資料3

資料③
国債の決済期間の短縮(T+1)化に向けた取組
2015年2月25日
国債の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ
国債取引の決済期間の短縮(T+1)化に向けたグランドデザインについて
平成27年2月25日
国債の決済期間短縮化の意義・目的
1.決済リスクの削減
Point
リーマンショックで顕在化した国債決済リスクの削減
2.国債市場・短期金融市場の
流動性・安定性・効率性の向上
3.国際的な市場間競争力の維持・強化
T+1(GCレポT+0)を
実現する市場基盤の整備
国際標準手法の導入を通じ
国債のグローバル化に対応
米国
英国
フランス
ドイツ
日本
国債決済期間
( )はGCレポ
T+1
(T+0)
T+1
(T+0)
T+2
(T+1)
T+2
(T+1)
T+2
(T+1)
担保割当機能
大手銀2行
決済機関(ユーロクリア、クリアストリーム)
なし
※アウトライト取引:通常の売買取引
※GCレポ取引:資金の調達・運用を主目的とするレポ取引
※SCレポ取引:債券の調達・運用を主目的とするレポ取引
国債T+1化に向けたグランドデザインの概要
■ 国債のアウトライト取引及びSCレポ取引の決済期間をT+2からT+1に短縮(注1)
【課題】 地方含む幅広い市場参加者に影響。約定日当日中に照合事務等を完了させる必要性があり、①市場共通のタイム・スケジュールの策定、
②データ授受の標準化・電子化について、取引内容・規模に応じた対応が必要。これら実現のため、市場慣行等の整備も必要
【対応】 グランドデザインにおいて、市場参加者におけるT+1化対応の方向性等を整理。また、T+1化に係る市場慣行の整備方針等を明確化
■ GCレポ取引の決済期間をT+1からT+0に短縮
【課題】 幅広い市場参加者のGCレポ(T+0)取引を可能とするため、①約定実務・取引環境の大幅変更、②市場インフラの整備が必要
【対応】 資金の調達・運用金額でGCレポ取引を約定し、決済直前に市場インフラが国債渡し方の在庫銘柄から担保となる国債銘柄の割当てを行う
「銘柄後決め方式GCレポ取引」を導入。当該割当機能は清算機関である日本証券クリアリング機構(JSCC)が提供する方向で検討中
国債出し手の在庫銘柄を担保として円滑に割当する「unwind/rewind方式」 (在庫変動を自動的に反映し、翌日もGCレポ取引に使える担保銘
柄は決済しない)及び清算機関がターム物取引も含め日々ネッティングを行う方式の導入により、欧米市場並みの利便性を確保
<銘柄後決め方式GCレポ取引の主なメリット>
• 中央インフラが照合、担保銘柄の割当等の機能を提供することによる効
率化、事務コストの低減
• 額面ではなく金額で約定するため、運用/調達金額の確定が迅速化
• アウトライト取引及びSCレポ取引の約定時間帯に影響を与えない
<新現先取引への一本化>
• 日本国債のグローバル化の進展を踏まえ、新たに整備する銘柄
後決め方式GCレポ(T+0)取引については、海外及びクロスボー
ダーのレポ契約で標準的な条件付売買形式(「新現先取引」)によ
り整備する(注2)
(注1)個人等のリテール向け取引(金融機関における窓口販売や個人向け国債の中途換金等)は対象外。
(注2)それ以外の取引(SCレポ取引等)についても、新現先取引への一本化を目指す。
今後のスケジュール
• 市場インフラ、市場参加者の対応負担等を踏まえ、T+1化実施目標時期について、2015年春を目途に市場関係者による合意形成を目指す
(参考1) 国債決済短縮(T+1)化のイメージ
市場参加者全体
(地域金融機関含
む)
現状
(T+2決済)
アウトライト取引
SCレポ取引
T+1日
(S-1日)
T日
約定
T+2日
(S日)
照合
決済
金額等
の合意
GCレポ取引
大手ディーラや
信託銀行等の機関
投資家が中心
担保銘柄割当
(手作業)
約定・
照合
決済期間短縮化
T+1化実現後
アウトライト取引
SCレポ取引
約定
GCレポ取引
約定日中にポスト・トレード
処理を完了させる
⇒STP※化、市場慣行(タイ
ムスケジュール)を遵守
(出所) グランドデザイン要約版(日証協HP)をもとに作成
T+1日
(S日)
T日
照合
決済
約定・照合
※STP
担保銘
柄割当
決済
担保銘柄割当等を市場イン
フラ(JSCC)が代行(銘柄
後決め方式GCレポ取引の
導入)
⇒時間短縮、事務負担軽減
Straight Through Processingの略
証券取引の約定から決済までの一連の作業を電子的、かつ、一度
入力されたデータについて人手による再入力等を経ずに行うこと
(参考2) 銘柄後決め方式GCレポ取引のスキーム
保振機構
売買報告
データ
照合システム
②照合(バスケット)
銘柄割当
明細
売買報告
データ
割当可能
残高通知
照合済データ
銘柄割当
明細
JSCC
(候補)
各種照会
③清算(バスケット)
担保銘柄割当システム
各種照会
④担保銘柄割当(個別銘柄)
← 決済データ(代理送信) →
決済指示(JSCC分)
通知
決済指示
日本銀行
信託
銀行
口座
国債
資金
⑤決済
JSCC
口座
(出所) グランドデザイン要約版(日証協HP)をもとに作成
中央インフラによ
る担保銘柄割当
機能の構築
通知
国債
資金
証券
会社
口座
決済指示
資金の取り手(
=国債の出し手、証券会社等)
資金の出し手 (
=国債の取り手、信託銀行等)
①約定(バスケット)
 清算機関である日本証券クリアリング機構
(JSCC)が銘柄後決め方式GCレポ取引の
清算・担保割当・決済データ作成を行う方
向で検討中。
 取引は国債種類(バスケット)につき金額
○○億円の形(金額ベース)で行われる。
 資金の取り手はGCレポ取引に利用する在
庫玉のデータを割当可能残高通知として
JSCCに通知。JSCCは参加者毎のGCレポ
取引のネッティング結果(金額)に対し、当
該参加者の在庫玉を割当て、割当結果に
基づく決済データを作成の上、日本銀行に
送信し、決済が行われる。
 ターム物取引も含め毎日金額ネッティング、
担保銘柄の割当が行われる上、売買等に
より動かない在庫が優先して割当られるた
め決済量の削減が期待される。
 ターム物取引の担保銘柄変更手続き
(Substitution)は不要(日々担保割当を行
うため)。