If You Want To Be A Good Pilot 2014

If You Want
To Be A Good
Pilot 2014
目次
グライダーって 何ですか?
グライダーは何故飛べるの?
グライダーの操縦席はどうなっているの?
グライダーは何で出来ているの?
グライダーは何処で製造されているの?
グライダーの寿命は?
グライダーを飛ばすのに必要なもの
クライダーの飛ばし方
所有グライダー
グライダーの性能
航空部用語の基礎知識
ランウェイの三原則
ランウェイの注意事項
基本的なグランドワーク
フライトチェック事項
各大学の主要役割分担
合宿へ持ってゆくもの
妻沼滑空場での一日の流れ
妻沼への交通手段
青山学院大学航空部
2014年 3 月 1 日
If You Want To Be A Good Pilot 2008
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Aoyama Gakuin Univ. Soaring Club
-はじめての方へグライダー紹介1.グライダーって、何ですか?
グライダーはエンジンもプロペラも用いず気流に乗って滑空し、知識や経験、操縦技術によ
ってうまく上昇気流つかむことで高度を獲得し、高度 1,000m以上 距離 100km以上飛ぶ事が
現実に可能です。
では動力が無いのにどのように飛び立つのかと言いますと、ウィンチという巨大な糸巻き機
の様なもので、伸ばしたワイヤーを機体に取り付け、巻き取る事で飛行機の様に飛び立ちま
す。そして、一定の高度に達しワイヤーを切り離し滑空します。また、動力のある飛行機に引
っ張ってもらい一緒に離陸する方法も有ります。
この様に我々はグライダーを通して飛行技術の獲得、航空機の構造理解、点検、修理など
をして、大学 4 年間でライセンス獲得や大会、記録獲得などを目指し、大空と仲間たちとの充
実した学生生活を過ごしています。
2.グライダーは何故飛べるの?(翼の働き)
A
B
空気の流れ速い
翼の断面
空気の流れ遅い
空気の流れ
空気は A ポイントで翼に切り裂かれ、B 点で集合する。しかし、翼の断面
に注目すると翼上面の方が下面よりも長さが長く作ってある。上面を流
れる空気は下面を流れる空気と B で合流しなければならないため、下面
の空気との待ち合わせ時間に遅れないように速く流れなければならな
い。
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ベルヌーイの定理・・・・・・空気の流れは速いほど圧力は小さく、遅いほ
ど圧力は大きい
揚力
気圧:低い
翼の断面
気圧:高い
従って、この圧力の差のために上へ持ち上げようとする力が働く。この力が揚力と呼ばれ
グライダーを始め航空機が空を飛べることの原理になる。
3.グライダーの操縦席はどうなっているの?
こんな物が装備されています
① 操縦桿(エレベーターとエルロ
ンを制御に使用)
② トリム(エレベータのバランス調
整に使用)
③ ラダー(足で稼動)
④ エアブレーキ(ダイブブレーキ)
⑤ レリーズ(曳航索離脱装置)
⑥ キャノピーロック(風防のロック)
⑦ 無線(他機や地上と連絡に使用)
⑧ パラシュート・シートベルト
さらに計器があります
⑨ 速度計
⑩ 高度計
⑪ 昇降計(機体の上昇、下降を指
示)
⑫ コンパス(方位磁針)
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4.グライダーは何で出来ているの?
(1)FRP製(参考機種 ASK-21・23・Jr・PW-5・Ls-8)
車などの一部に使われている軽くて丈夫なプラスチックです。ガラス繊維、カーボン、ケブラ
ーの繊維にプラスチックの樹脂をしみこませて作ります。加工・修理もしやすく、とてもきれい
な流線形の翼が造れます。現在グライダーでは主流となっています。
(2)木製羽布張り(参考機種 Ka-6)
木を骨組みに使い、外に綿の布を張り付け、塗装して出来ています。しかしこの製造方法
は手間と職人さんの木の加工技術が必要です。
(3)鋼管羽布張り(機種 ASK-13 K-8)
木の替わりに一部を鉄パイプで組み上げ、綿の布を張って塗装した構造になっています。
木製羽布張りが主流のときにコスト的によく出来た機体です。
(4)金属製(機種 B4)
軽飛行機等に使われているアルミ合金を使用して作られています。
強度があり、壊れにくい分、加工・修理が難しいです。
5.グライダーは何処で製造されているの?
日本と言いたいところですが、現在日本では生産されておりません。グライダーの生産数
及び保有数ではドイツが NO.1 です。ドイツ国内だけでグライダーは 5000 機以上もあります。
他にポーランド、チェコなどで生産されています。
6.グライダーの寿命は?
