脈
への 2.5mm ステープルの使用禁止[ステープルに対して組織
が厚すぎるため]
。
(3) 圧縮して 1.5mm 未満になる組織への 3.5mm ステープルの使用
禁止[十分な止血効果が得られないため]
。
(4) 組織を 1.5mm の厚さにまで容易に圧縮できない場合及び大動
脈への 3.5mm ステープルの使用禁止[ステープルに対して組
織が厚すぎるため]。
<併用医療機器>
1. マルチファイヤーエンド TA30 ステープラーの本体には、マル
チファイヤーエンド TA30 ステープラーのカートリッジ以外は
使用しないこと。
3. 原理
アゴを組織にかけ、アプロキシメイティングレバーを閉じた後本体
のハンドルを握ると、チタニウム製ステープルが互い違いに 3 列打
たれ、組織を縫合する。
**【使用目的、効能又は効果】
本品は、腹部・胸部・婦人科・小児科の鏡視下手術において、組織
の縫合に使用することができる。
**【品目仕様等】
 安全機構:アプロキシメイティングレバーが完全に閉じていない
状態では、打針操作が行えないこと。又、使用済みカ
ートリッジが接続された状態では、打針操作が行えな
いこと。
 耐久性 :本体はカートリッジを交換して 8 回まで打針が行え
ること。
**【操作方法又は使用方法等】
1. *使用方法
本品には、予め 2.5mm、3.5mm カートリッジのいずれかが装填さ
れている。適切なサイズのステープルを選択し、必要な場合はカー
トリッジを交換すること。アプロキシメイティングレバーを押し上
げ、アゴからスポンジを取り外しておくこと。
(1) アプロキシメイティングレバーを押し下げ、アゴを閉じる。
1.
AS-A5ETA01(05)
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(8) アプロキシメイティングレバーを閉じ、トロカースリーブより
体外に出し、カートリッジを取り外す。
(2) トロカースリーブより体腔内に挿入し、アプロキシメイティン
グレバーを押し上げアゴを開く。
2.
(3) シャフトは 360°回転する。回転ダイヤルを回し、最も視野がよ
くなるようにアゴの位置を調節する。アゴの角度は、再度ダイ
ヤルを回すまで固定される。
8.
注意:必ずアプロキシメイティングレバーを閉じ、アゴを閉じてか
ら体外へ取り外すこと。
3.
(4) 縫合予定の組織に本品のアゴをセットする。長さ 30mm 以上の
組織には、必要回数打針する。
2. カートリッジ交換方法
(1) 取り外し方法
アプロキシメイティングレバーを押し上げ、アゴを開く。本体
のシャフト側面のリローディングボタンを押しながらカートリ
ッジをアゴから引き抜く。
4.
注意:アゴに、ステープル、クリップ等の障害物が挟まってい
ないか確認する。障害物を挟んだまま打針すると、組織
が完全に切離されず、ステープルが正しく形成されない。
注意:組織にアゴをセットする際、ティッシュストップの内側
に、組織が入り込んでいないかを確認すること。
(5) アプロキシメイティングレバーを押し下げ、アゴを閉じる。ア
プロキシメイティングレバーは、側面のホワイトマーキングが
見えなくなり、カチッと音がするまで下げる。
注意:アンビルは一体型で取り外しはできない。
(2) 装填方法
新しいカートリッジを装填する前に、アプロキシメイティング
レバーが開いていることを確認すること。又、ガーゼ等でアン
ビルに付着した余分なステープルや組織等をきれいに取り除
くこと。カートリッジの中央部のブラックラインがアンビル根
元のブラックラインと合うまで、カートリッジをシャフトに押
し込む(ブラックラインはアゴが閉じているときは見えない)。
正しく装填されるとカチッと音がする。
O
5.
