A – F I V E

農林漁業成長産業化ファンドの概要
A – F I V E
平成26年2月21日
H26.2.1改訂
株式会社農林漁業成長産業化支援機構の概要
商
号 株式会社農林漁業成長産業化支援機構
英
名
Agriculture, forestry and fisheries Fund corporation for Innovation,
Value-chain and Expansion Japan (A-FIVE)
取 締 役 会 長 堀 紘一
代表取締役
大多和 巖
社長CEO
主
事
た
務
る
東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア ウエスト20F
所
開
業
日 平成25年2月1日
根
拠
法 株式会社農林漁業成長産業化支援機構法
資
本
金 318億円(政府出資300億円、民間出資18億円)
カゴメ株式会社、農林中央金庫、ハウス食品グループ本社株式会社、
味の素株式会社、キッコーマン株式会社、
民 間 株 主
キユーピー株式会社、日清製粉株式会社、
株式会社商工組合中央金庫、野村ホールディングス株式会社
1
政策課題
2
農林水産業・地域の活力創造プランの概要
攻めの農林水産業
推進本部
(農林水産省)
農林水産業・地域の活力創造本部
産業競争力会議
規制改革会議
「強い農林水産業」・「美しく活力ある農山漁村」に向けた4本柱
経営マインド
(経営感覚)を
持つ農林漁業者
の育成
新たなチャレンジ
を後押しする
環境整備
- 輸出促進、地産地消、食育等の推進
需要と供給をつなぐ
バリューチェーンの構築
(農林水産物の付加価値向上)
-6次産業化等の推進
-農業の成長産業化に向けた農協の役割
生産現場の強化
多面的機能の維持・発揮
-農地中間管理機構の活用による
農業の生産コスト削減等
-経営所得安定対策、米の生産調整
の見直し
-日本型直接支払制度の創設
-農山漁村の活性化
-東日本大震災から
の復旧・復興
-林業の成長産業化
農林水産業・
地域の
活力創造プラン
農山漁村の有する
ポテンシャル
(潜在力)の発揮
需要フロンティアの拡大
(国内外の需要拡大)
-水産業の成長産業化
[今後の進め方]
プランに示された基本的方向に基づき、食料・農業・農村基本計画
の見直しに向けた検討に着手し、当本部でフォローアップ
産業競争力会議及び規制改革会議の取りまとめを踏まえたプラン
の改訂(平成26年6月目途)
プランの推進について政府としてフォローアップ
農業・農村全体の所得を今後10年間で
倍増させることを目指す。
3
需要フロンティア-内外に日本の強みを生かせる市場を創造し、需要を拡大-
•
•
今後10年で倍増が見込まれる世界の食市場に、日本の農林水産物・食品が評価される環境を整備し、日本の「食
文化・食産業」(Made by Japan)の海外展開と日本の農林水産物・食品(Made in Japan)の輸出促進を同時に推進す
る。
また、日本国民の新たなライフスタイルに即応した農林水産物・食品を開発する。
これまで
これから
○ 現在4,500億円の輸出額を1兆円に目標を
設定
(億円)
グローバルな食市場の拡大を経済成長のエンジンに
6,000
5,160
5,078
4,490
4,000
4,511
4,454
2,378
2,077
1,950
1,736
1,724
2,040
3,000
104
118
93
106
123
90
2,000
1,000
2,359
2,678
2,883
平成19年
平成20年
2,637
2,865
2,652
平成22年
平成23年
0
平成18年
農産物
林産物
Made in Japan
4,920
5,000
平成21年
水産物
○ 国内は、少子・高齢化等による食品需要
の頭打ち
農林漁業
成長産業化
ファンド
[A-FIVE-J]
海外展開
支援のため
のファンド
出資
国内6次産
業化事業体
輸出
日本産の農林水産物・
食品を6次産業化事業体が
世界へ輸出・海外展開
Made by Japan
出資
国内
食品企業
出資
世界の中での我が国食品
企業の積極的な展開 M&A、