エンジン等の機械部品が少なく、構造も比較的シンプルで、交換パーツも少なく、大切に使
用すれば 10 年以上使用できます。事実、上の写真 K-8 は 30 年前の機体です。
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7.グライダーを飛ばすのに必要なもの
(1) 4連ウィンチ
ワイヤーを巻き取り、グライダーを引っ張る時に使
う機械、4連になるとさらにその巻き取り部(ドラム)が
4倍になり訓練能率が急激に上がります。
(2) ピスト
チーム全体を統率して全体を動かし指示するところ
(3) グランドクルー
地上でグライダーを飛ばすためにサポートするメン
バー
(4) 4連用リトリブ
ワイヤーを回収、それを発航点まで持って来てくれ
る車、4連用はワイヤーを1度に4本持ってきてくれ
る。
8.クライダーの飛ばし方
ウィンチからリトリブでワイヤーを同時に4本、発航点まで持ってきます。その長さは、な
んと 1500m近くもあります。
その後、グライダーにワイヤーを一本取り付け、ウィンチで巻き取ると、まるで凧上げの
ように機体は空高く舞い上がるのです。そして上空で巻き取りによる飛行が限界になったら、
ワイヤーを切り離し、グライダーは空を自由に飛びます。(ワイヤーに付いていているパラ
シュートは落下時間をのばし、巻き取りを安全に行うために装着。)
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①滑走路から離陸
②ワイヤーを離脱(グライダー側でワイヤーはずすこと)
③第一旋回、第二旋回をして練習区域に入る
④訓練 例えば奇麗に旋回する訓練、真っ直ぐ飛ぶ訓練
(ここまでの間に上手く上昇気流を捕まえその風の中で旋回する事で、
また高度を稼ぎ飛び続けられます。)
⑤高度が低くなったらチェクポイントに入り着陸の準備に入る、また
その事を無線で知らせる
⑥第三旋回、第四旋回を経て着陸です。
⑦第四旋回後ダイブ ブレーキを開く
⑧フレアー(グライダーの機首を少しあげて着陸する事)をかけて接地
⑨地上を走りグライダーが停止したら着陸完了
9.所有グライダー(OB所有を含む)
アレキサンダー・シュライハー式 ASK21型
(複座機練習機)
アレキサンダー・シュライハー式 ASK23B 型
(単座機練習機)
シェンプ・ヒルト式 Discus-b 型
(高性能単座機競技機)
10.グライダーの性能
✈ASK21✈
型式:アレキサンダー・シュライハー式 ASK21型
航空機の国籍及び登録記号:JA21AG
耐空類別:滑空機 実用 U 類
寸度:全幅・・・17.00m 全長・・・8.35m 全高・・・1.55m
標準装備時空虚重量:360kg
最大離陸重量:600kg
対気速度限界:超過禁止速度(VNE)280km/h
運動速度(VA)180km/h
最大ウィンチ曳航速度(VW)150km/h
最大航空機曳航速度(VT)180km/h
推奨最小進入速度 90km/h
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L/D 34 (90km/h)
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✈ASK23B✈
型式:アレキサンダー・シュライハー式 ASK23B 型
航空機の国籍及び登録記号:JA235F
耐空類別:滑空機 実用 U 類
寸度:全幅・・・15.00m 全長・・・7.05m 全高・・・1.40m
最小装備を搭載した空虚重量:240kg
最大離陸重量:360kg
対気速度限界:超過禁止速度(VNE)215km/h
運動速度(VM)145km/h
最大ウィンチ曳航速度(VW)125km/h
最大航空機曳航速度(VT)145km/h
推奨最小進入速度 80km/h
L/D 34 (90km/h)
✈Discus-b✈
型式:シェンプ・ヒルト式 Discus-b 型
航空機の国籍及び登録記号:JA01AG
耐空類別:滑空機 実用 U 類
寸度:全幅・・・15.00m 全長・・・6.58m 胴体幅・・・0.62m 胴体高・・・0.81m
最小装備を搭載した空虚重量:233kg
最大離陸重量:525kg
対気速度限界:超過禁止速度(VNE)250km/h
運動速度(VM)145km/h
最大ウィンチ曳航速度(VW)150km/h
最大航空機曳航速度(VT)180km/h
推奨最小進入速度 115km/h
L/D 43 (115km/h)
* 安全なフライトをするために、機体の運用限界は、確実に知っておく必要があります。
詳しくは飛行規程でしっかり覚えましょう!!
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―航空部で使用する用語の説明―
1.航空部用語の基礎知識
* ピスト
グライダーの発着、その他訓練全般を管理する機能、場所、人のことをピストと総称。
* ランウェイ
滑走路のこと。R/W と略記される。
* ショルダー
滑走路の脇の路肩のこと。ピストの設置、人員の待機スペース、機体の駐機スペース。
* ピスチェン
飛行機は基本的に風上に向かって離着陸する。よって、風向きが変わった時は、離着陸の方
向を逆にしなければならない。この向きを変えることをピストの位置を変えるということで、ピス
トチェンジ、略してピスチェンと言う。
* ウィンチ(W)
グライダーを曳航するための装置。これを単独で操作するには、学連のウィンチ試験に合格
する必要がある。ウィンチマンの仕事は、条件の良いときは地上で他人が飛ぶのを眺め、冬
はとても寒い大変な仕事。
*WT
Winch Tow、ウィンチ曳航のこと。グライダーをウィンチによって曳航する。比較的手軽に上
げられる。
* リトリブ
曳航終了後ウィンチに巻き取られた索を再びピストの前(発航点)まで引っ張ってくること。また、
そのための車。この車は滑空場内のみの運用が一般的。
* AT
Air Tow,飛行機曳航のこと。グライダーを飛行機によって曳航する。ウィンチ曳航より離脱高
度・場所が自由に決めることが可能。
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* アイハン(I 板)
着陸の際に目標とする I 字型の目印のこと。
* L/D
エルバイディーと読む。揚力(Lift)と抗力(Drag)との比で揚抗比とも言う。この L/D はグライダ
