こちら - オランダ大使館

オランダ王国における地熱利用
特に冷暖房応用について
2014年3月
駐日オランダ大使館
Paul op den Brouw (科学部)
Merei Wagenaar (経済部)
オランダにおけるエネルギー政策
• 政府機関、社会共同体、NGOの間で「持続的成長を
目指したエネルギー政策に関する合意」を締結
(2013)
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再生可能エネルギー利用拡大と雇用創出
熱供給を含むスマートな固定価格買取制度
グリーン融資制度と減税による導入支援
既設施設への規制
「再生可能エネルギー政策展望2020-2030」を審議中
オランダにおける地熱利用システム
浅深度地熱利用
閉鎖型システム
掘削孔型(BTES)
BTES
200200社が参入済
NL companies
開放型システム
50政府補助金なし
mln. Market
帯水層型(ATES)
no government
subsidies
ATES
深深度地熱利用
閉鎖型システム
地下水利用の開放型システム
深深度の地熱利用
最大深度150mの地熱利用
最大深度300mの地下水利用
最大深度5,000mの地下水利用
数世帯程度の小規模が多い
中・大規模ビルに向く
2,500世帯超の大規模システム
48,000 台(掘削孔数)以上が稼
働中
2000台以上の中・大規模システム
が稼働中
11 システムが建設済み、後続
計画あり
大規模システムの例
ATESとBTESの長所
ATESシステムによる省エネ効果
ATESシステムの経済性
• 50~80%と高い省エネ・CO2排
出削減効果
• 実証済みの高信頼地熱システ
ム
• 既設地域冷暖房への統合が
可能
• 騒音、悪臭、発煙などのおそ
れがない
冷房
• 60~80%の高い省エネ(電力消費はポン
プのみ)
• ピーク電力の80~90%が削減可能
特徴
• 冷凍機が不要なため追加投資が少ない
• 冷房能力が高く、暖房温度は低い
• エネルギー効率が高く、運転コストが低い
暖房
• 20~30%の省エネ(ガス暖房との比較)
• ガス供給配管が不要
結果として
• 大規模ビル・工場・農業施設の償却は5年以内
• 冷房需要が低い住宅の償却は長め
施設内の配管ルート
環境影響調査結果
地下熱源
大学内の井戸配置
地下水
掘削風景
エインホーベン工科大学における導入評価
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32本の井戸(温熱16本、冷熱16本)
総流量は毎時2,000立米(井戸あたり125立米)
地下25~80mの水源利用
年間暖房量は15GWh
年間冷房量は13.5GWh
温水温度は15~22℃
冷水温度は4~8度
結果として一次エネルギーの59%を削減
水中ポンプと井戸先端の設置工事
取水口、水中ポンプなど
取水口、水中ポンプなど
浅深度地熱エネルギー利用
政策と法規制の経緯
1980~1990年代
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実証試験・実用化が始まる
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温排水の地上排出規制で後押し
1990年~2003年
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リスク対応ファンドによる投資不安の軽減
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長期の環境影響を評価する研究への援助
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好事例の広報による普及促進
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利用者・運転業者の技術指導
• ATESを水質管理法適用対象に
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京都議定書にオランダが調印
2003~現在
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地下への影響調査支援の強化と掘削業者の認定
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周辺住民への配慮(上水など)
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利用者、運転業者、受託業者の技術指導を強化
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BTESの法適用手続きを開始(工事業者の認定制度を含む)
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州政府の法規制、市町村の地下利用計画に組み込み
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工事認可制度と省エネ化により、好事例が増加
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三者作業部会(政府、社会共同体、NGO)発足、合意内容を2013年の法改正に反映
2013
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浅深度地熱利用に関する新しい法規制
– BTES建設の届出制度
– 地下利用計画との調整
– 建設業課の認定制度
– 都市計画への統合
ご質問は下記まで
(技術について) [email protected]
(政策について)[email protected]