工場立地等
海外
食品企業
食文化・食産業のグローバル展開
新たなニーズの開拓
○ 国別・品目別輸出戦略の実行を通じた日本の農
林水産物・食品の輸出促進(Made in Japan)
○ 我が国の強みである技術力を生かした新
たな品種や技術の開発・普及を進め、品質
やブランド力などの「強み」のある農畜産物
を生み出す
○ ビジネス環境の整備や人材育成を通じた日本の
食文化・食産業の海外展開(Made by Japan)
○ 強みを支える支援体制を構築
○ 世界の料理界での日本食材の活用推進(Made from Japan)
 育種素材の確保
 種苗会社を支援する体制の整備 等
(背景)
• 日本食文化のユネスコ無形文化遺産への登録決定
• 27年ミラノ国際博覧会(「食」をテーマにする万博)への公式参加
4
サブファンドの設立状況と出資同意案件例
5
サブファンド設立状況について(平成26年2月24日現在)
○ 各地の地域金融機関、メガバンク及び事業会社等が出資主体となってサブファンド設立を進めており、平成26年2月24日現在で、
サブファンド総数は39、サブファンド総額は646.02億円、うちA-FIVE出資分323.01億円となっています。
主な出資金融機関等
ファンド総額(機構出資分含
む)
第四銀行
北海道銀行
総額5億円
総額30億円
十六銀行
群馬県上野村
総額5億円
総額10億円
中国銀行
トマト銀行
みなと銀行
総額5億円
総額10億円
総額10億円
【広域ファンド】
北洋銀行
総額30億円
八十二銀
行
みずほ銀行
総額100億円*
総額10億円
広島銀行
百十四銀行
七十七銀行
総額10億円
総額5億円
総額20.2億円
東邦銀行
他地域金融機関、福島
県
西京銀行
連携先 (うち20億円)
荘内銀行、北都銀行、
みちのく銀行、東北銀行
総額20億円
常陽銀行
連携先 (うち20億円)
足利銀行、他地域金融機
関
総額10億円
* 複数のサブファンドへ出資予定
総額10億円
西日本シティ銀行
総額20億円
佐賀銀行
埼玉りそな銀
行
総額5億円
総額5億円
静岡銀行
十八銀行
千葉銀行
他地域金融機関
総額20億円
JAグループ
総額100億円
総額5億円
三菱東京UFJ銀行
総額10.02億円
肥後銀行
名古屋銀行
他地域金融機関
【テーマファンド】
総額10億円
総額10.8億円
エー・ピーカンパ
ニー
百五銀行
大分銀行
総額20億円
伊予銀行
阿波銀行
総額20億円
総額10億円
宮崎銀行
愛媛銀行
四国銀行
総額10億円
総額20億円
総額10億円
※ 当資料は設立準備中のサブファンドも含まれます。
香川銀行・徳島銀
行
総額5億円
総額5億円
総額10億円
ぐるなび
紀陽銀行
総額10億円
総額10億円
総額20億円
連携先
青森銀行、秋田銀行、
岩手銀行、山形銀行
三井住友銀行
総額20億円
6
事業者からの相談内容の内訳
• 各サブファンドや農林漁業者等から総計666件のご相談をいただき、支援案件の検討を推進。
• 農業分野を中心に、加工、販売など食品製造・流通関係の取り組みに関するご相談が多いが、それ以外にも水産、
輸出など、多岐にわたる分野から、ご相談をいただいている状況。
ご相談案件の業種別分類
(2013年2月-10月期累計)
件数
医食農
連携
0.5%
バイオマス・再エネ
4.5%
農業 41.4%
観光 3.9%
外食 4.8%
米・穀物
1.1%
輸出
4.4%
50.3%
農 業
276
41.4%
水産業
39
5.9%
林 業
20
3.0%
加工
50.3%
119
17.9%
農 業
102
15.3%
水産業
15
2.3%
林 業
2
0.3%
29
4.4%
7
1.1%
22
3.3%
外 食
32
4.8%
観 光
26
3.9%
バイオマス・再生エネルギー
30
4.5%
3
0.5%
92
13.8%
666
100.0%
販 売
輸 出
米・穀物
米・穀物以外
3.3%
米・穀物以外
水産業
2.3%
林業
0.3%
販売
335
加 工
その他
13.8%
農業 15.3%
水産業 5.9%
17.9%
医食農連携
その他
合 計
林業
3.0%
構成比