ーが、高度1mあたり何m前へ進むかを表す滑空比に等しい。よってこの値が大きければ大
きいほど性能の良いグライダーということになる。現在の練習機では、30から35位で、世界
最高のものでは60をこえると言われている。
* 翼端
当然、翼の端っこのことである。グライダーは基本的に主車輪が1個しかついておらず、地上
では主輪と尾輪、それとどちらかの翼端の3点で支持されている。よって地上で機体を動かす
ためには翼の端を持ってやる必要があり、この仕事のことをそのまま翼端と呼んでいる。
また、機体押しの時には、翼端が進行方向をコントロールしている。
* ひげ(気流糸)
機体が空気の流れに対して真っ直ぐに飛んでいるかを見るために、毛糸をキャノピーに貼り
付けてある。この毛糸が機軸に沿って真っ直ぐになっていれば機体は滑っていない。
* レリーズ
グライダーに取り付けられた曳航索の離脱装置。このレリーズに索の端をくっつけて機体を曳
航する。ある程度の高さまで上昇したら機内からパイロットの操作で索を離脱することができ
る。ウィンチ曳航用の CG レリーズと飛行機曳航用の AT レリーズの2種類がある。
* 索
グライダーウィンチ曳航用の直径約 5 ミリのワイヤーロープ。(最近ではナイロンロープを使用
するウィンチも有)
* 赤
なにか不都合があること、または止まれを表すサイン。この逆は白。無線が無かった昔の訓
練において、赤旗と白旗を振って、連絡をとりあっていたことに起因する。
* 索切れ
グライダー曳航の途中で曳航索が切れてしまうこと。低い高度で索切れしてもグライダーが対
応出来るよう操縦することが重要。
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* 索点
索が切れていないか点検し、切れかかっていたら修理すること。25 発に 1 回点検する。
* カッター
索を切るためのワイヤーカッター。索点には必需品です。
* 銅パイ
曳航索をつなぐための3センチ程の銅パイプ。
* ニコプレ
銅パイプを強力にはさみ、曳航索をつなぎ合わせるための道具。
* セームアップ
セーム皮、セーム皮布などで機体についたゴミ・ほこり・水分を取ること。翼についたゴミやほ
こりは,ほんの小さなものでもに翼の性能を落とす。機体を常にきれいにしておくことははグラ
イダーの性能を維持する上でとても重要です。
* ウエス
ぼろ切れのこと。機体の清掃、索点の時に手に巻いて使う。ウエスが切れている索の端に引
っかかることにより、切れそうな索を見つけることができる。
*パラシュート
緊急脱出用のパラシュート。取り扱いとして地面に直接置かないこと。湿ったり、砂が入るとい
ざというときに・・・。
* キャノピーカバー
機体の風防カバー。駐機中は機体にかぶせておくこと。直射日光下だとコックピットが熱くなっ
たり、風が強い日は砂粒で風防に傷つきやすい。
* ターポリン
機体のカバー。夜、駐機しておくときにかけておく。
* 係留
機体を駐機しておく時に、地面にロープと杭を使って留めておくこと。強風時には、強風係留
をする。無人の機体は、ちょっとした風で動いたり、場合によってはひっくり返ったりするため。
少しの時間の駐機の場合は、バラスト係留とする場合もある。
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* トレーラー
機体を格納し、移動させるための車両。
* 陸送
トレーラーを移動させ、滑空場と学校の間を行き来すること。学校への連絡と守衛さんへの挨
拶を忘れない。
* 格納庫
機体を格納しておくための倉庫。妻沼の格納庫は他の大学と一緒に使っているので、協調し
て使用すること。
* ばらし
機体を畳んで、トレーラーや格納庫に格納すること。主翼と水平尾翼を取り外す。
* 機体組み
ばらしてある機体を組立てて、飛行可能な状態にすること。
* 場周
航空機の安全な運航と確実な着陸のために決められた飛行パターンのこと。チェックポイント
以降着陸のための飛行パターンのことをさして場周と呼ぶことが多く、着陸パターンに入るこ
とも場周に入るという。
* 復唱
確認のために、言われたことを繰り返して言い、意思統一すること。特に「出発」「進入」の復
唱は重要。
* 初ソロ
初めてのソロ(単独)飛行のこと。パイロットを志す人の最初の大きな目標。
* バッタ
上昇気流が無くて、索を離脱したあとすぐに帰ってくるフライトのこと。
* ショート
着陸の際に高度が足りなくて滑走路まで届かないこと。または、決められた接地点より手前
に着陸してしまうこと。エンジンの無いグライダーにとって非常に危険なこと。
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* ロング
普段の接地点よりずっと遠く(前方)まで行ってしまうこと。複数のグライダーが同時に着陸す
る場合は、安全上故意にロングする場合もある。
* サーマル
太陽熱によって生じる上昇気流のこと。普段のソアリングにおいてはこの上昇気流を利用す
る。地上物、地形、地上と上空の気温差、気圧配置など様様な要因によって発生の仕方が変
わってくる。
*1000点キック
グライダーの競技は、普通、決められた地点をまわってきてその速さを何日かにわたって競う
が、競技の行われたその日の一番速かった人が1000点、二番目以降はその速さに応じて
減点されていく。よってその日の、最速、最高点を出すことを言う。
* アウトランディング
滑空場までたどり着くことができず、空き地や畑に着陸すること。グライダーは航空法によっ
て飛行場以外の場所にも着陸しても良いことになっている。
* 練許
航空機操縦練習許可証のこと。操縦士の免許をとるまではこの許可証で操縦練習をする。
* 自家用
自家用操縦士免許。これが無いと関東大会、ひいては全国大会に出場できない。
* 教証
教育証明の略で、操縦練習生を教えることの出来る国家資格、
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―ランウェイへ出て練習の開始です―
1. ランウェイの三原則 (安全を確保するための基本)
(1) 3 歩以上は走る
3 歩以上動く場合は基本的に走って移動
(2) 機体を見る
他人の乗る機体を見ることによって、学習すると共に、常に機体の位置を確認することに
より、訓練の状況を把握
(3) 復唱する
ピスト指示などを理解したか、また、それを訓練参加者が確認するため大きな声で復唱
2. ランウェイでの注意事項
