平成27年1月26日 伊予銀行 資金証券部 資金為替グループ 1.今週の為替・金利・株式情報 No.394 (1)為替相場 ①米ドル円相場 60分 QJPY= 終値 今週の予想レンジ 117円77銭 115円50銭~118円50銭 方向性 6:00 2015/01/19 - 6:00 2015/01/24 (TOK) 価格 /USD 118円87銭 118.8 118.5 118.2 117.9 117.6 117.3 117 116円93銭 自動 16:00 04:00 15 1 19 20:00 08:00 20:00 08:00 20:00 08:00 20:00 15 1 20 15 1 21 15 1 22 15 1 23 ②ユーロ円相場 60分 QEURJPY= 137円64銭 JPY 137 136 135 134 133 132 130円92銭 131 自動 15 1 19 終値 今週の予想レンジ 131円95銭 128円00銭~135円00銭 方向性 6:00 2015/01/19 - 6:00 2015/01/24 (TOK) 価格 16:00 先週の米ドル円は揉み合って推移した。20、21日に行われた日銀金融政策決 定会合に向けて、超過準備預金に対する付利引き下げ等追加緩和の思惑が高 まる中、円売りが先行し、米ドル円は119円台をうかがう水準まで上昇した、しか し、決定会合後の会見で黒田総裁が「付利の引き下げに関する議論はまったくな かった」と一蹴したことから円買戻しが進み、117円台前半まで下落した。その 後、株価が堅調推移する中、米ドル円は戻りを試したものの、ユーロ円の急落の あおりを受けて、米ドルの上値は重かった。 今週の米ドル円は軟調推移を予想する。先週の日銀金融政策決定会合では、 15年度物価見通しが大幅に引き下げられた(昨年10月時点:1.7%→ 1.0%)。しかし、足元のインフレ率の下振れは原油安によるものとし、時期として 後ずれする可能性は認めつつも中長期的には物価目標を達成するとの姿勢を崩 さなかった。30日の12月国内CPIが予想を下回るようであれば、追加緩和に対 する思惑も復活しそうではあるが、春闘をはじめ賃上げに関する議論が今後本格 化する中で、その影響度合いを見極めるため当面追加緩和は見送られそうだ。 円安のメインドライバーに欠ける中で、今週は、FOMC、10-12月期米GDPの 発表が予定される。FOMCでは、政策変更はない見通しであり、無風通過となり そうだ。GDPが市場予想を上回った場合には米ドル買いが強まる可能性もある が、対ユーロでの円高が、米ドル円の上値を抑えるだろう。 04:00 20:00 15 1 20 08:00 20:00 15 1 21 08:00 20:00 08:00 15 1 22 20:00 15 1 23 ③豪ドル円相場 60分 QAUDJPY= 先週のユーロ円は大幅下落した。22日に行われたECB理事会で市場予想を上 回る大規模な量的緩和が発表された。月額600億ユーロ、総額1兆ユーロ、国債 の買入年限も2~30年と超長期に及ぶ大胆な量的緩和は市場にサプライズを もって受け止められた。ユーロは、緩和決定後主要通貨に対して大きく下落、対 米ドルでは03年9月以来、対円でも13年9月以来の安値を記録した。 今週のユーロ円は下落を予想する。先週発表されたECBの量的緩和は、規模 もさることながら、物価の上昇が見通せるまで継続する「実質オープンエンド」を示 唆しており、ユーロ売り圧力を高める要因となった。原油安や高い失業率など、デ フレ症状に悩む欧州経済にとっては緩和期間の長期化や更なる緩和がすでに噂 されるなど、ユーロ売り圧力はしばらく続くだろう。また、ギリシャの政局混乱もユー ロ売りに拍車をかけそうだ。先週末に行われた総選挙では、債務減免を主張する 野党急進左派連合が大躍進を遂げた。しかし、単独過半数は確保できない見通 しであり、今後、連立協議や場合によっては再選挙など、混乱はしばらく続くとみら れ、ユーロは下落圧力にさらされそうだ。 終値 今週の予想レンジ 93円19銭 90円00銭~95円00銭 方向性 6:00 2015/01/19 - 6:00 2015/01/24 (TOK) 価格 JPY 97円39銭 97 96.5 96 95.5 95 94.5 94 93.5 93円06銭 93 自動 16:00 15 1 19 04:00 20:00 15 1 20 08:00 20:00 15 1 21 08:00 20:00 15 1 22 08:00 20:00 15 1 23 先週の豪ドル円は下落した。資源価格の下落を背景にデフレ圧力の高まりか ら、21日にカナダ中銀がサプライズ利下げを実施すると、資源通貨である豪ドルも 連れ安となった。資源価格の下落により景気鈍化が意識されるのは豪州も同様で あり、豪中銀による利下げ観測が高まる中、豪ドルは軟調に推移した。 今週の豪ドル円は軟調推移を予想する。