園研ニュース - 富山県農林水産総合技術センター

富山県農林水産総合技術センター 園芸研究所
園研ニュース
平成26年12月
Vol. 8
上段左:リーキ品種「ラリー」の調製後形状(本文2ページ)
上段右:チューリップモザイク病暴露試験の様子(本文3ページ)
下段左:リンゴ「ふじ」の蜜入り優良系統調査(本文4ページ)
下段右:ナノ粒子を応用したチューリップ切花の日持ち試験(本文5ページ)
ページ
● 研究成果 ・業務需要に向けたリーキの品種選定と栽培技術開発…………………2
・チューリップモザイク病の多発要因と防除対策……………………3
・リンゴ「ふじ」の蜜入り優良系統……………………………………4
● 新規研究課題の紹介
・積雪地域における秋まきタマネギ直播栽培技術の開発……………5
・ナノ粒子を応用した花き鮮度維持技術の開発………………………5
● 園芸研究所の活動から・客員研究員報告……………………………………………6
1
◎
研 究 成 果 ◎
◎ 研究成果◎
◎ 研 究 成 果 ◎
業務需要に向けたリーキの品種選定と栽培技術開発
◎ 研
究 成 果 ◎
業務需要に向けたリーキの品種選定と栽培技術開発
◎ 研 究
成 果業務需要に向けたリーキの品種選定と栽培技術開発
◎
業務需要に向けたリーキの品種選定と栽培技術開発
~ 水田輪作による秋冬どり栽培が可能 ~
~
水田輪作による秋冬どり栽培が可能
業務需要に向けたリーキの品種選定と栽培技術開発
~
水田輪作による秋冬どり栽培が可能 ~
~
~
~ 水田輪作による秋冬どり栽培が可能 ~
水田輪作による秋冬どり栽培が可能 ~
播種日による収穫日と品種の生育差異
1.はじめに
1.はじめに
表表
1 1播種日による収穫日と品種の生育差異
1.はじめに
表1 播種日による収穫日と品種の生育差異
リーキは、西洋ネギ(ポロネギ)ともいわれ、根 播種 収穫
調製径 葉鞘長
葉鞘長 可食部
リーキは、西洋ネギ(ポロネギ)ともいわれ、根
リーキは、西洋ネギ(ポロネギ)ともいわれ、根
調製径
可食部 調製重
調製重可販収量
可販収量
播種 収穫
表 1 播種日による収穫日と品種の生育差異
品種
1.はじめに
月
日
品種
(mm)
(cm)
(g/本)
(g/㎡)
深ネギより太く短い葉鞘を形成します。しかし、リ
表日
1 播種日による収穫日と品種の生育差異
(g/㎡)
(mm)
(cm) 調製径×葉鞘長 (g/本)
1.はじめに
深ネギより太く短い葉鞘を形成します。
しかし、リー 月 2月
深ネギより太く短い葉鞘を形成します。しかし、リ
11/6
ラリー
29.1
リーキは、西洋ネギ(ポロネギ)ともいわれ、根
調製径24.8
葉鞘長 721
可食部210.3
調製重1,986
可販収量
播種
収穫
2月
11/6
ラリー
29.1
24.8
721
210.3
1,986
品種
ーキの葉身はニンニクやニラのように平らで、筒状 播種 月
ポワロ
23.8
21.0
500
145.7
1,268
リーキは、西洋ネギ(ポロネギ)ともいわれ、根
調製径
葉鞘長
可食部 調製重
可販収量
収穫 日
(g/本)
(g/㎡)
(mm)
(cm)
キの葉身はニンニクやニラのように平らで、筒状の
ーキの葉身はニンニクやニラのように平らで、筒状
深ネギより太く短い葉鞘を形成します。しかし、リ
ポワロ
品種
23.8
21.0
500
145.7
1,268
調製径×葉鞘長
調製径×葉鞘長
ラリー
ストライカー
ポワロ
ストライカー
ポワロ
サーファー
ストライカー
サーファー
ストライカー
ギンカ
サーファー
ギンカ
サーファー
ギンカ
ギンカ
ギンカ
サーファー
ストライカー
ストライカー
ギンカ
ギンカ
サーファー サーファー
ラリー
ポワロ
ギンカ
ラリー
ストライカー
サーファー
ポワロ
ポワロ
サーファー
ギンカ
ストライカー
ストライカー
ギンカ
ラリー
サーファー
サーファー
ギンカ
サーファー
ストライカー
ラリー
ポワロ
発芽率(%)
ラリー
ラリー
ギンカ
ポワロ
ラリー
ポワロ
20℃
サーファー
15℃
ラリー
ギンカ
ポワロ
ポワロ
ラリー
ストライカー
ストライカー
ポワロ
ラリー
ギンカ
サーファー
ポワロ
ラリー
ギンカ
ラリー
サーファー
ストライカー
ポワロ
ギンカ
サーファー
ストライカー
ストライカー
ポワロ
ポワロ
ストライカー
ラリー
計 7 実需者による評価
調査を行った実需者の内容(表2、表3)
図 1 品種と発芽温度の関係
調査を行った実需者の内容(表2、表3)
調査を行った実需者の内容(表2、表3)
フレンチ 2、
イタリアン 3、
3.おわりに
フレンチ
2、1、洋食
イタリアン
3、
フレンチ
2、
イタリアン
3、
創作料理
1
②本県で 2 月中旬に播種したセル苗を 4 月下旬
創作料理
1、洋食
1
創作料理
1、洋食
1
リーキ栽培では、軟白化のための土寄せ作業によ
計 7 実需者による評価
10℃
15℃
20℃
25℃
に定植すると、11
月上旬に収穫できます。さ
計 7 実需者による評価
実需者による評価
計
って、葉鞘内部に土が入りやすく、実需者から改善
20℃
25℃
10℃ 10℃
15℃15℃
20℃
25℃
10℃
ラリー
0
ラリー
0
ポワロ
発芽率(%)
発芽率(%)
発芽率(%)
30.3 (cm)
21.7 調製径×葉鞘長
658
198.3
1,836
(mm)
の葉身を持つ根深ネギとは明らかに様相が異なりま 月 2月日 11/6ストライカー
ラリー
29.1 21.7
24.8 658721 (g/本)
210.3(g/㎡)
1,986
深ネギより太く短い葉鞘を形成します。しかし、リ
198.3
1,836
サーファー 30.3
28.6
19.0
544
180.4
1,670
葉身を持つ根深ネギとは明らかに様相が異なります。
の葉身を持つ根深ネギとは明らかに様相が異なりま
ーキの葉身はニンニクやニラのように平らで、筒状2月 11/6 ストライカー
ラリーポワロ
29.1
24.8
721