R/W は危険なところが多いですが、特に着陸帯、ウィンチ、曳航索の周辺では十分な注意が
必要であり、①上級生の指示をよく聞き、独断で行動しない、また、②少しでも不安があった
ら上級生の指示を仰ぐ、ことが重要
(1)着陸帯

グライダーにはエンジンが無いため、音が小さく、機体が進入してくることに気づかない

重量 500~600KG のグライダーが、時速 100Km 近いスピードで進入してくる

着陸した機体の前に出てはいけない

着陸体をクロスするときはピストに報告・承認を求める
(2)ウィンチ

ウィンチは総排気量13,000cc、最大出力約200Kw の機械設備で、そのパワーは凄
まじく、ウィンチ周りでは細心の注意を払う必要がある

ワイヤドラムは高速で回転するもので、不用意にワイヤドラムに近づかない

曳航中ウィンチ助手はキャビンの中かウィンチマンの目の届く範囲内に居る

パトランプの点滅中はウィンチが曳航中であり、絶対曳航索に触れてはいけない
(3)曳航索

指示と異なる曳航索が曳航される恐れもあり、不用意に曳航索に触らない

曳航索に触る前にウィンチのパトランプを確認せよ、パトランプが点滅しているときは、曳
航索に触れることはもちろん、近づくのも危険です

機体に曳航索を付けた後に、機体が動くかもしれないので、曳航索を跨いではいけない
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3.基本的なグランドワーク
(1)翼端走り(出発時の翼端持ち)
○ 要領
・
セットする機体の翼端について軸線をあわせる。
・
翼端につきながら発航できる状況(気候、人、機体 etc)であるかどうかを見ておく。
・
搭乗者から「準備よし」がかかったら、対地対空のクリア、他のピストが出発をかけて
いないか、進入中の機体はないかを確認。出発できない場合は搭乗者に「スタンバ
イ」と大きな声で言って知らせる。
・
さらに、キャノピーがきちんと閉まっているか、小窓が閉まっているか、索がからまっ
ていないか、単索が機体についているかどうか、を確認し全て大丈夫だったら大きな
声で「準備よし」と言って翼を水平にする。
・
機体が動きだしたら「出発」といい機体にあわせて少し走る。
・
機体が安全に離脱するまで見届け、離脱したら「離脱」と言う。
○ 注意点
・
軸線をあわせる時は翼端からではよくわからないので搭乗者、あるいはテールにつ
いている人に見てもらう。
軸線
・
軸線
出発前の待機状態の時、基本的には翼を下げておく。ウィンチや周囲にスタンバイ
状況であることを示すため。
・
隣の滑走路に機体が着陸する場合は、機体の接触をできるだけ避けるため着陸す
る側の翼を下げる。
・
基本的に翼端はピスト側に一人つくが、強風の場合はあおられないように両端につ
く。
・
「準備よし」がかかり翼を水平にする時、翼は上から力をかけず手の上に乗っける感
じで。
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・
機体が動きだした後、できるだけ水平を保つようにして手の高さは変えない。
・
翼端をやっている人が一番機体の近くで外から安全かどうかをみることができるので、
安全でないことが発覚したらすぐピストに大きな声で「赤!」と伝える。
(2)索とり
○ 要領
・
発航点とリトリブがくる位置を考えてパラシュートを置く。
・
リトが完全に停止したらアームから索をはずし、アームをたたむ。
・
アームをたたんできちんとロックしたらリトマンに「右or左アームよし」と伝える。
・
外した索をパラシュートにつなげてピストの脇に寄せる。
・
できれば二人一組でやり、アームと索に分かれてやると効率がよい。
○ 注意点
・
パラシュートは4本引きの場合は4個、三本引きの場合は3個持っていく。パラシュー
トの数が足りない場合はリトから降ろす。
・
パラシュートを並べる場所に持っていく時はなるべくずらないようにする。
・
リトが止まってもすぐに触ってはいけない。リトがバックして索のテンションがゆるんで
から作業を始める。
・
人にあたらないか注意しながらアームをたたむ。
・
パラシュートをピストわきに寄せる際、隣の索と重なったりしないように注意する。索
がらみの原因などになるため。
・
索とりが終わり次第発航できる場合が多いので、索を寄せたらできるだけ早くその場
を離れる。
・
索とりが終わったらリトからパラシュートと単索を降ろす。
(3)索だし
○ 要領
・
パラシュートを草などにからませないよう上下に振りながら、機体の前に持ってくる。
・
機体のすぐ前に下ろすのではなく、少し機体の奥まで持っていってから戻すようにす
る。できるだけ索がまっすぐになるようにするため。
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パラ
○ 注意点
・
ウィンチのパトランプがついている時は引っ張られる可能性があるため、決してパラ
シュートに触らない。
・
パラシュートと索をつないでいる部分を地面につけると金具を傷めてしまう可能性が
あるので、できるだけ地面につけないようにする。
(4)レリーズ付け
○ 要領
・
搭乗者にヒューズの色をチェックしてもらう。「チェック、スモールリングヒューズ○○」
(ASK21:黒色 ASK23:青色)
・
自分の目でレリーズを見てから、「レリーズOPEN」と言って搭乗者に見えるように手
を開き、リングをレリーズの中にいれる。
・
「CLOSE」と言って手を閉じ、単索がきちんとついたかチェックする。
○ 注意点
・
リングをつける時はダブルリングの小さい方をつける。
・
レリーズをつける際、手を開いたり閉じたりするのはキャノピーが閉まっていた場合
に声が届きにくいためである。
・
レリーズをつける時は少し寝そべるとやりやすい。
(5)索付け
○ 要領
・
事前にヒューズの小穴を目視し、断裂・広がりや歪みの無いことを確認する。ヒュー
ズは 2 枚あるので、一方向からだけではなく、ひっくり返してみる。断裂や小穴の広が
りや歪みのあるヒューズは取り替える
・
単索が曲がったりねじれたりしないようにまっすぐ伸ばす。
・
ヒューズの色とキャノピーロックを確認したら、大きな声で「キャノピーロック確認」と言
う。搭乗者に見えるように「索つけます」と言ってパラシュートと索をつなげる。
・
索をまっすぐにのばす。索が長い場合は索を S 字にくねらせてからまないようにする。