原油安をきっかけとした世界的なデフ レ圧力の高まりは、資源国通貨を軒並み下落させている。28日発表予定の10- 12月期CPIが市場予想を下回れば、来月3日に控える豪中銀理事会へ向けて利 下げ観測がさらに高まり、豪ドルの下落に拍車がかかりそうだ。また、中国経済の 動向にも注意が必要だ。先週発表された14年の中国GDPは前年比+7.4%と なり、16年ぶりに政府目標の「未達」となった。水準自体は堅調そのものに見える が、一人っ子政策の悪影響や金融市場自由化に向けた混乱などから景気下振れ を懸念する向きは多く、豪ドル安要因のひとつとなりそうだ。 1/4 Page (2)国内金利 ①短期金利 長・短期金利の推移 (TIBORとTSR・10年債利回り) 日 足 QTIJPY6MD=, QJPYIRS5Y=, QJP10YT=TR 2014/01/08 - 2015/02/15 (TOK) 価格 JPY 10年債利回り 0.7 0.65 0.6 0.55 0.5 5Y スワップレート 0.45 6M TIBOR 0.4 0.35 0.3 0.25 0.2 0.15 TIBOR 先週のレンジ 終値 今週の予想レンジ 1ヶ月 0.13000~0.13091% 0.13000% 0.12000%~0.13000% 3ヶ月 0.17273~0.18000% 0.17273% 0.16000%~0.17273% 方向性 0.25909~0.26818% 0.25909% 0.24000%~0.25909% 先週の短期金利は低下推移した。 今週の短期金利も低下を予想する。今週は、30日の12月国内消費者物 価指数(CPI)が焦点となる。生鮮食品を除くコアCPIの予測中央値は消費 税率引き上げによる押し上げ分2%(日銀試算)を差し引くと、前年比プラス 0.6%にとどまり、政府・日銀目標(2%)からは大きく乖離する。追加緩和観 測が強まるようだと、短期金利は低下余地を探る展開が続くだろう。 6ヶ月 自動 2月 3月 2014年 Q1 4月 5月 6月 2014年 Q2 7月 8月 9月 2014年 Q3 10月 11月 12月 2014年 Q4 1月 ②長期金利 2月 2015年 Q1 長・短期金利のイールドカーブ (TIBORとTSR) スワップ (%) 1.0 2015/1/23 2014/4/1 2013/10/1 0.0 1M 3M 6M 12M 2Y 3Y 5Y 7Y 10Y 終値 今週の予想レンジ 3年 0.11500~0.15300% 0.14200% 0.11000~0.16000% 5年 0.16000~0.23000% 0.20400% 0.39600~0.51000% 0.46800% 0.15000~0.25000% 10年 10年債 利回り 0.5 先週のレンジ 方向性 0.35000~0.50000% 0.195~0.325% 0.18000~0.25000% 0.225% 先週の長期金利は乱高下した。10年債利回りは、一時0.195%と過去最 低を更新したものの、流動性が低下している局面でECB理事会の結果を 控えた海外勢による持ち高調整の大口売りが出たこと等から、同利回りは 一転0.325%まで急上昇した。23日には、ECBの量的緩和(QE)実施決 定を好感し、利回りは再び急低下し取引を終えた。 今週の長期金利は低下推移を予想する。日銀の大規模買い入れによる 需給引き締まりが不変のなか、ECBのQEによる金利低下圧力の高まりや、 ギリシャ総選挙の結果を受けたリスク回避志向の強まり等から、10年債利回 りは再び0.20%を割れを試す展開を予想する。 (3)米国金利 ①短期金利 長・短期金利の推移(LIBORと米国10年債利回り) 日足 QUSD6MFSR=, QUS10YT=RR 2013/12/23 - 2015/02/13 (LON) 価格 3.3 3 2.7 2.4 10年債利回り(左軸) 2.1 1.8 1.761 1.5 1.2 6M LIBOR(右 0.9 0.6 0.353 0.3 0 LIBOR 先週のレンジ 終値 今週の予想レンジ 方向性 0.16675%~0.16875% 0.16775% 0.15000%~0.18000% 3M 0.25610%~0.25710% 0.25610% 0.24000%~0.27000% 6M 0.35390%~0.35890% 0.35390% 0.34000%~0.37000% 先週の短期金利は概ね横ばい推移した。 今週の短期金利も横ばい推移を予想する。今週は、今年最初のFOMC が開かれる。昨年12月に声明文に盛り込まれたキーワードである「忍耐強 く」という文言が維持されるかどうかが利上げ時期を探る上でのポイントとな り注目が集まる。市場の予想では、今週のFOMCにおいては特段のサプ ライズはなく、「忍耐強く」の文言も維持されると見ており、短期金利に与え る影響は限定的となりそうだ。 