210.3
1,986
23.8
21.0
500
145.7
1,268
す。リーキと根深ネギは、共にネギ属野菜ですが種
サーファー
28.6
19.0
544
180.4
1,670
ギンカ
26.6
19.3
512
166.6
1,453
ーキの葉身はニンニクやニラのように平らで、筒状
ポワロ
ストライカー23.830.321.021.7 500 658 145.7
198.31,268
1,836
リーキと根深ネギは、共にネギ属野菜ですが種は異
の葉身を持つ根深ネギとは明らかに様相が異なりま 3月 11/27
す。リーキと根深ネギは、共にネギ属野菜ですが種
ラリー
ギンカ
35.9
24.5
881
304.2
2,873
26.6
19.3
512
166.6
1,453
は異なり、リーキは、グレートヘッドガーリック(通
ストライカー
サーファー30.328.621.719.0 658 544 198.3
1,836
180.4
1,670
の葉身を持つ根深ネギとは明らかに様相が異なりま
ポワロ
29.8
20.7
616
231.7
3月 11/27 ラリー
35.9
24.5
881 180.4
304.2 1,888
2,873
す。リーキと根深ネギは、共にネギ属野菜ですが種
なり、リーキは、グレートヘッドガーリック(通称
サーファー
は異なり、
リーキは、グレートヘッドガーリック(通
ギンカ
28.6
1,670
26.619.0
512 289.9
166.62,658
1,453
称エレファントガーリック;いわゆる無臭ニンニク
ストライカー
37.2
20.619.3 544
767
ポワロ
29.8
20.7
616
231.7
1,888
す。リーキと根深ネギは、共にネギ属野菜ですが種
ギンカ
3月 11/27
ラリー
26.6
1,453
35.919.3
24.5 512
881 166.6
304.22,366
2,873
サーファー
37.5
17.1
643
293.7
は異なり、
リーキは、
グレートヘッドガーリック
(通
エレファントガーリック;いわゆる無臭ニンニクで
称エレファントガーリック;いわゆる無臭ニンニク
37.229.824.5
20.620.7 881
767616 304.2
289.9
2,658
でニンニクとは別種)とは、その姿が似ていること 3月 11/27 ストライカー
ラリー
ポワロ
35.9
2,873
231.7
1,888
ギンカ
30.1
16.9
510
194.6
1,730
は異なり、リーキは、グレートヘッドガーリック(通
サーファー
37.537.220.7
17.120.6 616
643767 231.7
293.7
2,366
称エレファントガーリック;いわゆる無臭ニンニク
ポワロ
ストライカー29.8
1,888
289.9
2,658
ニンニクとは別種)とは、その姿が似ていることか
からも、両者が近縁種であることが分かります。
でニンニクとは別種)とは、その姿が似ていること
播種月:2
月(播種
2
月
12
日、定植
4
月
23
日)
播種月:2月(播種2月12日、定植4月23日)
ギンカ
30.137.520.6
16.917.1 767
510643 289.9
194.6
1,730
称エレファントガーリック;いわゆる無臭ニンニク
ストライカー
サーファー37.2
293.72,658
2,366
でニンニクとは別種)とは、その姿が似ていること
播種月:3
月(播種
330.1
月 17.1
11 日、定植
54月
17194.6
日)
リーキの葉鞘は、西洋料理ではスープやサラダに 播種月:2
らも、両者が近縁種であることが分かります。
からも、両者が近縁種であることが分かります。
サーファー
ギンカ
37.5
643
293.7
2,366
16.9
510
月(播種
2
月
12
日、定植
月
23
日)
播種月:3月(播種3月11日、定植5月17日) 1,730
でニンニクとは別種)とは、その姿が似ていること
ギンカ 月(播種
からも、両者が近縁種であることが分かります。
30.1
16.9
510 5194.6
1,730
利用し、富山県加工業務用野菜等供給拡大推進協議 播種月:3
播種月:2
日、定植
4 月1723日)
日)
月(播種
3 月2 月
11 12
日、定植
月
リーキの葉鞘は、西洋料理ではスープやサラダに
リーキの葉鞘は、西洋料理ではスープやサラダに
からも、両者が近縁種であることが分かります。
③品種「ラリー」及び「ストライカー」につい
播種月:2
月(播種
2
月
12
日、定植
4
月
23
日)
播種月:3 月(播種 3 月 11 日、定植 5 月 17 日)
リーキの葉鞘は、西洋料理ではスープやサラダに
会からは、県産への強い要望がありますが、県内で
③品種「ラリー」及び「ストライカー」について、
利用し、富山県加工業務用野菜等供給拡大推進協議
利用し、富山県加工業務用野菜等供給拡大推進協議
て、実需者の評価受けたところ、両者とも業
播種月:3
月(播種 3 月 11 日、定植 5 月 17 日)
リーキの葉鞘は、西洋料理ではスープやサラダに
利用し、富山県加工業務用野菜等供給拡大推進協議
の栽培は極僅かであり、本県に適した品種や栽培技 ③品種「ラリー」及び「ストライカー」につい
務用としての利用が可能であるが(表2)、食
実需者の評価受けたところ、両者とも業務用とし
会からは、県産への強い要望がありますが、県内で
会からは、県産への強い要望がありますが、県内で
③品種「ラリー」及び「ストライカー」につい
利用し、富山県加工業務用野菜等供給拡大推進協議
て、実需者の評価受けたところ、両者とも業
術は明らかになっていません。
会からは、県産への強い要望がありますが、県内で
味の評価は「ストライカー」より「ラリー」
③品種「ラリー」及び「ストライカー」につい
て、実需者の評価受けたところ、両者とも業
ての利用が可能であるが
(表2)、食味の評価は
「ス
