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表紙
印刷読本(印刷概論1,2)
印刷技術職・営業職フレッシュマンのため
2014年版
国際印刷大学校 木下堯博
2014年10月4日(土)
講演(東京グラフィックサービス工業会)
2014-10-4 IGU A.K.
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印刷読本
2014
2014-10-4 IGU A.K.
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印刷概論(1)(2)総目次・講演内容
1、印刷読本から印刷概論(1) 第1部 (10時30分~)(読本)
2、第1章印刷の歴史~第13章いろいろな印刷方式(PPT40①)「1~7P」
(10時40分~11時15分)
3、印刷総論 印刷の歴史-アナログからデジタルへー(11時15分~12時)
(PPT61②)「8~18P」
昼休み 12時~12時45分
4、印刷概論(2) 要旨(12時45分~13時)(WD)「19~24P」
5、印刷産業の環境諸問題 (13時~13時30分)(PPT40③)「25~31P」
6、環境改善の一考察 (13時30分~14時15分)(PPT41④)「32~38P」
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目次
第1部参照
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第1部;印刷の基礎知識
(第1章~第13章)
第1章 印刷の歴史(3P)
1、印刷とは何か 印刷の5要素 原稿、版、インキ、紙、印刷機
4版式→ 凸版、平版、凹版、孔版
印刷機3形式→ 平圧式、円圧式、輪転式
2、印刷の歴史
壁画、円筒印章
(1)木版から金属活字へ
(2)鉛活字
Gutenberg(1447年)
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4版式
基礎写真
製版より
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印刷機の3形式(基礎写真製版から)
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(3)平版の誕生
1、平版は画像部と非画像部が同一平面上にある。
(油「インキ」と水「湿し水」の反撥により、印刷が可能となる。)
2、1798年Zenefelderが石の上に油性インキで描画したのが
発明の動機になった。
当初は石販印刷(リトグラフ)と呼ばれ、円圧式の印刷機で印刷。
以後、亜鉛板、アルミニウム板が用いられるようになった。
特別には紙版もある。
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3、紙の歴史
(1)パピルスと羊皮 エジプト ナイル パピルス草
(2) 紙の出現
AD105年 蔡倫が 発明(植物繊維)
1000年の旅
東洋から西洋へ、アメリカへ
世界の紙の売上高(2012年)
第1位 International Paper(USA) 278 億ドル
第2位 Procter & Gamble(USA) 158億ドル
第3位 王子ホールディングス(J) 132億ドル
第4位 UPM(F) 128億ドル
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4、印刷機の歴史
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天草
コレジョ館
1566年
天草100景から)
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第2章 印刷物製作工程(6P)
1、アナログ時代の印刷物作成工程
(1)Prepress
①版下台紙 ②製版カメラ ③カラー写真原稿 ④集版作業
⑤製版 ⑥平台校正
(2)印刷
(3)製本・加工
2、デジタル時代の印刷物作成工程
(1)Prepress すべて PC対応
画像処理、①スキャナー ②デジタルカメラ ③Font(文字)
④図版 ⑤色校正DDCP IJ
(2)印刷 (3)製本・加工
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第3章 文字
(10P)
1、文字とは
ヒエログラフ、楔形文字、甲骨文字、隷書、楷書、明朝体
2、印刷文字の変遷
AD105年 蔡倫が 発明(植物繊維)
1100頃、ひっしょう 粘土版、膠泥活字、銅活字、鉛合金活字
本木昌造 号数活字 タイプライター
文選、植字、組版
1960年ごろ 写真植字機、電算植字機、
1990年ごろ PC DTP
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本木昌造墓所(長崎・大光寺)9月3日
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長崎の出版文化史研究(2015~2017年)
-キリシタン版から本木昌造の金属活字印刷まで-
近世初期から明治にわたる長崎の出版文化を探ることを目的とする。長崎は、
近世初期のキリシタン版や、明治初期における近代印刷の祖を輩出したことで知
られるが、印刷文化が下火となったように見える近世中後期にも、絵図を始め、
国学者中島広足や長崎聖堂関連のものが刊行されている。しかし、これらは未解
明の部分も多く、研究の余地が残されている。
本研究では、テーマを以下の3つに絞り、分担して調査をおこなう。
• 1 近世初期のキリシタン版の出版事情
• 2 中島広足、長崎聖堂文庫をはじめとする近世中後期の出版事情
• 3 明治初期の本木昌造金属活字の種字の調査
1および2に関しては書誌・内容及び伝来や制作、用途などを解明し、近世長
崎の印刷史に位置づけることを目的とする。また、3に関しては、金属活字の種字
が諏訪神社に保存されているもののいまだ不明な点が多いことから、各地に残さ
れた当時の出版物と種字の原型を照合することによって本木の活字を特定し、そ
の後の活字の変遷を探る。
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写真植字機の原理