1M 自動 1月 2月 3月 2014年 Q1 4月 5月 6月 2014年 Q2 7月 8月 9月 2014年 Q3 10月 11月 12月 2014年 Q4 1月 2月 2015年 Q1 長・短期金利のイールドカーブ(LIBORと米国債利回り) (%) 2015/1/23 3.0 2014/4/1 2013/10/1 2.0 1.0 0.0 1M 3M 6M 12M 2Y 5Y ②長期金利 10年債 先週のレンジ 終値 今週の予想レンジ 利回り 1.7590%~1.95300% 1.8180% 1.6000~2.1000% 方向性 先週の長期金利は上昇した。予想外のカナダ中銀による利下げ、ECBの 資産購入プログラムの開始宣言を受けてリスク回避ムードが後退し、前週の 金利低下から反転した。経済指標では、住宅関連の指標が相次いで発表 され、米国住宅市場の改善基調が確認されたことも金利上昇圧力となっ た。 今週の長期金利は低下を予想する。今週は、FOMC、14年10-12月 期GDPの発表を控えている。10-12月期GDPの市場予想は年率 +3.0%程度であるが、多少市場予想を下振れても米国経済の先行き見 通しに影響を与えることはないだろう。ギリシャの政局不安や、ECBの資産 購入プログラムを受けた欧州の金利低下圧力が、相対的に利回りの高い米 国債への資金の流れを加速させ米国債の金利低下圧力となりそうだ。 10Y 2/4 Page (4)国内株式 日経平均株価の推移 30分 Q.N225 9:30 2015/01/19 - 15:30 2015/01/23 (TOK) 価格 日 経 平 均 JPY 17,532円06銭 17,550 17,500 17,450 17,400 17,350 17,300 17,250 17,200 17,150 17,100 17,050 17,000 16,950 16,911円58銭 16,900 自動 09:30 13:00 2015年 1月 19日 09:30 13:00 2015年 1月 20日 09:30 13:00 2015年 1月 21日 09:30 13:00 2015年 1月 22日 09:30 13:00 方向性 終値 今週の予想レンジ 17,511円75銭 17,200円~17,700円 先週の日経平均株価は上昇した。20日の日経平均株価はオランド仏大統 領がECBで量的緩和が実施されると発言したことなどを背景に大きく上昇し た。その後、週末にかけてはECBによる大規模な量的緩和を背景に過剰流 動性相場の様相を呈し、日経平均株価は17,500円を回復した。 今週の日経平均株価は底堅い展開となるだろう。週初は25日に行われた ギリシャ総選挙に絡む同国の政局混乱等が嫌気される可能性があるほか、 急ピッチに株価が上昇した反動等から利益確定の動きが強まると見込まれ る。ただ、今週から本邦企業の第3四半期決算発表が本格化する見込みで ある。円安進行や原油価格の急落を背景に業績の上振れ期待が強まって おり、国内株式を大きく売り越す展開にはつながらないだろう。また、日銀や GPIFによる買入れも、相場の下支えとして意識され、下値は堅い展開となり そうだ。 2015年 1月 23日 2.今週発表の経済指標等 発表日 1月26日 1月27日 1月28日 国名 ※ 日本 ○ ドイツ ○ 米国 米国 ◎ ユーロ圏 0.40 4.32 12月 新築住宅販売件数 (千件) 445.00 438.00 450.00 1月 消費者信頼感指数 (ポイント) 91.00 92.60 95.50 - - - 0.80 0.70 0.60 FOMC金利誘導目標 4Q 消費者物価指数(前年比) (%) (%) 0.25 0.25 0.25 (ポイント) 7.40 7.70 9.10 (%) (千件) 3.00 2.30 1.80 317.00 307.00 300.00 1月 業況判断指数 (ポイント) 0.30 0.26 0.12 1月 消費者信頼感指数(確報値) (ポイント) ▲ 15.30 ▲ 13.50 ▲ 8.50 1月 消費者物価指数(前年比) (%) 1.30 1.40 ▲ 0.10 1月 失業率(季節調整済み) (%) 6.90 6.80 6.50 12月 失業率 (%) 3.50 3.50 3.50 12月 有効求人倍率 (%) 1.10 1.12 1.12 2.60 12月 消費者物価指数(除生鮮/前年比) (%) 2.90 2.70 12月 鉱工業生産(前月比) (%) 0.40 ▲ 0.50 1.20 12月 住宅着工件数(前年比) (%) ▲ 12.25 ▲ 14.33 ▲ 14.80 4Q GDP速報値(前期比/年率) (%) 4.60 5.00 3.10 1月 シカゴ購買部協会景気指数 (ポイント) 60.70 58.80 57.80 1月 ミシガン大消費者信頼感指数確報値 (ポイント) 75.10 82.50 98.20 (%) 11.50 11.50 11.50 (%) 0.90 0.80 ▲ 0.50 (%) 2.30 0.50 0.30 12月 失業率 ◎ 