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この時、パラシュートと索のつけねを曲げてはいけない。
・
最後に、索がからまっていないか、パラシュートと索のつけねはまっすぐか、金具は
楕円で長径の方でつながっているか、ヒューズの色はあっているか、パラシュートの
金具部分に針金がまいてあるか、たん索はきちんと機体についていてタイヤに踏ま
れたりしていないか、また全体的にまっすぐになっているかを確認する。
レリーズ
S字
ヒューズ
・金具
・まっすぐ
・
異常がなければ搭乗者に敬礼をして大きな声で「索つけよし」と言って、すぐ機体の
後ろに下がる。
○ 注意点
・
単索とパラシュートが届かない場合は翼端に言って機体を少し前にだす。
・
索をつける際には必ずレリーズの結合部が見える方でつける。
・
索をつけたらウィンチにひっぱられる可能性があるから決して上をまたがない。戻る
時も自分のいる側から機体の後ろに下がる。
(6)索点検
○ 準備機材
・ カッター(よく切れるものを使用し、切れない場合は油をさしてネジをしっかりしめる)
・ ニコプレ(打ってみて両側が均等の圧力で打てないものは使用しない)
・ ウエス(あまり泥がついているとひっかかりにくいので泥をはらいながらやる)
・ 軍手
・ 銅パイ(一人5個くらいはもっていく。 あまったら元の場所に返すこと)
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○ 基準
・
索線2本切れ以上
・
銅パイからでている索が5ミリより長い or 短い
5ミリ
5ミリ
・ 山が二つ以上消えているor銅パイにひび割れがある
・ 銅パイが10m 以内に2つ以上あってはいけない
○ 注意点
・ 索線一本切れは索を曲げてよくみること
・ 切る時、前後 10 メートルに銅パイがないか確認する
・ 索はお互いからまないようできるだけ離すようにする
(例えば 川1なら川側によせていく)
・ 打つ時はウィンチ側からウィンチ側を5ミリ、ピスト側を1センチで打つとちょうどよくなる
5ミリ
1 センチ
(7)翼端持ち(ハンドリング)
○ 要領
・
機体移動・運搬時に翼端を担当する
・
機体の移動・運搬をスムースに行うよう進路・スピードをコントロールする
・
機体を指定の場所へ移動する
○ 注意点
・ 進行方向の周囲クリアを確認する
・ 進行方向路面の状態を確認し、悪いところを避ける
・ 機体の大きさからくる移動範囲を予測する
・ 機体が動いていないときに、自分だけ動いて、機体をねじらない。
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4.フライトチェック事項(重要)
搭乗前、搭乗の準備、フライト中、搭乗後に行う必要最低限のチェック事項
「
」 内はパイロットが必ず声に出して確認するチェック事項
「
」 内はパイロットがフライトするのに必要なチェック事項、声を出してチェックがベター
(
)内は翼端などクルーが復唱するチェック事項
搭乗者のチェック事項
チェック事項の説明とクルーのチェック事項
前搭乗者の機体が離脱したら、時間に余裕のある内にピス
搭乗前の報告
「報告します 青山学院 1 年○ トの暇なときなどを見計らい、ピストの前まで行って敬礼しな
○、21AG 搭乗、科目 30 度 がら報告
360 度旋回 よろしくお願いし
課目は学連科目進度表を標準
ます。」
自分の乗る機体が戻ってくるまでに、必要なあて・バラストな
どを用意。地上教官がいる場合、時間があればブリーフィン
グを受講
操縦席内を見て余計なものが無いことを確認、W&B 表で重
心位置の確認、バラストの要否を確認、あてを準備
足の泥を払ってから機体に搭乗
着座し、ラダーペダルを調節して、シートベルト&ショルダー
ハーネスを締める。腰はしっかり、ショルダーハーネスは計
「縛帯よし」
器板に手が届くくらいの余裕
「操縦系統点検」
操縦系統(エルロン・エレベーター)をぐるっと四角に回してス
ムースに動くことを確認、あて・バラスト・衣服等が操縦に影
響がないことを確認、周囲のクルーはラダーも含めて動翼が
ストッパーまで動くことを確認
近くのクルーは大きな声で復唱
「エルロン右一杯、左一杯」
(右一杯、左一杯)
「 エ レ ベ ー タ ー UP 一 杯 、 (アップ一杯、ダウン一杯)
DOWN 一杯」
「ラダー右一杯、左一杯」
(右一杯、左一杯)
「トリムセット」
「操縦系統よし」
「計器点検」
計器(速度計・昇降計)のそれぞれの針がちゃんとゼロを指
しているか確認
「計器よし」
高度計に関しては、30m(妻沼の海抜高度)にセット
「ダイブ点検」
ダイブブレーキがスムースに開閉できるかを確認
「ダイブロック解除」
近くのクルーは大きな声で復唱
「ダイブ全開、全閉、ロック確 (全開、全閉)
認」
「キャノピー点検」
キャノピー全体を見て閉めるとき障害になるようなものがな
「キャノピーよし、キャノピー閉 いかを確認
めます」
ASK21 の場合後席がロックしてから前席がロック
「キャノピーロック確認」
確実なロックの確認
搭乗点検
「座席内点検」「座席内よし」
If You Want To Be A Good Pilot 2008
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索装着
索付け担当者が(チェックスモールリング、ヒューズブラッ
ク)、(レリーズ OPEN)とパイロットへ合図
「OPEN」(レリーズを引く)
策がレリーズにセットされたことを確認し(CLOSE)と合図
「CLOSE」(レリーズを離す)
この後、単策と曳航索を繋ぎ、索のキンク、パラシュート、単
策、レリーズ部分などを点検、索付け担当者がパイロット、ピ
ストへ(索装着終了)を報告
出発前
「風向○○風(○○度)、風2 飛行準備ができたら吹き流しを見て風向(正対・土手・川・背
風)、風速を確認(限度・・・正対風 10m、横風 4m、背風 2m)
~3m」
「対地よし、対空よし」
「前席準備よし」
「準備よし」
地上滑走・離陸・上昇・離脱
「出発」
機体の前、前方の地上及び空中に障害がないかを確認
教官が(後席準備よし)、と言ったら翼端持ちに向かって、親
指を上げる(準備よしのサイン) 。翼端持ちは(後方・上空・
前方・R/W クリア・後方クリア・準備よし)を言い、地上のクル
ーも大きな声で復唱
(準備よし)
翼端持ちが翼を持ち上げ、機体が水平になり、索が動き出
し、機体が動き出したら出発 地上の人も大きな声で復唱
(出発!!!)