※複数の事業にまたがる場合は、主要な事業で計上
7
出資同意案件例① (平成25年9月2日 同意決定)
地元産ぶどうのワイナリープロジェクト
北海道余市町のワイン用ぶどうを使ったワイン製造と地場産食材を使ったレストラン運営、自家製ワインや地場産野菜、果
物及び水産加工品などを販売する売店等の複合事業
事業者:株式会社OcciGabi Winery
所在地:北海道余市郡余市町
出資決定時期:2013年9月
出資決定額:81百万円*
サブファンド** :北洋6次産業化応援ファンド投資事業有限責
任組合
農林漁業者
・ ワイン用品種ぶどうの生産
出資
ぶどうの
供給
周辺農業者
連携
ぶどう生産者
・ ワイン用品種ぶどうの生産
肥料・ぶどう苗木業
・者
肥料、ぶどう苗木、杭
周辺農地所有者
オチガビ
ワイナリー
㈱OcciGabi Winery
・北海道余市町産ぶどうを原料に
使用した特色あるワインの醸造
・見学型ワイナリー、自家製ワイン
と地場産食材を使用したレストラ
ン及び売店などの複合的施設の
開設
・地元でワイナリー事業を希望する
人へのワイナリースクール運営
出資
パートナー
販路提供
・ OcciGabi Wineryからワインを
仕入れ、 直営小売店網を活用し、
全国で販売 する計画
出資
経営支
援
北洋6次産業化応援ファンド
投資事業有限責任組合
・ 農地賃貸
ぶどう生産者の
高付加価値の販路拡大
地域の雇用拡大
地域ブランドの
普及促進
* 平成25年9月19日、出資額を76百万円→81百万円に変更
** 「株式会社農林漁業成長産業化支援機構法」に基づき、機構が地域金融機関等と組成。 機構が50%を出資。
ワイン・ツーリズムに向けた
魅力ある地域づくり
8
出資同意案件例② (平成25年9月2日 同意決定)
植木・盆栽グローバルプロジェクト
千葉県を中心に全国各地から調達した、植木、盆栽を高付加価値化し、欧州、アジアや北南米等の市場に輸出する事業
事業者:ジャパンホートビジネス株式会社 所在地:千葉県富里市
出資決定時期:2013年9月
出資決定額:50百万円
サブファンド*:ちば農林漁業6次産業化投資事業有限責任組
合
出資
農林漁業者
・ 植木・盆栽等の生産
千葉県を中心とした
植木、盆栽等生産者
・ ゴヨウマツ、キャラ、ツゲ等
盆栽や枝物などの植木全般
出資
パートナー
ジャパンホートビジネス㈱
植木・盆栽等
の供給
・植木・盆栽等の販売(輸出)事業
・千葉県を中心とした全国の植木、
盆栽等生産者から調達
調達
輸出ノウハウ ・ 過去の輸出コンサルティング実
績やネットワークを活用
販路提供
出資
ちば農林漁業6次産業化
投資事業有限責任組合
・欧州や北南米等の新たな市場を
開拓
・輸出先地域に応じた検疫システム
を確立し、需要の高い樹種を選択
経営支
援
・各国マーケットの嗜好に応じた生
産技術や成形フォームの確立
植木・盆栽生産者の
輸出販路拡大
地域の雇用拡大
後継者育成
* 「株式会社農林漁業成長産業化支援機構法」に基づき、機構が地域金融機関等と組成。 機構が50%を出資。
日本の植木・盆栽文化
の
世界への普及促進
9
出資同意案件例③ (平成25年9月2日 同意決定)
沖縄車えび周年販売プロジェクト
新しい技術を沖縄県与那国島に導入することにより、高品質な車えびの周年販売を実現し、大口需要者の開拓等を通じて大
消費地に販売チャネルを拡大。
事業者:沖縄栽培水産株式会社
所在地:沖縄県八重山郡与那国町
出資決定時期:2013年9月
出資決定額:40百万円
サブファンド*:NCB九州6次化応援投資事業有限責任組合
農林漁業者
出資
新しい技術
の提供
地方自治体等
沖縄栽培水産㈱
・新しい技術を沖縄に導入することによ
り、その地の利を活用して、年間を通
じて高品質な車エビを販売。
出資
パートナー
販路提供
・沖縄栽培水産㈱から冷凍車えび
を仕入れ、同社の販売ネットワー
ク
を活用し、販売を行う
連携
地元自治体
・ 雇用機会の創出/人材育
成
地元漁業団体
・ 養殖場の活用
離島の産業育成
・この周年供給を活用し、飲食店、ホテ
ル、ブライダル関係などの大口需要
者を新たに開拓し、首都圏等への販
売チャネルを拡大。