の栽培は極僅かであり、本県に適した品種や栽培技
の栽培は極僅かであり、本県に適した品種や栽培技
会からは、県産への強い要望がありますが、県内で
務用としての利用が可能であるが(表2)
、食
の方が高くなりました(表3)
。
そこで、本県における優良品種を選定するととも
の栽培は極僅かであり、本県に適した品種や栽培技
て、実需者の評価受けたところ、両者とも業
務用としての利用が可能であるが(表2)
、食
トライカー」より「ラリー」の方が高くなりまし
術は明らかになっていません。
術は明らかになっていません。
の栽培は極僅かであり、本県に適した品種や栽培技
味の評価は「ストライカー」より「ラリー」
に、栽培の可能性を検討しました。
務用としての利用が可能であるが(表2)
、食
術は明らかになっていません。
味の評価は「ストライカー」より「ラリー」
の方が高くなりました(表3)
。
た(表3)
。
そこで、本県における優良品種を選定するととも
そこで、本県における優良品種を選定するととも
術は明らかになっていません。
表2
実需者のユーステスト
味の評価は「ストライカー」より「ラリー」
の方が高くなりました(表3)
。
そこで、本県における優良品種を選定するととも
の方が高くなりました(表3)
。
そこで、本県における優良品種を選定するととも
に、栽培の可能性を検討しました。
に、栽培の可能性を検討しました。
2.春まき栽培における品種の生育差異
項目
ラリー
ストライカー
に、栽培の可能性を検討しました。
表2
実需者のユーステスト
に、栽培の可能性を検討しました。
①品種「ラリー」は、10~15℃の温度条件で安
使える
6
6
表2 実需者のユーステスト
表2
実需者のユーステスト
定した発芽率が得られたことから、2月~3
表2
実需者のユーステスト
使えない
1
2.春まき栽培における品種の生育差異
2.春まき栽培における品種の生育差異
項目項目
ラリー
2.春まき栽培における品種の生育差異
ラリー ストライカー
ストライカー
月の低温期に播種する春まき栽培に適します
他に無ければ使う
1
2.春まき栽培における品種の生育差異
項目
ラリー
ストライカー
①品種「ラリー」は、10~15℃の温度条件で安
①品種「ラリー」は、10~15℃の温度条件で安
①品種「ラリー」は、10~15℃の温度条件で安定し
使える
6 6
66
使える
(図1)
。
①品種「ラリー」は、10~15℃の温度条件で安
使える
6
6
定した発芽率が得られたことから、2月~3
定した発芽率が得られたことから、2月~3
使えない
11
た発芽率が得られたことから、2月~3月の低温
使えない
100
発芽勢(3日目)
定した発芽率が得られたことから、2月~3
表3 実需者の食味評価
月の低温期に播種する春まき栽培に適します
90 月の低温期に播種する春まき栽培に適します
使えない
1
発芽率(7日目)
他に無ければ使う
他に無ければ使う
1 1
期に播種する春まき栽培に適します(図1)
。
80 (図1)
月の低温期に播種する春まき栽培に適します
。
(図1)
。
他に無ければ使う項目
1 ラリー ストライカー
70
(図1)
。
10060
100
発芽勢(3日目)
良い
3
発芽勢(3日目)
表3実需者の食味評価
実需者の食味評価
50
表3
90
90 100
発芽勢(3日目)
悪い
1
表3 実需者の食味評価
発芽率(7日目)
40
表3
実需者の食味評価
発芽率(7日目)
80 90 80
普通
発芽率(7日目)
30
項目
ラリーストライカー
ストライカー
70 80 7020
項目
ラリー
(現在使ってい
4 ストライカー
6
60
項目
ラリー
良い
3
60 70
10
良い
3
るものと同程度)
50
良い悪い
3
50 60
1
0
悪い
1
50 40
40
悪い
1
普通
40 30
調査を行った実需者の内容(表2、表3)
普通
30
普通(現在使ってい
4 3、
6
30 20
フレンチ
2、
イタリアン
(現在使ってい
4
6
20
10
(現在使ってい
4
6
20
るものと同程度)
創作料理
1、洋食 1
10 10
るものと同程度)
0
るものと同程度)
25℃
らに、3 月中旬に播種したセル苗を
5 月中旬に
図 1 品種と発芽温度の関係
定植すると、11
月下旬に収穫できます。収量
図
1
品種と発芽温度の関係
図 1 図1
品種と発芽温度の関係
品種と発芽温度の関係
②本県で
2 月中旬に播種したセル苗を
月下旬
は、品種「ラリー」では、2
月播種、34月播種
②本県で
2 月中旬に播種したセル苗を
月下旬
に定植すると、11
月上旬に収穫できます。さ
②本県で
2ともに最も高く、次いで品種「ストライカー」
月中旬に播種したセル苗を
4 4月下旬
に定植すると、11
月上旬に収穫できます。さ
らに、
3 月中旬に播種したセル苗を
5 月中旬に
に定植すると、11
月上旬に収穫できます。さ
②本県で2月中旬に播種したセル苗を4月下旬に定
となりました(表1、図2)
。
らに、
3
月中旬に播種したセル苗を
5
月中旬に
定植すると、11
月下旬に収穫できます。収量
らに、
3 月中旬に播種したセル苗を 5 月中旬に
植すると、11月上旬に収穫できます。さらに、3
定植すると、11
月下旬に収穫できます。収量
は、品種「ラリー」では、2
月播種、3 月播種
定植すると、11
月下旬に収穫できます。収量
月中旬に播種したセル苗を5月中旬に定植すると、
は、品種「ラリー」では、2
月播種、3 月播種
ともに最も高く、次いで品種「ストライカー」
は、品種「ラリー」では、2 月播種、3 月播種
ともに最も高く、次いで品種「ストライカー」
11月下旬に収穫できます。収量は、
「ラリー」
となりました(表1、図2)。品種
ともに最も高く、次いで品種「ストライカー」
となりました(表1、図2)
。
では、2月播種、3月播種ともに最も高く、次い
を要望されています。そこで、現在、冬季の生産を
3.おわりに
目指して、遊休ハウスを利用した栽培で、フィルム