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3、文字の呼び名(1)
① 字体
新字体; 当、体、学、広、旧
旧字体: 當、體、學、廣、○ (1949年以前)
② 書体(Type Face)
漢字; 明朝、ゴシック、楷書
欧文; Times,Garamond,Courier
③ Font
欧文活字から文字全体を表現
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3、文字の呼び名(2)
④ 字形
明朝体 新聞書体 (朝日新聞、毎日新聞 字形デザイン相違)
書体メーカーは各種書体を販売。(印刷会社では選択)
⑤グリフ
文字の字体の同じ
4、文字の大きさなどの決まり
① 号 1870年 5号活字→10.5Pt
② ポイント(Pt) 1Pt=1/72インチ=0.3514mm
③ 級数と歯数 1級=0.25mm 歯=0.25mm
文字の間隔 12P図3-8参照 べた組み
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5、組版のルール
5、組版=文章を読みやすい体裁にレイアウトし、
文字を並べる。
和文の文字正方形であり、縦組、横組が可能。
DTPでは自由に組版可能。
禁則処理
行頭禁則、行末禁則、
分離禁止など
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6、コンピユ-タで扱う文字
(1)漢字の数
85,000文字
(2)文字コード
JIS,12,000文字; UniCode、 DTP
(3)PC中の文字
文字を網点化、カラー画像とともに出力(Postscript) OCF,その後
True TypeとCIDの互換性→ Open Type Font (Mac, Win)
(4) Adobe Japan1-6
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日本経済新聞(2014年9月11日)
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朝日新聞(2014年9月11日)
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世界の印刷技術動向 IGU 木下堯博
The Development of World Printing Technology
International Graphic Arts & Printing University AK
(2)オフセット印刷画像の可読性の研究
文字印刷画像の可読性に関する研究は1990年から1993年までに画像情報技
術誌に第1報から第5報までを報告してきた。その内の第3報では電算写植メー
カ12社に可読性サンプルを依頼した。主たる内容は明朝体で横組、縦組(272
文字)A4サイズ、10ポイト,行間7.5ポイントであった。
印画紙出力分はオフセット印刷し、それを96名の観察者によりSD法の5段階によ
り評価した。
可読性のサンプルはアート紙、上質紙、書籍用紙にそれぞれ1000枚印刷し、
安定した部分を抜き取り評価用とした。A社からL社までの12社の結果を表5(抜
粋)に示した。表の面積率はこの文章に多く用いられていた情報の「情」の文字の
画像部の面積をCCDカメラで撮影し、画像処理したものである。
アート紙の印刷画像では面積率の平均値の付近で可読性が良くなり、上質紙で
はこの面積率が大きい程、可読性が良好となった。
H社の場合がアート紙,上質紙、書籍用紙、さらに横・縦組のいずれの場合も1位
となった。このH社は印字密度1016dpi、ベクトルフォントのモトヤL明朝2の書体
であった。(9)(表5)
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第4章 画像処理(15P)
1、カラー写真原稿
(1)デジカメ・データ、(2)リバーサルカラーフイルム、(3)カラープリント
2、色分解の原理
カラースキャナー、R/G/B光で分解、Y,M,Cを発色
3、デジタルカメラ; イメージセンサー、CCD素子→CMOS
1画素(ピクセル)3000個×2000個=600万画素
画素数と記録方式;2000万画素=5,450×3,650個撮像素子
4、総画素数と印刷サイズ;再現可能な印刷物
5、人の目の解像力;視力1.0の場合
6、線画の入力解像度;2,400dpi
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光と色材の三原色
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フイルムの発色原理
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カラー製版
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第5章 出力(21P)
1、校正出力
(1)平台校正; 胆管癌
(2)プリンター校正;
(Ink Jet)
(3)DDCP:
(4)本機校正;
(5)ソフトプルーフ;
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2、出力とRIPの働き
デジタル情報化されたデータの出力
(1)RIP(Raster Image Processor)
データはビットマップ化、その作業はRIP。
通常は2,400dpiで処理。
(2)露光装置
RIPからのビットマップデータ→CTPに露光。
内容;サーマルType 赤外光830nm (熱線)10μビームで露光。
ネガType 画線部照射
熱架橋
ポジType 非画線部照射
熱分解
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3、網点
オフセット印刷では写真の濃淡を大小の点で表現する。
AM網点;点を規則正しく配列し、
濃淡を表現(23P)
FM網点;同一の微細点の
密度変化で濃淡を表現(25P)
スクリーン線数;
(175線/インチ)日本
スクリーン角度;
Moire(モワレ)15~30度間隔