O)ブラックライン
注意:カートリッジ装填の際は、カートリッジとアンビルのブラッ
クラインが合い、カチッと音がしたかどうか確認すること。
正しく装填されないと、動作不良及びステープルの形成不良
の原因となる。
※本品では、2.5mm 及び 3.5mm のどちらのサイズのカートリ
ッジも使用可能。
注意:本品のアゴは非侵襲性である。アプロキシメイティング
レバーを開閉し、打針前に位置変更ができる。
注意: アプロキシメイティングレバーを押し下げる際、カチッ
と音がしない場合及びレバー側面のホワイトマーキング
が見える場合は、アゴが完全に閉じていないので、打針
しないこと。ステープルが正しく形成されない可能性が
ある。
注意:本品には安全機構が装備されているため、アプロキシメ
イティングレバーが完全に閉じていない状態では、本品
は作動しない。無理に打針しようとすると、本体が破損
する可能性がある。
(6) セーフティレバーを解除し、ハンドルを最後まで握り打針する。
**【使用上の注意】
1. 重要な基本的注意
(1) レーザーによる内視鏡手術や電気メスを使用した手技の場合は、
本品の使用手順における原則や技法を熟知しておくこと[電気
ショックや熱傷による術者と患者に対する外傷や本品の破損を
防止するため]
。
(2) 複数のメーカーの内視鏡下手術器具及び付属品を併用する際は、
術前に各機器の互換性・適合性を確認すること。
(3) 本品の挿入、抜去の際には必ずアゴを閉じること。
(4) アンビルはステープラ本体と一体であるため、打針後のカート
リッジを取り外す際に、無理に一緒に取り外さないこと[本品
の破損及び部品の体内落下等のリスクがあるため]
。
(5) 組織を損傷させるような本品の取り扱いを避けること。
6.
注意: ハンドルを最後まで握らないと、ステープルが正しく形
成されず、十分な止血効果が得られない。
注意:安全機構により、使用済みカートリッジが装填されてい
る状態ではハンドルは握れない。使用済みカートリッジ
表面のステープルポケットには黄色いプッシャーバーが
見え、使用済みであることが確認できるので、絶対にハ
ンドルを握らないこと。続けて使用する場合は、新しい
カートリッジに交換すること。
(7) 打針後、セーフティレバーを元の位置に戻し、アゴの側面に沿
って組織を切離する。これにより、ステープルラインから断端
までの適切な距離を保つことができる。アプロキシメイティン
グレバーを上げてアゴを開き、組織から本品を外す。ステープ
ルラインの止血を確認し、多少出血が見られる場合には、追加
縫合又は電気メスで止血すること。
2. 不具合・有害事象
本品は使用に際し、以下のような不具合・有害事象が考えられる。
(1)重大な不具合
1) ステープル形成不良
2) 打針不良
3) 機器の破損及び動作不良
(2)重大な有害事象
1) 出血
2) リーク
3) 縫合不全
4) 組織損傷
5) 破損部品の体内落下・体内遺残
7.
AS-A5ETA01(05)
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3. その他の注意
(1) 本品を使用する前に、この添付文書のすべてを熟読すること。
(2) 本書は、マルチファイヤーエンド TA30 ステープラーの添付文
書であり、内視鏡下手術手技について解説するものではない。
(3) 内視鏡下手術は、適切な訓練を受け、内視鏡下手術に習熟した
医師が行うこと。術前に、手術手技、合併症及び危険性に関す
る医学文献を参照すること。
(4) 本書の【使用目的、効能又は効果】に記載された適応以外の用
途に適用しないこと。
(5) 本品は、滅菌包装されており、同一症例に限り使用可能。使用
後は必ず廃棄し、再滅菌はしないこと。又、未使用であっても
一旦開封した製品は廃棄すること。
(6) 本品は滅菌有効期限内であっても、パッケージが破損又は開封
していた場合は、製品の滅菌状態を保証できないので、使用し
ないこと。
【貯蔵・保管方法及び使用期間等】
1. 貯蔵・保管方法
(1) 高温、多湿、直射日光及び水濡れを避けて室温で保管すること。
一時的に室温を超える場合であっても、54℃を超えないこと。
(2) 包装材料に傷をつけたり、ピンホールを生じさせないように取
り扱うこと。
(3) 製品に記載してある使用期限を確認し、使用期限を過ぎたもの
は廃棄すること。
2. 有効期間・使用の期限
*外装表示参照
【包装】
1 パック 1 本入り・1 箱
1 パック 1 個入り・1 箱
3 パック入り(本体)
6 パック入り(カートリッジ)
【製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称及び住所等】
製造販売元:
**コヴィディエンジャパン株式会社
〒158-8615 東京都世田谷区用賀 4-10-2
お問合わせ先:03-5717-1240
外国製造業者名:
Covidien
(コヴィディエン)
アメリカ合衆国
Covidien
(コヴィディエン)
プエルト・リコ
AS-A5ETA01(05)
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