3.おわりに
3.おわりに
リーキ栽培では、軟白化のための土寄せ作業によ
3.おわりに
による軟白化技術の開発を行っています。
リーキ栽培では、軟白化のための土寄せ作業によ
って、葉鞘内部に土が入りやすく、実需者から改善
リーキ栽培では、軟白化のための土寄せ作業によ
(野菜課 西畑 秀次)
リーキ栽培では、軟白化のための土寄せ作業に
って、葉鞘内部に土が入りやすく、実需者から改善
を要望されています。そこで、現在、冬季の生産を
って、葉鞘内部に土が入りやすく、実需者から改善
よって、葉鞘内部に土が入りやすく、実需者から改
を要望されています。そこで、現在、冬季の生産を
目指して、遊休ハウスを利用した栽培で、フィルム
を要望されています。そこで、現在、冬季の生産を
目指して、遊休ハウスを利用した栽培で、フィルム
による軟白化技術の開発を行っています。
善を要望されています。そこで、現在、冬季の生産
目指して、遊休ハウスを利用した栽培で、フィルム
による軟白化技術の開発を行っています。
(野菜課 西畑 秀次)
を目指して、遊休ハウスを利用した栽培で、フィル
による軟白化技術の開発を行っています。
(野菜課 西畑 秀次)
(野菜課 西畑 秀次)
ムによる軟白化技術の開発を行っています。
となりました(表1、図2)。
(野菜課 西畑 秀次)
で品種「ストライカー」となりました(表1、図2)。 2
◎ 研究成果◎
◎ 研 究 成 果 ◎
チューリップモザイク病の多発要因と防除対策
チューリップモザイク病の多発要因と防除対策
1.はじめに
1.はじめに
富山県のチューリップ球根栽培において、2011年
富山県のチューリップ球根栽培において、2011
3.ウイルス感染時期の解明
3.ウイルス感染時期の解明
ウイルス感染時期を明らかにすることにより、適
ウイルス感染時期を明らかにすることにより、適
ごろからモザイク病の多発生が問題となっていま
年ごろからモザイク病の多発生が問題となっていま
す。そこで、多発要因を明らかにするとともに、効
す。そこで、多発要因を明らかにするとともに、効
切な防除対策をとることができます。そこで、露地
切な防除対策をとることができます。そこで、露地
で生育中のチューリップを寒冷紗で被覆し、2週間
で生育中のチューリップを寒冷紗で被覆し、2 週間
果的な防除対策について検討しました。
◎ 研 究 成 果 ◎
果的な防除対策について検討しました。
ごとに暴露して、掘取った球根を植付け、翌年ウイ
ごとに暴露して、掘取った球根を植付け、翌年ウイ
ルス感染率を調査しました。その結果、アブラムシ
ルス感染率を調査しました。その結果、アブラムシ
チューリップモザイク病の多発要因と防除対策
2.チューリップモザイク病の病原と媒介虫
2.チューリップモザイク病の病原と媒介虫
モザイク病は、花弁に色割れ(図1)
、葉にモザ
モザイク病は、花弁に色割れ(図1)
、葉にモ
1.はじめに
ザイクなどの症状を呈し、商品価値や球根収量に
イクなどの症状を呈し、商品価値や球根収量に影響
富山県のチューリップ球根栽培において、2011
影響を及ぼします。2011
年に県内の 7 生産地域
年ごろからモザイク病の多発生が問題となっていま
を及ぼします。2011年に県内の7生産地域で発生し
で発 生したモザ
イク症状株 の病原を抗 血清と
す。そこで、多発要因を明らかにするとともに、効
たモザイク症状株の病原を抗血清とPCRにより再調
PCR により再調査したところ、約 9 割がチュー
果的な防除対策について検討しました。
査したところ、約9割がチューリップモザイクウイ
リップモザイクウイルス(TulMV)、残りがユリ斑
ルス(TulMV)
、残りがユリ斑紋ウイルス(LMoV)
紋ウイルス(LMoV)に感染しており、モザイク病
2.チューリップモザイク病の病原と媒介虫
の主要な病原は
TulMV でした。さらに、2011 年
に感染しており、モザイク病の主要な病原はTulMV
モザイク病は、花弁に色割れ(図1)、葉にモ
の全県調査の結果から、
感染率 10%以上の品種は
ザイクなどの症状を呈し、商品価値や球根収量に
でした。さらに、2011年の全県調査の結果から、感
生産者によらず白、黄色品種であり、特に定期的
影響を及ぼします。2011 年に県内の 7 生産地域
染率10%以上の品種は生産者によらず白、黄色品種
にウイルス検査を実施する必要があります。
で発 生したモザ イク症状株 の病原を抗 血清と
であり、特に定期的にウイルス検査を実施する必要
PCR により再調査したところ、約 9 割がチュー
有翅虫の黄色水盤への飛来直後からウイルス感染が
有翅虫の黄色水盤への飛来直後からウイルス感染が
多くなり、ウイルス感染率の増加はアブラムシ有翅
多くなり、ウイルス感染率の増加はアブラムシ有翅
3.ウイルス感染時期の解明
虫の飛来消長と一致しました。このことから、アブ
ウイルス感染時期を明らかにすることにより、適
虫の飛来消長と一致しました。このことから、アブ
切な防除対策をとることができます。そこで、露地
ラムシ有翅虫の飛来前に伝染源を抜き取り、アブラ
ラムシ有翅虫の飛来前に伝染源を抜き取り、アブラ
で生育中のチューリップを寒冷紗で被覆し、2
週間
ムシ有翅虫が発生する少し前からの殺虫剤の定期的
ムシ有翅虫が発生する少し前からの殺虫剤の定期的
ごとに暴露して、掘取った球根を植付け、翌年ウイ
な散布が防除対策に有効であるといえます。
な散布が防除対策に有効であるといえます。
ルス感染率を調査しました。その結果、アブラムシ
有翅虫の黄色水盤への飛来直後からウイルス感染が
4.ウイルス媒介抑制に効果的な散布薬剤の選定
4.ウイルス媒介抑制に効果的な散布薬剤の選定
多くなり、ウイルス感染率の増加はアブラムシ有翅
媒介虫に対する散布薬剤を選定するために、ウイ
媒介虫に対する散布薬剤を選定するために、ウイ
虫の飛来消長と一致しました。このことから、アブ
ルス媒介抑制の観点から殺虫剤を評価する必要があ
ラムシ有翅虫の飛来前に伝染源を抜き取り、アブラ
