ディスプレイ上の画像の ⾊鮮やかさ評価指数 ソニー株式会社 中枝 武弘 Sony Corporation R&D PF P1 ディスプレイの⾊性能⽐較 ディスプレイや⾊信号の⾊域⽐較 ⼀般的にNTSC⾊域⾯積⽐で ⽐較される 0.7 0.6 BT.709 0.4 DCI-P3 0.3 BT.2020 v' 0.5 NTSC 0.2 0 0.1 50 100 NTSC ⾊域⾯積⽐(%) 0 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 u' BT.709 DCI-P3 NTSC Spectral locus BT.2020 Sony Corporation R&D PF P2 150 NTSC⾊域⾯積⽐の問題点 同じNTSC⾊域⾯積⽐ ⾼い ⽩⾊輝度 低い ⽩⾊輝度 より⾊鮮やか 余り⾊鮮やかで無い 同じ⾊性能?? Sony Corporation R&D PF P3 本研究に於ける検討⼿順 1. 画像の⾊鮮やかさの主観評価実験 • NTSC⾊域⾯積⽐と⽩⾊輝度の組み合わせ:15通り • 評価画像:10画像 2. ディスプレイの測⾊値との相関検討 • RGB原⾊の測⾊値(例えばCIELABのメトリッククロ マやCIECAM02のカラフルネス等)と、 上記⾊鮮やかさの主観評価値との相関を検討 Sony Corporation R&D PF P4 主観評価実験での⾊域・輝度の組み合わせ 15通り Sony Corporation R&D PF P5 各条件における画像の⾒えの例 Sony Corporation R&D PF P6 評価画像 N2RGB N2A Barn N1RGB S6RGB Goal Swim Coast Fog Beach 10種類 Sony Corporation R&D PF P7 主観評価値と被験者 5段階評価(Five–point Likert scale) • 1 2 鮮やか で無い • • • やや 鮮やか 3 鮮やか 4 5 かなり 鮮やか ⾮常に 鮮やか 評価画像:10種類 被験者 :16名(20-50歳, 男性 8名 and ⼥性 8名) 画像毎の評価回数:4回(1名), 3回(13名), 1回 (2名) Sony Corporation R&D PF P8 画像の⾊鮮やかさの主観評価値 ハント効果 ⽩⾊輝度(cd/m2) 主観評価値 NTSC⾊域⾯積⽐(%) 各点:全被験者、全評価、全画像の平均値(450試⾏) Sony Corporation R&D PF P9 ⽩⾊輝度と主観評価値 ⽩⾊輝度 ⾊鮮やかさ主観評価値 5 R² = 0.2112 4 3 2 1 0 100 200 300 400 500 ⽩⾊輝度 ⾮常に低相関 Sony Corporation R&D PF P10 (単独)測⾊値と主観評価値 5 5 R² = 0.684 ⾊鮮やかさ主観評価値 ⾊鮮やかさ主観評価値 RGB原⾊のメトリッククロマの平均(C*ab) NTSC⾊域⾯積⽐ 4 3 2 1 R² = 0.6737 4 3 2 1 0 30 60 90 120 150 0 40 NTSC ⾊域⾯積⽐ 80 120 160 原⾊メトリッククロマ平均(C*ab) RGB原⾊のメトリッククロマの平均(C*uv) ⽩⾊輝度より⾼相関 これら3種の測度の結果は⾮常に に似ている ⾊鮮やかさ主観評価 5 R² = 0.6738 4 3 2 1 0 40 80 120 160 原⾊メトリッククロマ平均(C*uv) Sony Corporation R&D PF P11 200 CIECAM02とは ⾊の⾒えを推定するモデル 三刺激値:X,Y,Z ⽩⾊の三刺激値:Xw,Yw,Zw 観測条件:average,dim,dark 順応輝度:LA 錐体値変換 錐体刺激値:R,G,B ⾊順応・部分順応 順応応答値:Rc,Gc,Bc 錐体⾮線形応答 ⾮線形応答値:Rʻa,Gʼa,Bʼa 反対⾊変換 無彩⾊応答値:A 反対⾊応答値:a,b 知覚量変換 ⾊の⾒え:h,J,Q,C,M,s Sony Corporation R&D PF P12 ⾊鮮やかさ指数の定義 ⽩ ⻘ 緑 Background 20% Surround dim LA ⾚ ⽩⾊輝度の20% (絶対値) 三刺激値 (Ywを100に規格化) ⽩ XW,YW,ZW ⾚ XR,YR,ZR 緑 XG,YG,ZG ⻘ XB,YB,ZB Colorfulness(M)=C×FL0.25 Colorfulness by CIECAM02 ⾚ MR 緑 MG ⻘ MB ⾊鮮やかさ指数=(MR+MG+MB)/3 Sony Corporation R&D PF P13 ⾊鮮やかさ指数と主観評価値 ⾊鮮やかさ指数 ⾊鮮やかさ主観評価値 5 R² = 0.8471 4 3 2 1 0 20 40 60 80 100 120 140 ⾊鮮やかさ指数 (単独)測⾊値より⾼相関 Sony Corporation R&D PF P14 (複数)測⾊値と主観評価値 ⽩⾊輝度とNTSC⾊域⾯積⽐ 5 R² = 0.9926 ⾊鮮やかさ主観評価値 ⾊鮮やかさ主観評価値 5 ⽩⾊輝度と原⾊メトリッククロマ平均(C*ab) 4 3 2 R² = 0.9925 4 3 2 1 1 0 10 20 30 40 0 50 50 100 F1 250 300 ⽩⾊輝度と原⾊メトリッククロマ平均(C*uv) NTSC ⾊域⾯積⽐0.44 F3= ⽩⾊輝度0.255×原⾊メトリッククロマ平均(C*uv) 0.881 ⾊鮮やかさ主観評価値 5 F2= ⽩⾊輝度0.256×原⾊メトリッククロマ平均(C*ab) 0.825 殆ど同一 200 F2 極めて高い相関!! F1= ⽩⾊輝度0.256 × 150 約2倍 R² = 0.9926 4 3 2 1 0 100 200 300 400 F3 Sony Corporation R&D PF P15 500 600 各測⾊値(指数)での決定係数 決定係数 輝度のみ ⽩⾊輝度 NTSC⾊域⾯積⽐ ⾊のみ 測⾊値(指数) 原⾊メトリッククロマ平均(C*ab) 原⾊メトリッククロマ平均(C*uv) ⾊鮮やかさ指数 F1:⽩⾊輝度とNTSC⾊域⾯積⽐ 輝度と⾊ F2:⽩⾊輝度と原⾊メトリッククロマ平均(C*ab) F3:⽩⾊輝度と原⾊メトリッククロマ平均(C*uv) 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 決定係数 Sony Corporation R&D PF P16 評価値予測の等⾼線 • 式F1を⽤いた鮮やかさ予測値の等⾼線 • F1= ⽩⾊輝度0.256 ×(NTSC⾊域⾯積⽐) ⽩⾊輝度(cd/m2) 2.17 3.68 2.96 2.20 4.28 3.74 2.98 2.18 1.74 0.44 3.86 3.05 2.12 4.10 2.60 2.98 NTSC⾊域⾯積⽐(%) Sony Corporation R&D PF P17 輝度と⾊の両⽅を考慮した指数の⽐較 1. ⾊鮮やかさ指数 • • 本研究ではRGB原⾊のCIECAM02によるColorfulnessの 平均値を⾊鮮やかさ指数と定義しました。それは画像の ⾊鮮やかさを⽰すのに⼗分な決定係数を有します。 この指数は本研究の評価画像に依存していないので、他 の画像に対しても同程度の決定係数が期待できます。 2. F1,F2,F3 • • これらの計算式(指数)は本実験の主観評価値に対し、極 めて⾼い決定係数を有します。 しかしながら、計算式の指数部は実験に使⽤した画像の 主観評価値に対して最適化されているので、汎⽤に⽤い るためにはさらなる実験が必要と考えられます。 Sony Corporation R&D PF P18 まとめ 1. ディスプレイの⾊域だけでなく、表⽰された画像の⾊ 鮮やかさを考慮した、新しい⾊性能評価指数を検討し ました。 2. 幾つかの⾊域・⽩⾊輝度のディスプレイに表⽰された 画像の⾊鮮やかさの評価値を主観実験で求め、表⽰し たディスプレイの測⾊値を組み合わせた8種の指数との 相関を⽐較しました。 3. 上記指数はその構成によって4グループに分かれ、以下 の順に主観評価値との決定係数が増加しました。 1. 2. 3. 4. 最⼤⽩⾊輝度 NTSC⾊域⾯積⽐, 原⾊メトリッククロマ平均(c*ab,c*uv) 各原⾊のCIECAM02 のcolorfulness に基づく⾊鮮やかさ指数 F1,F2,F3 (1. と2.の組合わせ) Sony Corporation R&D PF P19 ご清聴ありがとうございました。 Sony Corporation R&D PF P20
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