地域の雇用拡大
未利用地域資源の
活用
* 「株式会社農林漁業成長産業化支援機構法」に基づき、機構が地域金融機関等と組成。 機構が50%を出資。
出資
経営支
援
NCB九州6次化応援
投資事業有限責任組合
国内の養殖車えびの
高付加価値の販路拡大
10
出資同意案件 (平成25年12月20日 同意決定)
「深浦マグロ」販路拡大プロジェクト
青森県深浦町近海にて主に夏期に漁獲されるクロマグロを、柵加工・冷凍加工して需要期に新たな販路拡大を推進する事業
事業者:株式会社あおもり海山
出資決定時期:2013年12月
限責任組合
農林漁業者
・ クロマグロの漁獲
所在地:青森県西津軽郡深浦町
出資決定額:100百万円
サブファンド*:とうほくのみらい応援ファンド投資事業有
出資
クロマグロの
供給
周辺漁業者
連携
・ クロマグロの漁獲
地方自治体(含研究機
関)
・地名度向上の支援
・冷凍技術の指導
漁業生産物の新販路拡大
カイサン
㈱あおもり海山
・深浦町近海にて定置網漁で漁獲
される天然クロマグロを柵加工し
たうえで冷凍加工し、需要期に販
売を行う。
・夏場以外にも、安定供給可能とな
り全国に新たな販売チャネルを拡
大。
出資
パートナー
店舗での販売 ・ 柵加工・冷凍加工したクロマグ
ロを仕入れ、 自社の店舗を活
用して販売
出資
経営支
援
とうほくのみらい応援ファンド
投資事業有限責任組合
・深浦町の観光資源として地元飲
食店に通年販売を行う。
地域の雇用拡大
* 「株式会社農林漁業成長産業化支援機構法」に基づき、機構が地域金融機関等と組成。 機構が50%を出資。
新しい流通技術の開拓
11
出資同意決定済6次産業化事業体一覧(平成26年2月10日現在)
サブファンド(※)
出資決定
時期
6次産業化事業体
の名称
2014年1月
青森県深浦町にて夏期に漁獲
とうほくのみらい
・漁業生産物の新販路拡大
株式会社あおもり海 青森県西津軽 応援ファンド投資
されるクロマグロを、柵加工・
100百万円
・地域の雇用拡大
山
郡深浦町 事業有限責任組
冷凍加工して需要期に新たな
・新しい流通技術の開拓
販路拡大を推進する事業
合
2013年11月
株式会社みらいト
レーディング
新品種のレタスを導入し、鮮度
・新たな農産物流通手法の開拓
農林水産業協同
東京都千代田
を保持できる新包装で流通さ
・レタス生産・販売の新しいビジ
投資事業有限責 20百万円
せ、消費者に届ける流通販売
区
任組合
ネスモデルの構築
事業
2013年10月
西日本水産株式会
社
未成熟なウナギを一定の条件 ・漁業資源の有効活用
NCB九州6次化
下で再肥育することにより、成 ・未利用資源の活用
福岡県福岡市 応援投資事業有 60百万円
熟したウナギとして出荷する加 ・ウナギ養殖の新しいビジネスモ
限責任組合
工販売事業
デルの構築
2013年9月
2013年9月
2013年9月
所在地
名称
出資決定
金額
事業内容
政策的意義
備考
北海道余市町のワイン用ぶど ・ぶどう生産者の高付加価値の
北洋6次産業化
うを使ったワイン製造と地場産 販路拡大
2013年9月19日
株式会社OcciGabi 北海道余市郡 応援ファンド投資
食材を使ったレストラン運営、 ・地域の雇用拡大
76百万円
出資額変更(81百万
Winery
余市町
事業有限責任組
自家製ワインや地場産野菜、 ・地域ブランドの普及促進
円)
合
果物及び水産加工品などを販 ・ワイン・ツーリズムに向けた魅
売する売店等の複合事業
力ある地域づくり
・植木・盆栽生産者の輸出販路
千葉県を中心に全国各地から 拡大
ちば農林漁業6
ジャパンホートビジネ
調達した、植木、盆栽を高付加 ・地域の雇用拡大
千葉県富里市 次産業化投資事 50百万円
ス株式会社
価値化し、欧州、アジアや北南 ・後継者育成
業有限責任組合
米等の市場に輸出する事業 ・日本の植木・盆栽文化の世界
への普及促進
新しい技術を沖縄県与那国島
・離島の産業育成
に導入することにより、高品質
沖縄県八重山 NCB九州6次化
・地域の雇用拡大
沖縄栽培水産株式
な車えびの周年販売を実現し、
郡
応援投資事業有 40百万円
・未利用地域資源の活用