ルス媒介抑制の観点から殺虫剤を評価する必要があ
ムシ有翅虫が発生する少し前からの殺虫剤の定期的
ると考えました。そこで、2週間ごとに薬剤を散布
ると考えました。そこで、2 週間ごとに薬剤を散布
な散布が防除対策に有効であるといえます。
し、翌年開花期にウイルス感染率を調査したところ、
リップモザイクウイルス(TulMV)、残りがユリ斑
があります。
し、
翌年開花期にウイルス感染率を調査したところ、
イミダクロプリド、クロチアニジン、ピリフルキナ
イミダクロプリド、クロチアニジン、ピリフルキナ
紋ウイルス(LMoV)に感染しており、モザイク病
の主要な病原は TulMV でした。さらに、2011 年
の全県調査の結果から、感染率 10%以上の品種は
生産者によらず白、黄色品種であり、特に定期的
にウイルス検査を実施する必要があります。
図1
4.ウイルス媒介抑制に効果的な散布薬剤の選定
ゾンのウイルス媒介抑制効果が高いことが明らかに
ゾンのウイルス媒介抑制効果が高いことが明らかに
媒介虫に対する散布薬剤を選定するために、ウイ
なりました(図3)
。積雪日数からアブラムシ有翅
なりました(図3)。
積雪日数からアブラムシ有翅虫
ルス媒介抑制の観点から殺虫剤を評価する必要があ
虫の初飛来日を予測することが可能ですので、アブ
の初飛来日を予測することが可能ですので、アブラ
ると考えました。そこで、2
週間ごと(トルフェン
ピラドは1週間ごと)に薬剤を散布し、翌年開花期
ラムシ有翅虫の飛来時期に、これらの薬剤をロー
ムシ有翅虫の飛来時期に、これらの薬剤をローテー
チューリップモザイクウイルス感染株
にウイルス感染率を調査したところ、イミダクロプ
テーション散布する防除体系が効果的です。
ション散布する防除体系が効果的です。
これらのウイルスは、アブラムシによって媒介
図1 チューリップモザイクウイルス感染株
されます。そこで、過去
10 年ごとのアブラムシ
有翅虫の発生量を比較すると、1992~2001
年に
これらのウイルスは、アブラムシによって媒介さ
比べて
2002~2011
年において増加していること
れます。そこで、過去10年ごとのアブラムシ有翅虫
図1 チューリップモザイクウイルス感染株
がわかりました(図2)
。また、チューリップに
の発生量を比較すると、1992~2001年に比べて2002
これらのウイルスは、アブラムシによって媒介
着生しているアブラムシの種類を調べたところ、
~2011年において増加していることがわかりました
されます。そこで、過去
10 年ごとのアブラムシ
従来から
TulMV 媒介能が知られているモモアカ
有翅虫の発生量を比較すると、1992~2001
年に
(図2)
。また、チューリップに着生しているアブ
アブラムシやワタアブラムシ以外に、ムギヒゲナ
比べて 2002~2011 年において増加していること
ガアブラムシやムギクビレアブラムシも確認さ
ラムシの種類を調べたところ、従来からTulMV媒介
がわかりました(図2)。また、チューリップに
れ、
これらの
TulMV 媒介能を確認したことから、
能が知られているモモアカアブラムシやワタアブラ
着生しているアブラムシの種類を調べたところ、
棲家となる畦畔雑草の防除にも注意をはらう必
従来から
TulMV 媒介能が知られているモモアカ
ムシ以外に、ムギヒゲナガアブラムシやムギクビレ
要があります。
アブラムシやワタアブラムシ以外に、ムギヒゲナ
140 アブラムシも確認され、これらのTulMV媒介能を確
平年値('92-'01年)
ガアブラムシやムギクビレアブラムシも確認さ
リド、クロチアニジン、ピリフルキナゾンのウイル
ス媒介抑制効果が高いことが明らかになりました
無処理
(図3)
。積雪日数からアブラムシ有翅虫の初飛来日
イミダクロプリド水和剤(2,000倍)
を予測することが可能ですので、アブラムシ有翅虫
の飛来時期に、これらの薬剤をローテーション散布
クロチアニジン水溶剤(3,000倍)
する防除体系が効果的です。
ピリフルキナゾン水和剤(4,000倍)
無処理
アブラムシ有翅虫数(頭)
アブラムシ有翅虫数(頭)
0 0.0 平年値('92-'01年)
平年値('02-'11年)
6.0 8.0 10.0 イルス媒介抑制効果(2014 年園芸研究所内圃場)
80 5.おわりに
の抜き取り不足が要因となっています。今回示した
の抜き取り不足が要因となっています。今回示した
近年のモザイク病の多発生は、温暖化によるアブ
防除対策の確実な実施により、産地が維持・発展す
防除対策の確実な実施により、産地が維持・発展す
ラムシ有翅虫の多発生が引き金となっていますが、
60 月‐半旬
アブラムシ有翅虫の飛来消長の推移
(園芸研究所内
0 圃場) 4‐1 ‐2 ‐3 ‐4 ‐5 ‐6 5‐1 ‐2 ‐3 ‐4 ‐5 ‐6 6‐1 ‐2 ‐3
ることを期待しています。(花き課 桃井 千巳)
(花き課 桃井千巳)
その裏では生産者の高齢化や規模拡大による感染株
ることを期待しています。
の抜き取り不足が要因となっています。今回示した
月‐半旬
図2 アブラムシ有翅虫の飛来消長の推移
(園芸研究所内
図2 アブラムシ有翅虫の飛来消長の推移
(園芸研究所内圃場)
圃場)
4.0 ラムシ有翅虫の多発生が引き金となっていますが、
図中のエラーバーは 95%信頼区間を示す.
ラムシ有翅虫の多発生が引き金となっていますが、
その裏では生産者の高齢化や規模拡大による感染株
その裏では生産者の高齢化や規模拡大による感染株
100 20 2.0 TulMV感染率(%)
5.おわりに
5.おわりに
図3 近年のモザイク病の多発生は、温暖化によるアブ
圃場試験における薬剤のチューリップモザイクウ
近年のモザイク病の多発生は、温暖化によるアブ
4‐140 ‐2 ‐3 ‐4 ‐5 ‐6 5‐1 ‐2 ‐3 ‐4 ‐5 ‐6 6‐1 ‐2 ‐3
図2
10.0
図中のエラーバーは95%信頼区間を示す. 図中のエラーバーは 95%信頼区間を示す.