地上滑走
傾きチェック:視野を広く取り地平線、左右を見てエルロンで
水平コントロール。
方向チェック:はウィンチの方向へラダーでコントロール。風
上側機首が取られる事があるので、ラダーでコントロール。
ピッチ姿勢:テールを少し浮かした形、エレベーターでコント
ロール(迎え角大、最も早く離陸、接地の最終姿勢、地平線
の位置を確認)
「離陸」
機体が離陸、ピッチは地滑そのままの姿勢 傾けない事
「高度 100 安全高度通過」
地平線をゆっくり下げて行くように、緩やかに姿勢を変化さ
せる事が大事、曳航速度がすみやかに 100k~110kになる
事と連動
高度計 100mで最良の上昇角(40 度)そこから上昇中盤へ
「高度 200」、 「高度 300」、
「速度チェック、方向チェック、
傾きチェック」、「上昇角チェッ
ク」
「高度 400」
「速度チェック、方向チェック、
傾きチェック」、「上昇角チェッ
If You Want To Be A Good Pilot 2008
高度を 100m毎程度に確認
曳航速度 速度チェック 110k~120kがベスト
曳航速度が 90Kを下回る場合、また 130kを超える場合は若
干上昇姿勢を緩め、無線で「速度90km遅い」、「速度130k
m早い」を連絡
上昇姿勢の角度については翼端と地平線の角度(40 度)、
地平線はキャノピーの下方横、 風を意識しながら 雲等の
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ク」
目標物を取り、ラダーを使用してフラフラせず真直ぐ、傾きに
ついては地平線と体に感じるGで修正
横風が入っている場合には偏流を意識
「高度 400」・・・・・・・・・・・・・。
上昇後半になり離脱高度の 50m位手前、離脱目標などか
ら、機首下げモーメントを感じ、粘りながら徐々に上昇角を下
げて行く 最後にパワーカットを意識したら速やかに滑空姿
勢に入れる、レリーズに手をかける
確実に離脱するために、レリーズを3回引く(自然離脱したと
きも同様)傾きを修正
「離脱用意」
「離脱1,2,3」
「速度 90kmにセット」
「トリムセット」
機体の姿勢を安定させ、速度 90km にセット地平線と計器盤
の幅を再確認する(これを良く頭に叩き込む)
速度計で 90km を確認
進行方向をR/W延長と平行に
ピストから離脱確認の無線(青山21の離脱確認)が入るの
「離脱高度 450」「レフト(ライ で、無線のボタンを押して離脱高度と第一旋回方向を報告
ト)ターン」
第一旋回
「右(左)クリア確認、目標チェ 旋回方向に他の機体がないかを確認
ック、第一旋回を行います」
確実な目標を取る、旋回は初動が命、地平線の傾きと機首
が方向を変えるのと一致、視線は前方目標から地平線、第
一旋回目標へ
「初動・持続・停止」
第一横風辺
「ピスト確認」
停止は目標意識しながらバンクを緩めて停止
横風辺の偏流角を予測
自分のポジション確認のため、ピスト確認、R/Wに対して 90
度か、現在の位置がウィンチに対してどの辺かをチェック
偏流角を確認
直線滑空の目標 2 点を確認
「目標確認」
第二旋回
「右(左)クリア確認、目標チェ 旋回方向に他の機体がないかを確認
ック、第二旋回行います」
「初動・持続・停止」
目標チェック第二旋回を実施、停止は目標意識しながらバン
クを緩めて停止
ポジションと高度は常に確認(クロスチェック)
「ピスト確認・高度○○」
「速度〈地平線〉チェック、水平 飛行姿勢を常に確認(クロスチェック)
チェック・滑りチェック
If You Want To Be A Good Pilot 2008
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「他機警戒」
他の機体を常に確認(クロスチェック)
直線滑空の目標 2 点を確認
「目標確認」
科目
科目は原則としてピストより風上側で実施
「科目を行います」
「右(左)クリア確認、目標チェ 科目の開始 終了はメリハリを持って宣言
失速的な科目は特に下方クリアの確認
ック」
「初動・持続・クリア確認・ポジ
シ ョ ン チ ェ ッ ク ・ 高 度 ○ ○ ・ 科目中も速度 傾き 滑りをきちんとコントロール
対地的な課目では対地目標を確認
昇降計確認・停止」
「科目を終了します」
「ポジション確認・高度○○」
「速度〈地平線〉チェック、水平
チェック・滑りチェック
「他機警戒」
旋回 90 度ごとにクリア確認
科目中もポジション(風向)、高度、沈下を並行的にチェック
科目後のコース・チェックポイント高度を予測
科目を終了し、場周パターンに乗せる、チェックポイントをQ
NH200mで通過できる高度、CP 通過後にならないよう注意
先行の他機に注意
「他機警戒」
「青山ピスト
青山21オン チェックポイント通過前までを目安に場周決断を無線連絡
* 状況により無線コールが CP 後、速度セット後のことが有
ライト(レフト)ダウンウィンド」
ピストから21へRWクリア状況を無線連絡
(了解、青山21の R/W ブラボー)
「R/Wブラボー了解」
チェックポイント
「CP 通過 速度95kmにセッ チェックポイントQNH200m通過を基本
安全率・操縦性を考慮し速度を95Kmにセット
ト」 「トリムセット」
場周
「場周コースに乗せます」
「目標確認」
「目標チェック・速度〈地平線〉 場周幅の目標確認(直線滑空)
チェック・水平チェック・滑りチ
ェック・他機警戒」
「R/Wクリア確認・吹流し確
R/Wのクリア、風向確認(偏流予測)
認」
「ピスト確認」、「ピスト確認」、
「ピスト確認」・・・・・。
「パス角チェック」
パス角確認のために第三旋回前に何度もピスト確認
パス角・対地目標を意識、第三旋回のポイントを予測・決定
第三旋回
「右(左)クリア確認、目標チェ 第二R/W南風発航は第三旋回ポイントが第一R/Wのウィ
ンチを超えない事
ック、第三旋回行います」
高度が下がり忙しくなるが旋回方向の目標を確認
「初動・持続・停止」
「目標チェック・速度〈地平線〉
チェック、水平チェック・滑りチ 外滑りに注意!
