クラウドにおける OSS-DB の価値と優位性 ~商用DBMS と OSS-DBMS の双方を知る技術者へ~ 2014.07.14. LPI-Japan 理事 & 闘うマーケッター! 池田 秀一 Hidekazu Ikeda © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 1 クラウドサービスでのDBMS の方向性 最初に【まとめ】です! 大前提として: 「業務システムがクラウド・サービス上へ」 ・「クラウド上で OSS+DBMS の技術」 ※ PostgreSQL がオススメ♪ ・「さらに + NoSQL、 + HTML5 も必須に」 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 22 新しい技術の適用順 基幹システム 部門システム 試用・評価 ⇒ファイル ベンチャー ⇒ PostgreSQL ⇒ MySQL クラウドでの「業務システムには PostgreSQL」 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 33 MySQL vs PostgreSQL 「業務システムには PostgreSQL」 ・MySQL の強みは、局所的な更新と、検索の多重分散 ・ゲームなども含めたネットサービス向き ⇒ 在庫更新などの業務システムには不向き ・商用データベースや PostgreSQL のほうが業務システム向き ・クラウドでの活用では商用データベースは選択外 ・既存業務システムで使われる Oracle から移行し易い © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 44 商用DBMS の課題 1. 「費用対効果の急激な低下」 2. 「特定企業によるロックインのリスク」 3. 「新技術の追随の遅れ」 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 55 商用DBMS の課題 1. 「費用対効果の急激な低下」 ・商用データベース製品の価格は、相対的に値上がり続けてきた ハードウェアの急激な低価格化に比較すると・・・ 不必要な機能まで売りつけられている可能性も・・・ ・商用データベース製品の保守費用は、急激に値上がりしている 2000年以前の年間保守料は 15%前後 2000年以降で、17%、22%、そして、毎年値上げ!? © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 66 OSS DB採用によるコスト削減効果 1ノード(CPU2ソケット)のサーバで 3年間運用の例 1,800 1,600 PostgreSQL 1,200,000円 ライセンス費用 0円 年間保守費用 1 × 3年 × 400,000円 Oracle Database(EE) 17,141,160円 ライセンス費用 2 × 5,163,000円 年間保守費用 2 × 3年 × 1,135,860円 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 PostgreSQL ライセンス費用 初年度保守費用 COPYRIGHT(c) SRA OSS, Inc. Japan All Rights Reserved. Oracle 2年目保守費用 3年目保守費用 7 商用DBMS の課題 2. 「特定企業によるロックイン」 ・商用データベース製品の価格は、相対的に値上がり続けてきた ハードウェアの急激な低価格化に比較すると・・・ 不必要な機能まで売りつけられているかも・・・ ・主要な商用データベース製品の提供企業は、特定OSを推したい IBM UDB/DB2 : AIX Oracle Oracle RDBMS : Solaris Microsoft SQL Server : Windows Server ・商用データベース製品の保守費用は、急激に値上がり 2000年以前の年間保守料は 15%前後 2000年以降で、17%、22%、そして、今は毎年値上げ!? © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 88 OSS-DB の素晴らしさ ・ 「特定企業によるロックインのリスク」を回避できる。 <ロックイン問題の事例> - 米Oracleは2011年3月22日、Intelの「Itanium」プロセッサ向けのソフト 開発をすべて打ち切ると発表。 http://www.oracle.com/us/corporate/press/346696 - 日本ヒューレット・パッカードは、米Oracleの 発表を受け、2011年4月26日 「データベース改革推進アライアンス」 を発足。 -MySQLはOracleの配下。 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 99 商用DBMS の課題 3. 「新技術追随の遅れ」 ・商用データベースの提供企業は、自社では革新的な新技術の開 発がほぼ不可能となっている。 新技術を開発した新興企業の製品との提携、 もしくは、新興企業の買収で、何とか対応 ・従来の RDBMS と NoSQL(KVSなど)との商品系列バランス RDBMS 製品を所有する為に、NoSQL への対応遅れ? RDBMS + NoSQL + HW のアプライアンス製品の流れ © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 10 10 PostgreSQLの事例(1) ・NTTグループ全社の基幹DBMSをPostgreSQL に変換予定。 ・ 住友電気工業 - 2005年にPostgreSQLを社内システム向けの標準DBMSとして採用。 - 売上2兆円以上の企業の全てのDBをPostgreSQLで行う。 ・ JTB - JTBが発行するクレジットカード「JTB旅カード」のWebサイトのコンテンツ管理や 会員情報管理にPostgreSQLを採用。 - システムの求める性能、可用性、コストの観点で選定。 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 11 11 PostgreSQLの事例(2) ・ 株式会社カプコン - オンラインゲームのサーバシステムにPostgreSQLベースのDBを採用。 ・ 株式会社バンダイナムコゲームス - サーバシステムにPostgreSQLベースのDBをクラスタ(HA)構成で採用。 ・ マネックス証券株式会社 - 資産設計アドバイスツールのデータベースサーバにPostgreSQLベースの RDBMSを採用。 24時間365日フル稼働が要求条件。 ・ 株式会社ドトールコーヒー - 受発注処理システムの基盤システムにPostgreSQLベースのRDBMSを採用。 24時間365日フル稼働が要求条件。 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 12 12 Amzon RDS for PostgeSQL 13 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 13 13 14 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 14 クラウドサービスでのDBMS の方向性 最後にも【まとめ】です! 大前提として: 「業務システムがクラウド・サービス上へ」 ・「クラウド上で OSS+DBMS の技術」 ※ PostgreSQL がオススメ♪ ⇒ PostgreSQL の認定試験 LPI-Japan の OSS-DB認定試験 ・「さらに + NoSQL、 + HTML5 も必須に」 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 15 15 OSS-DBと 商用DBの違い © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 16 RDBMSの種類による共通点と違い 主な商用RDBMS: Oracle, DB2(IBM), SQL Server(MS) 主なOSS RDBMS: PostgreSQL, MySQL, Firebird 共通点 RDBMSとしての各種機能 -データ管理/入出力 -ユーザ管理、アクセス権限管理、セキュリティ -バックアップ、リカバリ -レプリケーション SQL言語(ANSI/ISOで標準化) 違い 各種機能の使い方 -コマンドとオプション -設定ファイルとパラメータ SQLの方言 独自拡張機能 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 17 RDBMSの機能比較まとめ OSS-DB vs 商用DB 製品化はOracleが1977年、DB2が1982年、PostgreSQL/MySQLはいずれ も1995年 OSS-DBの継続的機能強化により、機能・性能とも、商用DBに比べて遜色 ないレベル PostgreSQL vs MySQL 機能的な差は小さい PostgreSQLはレプリケーションのサポートが遅かった(2010年、MySQLは 2003年、Oracleは1994年) MySQLはストアドプロシージャのサポートが遅かった(2005年、PostgreSQL は1998年、Oracleは1993年) PostgreSQLはBSDに基づくライセンス、MySQLはGPLと商用のデュアルライ センス © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 18 OSS-DBについての誤解と真実 商用DBの方が機能的に上? OSS-DBの継続的機能強化により、RDBMSとして必要な機能は揃っている 商用DBにしかない機能もあるが、逆にOSS-DBにしかない機能もある 個別機能の有無(○×比較)ではなく、必要な機能の有無を検討する 同じ機能がなくても、代替策で同等の機能を実現できることが多い 商用DBの方が性能的に上? マルチコアCPUの対応、性能向上のための機能強化も進んでおり、性能的に も商用DBと比べても遜色ない - PostgreSQL 9.2は64コアまでスケールする ライセンス料金が安い分、ハードウェアに投資すれば、性能的には商用DBを 凌駕する - SSDやioDriveなどの高速ストレージの利用 OSS-DBを使うには特別なスキルが必要? 製品の利用にあたって学習が必要なのは商用でもOSSでも同じ PostgreSQLはOracleと類似点が多いので、Oracle技術者がPostgreSQLを 習得するのは比較的容易 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 19 OSS-DBについての誤解と真実 OSS-DBはサポートがない? 商用DBと同じようなサポートサービスがある 24x365の商用サポートもある コミュニティのサポートが終了しても、商用サポート(パッチ提供を含む)を継続 するサービスがある OSS-DBは品質的に不安がある? OSSか商用かということと品質は無関係 - OSSだからこそ品質が高くなる(Linux、PostgreSQLなど) - ユーザ数が多く、開発が活発であれば、品質が高くなる OSS-DBではパッチが提供されない? 商用DBこそパッチが提供されない(アップグレードを強要される) 商用DBでは、高額のサポート料金を払わなければセキュリティパッチさえ提供 されない 開発やサポートが継続されない(開発コミュニティの解散)リスクがある? 開発元の倒産や買収で製品がなくなるリスクは商用も同じ 開発およびユーザコミュニティがしっかりしている製品を選ぶことが肝要 © LPI-Japan 2011-2014. All rights reserved. 20
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