80 要があります。
20 8.0
トルフェンピラド水和剤(1,000倍)
100 棲家となる畦畔雑草の防除にも注意をはらう必
40 6.0
図3 圃場試験における薬剤のチューリップモザイクウ
図3
圃場試験における薬剤のチューリップモザイクウ
イルス媒介抑制効果(2013年園芸研究所内圃場)
フロニカミド水和剤(10,000倍)
イルス媒介抑制効果(2013 年園芸研究所内圃場)
意をはらう必要があります。
120 4.0
TulMV感染率(%)
ピリフルキナゾン水和剤(4,000倍)
平年値('02-'11年)
れ、これらの
TulMV 媒介能を確認したことから、
認したことから、棲家となる畦畔雑草の防除にも注
140 2.0
クロチアニジン水溶剤(3,000倍)
120 60 0.0
イミダクロプリド水和剤(2,000倍)
防除対策の確実な実施により、産地が維持・発展す
3
ることを期待しています。
(花き課
桃井千巳)
◎ 研究成果◎
◎ 研 究 成 果 ◎
◎ 研 究 成 果 ◎
リンゴ「ふじ」の蜜入り優良系統
リンゴ「ふじ」の蜜入り優良系統
リンゴ「ふじ」の蜜入り優良系統
~ 気温の高い年でも安定して蜜入りする「ふじ」を選抜 ~
~ 気温の高い年でも安定して蜜入りする「ふじ」を選抜
気温の高い年でも安定して蜜入りする「ふじ」を選抜 ~
~
~
との関係を検討したところ、気温が高いほど蜜入り
1.はじめに
1.はじめに
との関係を検討したところ、気温が高いほど蜜入り
は相対的に少なくなりますが、この2樹体について
富山県のリンゴ栽培は、11月中旬から12月上旬に
1.はじめに
との関係を検討したところ、気温が高いほど蜜入り
富山県のリンゴ栽培は、11 月中旬から 12 月上旬
は相対的に少なくなりますが、この 2 樹体について
かけて収穫期を迎える「ふじ」が生産量の7割以上
富山県のリンゴ栽培は、11 月中旬から 12 月上旬 は、11月上旬の気温が高い年でも他の12樹体と比較
は相対的に少なくなりますが、この 2 樹体について
にかけて収穫期を迎える「ふじ」が生産量の7割以
は、11 月上旬の気温が高い年でも他の 12 樹体と比
。
を占めており、年末の贈答など、消費者から高い評
にかけて収穫期を迎える「ふじ」が生産量の7割以 し、蜜入り指数が高いことが分かりました(図3)
は、11 月上旬の気温が高い年でも他の 12 樹体と比
上を占めており、年末の贈答など、消費者から高い
較し、蜜入り指数が高いことが分かりました(図 3)。
価を得ています。消費者からは蜜入り「ふじ」を求
上を占めており、年末の贈答など、消費者から高い
較し、蜜入り指数が高いことが分かりました(図 3)。
評価を得ています。消費者からは蜜入り「ふじ」を
3.蜜入り優良系統の果実品質
められる傾向が高いものの、秋季の気温が高い年は
評価を得ています。消費者からは蜜入り「ふじ」を 3.蜜入り優良系統の果実品質
3.蜜入り優良系統の果実品質
3
求められる傾向が高いものの、秋季の気温が高い年
蜜入りが不安定になることがあります。そこで、果
3
求められる傾向が高いものの、秋季の気温が高い年
系統No.61 系統No.60 対照(12樹)
系統No.61 系統No.60 対照(12樹)
は蜜入りが不安定になることがあります。そこで、
樹研究センターほ場に植栽されている普通「ふじ」
r =- 0.5570
は蜜入りが不安定になることがあります。そこで、
r =- 0.5570
果樹研究センターほ場に植栽されている普通
「ふじ」
から、蜜入り優良系統「ふじ」を選抜しました。
果樹研究センターほ場に植栽されている普通
「ふじ」
蜜
蜜 22
入
入
り
り
指
指
数
数 11
(
(
から、蜜入り優良系統「ふじ」を選抜しました。
から、蜜入り優良系統「ふじ」を選抜しました。
2.蜜入り優良系統の探索
2.蜜入り優良系統の探索
「ふじ」の樹体別の蜜入りについて、園地や栽培
2.蜜入り優良系統の探索
考えられますが、同一園地内で同一栽培条件で管理
した成木であっても、樹によって蜜入りに差がみら
考えられますが、同一園地内で同一栽培条件で管理
した成木であっても、樹によって蜜入りに差がみら
れます。そこで、センター内の同一園地に植栽され
した成木であっても、樹によって蜜入りに差がみら
r =- 0.8591
r =- 0.8591
)
)
「ふじ」の樹体別の蜜入りについて、園地や栽培
管理の違いや、成木と若木での蜜入りの差はあると
「ふじ」の樹体別の蜜入りについて、園地や栽培
管理の違いや、成木と若木での蜜入りの差はあると
考えられますが、同一園地内で同一栽培条件で管理
管理の違いや、成木と若木での蜜入りの差はあると
r =- 0.5838
r =- 0.5838
00
1414
1616
1818
2020
気温(℃)
気温(℃)
月上旬の最高気温と蜜入りとの関係(2009~2013
年)
図3 11月上旬の最高気温と蜜入りとの関係
(2009~2013年)
図図3 31111月上旬の最高気温と蜜入りとの関係(2009~2013
年)
れます。そこで、センター内の同一園地に植栽され
ている普通「ふじ」成木14樹体について、蜜入りの
れます。そこで、センター内の同一園地に植栽され
樹体No.60,61
No.60,61について、蜜入り以外の果実品質