ェック・ポジションチェック・高 旋回後の偏流を予測、確認
度○○」
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高度の目安QNH150m~160m
第二横風辺(ベースレグ)
「ピスト確認」
第四旋回からアイハンまで機体の進入をスロープでイメージ
「パス角チェック」
「目標チェック・速度〈地平線〉 パス角適正化チェック
95kmチェック、水平チェック・ 偏流を確認
滑りチェック・ポジションチェッ
ク・高度○○」
着陸進入コースの軸線(アイハンとウィンチの線)を確認
「軸線チェック」
対地的な目標やイメージしたスロープに乗せるように第四旋
回開始ポイントを決定
進入方向に横風成分が入っている場合は旋回開始ポイント
の違いを事前に意識(向かい風ー遅い、追い風ー早い)
極端に高い場合はダイブ使用も可
第四旋回(ファイナルターン)
「クリア確認、軸線チェック、第 アイハンとウィンチを結んだ軸線、イメージしたスロープに向
かって第四旋回開始
四旋回行います」
旋回バンクが軸線に対し「早い」、「遅い」を認識し、必要な場
「軸線チェック・速度〈地平線〉 合はバンクで修正、一発で軸線へ
95kmチェック・滑りチェック・ 外滑りに注意!
旋回停止は軸線と偏流を意識
停止」
進入(アプローチ)
高度の目安QNH130m
「高度○○」
「速度 95kmチェック」
「アイハンチェック」
「軸線チェック」
「パス角チェック」
「ダイブロック解除」
「ダイブ半開・全開」
ダイブブレーキ使用時のパス角を意識
ゆっくりとダイブロック解除(進入初期で一気にダイブを空け
すぎない事)
一般的には進入中盤を確認しつつ徐々にダイブを使用、使
用したら同時に機首を必ず下げて 95Km確保
アイハンを再確認しつつ、ダイブで少しずつ調節(一気にダ
イブを開けて、開け過ぎで戻すのはダイブの使い方として良
くない)
機首はフレアーを最後かけるのでアイハンの 3-5m位手前を
狙う
ただし、ショートはダメなので風の強弱でフレアーの伸びる距
離を良く覚えて狙うポイントを経験で決定
「速度95kmチェック・軸線チ 速度、軸線、アイハンをチェックしながら機首の位置キープ
(キャノピーの中でアイハンを一定位置で上下させない)
ェック・アイハンチェック
ダイブの使い方は一般的な風の場合 1/2~2/3 程度の使用
If You Want To Be A Good Pilot 2008
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が、着陸が一番容易(簡単)
フレアー(引き起こし)・接地
「フレアーかけます」
「軸線チェック、滑りチェック」
「接地・ダイブ全開」
偏流を取っている場合クラブからウィングローへ変更
フレアー開始する高さは5m~10m程度(土手の高さ位)
軸線(ウィンチ方向)に対して左右に滑ってないか確認
視野を広く取り、左右の地面の浮き上がりに合わせて、浮き
上がりを止める感覚でゆっくりフレアー
最終接地は 2 点接地の姿勢(地平線位置)まで、地面の浮き
上がりに合わせ引き起こし・接地
接地後は頭を切り替えて、出発時と同様方向・傾き・ピッチを
各動翼でコントロール、水平を維持・直進
ピッチはエレベーターをフルアップし、2 点設置の姿勢を出来
るだけ維持(最初からノーズをこすりつけないようにする)
ダイブは基本全開、ブレーキはポンピング使用、機体が停止
するまで翼端を落とさないようにコントロール
停止し翼端が落ちたらエルロンを反対操作
「停止・ダイブ全閉・ロック確 すみやかにダイブロック、キャノピーを開け、縛帯を外して降
りる準備(風の強い場面ではキャノピーの開閉に注意)
認」
他の進入・着陸機を警戒、必要に応じて機体をショルダー
搭乗後の報告・ブリーフィング
「報告します○○、21AG搭 搭乗教官に敬礼しながら報告
乗終了、機体異常なし、あり 「フライトノート」を中心にフライトのブリーフィング(解らない
部分は積極的に質問)
がとうございました」
地上滑走・停止
*旋回中のチェックとして「速度一定、バンク一定、滑らさない」はソロ前の練習とし
て必要に応じて使用
点検離脱(当日 1 発目は点検離脱を実施)
その他(点検離脱)
「OPEN」
「CLOSE」
「離脱」
午前の1発目は点検離脱を実施
索付け担当者が(点検離脱を行います)とパイロットへ合図
(レリーズ OPEN)、索をセットし(CLOSE)を合図
(前方離脱確認します)索を前方に引き(離脱)を合図
(前方離脱確認しました)
(自然離脱確認します)
「OPEN」
「CLOSE」
If You Want To Be A Good Pilot 2008
(レリーズ OPEN)、索をセットし(CLOSE)を合図
装着者は、曳航索を後方に引き、自然離脱するか確認
(自然離脱確認しました)
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クロスチェック (原則としてフライトの間、常に繰り返し声に出してチェック)
1.曳航時
速度チェック(100~120Km)
方向チェック
傾きチェック
上昇角チェック(翼端から地平線を見る、上昇角は40度)
高度チェック(100m程度づつチェック)
離脱目標チェック
2.離脱後~チェックポイント
水平チェック(地平線による水平確認)
速度チェック(90km)
高度チェック
ピスト確認(ポジションチェック)
他機警戒(例:○時の方向に機体 1 機)
3. チェックポイント通過後(進入前)
速度チェック(95km)
ピスト確認(ポジションチェック)
軸線チェック(I 版とウィンチを結んだ線)
パス角チェック
* 第三、第四旋回時の外すべりに注意
4. 進入時
速度チェック(95km)
軸線チェック(I 版とウィンチを結んだ線)
パス角(I 版)チェック(I 版の少し手前に降りる感じ)
5. 着陸後
傾きチェック(エルロン操作)
進行方向チェック(ラダー操作)
* 速度数字は ASK21 における風速5m前後までの通常の状態時
無線操作の基本的考え方
離脱、場周コールなど無線操作はフライト全体のコミュニケーション手段として重要であるが、