会社
大口需要者の開拓等を通じて
与那国町 限責任組合
・国内の養殖車えびの 高付加
大消費地に販売チャネルを拡
価値の販路拡大
大する事業
※「株式会社農林漁業成長産業化支援機構法」に基づき、機構が地域金融機関等と組成。 機構が50%を出資。
12
サブファンドを活用した
バリューチェーンの創造
13
ファンドを活用することのメリット
資金力の不足している場合
【ポイント】
少額の自己資金で大きな投資を行うことができる
金融機関からの
融資:2億円
機構資本性
劣後ローン:1億円
サブファンド出資
:1億円
パートナー出資
:4.9千万
1次出資:5.1千万
【メリット】
1次事業者の出資が5千万円
であっても、5億円程度の事
業を立ち上げることができる。
(約10倍)
※その他50%の補助を受け
る場合や、パートナー企業の
種類株等がある場合は、さら
に大きな事業も可能となる。
(最大約20倍程度)
資金力がある事業者の場合
【ポイント】
新規事業に取り組む際のリスクの低減手法となる
食品企業の子会社等グループ農業法人による
農業参入が進んでおり、「○○ファーム」につい
ても1次事業者として活用することが可能。
グループ含む
1次側出資
:5.1千万円
親会社側出資
:4.9千万円
サブファンド側出資
:1億円
機構の資本性劣後ローン:1億円
【メリット】新規事業を立ち上げる際には、
全額自己資本で事業行うより、リスクが
低減され、参入ハードルを下げられる。
【EXIT時のポイント】
【EXIT時】のポイント
・農業者にとってみれば、自社株式買取や既
存株主が買い取るという意向が優先される。
・グループ企業としてみれば、事業開始時に
は少ないリスクで事業が立ち上げでき、軌道
に乗るのか判断した上で買い取りができる。
14
地域ファンドとテーマファンド(生産地と消費者の結合)
•
事業分野(テーマ)毎に特化したファンドを組成することで、生産地と消費地をつなぐバリューチェー
ンを構築することが可能。
生
産
消
地
1次産業
2次産業
費
地
3次産業
・外食連携モデル
6次
1次
1次
レストランや居酒屋等と連携し、食材を
活用したメニュー等、付加価値を高め
た提供により差別化を図る
・小売連携モデル
6次産業化事業体の取組み
農家
レストラン
観光農園
食品加工
医療・健康
6次
体験型
農・林・漁業
直売所
こだわり産品を、農業団体やスーパー
等と連携して消費地をターゲットとした
販路を新たに確立していく
6次
合弁・連携
・加工・販売モデル
1次
小売企業や食品メーカーと連携して、カッ
ト野菜やジャム等、加工食品を産地で製
造し消費地の店舗を活用して販売
etc.
・輸出型モデル
1次
現地に販路を持つ商社やサプライ
チェーンを持つ物流企業等と連携し、
産品や加工食品を輸出
15
日常業務の中のバリューチェーンの強化
•
•
農林漁業の「6次産業化」とは、『農林漁業者が2次産業の事業者をパートナーとして合弁企業を立ち上げて加工販
売に進出すること』に限られません。農林漁業事業者が、自ら生産する農林水産物を、その価値を更に高めて(付
加価値を高めて)、消費者に届けていく(=バリューチェーン)という、もっと広義の概念です。
直売や加工販売以外でも、たとえば、現在取り組んでいる、①集出荷や冷蔵、輸送、②生産時期の変更、周年化、
表示など、「積極的な販売戦略」そのものが、機構の目指す方向です。
生産
集出荷
加工
生産方法、品種など情報を公表、
添付販売
出荷時期をずらす生産手法
貯蔵・
物流
非破壊検査、HACCP
冷蔵流通対応、
加工施設
取引先(調達先、仕向先等)の関係強化
子会社戦略などによるM&A
販売
輸出
外食
消費者
伝統的な栽培方法、
テーマ性を持たせた販
売戦略
付加価値を消費者に届ける
= 販路の確保、開拓 が重要
 政策課題を6次産業化につなぐ例
政策課題
6次産業化の例
ブランド化
生産地等を表示した販売
HACCP
合併農協・漁協の生産物処理・加工
計画出荷
コールドチェーンを活用した定温流通
管理
資源
周年出荷・リレー出荷
コスト低減
包装高度化、個食対応
日常の業務の見直しが重要なチャンスです!