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4、刷版(砂目の形状)
1)手描き製版、2)卵白製版(写真製版)、3)PS版(Pre-sensitized
Plate)、4)CTP (Computer to Plate)、5)水なし平版 (Waterless
Plate)
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第6章 オフセット印刷機(28P)
石版印刷機;直接印刷方式、
オフセット印刷機;間接印刷方式
平版の場合;
インキはゴムに一旦、離れ(Off)、
ゴムシートから紙へ印刷(Set)
①版胴、②ブランケット胴、
③圧胴
1)インキローラ
2)湿し水ローラ
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第7章 オフセット印刷トラブル(34P)
1、ドットゲイン(Dot Gain) ;網点の拡大、圧力増大。
2、トラッピング(Trapping) ;重ね刷り不良、インキのタック値高い。
3、ダブリ;絵柄がずれる、胴仕立て不良。
4、裏移り;セットオフ;積重ねた刷り本の裏に下のインキが付着
5、静電気;湿度が低い場合、紙が離れた時、帯電。
6、ピッキング(Picking):紙ムケ、インキのタックが高い時。
7、ドライダウン(Dry Down);濃度値が減少。
濃度値 D=Log1/R R;反射率 例 R=1/100→D=2 (48P,図9-3)
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第8章 色と照明(41P)
1、色とは 可視光(400~700nm) B,G,R光
2、照明(明るさ) Lx 2,000Lx 照度が標準。
3、色温度;K(ケルビン)絶対温度0度=マイナス273度C
印刷物評価用光源は標準5,000K
4、演色性(Ra);色の見え方がどのくらい太陽光に近いか
Ra=95%以上(AAA)
5、LED(Light Emitting Diode) 色評価用としては難しい。
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第9章 印刷の色管理(46P)
1、色差(ΔE)二つの色の差を数値で表現。
2、色印刷物の分光反射率からL*,a*,b*値を求める。
3、日本で制定された原色C,M,Y,Kの標準値は46P図9-1
Colors
L*
a*
b*
c*
C
55
-37
-50
62
M
48
74
-3
74
Y
89
-5
93
93
R
47
68
48
83
G
50
-68
25
72
B
24
16
-46
49
NEW
C
53.54
-35.96
-51.33
63
LED UV
M
47.3
75.94
-2.27
76
Y
88.8
-7.74
94.55
95
Japan
C
53.4
-33.6
-51.5
61
Color
M
46.1
75.8
-3.2
76
Y
88.5
-6.2
93.5
94
ISO
2011
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色差(ΔE)の算出
Colors L*
ISO
C
55
M
48
Y
89
R
47
G
50
B
24
NEW
C
53.54
LED UV M
47.3
Y
88.8
Japan
C
53.4
Color
M
46.1
2011
Y
88.5
a*
-37
74
-5
68
-68
16
-36
75.94
-7.74
-33.6
75.8
-6.2
b*
-50
-3
93
48
25
-46
-51.3
-2.27
94.55
-51.5
-3.2
93.5
c*
62
74
93
83
72
49
63
76
95
61
76
94
C
M
Y
L*
53.4
46.1
88.5
a*
-33.6
75.8
-6.2
b*
-51.5
-3.2
93.5
c*
61
76
94
ΔE
4.0
2.6
1.4
C
M
Y
53.4
46.1
88.5
-33.6
75.8
-6.2
-51.5
-3.2
93.5
61
76
94
2.4
1.5
1.9
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第10章 インキ
1、インキの成分;①顔料、②ビヒクル、③補助剤
2、種類;①油性インキ、②UVインキ、③LED‐UVインキ
3、プロセスインキの色欠陥
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第11章 紙
1、紙は木材から作る。チップからパルプ
2、パルプ 直径20~30μ、長さ1~3mm
3、パルプ+填料(白土、タルク、炭酸カルシウムなど)+水
4、抄紙機で、製紙。
紙の縦目(繊維の流れる方向)と横目(短辺方向)図11-2
5、非塗工紙(上質紙など)と塗工紙(アート紙など)
6、紙の規格;紙の寸法(図11-6) A4(印刷読本)
7、紙の調湿、繊維の直径方向の湿度が増大とともに伸びる。
8、シーズニング(調湿)の必要性。
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第12章 後加工
1、製本;上製本(高級書籍)、並製本(雑誌、週刊誌など)
2、台割り;各ページを割り振った設計図。
3、束見本;本の出来上がりを確認する見本。
4、面付け;折り終わった本のページが並ぶよう割り振る。
5、折丁;折り終わった刷り本。
6、丁合;折丁を頁の順にそろえる作業。
7、針金綴じ;中綴じ(週刊誌など)、平綴じ(教科書など)。
8、針金を利用しない綴じ;無線綴じ、あじろ綴じ。図12-5
①光沢ニス、図12-6 ②プレス加工、③ラミネート
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第13章 各種印刷方式(平版印刷以外)
1、凸版印刷
金属活字印刷(活版印刷)、樹脂凸版、フレキソ印刷版
2、凹版印刷
彫刻凹版印刷(紙幣、有価証券など印刷)、グラビア印刷
3、孔版印刷
スクリーン印刷
4、その他 インキジェット印刷、電子写真印刷など
第1章印刷の歴史~第13章いろいろな印刷方式(PPT①) 終了
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