について、蜜入り以外の果実品質
ている普通「ふじ」成木14
14樹体について、蜜入りの
樹体について、蜜入りの 樹体No.60,61について、蜜入り以外の果実品質は、
樹体間差及び年次変動を、2009年~2013年の5年間
樹体
ている普通「ふじ」成木
は、果実重や着色面積、糖度などいずれも対照樹と
樹体間差及び年次変動を、
2009年~2013
年~2013年の
年の55年間
年間 果実重や着色面積、糖度などいずれも対照樹と比較
調査しました。なお、蜜入り程度は、指数0~3で
は、果実重や着色面積、糖度などいずれも対照樹と
樹体間差及び年次変動を、
2009
比較して大きな差はなく、十分な商品性があること
調査しました。なお、蜜入り程度は、指数
0~3で評
で評 して大きな差はなく、十分な商品性があることが分
評価しました(図1)
。
比較して大きな差はなく、十分な商品性があること
調査しました。なお、蜜入り程度は、指数
0~3
ータタ略略)。
)。
価しました(図1)
1)
。
がが分分かかりりままししたた((デデー
以以
上上
かか
らら
、、
樹樹
体体
かりました(データ略)
。以上から、樹体No.60,61
価しました(図
。
No.60,61を安定して蜜入りが多い系統として選抜
を安定して蜜入りが多い系統として選抜
No.60,61
を安定して蜜入りが多い系統として選抜しました。
しました。
しました。
4.今後の計画
4.今後の計画
4.今後の計画
現在、この2つの系統を母樹として穂木を採取し、
現在、
この2 2つの系統を母樹として穂木を採取し、
つの系統を母樹として穂木を採取し、
現在、
この
マルバカイドウ、M9、M26、JM7台木へ接ぎ木し、
図1 蜜入り程度 左から蜜入り指数0、1、
2、
3
図11 蜜入り程度
蜜入り程度
図
左から蜜入り指数0、1、2、3
0、1、2、3
左から蜜入り指数
マルバカイドウ、M9、M26、JM7台木へ接ぎ木し、苗
台木へ接ぎ木し、苗
マルバカイドウ、M9、M26、JM7
その結果、樹体によって、また年によって蜜入り
その結果、樹体によって、また年によって蜜入り 苗木から育成させた場合の蜜入りの再現性について
その結果、樹体によって、また年によって蜜入り
木から育成させた場合の蜜入りの再現性について確
木から育成させた場合の蜜入りの再現性について確
にバラツキがあった中で、樹体No.60,61については
にバラツキがあった中で、
樹体No.60,61
No.60,61については
については 確認を行っています。また、国の機関へウイルスの
にバラツキがあった中で、
樹体
認を行っています。また、国の機関へウイルスの保
認を行っています。また、国の機関へウイルスの保
他の12樹体と比較し、5年間とも蜜入り指数が高く
他の12
12樹体と比較し、
樹体と比較し、
年間とも蜜入り指数が高く 保毒検査を委託実施中であり、良好な結果が得られ
他の
55年間とも蜜入り指数が高く
毒検査を委託実施中であり、良好な結果が得られれ
毒検査を委託実施中であり、良好な結果が得られれ
(図2)
、また、半数以上の果実が蜜入り指数2以
(図2)
2)
、また、半数以上の果実が蜜入り指数22以上
以上 れば、蜜入り優良系統「ふじ」として県内のリンゴ
(図
、また、半数以上の果実が蜜入り指数
ば、蜜入り優良系統「ふじ」として県内のリンゴ生
ば、蜜入り優良系統「ふじ」として県内のリンゴ生
生産者に普及推進する予定です。
上であることが明らかとなりました(データ略)
。
であることが明らかとなりました(データ略)
。
であることが明らかとなりました(データ略)
。
産者に普及推進する予定です。
また、11月上旬の最高気温とこれら樹体の蜜入り
また、
11月上旬の最高気温とこれら樹体の蜜入り
月上旬の最高気温とこれら樹体の蜜入り 産者に普及推進する予定です。
また、
11
5.おわりに
5.おわりに
5.おわりに
これまで「ふじ」では、着色良好な系統は多数選
33
これまで「ふじ」では、着色良好な系統は多数選
これまで「ふじ」では、着色良好な系統は多数選
抜されていますが、蜜入りを評価基準とした系統選
抜されていますが、蜜入りを評価基準とした系統選
抜されていますが、蜜入りを評価基準とした系統選
抜は行われていません。
選抜した蜜入り優良系統「ふ
抜は行われていません。
選抜した蜜入り優良系統
「ふ
抜は行われていません。
選抜した蜜入り優良系統
「ふ
じ」が、消費者ニーズに対応できる系統として、リ
蜜
蜜
入22
入
りり
(
(
指
指
数11
数
じ」が、消費者ニーズに対応できる系統として、リ
じ」が、消費者ニーズに対応できる系統として、リ
ンゴ栽培農家の収益向上および、県内リンゴ産地の
ンゴ栽培農家の収益向上および、県内リンゴ産地の
ンゴ栽培農家の収益向上および、県内リンゴ産地の
活性化につながることを願っています。
活性化につながることを願っています。
活性化につながることを願っています。
(果樹研究センター 南條 雅信)
(果樹研究センター 南條
南條 雅信)
雅信)
(果樹研究センター
)
)
00
52 53
53 54
54 55
55 58
58 5959 6060 6161 6262 6363 6464 6565 6969 7070
52
樹体No.
No.