例) 「安全」と「こだわり」に消費者のニーズがあるこ
とを把握
→「安全」な商品、「こだわり」の商品の適切な
負担増(価格)が消費者に受け容れられる
→結果として、農林漁業事業者の収益が倍増
⇒A-FIVE(農林漁業成長産業化支援機構)は、「出資」を
はじめ、広範な支援に取り組みます。
16
成長産業化に向けてバリューチェーンづくりとは(3事例)
類型
①製品に合わせた
最適生産型
概要
3次のニーズに合わせて
1次生産側で工夫を行う
例示
ex) 米、カット野菜、ワイン用ブド
ウ生産
②ブランド形成型
③新需要創出型
「健康」や「新鮮」など、消費者に
ストーリー(付加価値)を届ける
「日本食というスタイルでの海外
展開」・「健康というスタイルでの
医福食農連携」など、新需要を
創出する
ex) ブランド牛、
ご当地グルメ、ワイナリー
1次
(生産)
バリュー
チェーン
イメージ
ex) 一番茶カフェ海外展開
森林セラピー、盆栽輸出
1次
(生産)
1次
(生産)
医福食農連携
輸出拡大
2次
(加工)
3次
(販売)
【販売を意識したバリューチェーン】
2次
(加工)
3次
(販売)
【3次が1次の良さを伝えるバリューチェーン】
2次
(加工)
異業種
3次
(販売)
【異業種連携によるバリューチェーン】
17
農林漁業成長化ファンドの仕組みと
その狙い
18
農林漁業成長産業化ファンドによる資金供給の流れ
• 国と民間の共同出資によって、(株)農林漁業成長産業化支援機構を設立。
• 機構の出資スキームは、地域金融機関等が中心となってサブファンドを設立、機構はサブファンドに出資する間接
出資を主とする。
• 農林漁業者と他産業の事業者(6次産業化パートナー企業)が連携し、共同出資する会社が支援対象。
• 国は、機構の支援基準を定める他、サブファンドへの出資について認可を与えることで、機構へのガバナンスを確保。
対象事業者
間接出資
民間等
国
(産業投資)
地方自治体、農業団体、
金融機関、地元企業等
出資
<機構の3大業務>
①出資
②融資
③マッチング
支援対象事業
活動支援団体
出資
民間等
金融機関
食品企業等
出資
・6次産業化事業体を支
援するファンドに、原則
50%を出資
・指導、監督、政策趣旨
に沿わない案件に対す
る拒否権を保持
・20年間の時限組織
出資
※1
サブファンド
出資
地域ファンド又は
テーマファンド
一体的
※2
経営支援
• 出資期間は最長15年間
• 地域ファンドは、同地域に複数
設立される場合も想定
資本性劣後ローン(無担保・無保証)
農林水産物等
出資
技術、販路、
ノウハウ
農林漁業者
(主たる経営者)
貸付
(株)農林漁業
成長産業化支援機構
6次産業化事業体
(
六次産業化・
地産地消法の認定事業者)
直接出資
6次産業化
パートナー
企業
出資
※1 ファンド設立時に機構が出資約束(コミット)する際には、農林漁業者の意見聴取等を行う。
※2 当該ファンドは、投資事業有限責任組合法(LPS法)に基づく、投資事業有限責任組合を想定(それ以外は個別相談)。
19
農林漁業者とパートナー企業の資本結合による戦略的提携
• 機構は、地域・テーマごとに設立されたサブファンドを通じて、「6次産業化」事業体の資本金の50%(議決権ベース)
を出資します。
• 出資を受けるには、農林漁業者が主たる経営者(=出資比率が必須ではなく、「農林漁業者が多くの議決権を保有し
ている」など、実質的な面から合意形成いただきます。
• 出資を受けるまでに 「六次産業化・地産地消法」の総合化事業計画の認定を取得する必要があります(機構が出資
審査と併せて農水大臣認定の審査・手続きを行います)。
【6次産業化事業体】
事業に必要な資金
戦略的連携構築
の実現!