操縦そのものが第一義的な課題である。無線操作によって操縦が疎かになるような状況は
本末転倒であり、求められる操縦操作があって、無線操作があるとものと認識。
強風時着陸の説明
強風時は地上間際のウィンドグラジェント対策の為、ダイブ全開に近いアプローチ速度も変化
させ、(増速 100-115K)グラジェントが来たら、ダイブを閉めて増速。引き起こしはぎりぎりで一
気に引き起こす接線着陸。着陸後はダイブ全開、横風成分が入った場合の進入は偏流(クラ
ブ)を取り、進行方向を軸線に乗せる、偏流(クラブ)修正ポイントは引き起こし前に直し、機軸
と進行方向を正対させる。そして軸線がずれないようにする為、風上側の翼を少し下げてウィ
ングローとし、風と横滑りを相殺させてキープさせる。 着陸後も必要に応じてその姿勢をキ
ープ。
If You Want To Be A Good Pilot 2008
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5.各大学の主要役割分担
(1)空域の OPEN/CLOSE
妻沼の訓練が始まる前・後に、空域の OPEN・CLOSEを、入間基地・東京インフォーメーショ
ンへ連絡。第1R/W 土手側の学校が担当
(2)気象情報・NOTAMの説明
毎朝教官ミーティング時担当校が把握した情報を発表
(3)フライトサービスの開局・閉局、無線機管理
第1R/W 土手側の学校が担当し、応答内容を用紙に記録
(4)宿舎当番
宿舎当番(宿当)とは、訓練中に宿舎に残って電話番、荷物受け取り、盗難防止、風呂準備、
食堂の清掃などの業務・担当者です。電話番は入間基地などから緊急連絡があった場合に
はそれを受け、各校 PIST に伝える重要な仕事です。第1R/W 土手側の学校が担当
(5)合宿所の清掃
各学校が分担を協議し毎日宿舎、事務所、廊下などを清掃
If You Want To Be A Good Pilot 2008
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―初めての妻沼合宿―
1.合宿に持ってゆくもの
・合宿費(事前支払いの済んでいない人)
・ユニホーム(つなぎ)、または、動き易く汚れてもよい服装(トレーナー、T シャツ、ジーンズ
など)
・運動靴、長靴(朝露などで濡れる可能性があるため、長靴もあると便利)
・軍手
・帽子
・(サングラス)
・(日焼け止めクリーム)←真夏は男の子でも必要。
・(リップクリーム)
・R/W バッグ
・練習許可証
・フライトノート
・IF YOU WANT
・LOG BOOK
・学科資料
・筆記用具
その他は、普通宿泊時に必要品
・歯磨きセット
・お風呂セット(シャンプー、リンス、ボディーソープなど)
・バスタオル、タオル
・下着
・靴下
・部屋着
・補助食品、お菓子など
・ケータイの充電器など
その他各自が必要とするものを持参
If You Want To Be A Good Pilot 2008
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2.妻沼滑空場での1日の流れ
6:00 起床 6:10
R/Wへ行く準備を整え、宿舎前集合、朝の動きの発表、R/Wへ出発、ピス
ト設営、機体の係留をほどきセームアップ、機体チェッ、朝イチ索点
7:20~
朝食(土手、川、第2の学校の順)、朝食後、担当場所の清掃、その他
8:00~8:15 頃
宿舎前に再び集合、R/W へ出発
8:30~
教官ミーティング(教官、幹部 1 名)
9:00
飛行訓練開始
12:00 頃
昼食休憩
日没 30 分~60 分前
春~夏は5時過ぎ頃、秋~冬は4時過ぎくらいに、最終発航で飛行訓練を終
了し、機体を係留し、宿舎へ戻る、夕ごはんの時間まで教官ミーティング、パ
ート別作業など
6:30~頃
夕食(土手、川、第2の人数で時間をづらして)、入浴、ミーティング
7:00~ 頃
入浴(土手、川、第2の人数で時間をづらして)、10 時までに入浴、学生ミーテ
ィング、パート別作業を終了
10:00
天気予報をとらない人は消灯、しっかり就寝
If You Want To Be A Good Pilot 2008
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3.妻沼への交通手段
(1) 電車&バス
JR 高崎線 熊谷駅 下車
(駅改札口を出て右側の北口出口へ、駅前のマクドナルドに一番近い 3 番バス停)
葛和田 行バスに乗車約 30 分 車庫前下車(約400円) 土手上流徒歩 10 分
(2) 自家用車 (埼玉県大里郡妻沼町葛和田 1975)
東北自動車道 羽生 IC~84 号 羽生方面(羽生栗橋線)~122 号(羽生バイパス)~59
号(羽生妻沼線)~妻沼
関越自動車道 東松山IC~熊谷東松山道路~407 号~利根川土手(下流方面)~妻沼
17 号 17 号バイパス~83 号~59 号~妻沼
バス時刻表
熊谷発 葛和田行き
時間
平日
土日
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
31
50
15
00
00
00
00
00
00
00
00
00,40
20
00,40
30
30
40
15
00
00
00
00
00
00
00
00
00,40
20
00
00
00
葛和田発 熊谷行き(帰り)
時間
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
平日
00,38,54
10,35,56
30
00,35
35
35
35
35
35
35
35
45
18,58
36
16
土日
38
00,35
15,50
35
35
35
35
35
35
35
35
36
16
00
学校法人 青山学院大学 学友会 体育連合会 航空部
〒 150-0002 東 京 都 渋 谷 区 渋 谷
4-4-25
If You Want To Be A Good Pilot 2008
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