樹体
図22 普通「ふじ」樹体別蜜入りの比較
普通「ふじ」樹体別蜜入りの比較 (2009~2013
(2009~2013年)
年)
図
図2 普通「ふじ」樹体別蜜入りの比較(2009~2013年)
4
新 規研究課題の紹介
積雪地域における秋まきタマネギ直播栽培技術の開発
ナノ粒子を応用した花き鮮度維持技術の開発
(試験期間H26~30年 研究担当:野菜課)
(試験期間H26~27年 研究担当:花き課)
野菜課では、26年度からの新規課題として、業
近年、いくつかの切り花品目で日持ち保証販売が
務・加工用として需要の高い野菜 (タマネギ、ネ
導入され、需要拡大に貢献しています。チューリッ
ギ、キャベツ)について、業務・加工用に適した品
プ切り花においても、日持ち保証販売が始まってい
種育成及び、それらの品種に応じた栽培技術の開発
ますが、チューリップは品種数が多く、日持ちの短
と輪作体系の構築を目指し、①「業務・加工用に適
い品種も多いことが課題となっています。
したネギ品種及び栽培技術の開発」
、②「業務・加
一般的に切り花の日持ちに影響する要因として
工用としての需要の高い野菜(タマネギ)の輪作体
は、エチレンに対する感受性、開花に伴う糖質の減
系の構築」に取り組んでいます。①については、園
少、水揚げの悪化等があります。このうちエチレン
研ニュース7号で紹介いたしましたので、今回は②
に感受性の高い花は、チオ硫酸銀を主成分とする薬
「業務・加工用として需要の高い野菜(タマネギ)
剤でかなり改善ができますが、感受性の低い花に関
の輪作体系の構築」の課題を紹介します。
しては効果が期待できません。
冬季の積雪地域におけるタマネギの秋まき栽培で
チューリップやキクなどのエチレンに対して感受
は、全自動定植機による定植作業は10月20日から10
性の低い品目については、一部の高価な製品を除い
月末までが適期で、早く植えると分球や抽だいのリ
て適当な薬剤はありません。
スクが高くなります。また、それより遅く植えると、
そこで本研究では県工業技術センターで開発さ
品種によっては収量が低下します。この適期に定植
れ、バラの切り花に対して日持ち効果が高い、銀を
を行うためには8月下旬~9月上旬に播種しなけれ
主成分とする微粒子(ナノ粒子)材料を用いて、
ばならず、高温期において細かな育苗管理が必要と
チューリップやキクの日持ち向上を目指します。こ
なっています。また、定植適期が短いことは、定植
の技術開発にあたり、園芸研究所においては、チュー
機の利用度が低くなり、栽培面積拡大を図る上での
リップの品種開発やキクの栽培試験などを行ってお
制限要因の一つとなります。
り、日持ちに対する評価を行っています。また、富
そこで、水稲等との作業競合がなく、高温期の育
山県立大学では、化学物質の環境影響評価に関する
苗が不要で省力・低コスト化が可能となる直播栽培
知識とその技術と設備があります。
技術を開発します。タマネギの直播栽培については、
そこで、3機関連携して以下のサブテーマで、日
北海道での事例がありますが、北海道は春まき栽培
持ち延長技術の開発を行います。
で、播種は4月中旬~下旬に行うことから、本県で
⒜ 銀系微粒子薬剤の作製、⒝ チューリップや
の秋まき栽培とは発芽時の条件が異なること、積雪
県内主要花き品目の花持ち延長処理と評価、⒞ 花
下での越冬も無いこと、栽培する品種の熟期が異な
の薬剤無機成分の残留調査と薬剤の環境安全性評価
ることから、新たな技術開発が必要となります。
今回の研究の達成目標は、⒜ 銀ナノ粒子含有薬
秋まき作型での直播栽培については、播種時期の
剤の作製とその溶液の分散技術の確立、⒝ チュー
検討等新たな作型として開発を行うために、りん茎
リップや県内主要花き品目に適した処理法と、市販
形成等生理生態について、移植栽培と直播栽培とを
品と同等以上の日持ちの実現、⒞ 銀などの薬剤成
比較した上で、直播栽培における生育様相に対応し
分の延長効果の機能解明と環境への安全性確認です。
た技術開発が必要となります。さらに、単収確保に
向けた栽植様式について検討を行います。また、直
播栽培は、育苗期間が無く、本圃での栽培期間が長
くなることから、施肥体系や除草体系についても移
植栽培と異なると考えています。さらに、積雪下で
の越冬安定化について技術開発を行い、タマネギの
水田輪作体系の確立を目指します。
チューリップの日持ち試験(園芸研究所)
5
園芸研究所の活動から
「夏休み子供科学研究室の開催」
園芸研究所では、7月29日に「植物につく虫や菌を観察し
よう!」と題して子供科学研究室を開催し、小学3~5年生
11名が参加しました。まず、植物の病気について学んだ後、
実際に所内で発生している植物の病気を探しながら病気にか
かっている植物などを自分たちで採取しました。それらを顕
微鏡やルーペを用いて観察し、植物に病気を起こす原因につ
いて学びました。
果樹研究センターでは、8月7日、
「果物の味をくらべよ
う!」と題して子供科学研究室を開催しました。参加者は小
学1~5年生14名で、モモのほ場見学と収穫作業を体験し、
実験室内ではブドウ、モモ、ナシなど色々な果物を材料に用
ネギ栽培ほ場での病気の観察風景
いて、実際に食べた時に感じる「甘さ」や「すっぱさ」と、計測器で測った「糖度」や「酸度」との違い
を比べ、果物の味を感じる仕組を学びました。
「果樹研究センターほ場参観デー・成果発表会の開催」
7月15日、果樹研究センターで「果樹研究センターほ場参
観デー・成果発表会」を開催しました。ほ場参観の開催は7
年ぶりで、成果発表会は果樹研究センター単独としてはじめ
て開催したものです。参加者は果樹農家をはじめ、主穀作農
家や県市町村、JAの関係者で84名となりました。成果発表
会では、リンゴ「ふじ」の蜜入り優良系統、ニホンナシ「幸
水」
の摘心栽培による生産安定技術の2課題を紹介しました。
また、ほ場視察では4コースに分かれ、現在、果樹研究セン
ターが取り組んでいる試験課題について紹介するとともに、
リンゴ試験ほ場の視察案内
農家の皆さんと活発に意見交換をしました。
客員研究員報告
果樹の木材腐朽病害の診断と対策に関する研修会の開催
果樹研究センターでは、6月12~13日に(独)農業・食品産
業技術総合研究機構果樹研究所の中村 仁 氏を招き、「木材
腐朽菌による果樹の腐朽性病害の発生状況と対策について」
と題して講演会を開催しました。また、果樹の重要病害であ
る白紋羽病については、現地のリンゴ、ナシ樹園地から集め
たサンプルを用いながら、病害の鑑定方法と「枝挿入法」に
よる早期診断技術ついて実技指導を受けました。参加者は研
究員や普及指導員14名で、最新の研究成果に基づいた病害の
診断技術と対策について、講師から詳しく解説・紹介してい
ただきました。
顕微鏡での白紋羽病鑑定研修
園研ニュ−ス 第8号 平成26年(2014年)12月発行
発行所 富山県農林水産総合技術センタ−園芸研究所
園芸研究所 〒939 1327 砺波市五郎丸288 TEL 0763­32­2259
果樹研究センター 〒937 0042 魚津市六郎丸1227 1 TEL 0765­22­0185
農林水産総合技術センターHPアドレス http://taffrc.pref.toyama.jp/nsgc/engei/
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