議決権のある株式構成
農林漁業者出資分
(主たる経営者)
(A%)
借入金
6次産業化パート
ナー企業出資分
(B%)
>
サブファンド出資分
(上限50%)
資本金
出資
成長資金+農林水産物供給
成長資本と経営支援の一体提供
民間等
農林漁業者
地方自治体、農
業団体、金融機
関、地元企業等
・高品質生産
・大規模供給能力
・トレサビリティ対応力
・生産者グループ形成力
etc.
出資
サブファンド
(地域ファンド又はテーマファンド)
成長資金
+技術、販路,ノウハウ供給
6次産業化
パートナー企業
・販売ネットワーク
出資
(原則50%)
㈱農林漁業成長
産業化支援機構
・マーケティング力
・物流ノウハウ
・IT技術
etc.
20
売上規模の拡大→投資規模、リスク拡大
•
売上高が10倍となると同時に、必要となる投資規模も7倍程度に。
•
事業規模・投資規模が大きくなることで、売上・利益も大きくなるが、同時に、リスクも大き
くなるため、対策が必要。
食料産業の必要投資規模(投入資産)(イメージ)
1
4
2
7
1次産業
2次産業
3次産業
6次産業
1次・2次・3次のリスク(収益の不確定さ・不確実さ)
1次産業
2次産業
3次産業
触れ幅の大きさ
= リスクの大きさ
21
新たな政策ツールとしての「出資」
• これまでの補助金・融資に加え、新たな政策ツールとして「出資」を追加。
• この出資が政策金融、民間資金融通の呼び水となり、農林漁業者(生産法人やJAJFなど農林漁業者が組織する法
人を含みます)は、「6次産業化」の事業に、自己資金を積み増すことが可能となります。
■ 施設整備: 補助金、政策金融を活用
■ 販売戦略や運転資金: 民間資金を活用
■ 自己資金部分: 現物出資等を活用
• この自己資金を基に、運転資金や施設整備資金等の借り入れ等により、事業を実施。「総合化事業計画」に則し、サ
ブファンドの経営支援などを得つつ、5年程度を目途に黒字化をめざしていただきます。
補助金
特
徴
融資
• 事業要件が厳格
• 資金使途が限定的
• 担保・保証不要
出資(本ファンド)
• 担保・保証等が課題
• 資金使途が限定的
• 事業設計の自由度が高い
• 担保・保証不要
• 財務体質を強化
平均的な自己資本比率の逆数を借入限度額とみなした場合、自己資金の何倍まで資金調達できるかを検討
1
:
1
• 仮に補助率1/2の場合、自己資
金の2倍の規模まで事業規模を
考えられる
資金調達
補助金
自己資金
資金
調達
資金
調達
自
己
資
金
と
事
業
資
金
の
関
係
融資
自己資金
4
:
1
• 事業者の信用力によるが、一般的
な水準では、自己資金の2倍~5
倍の規模まで考えられる
金融機関等
からの融資
16
:
(※)
資本性劣後ローン
ファンド出資分
2
:
1
自己資金(パートナー事業者)
:
自己資金(農林漁業者)
1
• パートナーやファンドの出資
が活かされることで、自己資
金の20倍程度の規模の事
業も考えられる
(※)資本性劣後ローンとは、金融機関が財務状況を判断するに当たって、負債ではなく、資本とみなし得ることができる借入金。
22
ファンド資金による部門横断的な経営強化
•
補助金と併用でファンドを活用し、加工以外の開発・営業部門等にも資金投下を行うことで、6次産業
化事業体の社内のバリューチェーンを強化することが可能。
補助金の残額にファンドを活用するケース
• 加工部門は強化されるが、その他開発・営業等の部門
が強化されず、社内のバリューチェンがつながりにくい。
補助金
ファンド資金を部門横断的に活用するケース
• 会社経営に関わる広範な部門に資金を投下し、
事業体の総合的な強化を実現。
※1/2補助金(6次産業化
_推進整備事業補助金を
_加工設備に使用した例)
補助金
補助金
補助金
融資
ファンド資金
ファンド資金
開発部門等
加工部門
事業体
融資
融資
融資
出資
社内バリュー
チェーンが強
化できる
社内バリュー
チェーンが強
化されない
営業部門
ファンド資金
ファンド資金
出資
開発部門等
加工部門
事業体
営業部門
23
6次産業化事業の拡大に必要な生産力の強化
• 6次産業化事業の拡大には、成長段階に応じた高品質な農林水産物や、量の確保が重要。
• 機構は地域ファンド等と協力し、2次・3次産業の事業体を通じた消費者ニーズの把握、地域ぐるみの事業体や生