106.50 4.50 新規失業保険申請件数 ◎ 109.50 ▲ 0.90 2月 GFK消費者信頼感指数 日本 109.50 0.30 ○ ◎ ▲ 6 6 0 .7 0 (ポイント) 4.82 米国 ドイツ 今回予想 (%) 4Q GDP(前期比/年率) ユーロ圏 前回 ▲ 893.52 (%) ◎ ◎ 前々回 ▲ 740.69 11月 S&Pケース・シラー住宅価格指数(前年比) 英国 米国 (単位) (10億円) 12月 耐久財受注(前月比) FOMC(~28日) 豪州 1月30日 1月 IFO企業景況感指数 ◎ ドイツ 1月29日 項目 12月 貿易収支 1月 消費者物価指数(前年比) ドイツ 12月 小売売上高(前月比) ※1月26日発表の国内の経済指標の今回予想欄(太字)は実績値を表示 ※注目度(◎:非常に注目されている、○:注目されている) 3/4 Page <米ドル円> 日 足 QJPY= 2014/08/07 - 2015/03/02 (TOK) 価格 /USD 123 122 121 120 119 118 117 116 115 114 113 112 111 110 109 108 107 106 105 104 103 102 101 100 自動 18日 2014年 8月 01日 16日 01日 2014年 9月 16日 03日 2014年 10月 17日 01日 2014年 11月 16日 01日 2014年 12月 16日 2015年 1月 02日 16日 2015年 2月 02日 米ドル円は、一目均衡表の雲の内部で揉み合っている。足下で三角持合いを形成しており、しばらく方向感が出難そ うだ。 <ユーロ円> 日 足 QEURJ PY= 2013/01/17 - 2015/06/03 (TOK) 価格 J PY 148 144 140 136 134. 01 132 128 125 124 120 116 112 108 104 100 自動 数値 J PY 60 40 20 自動 2 3 4 13 Q1 5 6 7 8 13 Q2 9 10 11 13 Q3 12 1 13 Q4 2 3 4 14 Q1 5 6 7 8 14 Q2 9 10 11 14 Q3 12 1 14 Q4 2 3 4 15 Q1 5 6 15 Q2 ユーロ円は、10月末の日銀追加緩和前の安値を更新した。200日移動平均線(赤)も下向きつつあり、下落トレンド の長期化も示唆される。目先心理的節目となる125円も視野に入るが、RSI(下段)は短期的な過熱感から「売られす ぎ」を示しており、急速なユーロ買戻しには注意したい。 日 足 QAUDJ PY= 2013/01/28 - 2015/03/31 (TOK) <豪ドル円> 価格 J PY 105 104 103 102 101 100 99 98 97 96 95 94 93 92 91 90 89 88 87 86 自動 2 3 13 Q1 4 5 6 2013年 Q2 7 8 9 2013年 Q3 10 11 12 2013年 Q4 1 2 3 2014年 Q1 4 5 6 2014年 Q2 7 8 9 2014年 Q3 10 11 12 2014年 Q4 1 2 3 2015年 Q1 豪ドル円は、一目均衡表の雲、昨年11月の直近高値(102円84銭)を起点とするレジスタンスライン等複数のレジスタ ンスに上値を抑えられ、下押しした。足下で長期サポートラインまで下落しており、同線で下支えされるかが注目される。 トムソン・ロイターが事前に書面により承認した場合を除き、トムソン・ロイターのコンテンツを再発行や再配 布すること (フレーミングまたは類似の方法による場合を含む)は、明示的に禁止されています。Thomson Reuters(トムソ ン・ロイター)およびThomson Reuters(トムソン・ロイター)のロゴは、トムソン・ロイター及びそ の関連会社の登録商標であり、商標となっています。トムソン・ロイターのその他のサービスに関する詳細を お知りになりたい場合は、トムソン・ロイターのパブリック・ウェブサイト http://www.thomsonreuters.com をご 覧ください。 ①当資料は投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資に関 する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願い申し上げます。 ②当資料は信頼できると判断した情報に基づき作成していますが、その情報の正確性、完全性を保証するもので はありません。 ③当資料の一部または全部を利用することによるいかなる損失・損害について弊行は責任を負いません。 ④ここに記載された内容の一部または全部を予告なしに変更することがありますので予めご了承ください。 4/4 Page
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