産者グループの形成を支援することで、6次産業化事業の拡大を支援。
6次産業化事業の成長に必要な生産力の増強・拡大
① 地域ぐるみの取組形成支援
各農林漁業者に
期待する役割
販売金額
1億円以上
(約5千経営体)
②
安定的な成長発展のためには、
パートナーの
ロットの安定供給や多様な品目
情報集積
の供給が必須となるため、様々
な生産者が明確な役割分担の
下に参加する必要あり
2次・3次産業の事業体を
• 主たる出資者
ファンド活用時の農
林漁業者出資分に
ついて大口出資
• 合弁事業体経営
パートナーとしたバリューチェーンの強化
中核
合弁事業体の経営
に関与・協力
販売金額
3千万円~1億円
(約27千経営体)
• 生産の主力
中核となる生産者と
連携して生産
地域ぐるみの
事業体・生産
グループを形成
• 部分的な出資者
中核となる生産者
に協調して小口出
資
販売金額
3千万円未満
(約165万経営体)
• 生産での連携
合弁事業体への農
林水産物の供給に
協力。安定的な販
路として合弁事業
体を活用
幅広い地域の農林漁業
者等を巻き込み、6次
産業化の体制を構築し、
輸出や全国展開を行う
規模への拡大を目指す
グループ形成支援
1次産業と連携した
ビジネスモデルを
展開しようとする
2次・3次産業の事業者
がパートナーとして出資
③
価値連鎖
マッチング
主にサブファンドが
2次・3次側から
機構及び
消費者ニーズを
サブファンドが
収集
機構及びサブファンドが一体
となって、地方自治体、農業
団体、農政局等と協力し、生
産グループ形成を支援
支援
農地集約化による
規模拡大
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農林漁業成長産業化ファンドと一般的なファンドとの違い
•
法の趣旨に基づき、農林漁業者の所得確保、農山漁村における雇用機会創出等を目的としてい
るため、一般的なファンドとは投資期間や出資対象、回収の考え方等が大きく異なる。
農林漁業成長産業化ファンド
【参考】一般的なファンド
投資先の事業継続・成長(農山漁村の雇用創
出・活性化等)に重点
投資先(一般事業会社)の株式公開による売却
益(成功報酬の追求)に重点
出資対象
六次産業化・地産地消法に基づく認定を受けた
6次産業化事業体(農林漁業者と2次・3次事業
会社の出資による合弁事業体)
投資額に対してより多くの回収が見込める事業
会社を中心に出資
出資期間
農林漁業・食品産業の事業サイクルに合わせ
最長15年
3年~5年程度
狙
い
異なる産業セクターを繋ぐ6次産業化事業に対
【報酬の内訳(イメージ)】
出資者(LP) する投資実績があるファンド運営者はおらず
の払い込み 投資実行や経費支払の都度、必要額を払い込
み(キャピタルコール)
ファンド運営者の投資実績(トラックレコード)を信
頼し、ファンド組成時に出資額全額を払い込み
資本性
劣後ローン
6次産業化事業に民間資金を呼び込む呼び水と
して、必要に応じ機構が6次産業化事業体に
資本性劣後ローンを貸付 ※
なし
出資回収の
考え方
・地域の雇用の確保、事業の継続性に留意
パフォーマンスを重視し、株式公開が中心
※ 出資と一体的に資本性劣後ローンの貸付審査を実施。資本性劣後ローンの金利は、貸付先の業績に応じて変動。
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エグジットのイメージ
•
農林漁業成長産業化ファンド(サブファンド)のエグジットにおいて、 「農林漁業者の意向・事業体の持続的発展」に
配慮した適切な選択肢を取る必要があります。また、いずれのエグジット方法を優先するか、またその際の価格算
定方法については事前に(投資契約書等にて)同意を形成する必要があります。
売却先
EXIT時の6次産業化事業体の自己資金で回収
6次産業化事業体
(自社株買い)
既存株主
第三者
(IPO含む)
EXIT時のキャッシュフローの状況等により金融機関等からのリファイナン
ス資金により回収
自社株買によらない場合には、既存株主への株式の譲渡により回収
自社株買・既存株主への譲渡によらない場合には、第三者への譲渡によ
り回収
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